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JPH0739155B2 - 磁性複合型制振材 - Google Patents
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JPH0739155B2 - 磁性複合型制振材 - Google Patents

磁性複合型制振材

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JPH0739155B2
JPH0739155B2 JP3155101A JP15510191A JPH0739155B2 JP H0739155 B2 JPH0739155 B2 JP H0739155B2 JP 3155101 A JP3155101 A JP 3155101A JP 15510191 A JP15510191 A JP 15510191A JP H0739155 B2 JPH0739155 B2 JP H0739155B2
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一夫 西本
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修二 伊藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動源に磁力で吸着さ
せるタイプの磁性複合型制振材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は、上記磁性複合型制振材と
して、特開平3−47750号公報に、磁性材層と拘束
材層との間に粘弾性層を設けて3層構造となし、この3
層構造の制振材を、磁性材層の磁力により振動源へ直接
吸着させるものを開示した。
【0003】上記構成の磁性複合型制振材は、磁力で振
動源へ吸着できるので、振動源への取付け作業性が良
い。また、弾性率の低い粘弾性層が、弾性率の高い磁性
材層と拘束材層との間にサンドイッチされた構造となっ
ており、振動源から発生した振動により、粘弾性層に剪
断変形(ずり変形)が起こり、主に粘弾性層で振動エネ
ルギーを剪断変形(ずり変形)により熱エネルギーに変
換し、振動を吸収する。
【0004】また、拘束材層に、磁性材層を設けた構造
の制振材を磁性材層の磁力により振動源に直接吸着させ
るものでは、磁力で振動源へ吸着できるので、振動源へ
の取付け作業性が良い。また、この場合は、振動源へ磁
力のみで吸着させることで、振動源から発生した振動に
より、振動源との界面で微少なズレが発生し、その界面
摩擦により振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、制
振性能を発揮する。
【0005】金属板のような2枚の弾性率の大きい拘束
板の間に、弾性率の小さい高分子粘弾性材(例えばゴム
等)をサンドイッチした構造で、振動によりサンドイッ
チされた高分子粘弾性材にずり変形を起こさせ、振動エ
ネルギーを熱エネルギーに変換する拘束型制振材にあっ
ては、振動源から発生した振動を効率よく弾性率の小さ
い高分子粘弾性材に伝えるには、制振材を振動源に強固
に密着させなければならない。
【0006】制振材を振動源に強固に密着させる方法と
しては、接着剤の接着力およびボルト止め等の機械的な
固定手段が一応考えられるが、仮に前述した磁性複合型
制振材を接着剤で接着させる場合、前述した界面摩擦に
よる振動吸収作用は期待できなくなるにしても、接着剤
が硬化するまで、磁力で制振材を振動源に保持させてお
くことができるので、圧着保持具を用いる必要がなく、
施工性の改善に大いに役立つ。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した磁性
複合型制振材のように、振動源に磁力により密着させ、
その密着面での界面摩擦により振動エネルギーを熱エネ
ルギーに変換して制振を行なう制振材においては、その
制振特性は、温度依存性が小さく、広い温度範囲で一定
の性能が得られる特徴をもっているが、制振特性の指標
である損失係数の絶対値は、前述した一般の拘束型制振
材のピーク値より小さい。
【0008】一般の拘束型制振材は、高分子粘弾性材の
ガラス転移点付近で損失係数のピークをもっているが、
仮にそのピーク近辺の比較的狭い温度範囲で使用する場
合、前記磁性複合型制振材は一般の拘束型制振材に比べ
て損失係数が小さいので、不利である。しかし、高分子
粘弾性材のずり変形を利用し、振動エネルギーを熱エネ
ルギーに変換して制振を行なう拘束型制振材では、高分
子粘弾性材のガラス転移点付近以外では制振性能(損失
係数)が急激に低下するをみると、前記磁性複合型制振
材の方が、損失係数の絶対値は大きくないものの、広い
温度範囲で一定の性能が得られる点で有利である。
【0009】
【発明の目的】本発明は、磁性複合型制振材に拘束型制
振材の特性を具備させ新規な磁性複合型制振材を提供す
ることを主なる目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、磁性高分子粘弾性シートを接着剤により拘
束板に接着して構成する磁性複合型制振材において、前
記磁性高分子粘弾性シートがゴム・エラストマー、粘着
性樹脂、可塑剤、磁性粉等からなる組成物であって、前
記シート中の粘着性樹脂および可塑剤がゴム・エラスト
マー100重量部に対してそれぞれ30〜90重量部、
5〜100重量部であり、シート中の磁性粉がシート全
重量に対し50〜95重量%であり、前記接着剤の硬化
後の弾性率が前記シートの弾性率と同等またはそれ以上
であることを要旨としている。
【0011】
【作用】上記磁性複合型制振材は、その磁性高分子粘弾
性シートに粘着性樹脂が高比率で配合されていること
で、磁力と表面粘着性を有する制振材とされている。し
たがって、前記粘着性樹脂の軟化点付近の温度領域で
は、磁性高分子粘弾性シート(以下、シートと略記す
る)表面の粘着力が増加し、粘着力と磁力とで振動源に
貼り合わされることになる。この場合、シートが振動源
と拘束板とに挟持された構造となり、振動源の振動はシ
ートのずり変形により熱エネルギーに変換される。
【0012】そして、前記粘着性樹脂の軟化点以下の温
度では、前記シートは硬化し、表面の粘着性が低下す
る。また、軟化点以上の温度では粘着性樹脂が急激に可
塑化し、またその一部は粘着性樹脂のゴムに対する溶解
度が増加するため、ゴム内部に移動し、粘着性が低下す
る。これらの場合、制振材の振動源への密着は磁力によ
る吸着が主体となり、振動エネルギーは制振材と振動源
の密着面での界面摩擦により熱エネルギーに変換され
る。それがため制振特性は、粘着性樹脂の軟化点付近の
温度領域以外では、比較的一定の値を示し、粘着性樹脂
の軟化点付近の温度領域では、ピークを持つ広い温度範
囲で優れた性能が得られる。
【0013】一方、前記シートを拘束板に接着する接着
剤にあっては、その硬化後の弾性率がシートの弾性率よ
り小さいと、シートが拘束板に拘束された構造となら
ず、シートが振動に対して自由に追従してしまい、制振
性能が低下するので、接着剤の硬化後の弾性率はシート
の弾性率と同等またはそれ以上であることが必要であ
る。接着剤の弾性率がシートの弾性率より小さい場合
は、接着剤層が弾性率の大きい拘束板と前記シートにサ
ンドイッチされた構造となり、制振特性は接着剤の粘弾
性特性に依存することになる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す磁性複合型
制振材の断面図であり、図中、1は拘束板、2は接着
層、3は磁性高分子粘弾性シート、4は振動源である。
【0015】 弾性率の大きい拘束板1としては、鉄、
アルミニウム、ステンレス、銅等の金属板や、フェノー
ル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル
等のプラスチック板、または、これらプラスチックをガ
ラス繊維、カーボン繊維等の繊維で補強した繊維強化プ
ラスチック板や、スレート板、けい酸カルシウム板、セ
ッコウボード、繊維混入セメント板、セラミックス板等
の無機質系剛板を使用することができる。拘束板1の厚
さは1〜40mm、望ましくは5〜20mm程度がよ
い。また、拘束板にけい酸カルシウム板、セッコウボー
ド、繊維混入セメント板等を使用する場合にあっては、
拘束板の全面を塗料によって被覆することにより、拘束
板の吸水率を大幅に低下することができ、吸水した水の
凍結融解による拘束板の割れを防ぐことができる。その
他、塗装を行なうことにより、素材を日光(紫外線)、
雨、亜硫酸ガス、オゾン等の環境因子から保護すること
ができ、耐久性を向上することができる。拘束板を塗装
する塗材としては、油性塗料、ニトロセルロース塗料、
アルキド樹脂塗料、アミノアルキド樹脂塗料、ビニル樹
脂塗料、アクリル樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ウレタ
ン樹脂塗料、ポリエステル樹脂塗料、塩化ゴム系塗料、
無機質塗料等が使用される。
【0016】接着層2に使用する接着剤としては、その
弾性率が磁性高分子材料シートの弾性率と同等以上の剛
性が必要である。前述したように、接着剤の弾性率が磁
性高分子材料シートの弾性率より小さいと、磁性高分子
材料シートが拘束板に拘束された構造とならず、磁性高
分子材料シートが振動に対して自由に追従してしまい、
制振性能が低下する。使用する接着剤としては、エポキ
シ樹脂系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール
樹脂系、酢酸ビニル系、シアノアクリレート系、ウレタ
ン系、合成ゴム系、アクリル樹脂系等の接着剤を使用す
ることができる。
【0017】磁性高分子粘弾性シート3に使用される高
分子材料は、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジ
エンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、クロロ
プレンゴム、アクリルゴム、シリコンゴム、フッ素ゴ
ム、エピクロルヒドリンゴム、ウレタンゴム、ポリノル
ボルネンゴム、エチレンアクリルゴム等が使用される。
【0018】また、磁性高分子粘弾性シートに添加する
粘着性樹脂としては、クマロンインデン樹脂、クマロン
樹脂・ナフテン系油・フェノール樹脂・ロジン等の混合
品等のクマロン系樹脂、P−第三−ブチルフェノール・
アセチレン樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、
テルペン・フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレ
ンホルムアルデヒド樹脂、等のフェノール・テルペン系
樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、
脂肪族系炭化水素樹脂、不飽和炭化水素の重合体、水素
添加炭化水素樹脂、ポリブテン等の石油系炭化水素樹
脂、ロジンのグリセロール・エステル、水素添加ロジ
ン、水素添加ロジンのメチル・エステル高融点エステル
系樹脂、重合ロジン等のロジン誘導体を使用することが
できる。
【0019】また、磁性高分子粘弾性シートに添加する
可塑剤としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテ
ン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル、等の石
油系プロセスオイル、あまに油、なたね油、等の植物
油、ジー(2−エチルヘキシル)フタレート、ジウンデ
シル・フタレート、ジオクチル・フタレート等のフタル
酸誘導体、ジイソブチル・アジペート、ジー(2−エチ
ルヘキシル)アジペート等のアジピン酸誘導体、ジー
(2−エチルヘキシル)アゼレート等のアゼライン酸誘
導体、エポキシ誘導体、等を使用することができる。
【0020】また、磁性高分子粘弾性シートに添加する
磁性粉としては、バリウムフェライト、ストロンチウム
フェライト等のフェライトや、サマリウムコバルト系、
ネオジウム鉄ボロン系等の希土類磁石粉等を用いること
ができる。また、磁性高分子粘弾性シートに添加する配
合剤としては、加硫剤、加硫促進剤があり、ゴムの種類
により選択し、適量を配合する。また、その他、充填
剤、加工助剤、老化防止剤等を添加してもよい。
【0021】磁性高分子粘弾性シートの厚さは0.1〜
10mm、望ましくは3〜7mm程度がよい。拘束板や磁性
高分子粘弾性シートの厚さが薄いと、振動源の厚さが厚
くて振動エネルギーが大きい場合、振動エネルギーを吸
収しきれず、現実的な効果が期待できない。また、厚す
ぎると、重量の増加により脱落する可能性が生じる。磁
性高分子粘弾性シートに使用するゴムは、シート状に加
工後または同時に加硫を行なう。ゴムを架橋しないと、
温度上昇時に磁性高分子粘弾性シート全体が可塑化して
しまい、高温域で剛性を保持できず、振動源との界面で
のすべり摩擦を期待できない。
【0022】また、磁性高分子粘弾性シートに添加する
粘着性樹脂および可塑剤の添加量は、ゴム100重量部
に対して、粘着性樹脂30〜90重量部、望ましくは4
0〜70重量部程度、可塑剤は5〜100重量部、望ま
しくは10〜40重量部程度がよい。粘着性樹脂および
可塑剤の添加量が多いと、高温時の磁性高分子粘弾性シ
ートの剛性が保持できず、またシート加工性が低下す
る。また、添加量が少ないと、磁性高分子粘弾性シート
表面への移行が少なく、表面粘着性が確保できない。
【0023】また、磁性高分子粘弾性シートに添加する
磁性粉の添加量は、全配合物に対して50〜95重量
%、望ましくは70〜85重量%程度がよい。磁性高分
子粘弾性シートの磁力は磁性粉の添加量によるため、添
加量が少ないと磁力が弱く、脱落等が生じる。また添加
量が多くなりすぎると、磁性高分子粘弾性シートの加工
性が低下し、脆くなる。
【0024】磁性高分子粘弾性シートは、成型加工後に
着磁処理を行なう。着磁は、磁性高分子粘弾性シートの
片面にS極、N極が交互にならぶ片面多極着磁であり、
S極、N極間のピッチは1〜20mm、望ましくは4〜1
0mm程度がよい。着磁ピッチがこれより短い場合および
広い場合は磁性高分子粘弾性シートの吸着力が低下す
る。
【0025】実施例1 磁性高分子粘弾性シートは、表1に示す配合材料を練
り、金型を用いて成型加硫を行なうことにより、厚さ3
mmのシートに成型し、着磁器により、着磁ピッチ8mmに
て片面多極着磁を行なった。この時の磁性高分子粘弾性
シートの残留磁束密度は450ガウスであった。弾性率
の大きい拘束板としては、厚さ14mmのけい酸カルシウ
ム板を使用し、接着剤としては、一液型ウレタン系接着
剤を使用して、拘束板に磁性高分子粘弾性シートを接着
剤で貼り合わせ、接着剤が硬化するまで、0.5kgf/c
m2程度にて圧着保持を行ない制振材を得た。
【0026】
【表1】
【0027】磁性高分子粘弾性シートおよび接着剤の弾
性率(E)は、それぞれ2.3×108dyne/cm2(25
℃)、1.8×1010dyne/cm2(25℃)であった。
【0028】実施例2 磁性高分子粘弾性シートは、表2に示す配合材料を練
り、金型を用いて成型加硫を行なうことにより、厚さ3
mmのシートに成型し、着磁器により、着磁ピッチ8mmに
て片面多極着磁を行なった。この時の磁性高分子粘弾性
シートの残留磁束密度は440ガウスであった。弾性率
の大きい拘束板としては、厚さ14mmのけい酸カルシウ
ム板を使用し、接着剤としては、一液型ウレタン系接着
剤を使用して、拘束板に磁性高分子粘弾性シートを接着
剤で貼り合わせ、接着剤が硬化するまで、0.5kgf/c
m2程度にて圧着保持を行ない制振材を得た。
【0029】
【表2】
【0030】磁性高分子粘弾性シートおよび接着剤の弾
性率(E)は、それぞれ8.9×108dyne/cm2(25
℃)、1.8×1010dyne/cm2(25℃)であった。
【0031】実施例3および実施例4 磁性高分子粘弾性シートとして、実施例1に示したシー
トを用い、接着剤および拘束板については、表3に示し
た材料を使用し、それぞれ制振材を作成した。
【0032】
【表3】
【0033】なお、拘束板にそれぞれの接着剤で磁性高
分子粘弾性シートを貼り合わせる時は、接着剤が硬化す
るまで0.5kgf/cm2程度で圧着保持を行なった。実施
例3で作成した制振材の残留磁束密度は450ガウス、
磁性高分子粘弾性シートおよび接着剤の弾性率(E)
は、それぞれ2.3×108dyne/cm2(25℃)、1.
8×1010dyne/cm2(25℃)であった。また、実施
例4で作成した制振材の残留磁束密度は450ガウス、
磁性高分子粘弾性シートおよび接着剤の弾性率(E)
は、それぞれ2.3×108dyne/cm2(25℃)、8.
0×109dyne/cm2(25℃)であった。次に比較のた
め、以下の制振材を作成した。
【0034】比較例1 磁性高分子粘弾性シートは、表4に示すように、粘着性
樹脂および可塑剤を添加しない配合材料を使用し、金型
を用い成型加硫を行なうことにより、厚さ3mmのシート
に成型し、着磁器により着磁ピッチ8mmにて片面多極着
磁を行ない、粘着力の低い磁性高分子粘弾性シートを作
成した。この時の磁性高分子粘弾性シートの残留磁束密
度は490ガウスであった。次に拘束板として用いた厚
さ14mmのけい酸カルシウム板に一液型ウレタン系接着
剤を使用して、前記磁性高分子粘弾性シートを貼り合わ
せ、接着剤が硬化するまで0.5kgf/cm2程度にて圧着
保持を行ない制振材を得た。
【0035】
【表4】
【0036】磁性高分子粘弾性シートおよび接着剤の弾
性率(E)は、それぞれ1.7×109dyne/cm2(25
℃)、1.8×1010dyne/cm2(25℃)であった。
【0037】比較例2 実施例1で使用した磁性高分子粘弾性シートを用いる。
その他、拘束板、接着剤等は使用せず、磁性高分子粘弾
性シートを振動源にシートの吸着力のみで吸着させるこ
とにより制振効果を確認した。
【0038】比較例3 実施例1で作成した制振材を一液ウレタン系接着剤を用
いて振動源に接着した状態で制振効果を確認した。制振
材を振動源に貼り合わせる時は、接着剤が硬化するま
で、0.5kgf/cm2程度にて圧着保持を行なった。次に
前記各実施例および比較例により作成した制振材につい
て、制振性能試験を行なった。
【0039】制振性能試験 厚さ3mmの鉄板から長方形のベース板(この板が振動源
となる)を作り、そこに同寸法の前記実施例または比較
例で作成した制振材を、それぞれの方法で貼り合わせ、
ベース板の中心部を動電加振器で加振し、その間に挿入
してあるインピーダンスヘッドにより力と振動加速度を
計測しながら、加振周波数を変化させ、加振点の機械イ
ンピーダンスを計算し、共振曲線から損失係数(振動が
どの程度速く減衰するかを示す値)を算出する装置(機
械インピーダンス法)を使用する。前記各実施例および
比較例について、損失係数測定結果を図2および図3に
示す。
【0040】前記実施例および比較例の制振材の損失係
数測定結果より、以下のことが判る。 (1)磁性高分子粘弾性シート単体で振動源に貼った場
合(比較例2)では、拘束板を接着した本発明の磁性複
合型制振材(実施例1)に比べ、損失係数値が著しく小
さく、制振性能が低いことが判る。 (2)磁性高分子粘弾性シートに粘着性樹脂可塑剤を添
加せず、粘着力が低下している制振材(比較例1)は、
制振材と振動源との界面でのすべり摩擦による制振が主
体となるため、制振特性は比較的低いところで一定の値
となる。 (3)磁性複合型制振材を接着剤で振動源に接着した場
合(比較例3)では、振動源と制振材との界面での微小
なずれが起きず、磁性高分子粘弾性シートは拘束板と振
動源に拘束された構造となり、制振特性は温度依存性が
大きく、磁性高分子粘弾性シートの転移領域付近の温度
でピークを持つ。そのため、制振性能は磁性高分子粘弾
性シートの転移領域付近の温度域では良好となるが、そ
れ以外の温度域では急激に低下する。 (4)本発明の制振材(実施例1〜4)では、磁性高分
子粘弾性シートの表面に粘着性樹脂が移行し、粘着性樹
脂の軟化点付近の温度領域では、ゴム表面の粘着性が増
大し、磁性高分子粘弾性シートが拘束板と振動源とに拘
束された構造となる。また、粘着性樹脂の軟化点以外の
温度の場合、低温では硬化して粘着性が急激に低下し、
高温では可塑化して粘着性が低下するため、振動源と制
振材界面での微小なすべりが起こりやすくなる。このた
め、制振特性は、ある温度域にピークを持ちながらも広
い温度で一定の性能を確保した優れたものとなる。ま
た、制振性能のピーク温度は、粘着性樹脂、可塑剤、お
よびゴムの種類により調整することが可能である。ま
た、振動源の振動エネルギーが大きい場合には、制振材
の厚さを、厚くすることで、実用的な効果が期待でき
る。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
磁性複合型制振材を構成している磁性高分子粘弾性シー
トは磁力による吸着力を保持するだけでなく、表面粘着
性を具備しているので、磁力と粘着力の双方の相乗効果
により、広い温度範囲において良好な制振性能を発揮す
る磁性複合型制振材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す磁性複合型制振材の断
面図である。
【図2】実施例および比較例の制振性能を示すグラフで
ある。
【図3】実施例および比較例の制振性能を示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 拘束板 2 接着剤層 3 磁性高分子粘弾性シート 4 振動源
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 25/04 27/18 H 8413−4F C08L 33/04 LHV LJA F16F 15/02 Q 9138−3J (72)発明者 西本 一夫 神奈川県横浜市戸塚区上柏尾町135番1 (72)発明者 丹羽 隆弘 神奈川県横浜市戸塚区平戸3−6−10 平 和台社宅306 (72)発明者 伊藤 修二 埼玉県新座市東北2−22−2 赤塚マンシ ョン104号 (56)参考文献 特開 昭63−97998(JP,A) 特開 平3−47750(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性高分子粘弾性シートを接着剤により
    拘束板に接着して構成する磁性複合型制振材において、
    前記磁性高分子粘弾性シートがゴム・エラストマー、粘
    着性樹脂、可塑剤、磁性粉等からなる組成物であって、
    前記シート中の粘着性樹脂および可塑剤がゴム・エラス
    トマー100重量部に対してそれぞれ30〜90重量
    部、5〜100重量部であり、シート中の磁性粉がシー
    ト全重量に対し50〜95重量%であり、前記接着剤の
    硬化後の弾性率が前記シートの弾性率と同等またはそれ
    以上であることを特徴とする磁性複合型制振材。
  2. 【請求項2】 前記磁性高分子粘弾性シートの厚さが
    0.1〜10mmであり、ゴム・エラストマーがアクリ
    ルゴムであり、前記拘束板が厚さ1〜40mmのけい酸
    カルシウム板またはスレート板である請求項1に記載の
    磁性複合型制振材。
  3. 【請求項3】 前記拘束板の全表面が塗材によって被覆
    されている請求項1または請求項2に記載の磁性複合型
    制振材。
JP3155101A 1991-05-31 1991-05-31 磁性複合型制振材 Expired - Fee Related JPH0739155B2 (ja)

Priority Applications (5)

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