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JPH0739265B2 - アンチスキッドブレーキング方法 - Google Patents
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JPH0739265B2 - アンチスキッドブレーキング方法 - Google Patents

アンチスキッドブレーキング方法

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JPH0739265B2
JPH0739265B2 JP18800689A JP18800689A JPH0739265B2 JP H0739265 B2 JPH0739265 B2 JP H0739265B2 JP 18800689 A JP18800689 A JP 18800689A JP 18800689 A JP18800689 A JP 18800689A JP H0739265 B2 JPH0739265 B2 JP H0739265B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、自動車のブレーキング装置に好適に適用さ
れるアンチスキッドブレーキング方法に関する。
(従来の技術及びその解決すべき課題) 雨水で濡れた走行路等の低μ路における制動時に、車輪
のスリップを防止したり、操縦安定性を確保し、短い制
動距離で車両を停止させることの出来るアンチスキッド
ブレーキング方法が知られている。このブレーキング方
法は、各車輪の回転速度を検出してそれぞれの車輪速VW
を求め、車輪速と車体速VREFとの偏差(スリップ量)Δ
V(=VREF−VW)に基づいて各車輪のスリップ率Sを求
め、このスリップ率Sが、車輪の摩擦係数が最大となる
最適スリップ率近傍に保持されるように各車輪のブレー
キ圧を増減圧制御するものである。
ところで、ブレーキ圧を増減圧制御する場合、通常、ス
リップ量と増減圧量の関係を予め求めてテーブルないし
はマップとして記憶しておき、上述のようにして求めた
スリップ量ΔVに応じた増減圧量を、テーブルないしは
マップから読み出すようにするのが一般的である。そし
て、ブレーキング直後に、ブレーキ圧の減圧量が所定値
以上に設定されたときに初めてブレーキ圧の増減圧制御
を開始するようにして、不用意に増減圧制御が開始され
ないようにし、一旦増減圧制御が開始されると、所定の
終了条件が成立するまでこの増減圧制御を継続するよう
にしている。
一方、上述のスリップ率Sは次式で演算される。
S=ΔV/VREF この演算式から明白なように、同じスリップ量ΔVであ
っても車体速VREFが異なるとスリップ率Sが異なった値
に演算される。従って、上述の予め設定されたテーブル
ないしはマップを用いてブレーキ圧の増減圧量を設定す
る場合には、このテーブルないしはマップを用いても、
最適スリップ率が得られるように、スリップ量ΔVに補
正を加えるようにしている。
この補正は、基準速度より車体速が遅い場合にはスリッ
プ量ΔVに負の補正量を減じる、即ち、スリップ量ΔV
が大となる補正を加えることになる。車体速の低速側で
補正量を大きくすると、即ち、スリップ率Sをその車体
速での最適値に近づけると、制動が滑らかになり、大き
な制動力が得られるという利点があが、低速域は、車輪
の振動により車輪速の測定誤差が大きくなる領域であ
り、僅かな測定誤差によりスリップ量ΔVが大きな値に
設定されると、ブレーキ圧の増減圧制御が不要に開始さ
れてしまうという不都合が生じる。また、凹凸の激しい
悪路においても車輪速の測定誤差が大きく、スリップ量
ΔVが実際より大きい値に演算されて、ブレーキ圧の減
圧制御が多発し、所謂、G抜け(ブレーキが効かない状
態)を引き起こし、運転者に空走感ないしは不安感を与
える。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもの
で、不要なブレーキ圧の増減圧制御が頻繁に実行される
ことなく、しかも、低速時にも滑らかな制動ができ、し
かも大きな制動力がえられ、更に、凹凸の激しい悪路で
あっても、所謂、G抜けが生じることのないアンチスキ
ッドブレーキング方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上述の目的を達成するために本発明に依れば、車輪速お
よび車体速を検出し、検出した車輪速と車体速の偏差か
ら車輪のスリップ量を演算し、この演算したスリップ量
を車体速に応じて補正し、補正したスリップ量に応じて
ブレーキ圧の増減圧量を演算し、演算した増減圧量だけ
ブレーキ圧を増減圧制御するアンチスキッドブレーキン
グ方法において、ブレーキング開始直後に、減圧すべき
ブレーキ圧量が所定値以上の値に設定されたとき、ブレ
ーキ圧の増減圧制御を開始すると共に、該増減圧制御が
開始されない内は、前記スリップ量の補正を禁止するこ
とを特徴とするアンチスキッドブレーキング方法が提供
される。
また、必要に応じ、路面の悪路状態を検出して、悪路が
検出されたとき、前記スリップ量の補正を禁止するのが
好ましい。
(作用) 本発明方法に依れば、増減圧制御が開始されない内は、
スリップ量の補正が禁止される。従って、低速時、且
つ、増減圧制御開始前に求められたスリップ量は、補正
が行われない分だけ小さい値に放置されることになり、
このスリップ量に対応して設定される減圧量も前記所定
値より小さい値に設定される場合が多いので、ブレーキ
圧の増減圧制御が不要に開始されることがなくなる。
また、悪路を検出した場合にも、必要に応じてスリップ
量の補正を禁止するようにすれば、その分スリップ量が
小さい値に設定されることになり、ブレーキ圧の減圧制
御の実行が減じる。
(実施例) 以下本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
先ず、本発明方法が実施されるアンチスキッドブレーキ
装置の構成を第1図および第2図を参照して説明する。
アンチスキッドブレーキ装置の油圧回路 第1図は、アンチスキッドブレーキ装置の油圧回路図で
あり、駆動輪である前輪1L,1R、及び非駆動輪である後
輪1L,2Rにはそれぞれドラムないしはデスクブレーキ3
〜6が取り付けられており、各ブレーキのホイールシリ
ンダ3a〜6aに供給されるブレーキ圧を制御することによ
りブレーキ力が調整される。
ホイールシリンダ3a〜6aへのブレーキ圧の供給は、所謂
ダイアゴナルスプリット方式が採用され、マスタシリン
ダ10から2系統の油圧回路12,14を介して左前輪1Lと右
後輪2R、及び右前輪1Rと左後輪2Lがそれぞれ別々に行わ
れる。
油圧回路12は油路12a及び12bに分岐し、左前輪のホイー
ルシリンダ3aに向かう油路12a、及び右後輪のホイール
シリンダ6aに向かう油路12bの各途中には油圧制御弁16,
20がそれぞれ配設されている。一方、油圧回路14は油路
14a及び14bに分岐し、右前輪のホイールシリンダ4aに向
かう油路14a、及び左後輪のホイールシリンダ5aに向か
う油路14bの各途中には油圧制御弁18,22がそれぞれ配設
されている。また、油路12b及び油路14bの、油圧制御弁
よりマスタシリンダ10側にはプロポーショニングバルブ
(PV)24,26がそれぞれ配設されている。このプロポー
ショニングバルブ24,26は、マスタシリンダ10で発生し
たブレーキ圧を高圧領域においてフロントブレーキ圧に
対し、リアブレーキ圧を一定の減少率を保ちながら増加
させる機能をもち、アンチスキッドブレーキ装置に異常
が発生し、通常のブレーキ操作を行った場合の車両の尻
振りを防止するものである。
油圧制御弁16は、第2A図にその詳細を示すように、ピス
トン室16aに摺動自在に嵌装されたエキスパンダピスト
ン161、バルブ室16bに収容された2つのカットオフバル
ブ162,163等から構成され、ピストン室16aには、エキス
パンダピストン161の一端面により区画され、ポート16c
が開口する圧力室165が形成されている。また、バルブ
室16bにはピストン状のカットオフバルブ162が摺動自在
に嵌装され、このバルブ162の一端面により区画され、
ポート16dが開口する圧力室166が形成されている。
カットオフバルブ162は、その他端面がピストン室16aに
突出可能に形成されおり、また、その内部にカットオフ
バルブ163を収容し、上記他端面に開口するバルブ室162
aが形成されている。カットオフバルブ162の外周壁の、
圧力室166側の一半部がバルブ室16bの内周壁に液密に摺
接し、エキスパンダピストン161側の他半部は、前記一
半部より小径に形成され、パルブ室16bの内周壁間に油
路167を形成している。この油路167はポート16e及油路1
2aを介してマスタシリンダ10と常時接続されている。そ
して、後述するように、カットオフバルブ162の他端面
とエキスパンダピストン161の他端面とが当接し、エキ
スパンダピストン161が圧力室166の油圧に対抗してカッ
トオフバルブ162の突出端面をバルブ室16b側に押し戻す
と、カットオフバルブ162が開弁されて、ポート16eが油
路167を介してピストン室16a側に設けられたポート16f
に連通する。このポート16fはホイールシリンダ3aと接
続されているので、これによりマスタシリンダ10側とホ
イールシリンダ3a側とが連通することになる。
バルブ室162aに収容されるカットオフバルブ163は常時
ばね164により閉弁方向に付勢されており、カットオフ
バルブ163の閉弁状態において、一体に形成されたロッ
ド163aをピストン室16a側に突出させ、この突出量は、
カットオフバルブ162の他端面の突出量より大きい。油
路167は、カットオフバルブ162の周壁に穿設された孔を
介してバルブ室162aと連通している。後述するように圧
力室165の油圧が増加してエキスパンダピストン16aがロ
ッド163aをバルブ室16b側に押し下げるとき、カットオ
フバルブ163が開弁して、ポート16eは、油路167、バル
ブ室162を介してポート16fに連通し、マスタシリンダ10
側とホイールシリンダ3b側とが連通されるようになって
いる。
他の油圧制御弁18,20,22も油圧制御弁16と同様に構成さ
れるので、その詳細な説明は省略する。
第1図に戻り、フロント側の各油圧制御弁16,18の圧力
室165,185はそれぞれ電磁弁30,32を介してリザーブタン
ク36に接続されると共に、電磁弁40,42を介してアキュ
ムレータ46に接続されている。一方、リヤ側の各油圧制
御弁20,22の圧力室205,225は共通の電磁弁34を介して上
記リザーブタンク36に接続されると共に、これも共通の
電磁弁44を介してアキュムレータ46に接続されている。
アキュムレータ46は、各油圧制御弁の油圧室162,182,20
2,222に直接接続されており、このアキュムレータ46か
ら常時高圧の液圧(例えば、200〜220kg/cm2)が供給さ
れている。この液圧はポンプ47により発生させたもので
あり、アンチスキッドブレーキ制御に必要な圧力が常時
蓄えられる。そして、ポンプ47はモータ48による駆動さ
れ、モータ48は電子制御装置(ECU)50の出力側に電気
的に接続されている。
電子制御装置50の入力側には、アキュムレータ46内に蓄
圧された液圧を検出する液圧センサ56が電気的に接続さ
れており、電子制御装置50は、アキュムレータ48内の液
圧を液圧センサ56により監視して、アキュムレータ48内
の液圧が制御に必要な圧力の下限許容値を下回るとモー
タ48をオンとし、上限許容値を超えるとオフにして上述
した液圧を維持するようにしている。
なお、各油圧制御弁(16)の圧力室(165)にアキュム
レータ46の液圧を供給する側の電磁弁(40)は、電子制
御装置50からオン信号が供給されると、そのバルブを閉
じ、アキュムレータ46と圧力室(165)間の通路を遮断
する。一方、当該電磁弁(40)がオフのときにはスプリ
ングによりそのバルブは閉じる方向に動くが、アキュム
レータ46の液圧が高いのでバネ力に打ち勝ってバルブは
開かれる。
一方、リザーブタンク36に液圧を排除する側の電磁弁
(30)は、電子制御装置50からオン信号が供給される
と、そのバルブが開き、リザーブタンク36と圧力室(16
5)間の通路が開成され、圧力室(165)の液圧はリザー
ブタンク36側に排出される。一方、当該電磁弁(30)に
通電されない場合には、スプリングによりそのバルブは
閉じられ、リザーブタンク36と圧力室(165)間の通路
は遮断される。この場合、通路のアキュムレータ圧では
スプリング力に打ち勝って通路を開くことができないよ
うに構成されている。
電子制御装置50の入力側には、上述のセンサ以外にも各
車輪の車輪速を検出する車輪速センサ52〜55、ブレーキ
ペタルの踏み込みを検出するブレーキスイッチ58等が電
気的に接続され、出力側には電磁弁30〜44等が電気的に
接続されている。
油圧制御弁の作動 次に、前述の油圧制御弁の作動を説明する。なお、各油
圧制御弁の作動は、実質的に同じであるので第2A図ない
し第2D図を参照して左前車輪1Lに対する油圧制御弁16の
作動についてのみ説明することにして、他は省略する。
第2A図は、電子制御装置50から電磁弁30及び40への通電
がなく、アンチスキッドブレーキ装置が非作動の場合の
油圧制御弁の状態を示すものである。
各電磁弁30,40は、電子制御装置50からの通電がないの
で、ばね力により閉じている。しかしながら、アキュム
レータ46内には高い液圧が蓄えられているため、アキュ
ムレータ圧は電磁弁40のバルブを押し開いて圧力室165
に入り、エキスパンダピストン161を図示下方に押し下
げる。一方、アキュムレータ46の液圧は、ポート16dを
介して圧力室166にも供給され、カットオフバルブ163と
共にカットオフバルブ162を上方に押し上げる。しかし
ながら、エキスパンダピストン161とカットオフバルブ1
62の受圧面積が異なるためにエキスパンダピストン161
はピストン室16aに突出しているカットオフバルブ162の
他端面及びカットオフバルブ163のロッド163aを押しさ
げ、これらのバルブを開弁させる。このため、ブレーキ
ペタル10aを踏むと、マスタシリンダ10の液圧は、ポー
ト16e→油路167→ポート16fの経路、及びポート16e→バ
ルブ室162a→ポート16fの経路を介してホイールシリン
ダ3aに達し、ブレーキが作動する。なお、ブレーキペタ
ル10aを開放すると、マスタシリンダ10内の液圧が低下
するため、ホイールシリンダ圧はマスタシリンダ10の図
示しないリターンポートを経てリザーブタンクに戻る。
第2B図は、アンチスキッドブレーキ装置が作動してホイ
ールシリンダ3aの液圧が減少する場合の油圧制御弁の状
態を示すものである。
ブレーキ作用によりホイールシリンダ3aへの液圧が上昇
すると車輪速が低下していく。電子制御装置50が車輪速
センサ52の信号により車輪1Lがロックしそうになると判
断した場合、液圧を減少させる信号、即ち、オン信号を
電磁弁30,40に出力する。これにより、電磁弁40は閉じ
てアキュムレータ圧を遮断し、電磁弁30はそのバルブを
開き、リザーブタンク36への油路を開放する。このた
め、カットオフバルブ162はアキュムレータ圧で、カッ
トオフバルブ163はマスタシリンダ圧及びばね164により
閉じられ、マスタシリンダ10とホイールシリンダ3a間を
遮断する。これにより、ホイールシリンダ圧はエキスパ
ンダピストン161を上方に押し減圧する。なお、今まで
エキスパンダピストン161に作用している液圧は、ホイ
ールシリンダ圧に応じてコントロールされ、ポート16c
から電磁弁30を介してリザーブタンク36にもどされる 第2C図は、アンチスキッドブレーキ装置の作動時のホイ
ールシリンダ3aの液圧が保持される場合の油圧制御弁の
状態を示すものである。
ホイールシリンダ3a内の液圧が最適な値まで減圧される
と、電子制御装置50は電磁弁30への通電を停止し、電磁
弁30を閉じる。これにより、エキスパンダピストン161
の両端面に作用する液圧がバランスし、ホイールシリン
ダ圧が保持される。
第2D図は、アンチスキッドブレーキ装置の作動時のホイ
ールシリンダ3aの液圧が増圧される場合の油圧制御弁の
状態を示すものである。
電子制御装置50がホイールシリンダ3aの液圧の増圧が必
要と判断した場合、電磁弁40への通電を停止し、電磁弁
40をアキュムレータ46の液圧で押し開き、圧力室165の
圧力を高める。これにより、エキスパンダピストン161
は下方に移動し、ピストン室16aの作動油を押し出して
ホイールシリンダ圧を高める。なお、エキスパンダピス
トン161がピストン室16aの最下端まで移動すると、第2A
図の状態に戻り、カットオフバルブ162及び163が開弁さ
れ、マスタシリンダ10とホイールシリンダ3aが連通され
て、通常のブレーキ(アンチスキッドブレーキ装置の非
作動状態)に戻る。
ブレーキ圧増減圧制御方法 次に、電子制御装置50によるアンチスキッドブレーキ装
置のブレーキ圧増減圧制御方法を、第3図に示すABSメ
インフローチャートを参照にして詳細に説明する。な
お、電子制御装置50は、このフローチャートに示される
プログラムを所定周期(例えば、8msec毎)で実行す
る。
車輪速VW及び車輪加速度GVWの演算 先ず、電子制御装置50は、各車輪に取り付けられた車輪
速センサ52〜55からの入力信号に基づき、各車輪の車輪
速VW及び各車輪の加減速度GVWを演算する(ステップS
1)。
各車輪速センサは、例えば、外周に等間隔に多数の突起
を有し、車輪と伴に回転する歯車状の回転円板と、この
円板の突起に対向し、固定側に取り付けられたピックア
ップコイルとから構成されるもので、ピックアップコイ
ルが突起を検出する毎にパルス信号を電子制御装置50に
供給する。電子制御装置50はこのパルス信号の発生時間
間隔から車輪の角速度を演算し、これに車輪半径を乗算
することにより車輪速VWを演算する。演算した車輪速VW
は電子制御装置50の図示しない記憶装置に記憶される。
そして、今回演算した車輪速VWnと前回演算した車輪速V
Wn-1とから車輪加速度GVW(=VWn−VWn-1)が演算され
る。
基準車体速の演算 次に、電子制御装置50は、ステップS2に進み、基準車体
速VREFを演算する。この演算の詳細は第4A図ないし第4C
図に示され、これを該5A図及び第5B図を参照しながら説
明する。電子制御装置50は先ず、アンチスキッドブレー
キ制御(ABS制御)中か否かを判別する(ステップS20
1)。このABS制御は、後述する基準車体速VREFが所定値
(例えば、10km/h)以上、且つ、減圧指令値ΔPが所定
値(例えば、−3.1kg/cm2)以下に設定されたときに、
これを制御開始条件として初めて開始され、一旦ABS制
御が開始されると所定の制御終了条件が成立するまで継
続されるものである。
ABS制御中でないと判別されると(判別結果が否定
(N)の場合)、リア側の車輪速センサ54または55によ
り検出される車輪速の内、低い方の車輪速を基準車体速
演算のために選択した車速(基準車輪速)SVWとする。
駆動輪であれば、車輪がスリップして実際の車体速より
高めに検出される虞があるが、実施例の場合、後輪は非
駆動輪であり、上述のような虞はない。しかしながら、
選択した基準車輪速SVWが4輪中最も低い値である場合
には、その車輪の突起乗り越し等による検出誤差が考え
られるので、ステップS203において選択した車速SVWが
4輪中最低か否かを判別し、最低でなければ後述するス
テップS208に進み、最低であれば、選択した基準車輪速
SVWを、リア側の車体速センサ54及び55により検出され
る車体速の平均値に置き換え(ステップS204)、ステッ
プS208に進む。
ステップS201において、ABS制御中であると判別された
場合(肯定(Y)と判別された場合)には、4輪中上か
ら2番目の車速を基準車体速演算のために選択した基準
車体速SVWとする。ABS制御中であると、車輪がブレーキ
操作によりロック傾向にあり、低い側の車速を選択する
と演算される基準車体速VREFは、実際の車体速より大幅
に小さい値になり、このような基準車体速VREFを使用し
てブレーキ圧を増減圧制御すると、車輪が更にロックさ
れてしまう虞がある。そこで、検出誤差も考慮して上か
ら2番目の車速を選択するのである。
次いで、選択された基準車輪速SVWのフィルタリング処
理、基準車輪加速度、路面μ値の演算を行う(ステップ
S208)。選択された基準車輪速SVWにはノイズ成分が含
まれるので、これを排除する必要があり、実際には次式
(R1)によりフィルタリング処理される。
FSVW=FSVW+K1(FSVW−SVW) ……(R1) ここに、FSVWは基準車輪速の時間平均値、K1は1.0より
小さい定数である。
このようにして求めた基準車輪速FSVWの今回値(FSVW
n)と前回値(FSVWn-1)とから、次式(R2)により基準
車輪加速度GSVWを算出する。
GSVW=FSVWn−FSVWn-1 ……(R2) そして、演算した加速度GSVWから次式(R3)により推定
路面μを演算する。
MU1=MU1+K2(MU1−GSVW) ……(R3) ここに、MU1は推定路面μ値であり、K2は前述の定数K1
より小さい定数である。なお、ABS制御開始時のMU1の初
期値としては、代表的な高μ路に対応する所定値に設定
されている。
なお、本実施例においては路面μは車輪速センサが検出
する基準車輪速SVWを用いて演算したが、Gセンサを別
途設けて、このGセンサが検出する車体加速度から演算
するようにしてもよい。
基準車輪速の加速度GSVW等の演算が終了すると、電子制
御装置50は再度ABS制御中か否かを判別する(ステップS
210)。ブレーキペタル10aを踏み込んだ直後(第5A図の
t1時点以前)には未だブレーキ圧の減圧制御が開始され
ていないので、判別結果は否定となり、第4C図に示すス
テップS230に進む。このステップS230ではフラグFGHが
セットされているか否かを判別する。
このフラグFGHは、高μ路用基準車体速の演算を指令す
るプログラム制御用フラグであり、このフラグが未だセ
ットされていない場合にはステップS232に進み、前述し
た基準車輪加速度GSVWが所定値XG2(例えば、−1.4g)
より大であるか否かを判別する。大である場合、即ち、
車輪速の減速度が第1の所定値より小の場合、基準車体
速VREFを基準車輪速FSVWに等しい値に設定すると共に、
フラグFGHをクリアして(ステップS234)、当該ルーチ
ンを終了する。
なお、減速時の基準車体加速度の最小値は、理論上−1.
0gであるが、基準車体速の検出精度や、高μ路における
タイヤの粘着性を考慮に入れると理論値を下回る(−1.
0gより小さい値になる)ことがあるので、所定値XG2
しては、上述の例示値のように−1.0gより小さい値(−
1.4g)に設定するのが好ましい。
ステップS232において、基準車輪加速度GSVW所定値XG2
より小である場合(第5A図のt1時点)、即ち、車輪速の
減速度が第1の所定値より大の場合、ステップS236に進
み、フラグFGHをセットすると共に、タイマ変数であるT
Mを値0にリセットしてステップS238に進む。ステップS
238では、タイマ変数TMが所定値XTM(例えば、80msecに
相当する値)より大きいか否かを判別し、上述のt1時点
から上記所定値XTMに対応する所定時間が経過したか否
かを判別する。そして、所定時間が経過していなければ
ステップS240をスキップしてステップS242に進む。
ステップS242では、基準車体速VREFを次式(R4)により
演算する。
VREF=VREF−C2×Δt ……(R4) ここに、C2は定数(例えば、1.4g)、Δtは微小時間
(ここでは、プログラム実行周期である8msecに対応す
る値)である。上式(R4)から明白なように、基準車体
速VREFは所定減速度(第2の減速度C2×Δt)で減速す
るものと予測して設定されたものである。
そして、ステップS246において、設定した基準車体速VR
EFが基準車輪速FSVWより小さいか否かを判別した後、タ
イマ変数値TMをインクリメンとして(ステップS248)、
当該ルーチンを終了する。
ABS制御が開始されると、前述したとおり、ステップS20
6が実行されて4輪中上から2番目の車速が基準車輪速S
VWとして選択され、ステップS210の判別結果が肯定とな
ってステップS212が実行される。ステップS212ではステ
ップS208で演算した予測路面μ値MU1を用いて低μ路で
あるか否か、即ち、MU1値の絶対値が所定値XMU(例え
ば、0.45g)より大であるか否かを判別する。ABS制御が
開始された直後では、演算される予測路面μ値MU1が、
高μ値である初期値に近い値であるので、ステップS212
の判別結果は否定となり、前述したステップS230以降の
ステップが繰り返し実行される。
ステップS230では、既にフラグFGHがセットされている
ので、その判別結果は肯定となり、直ちにステップS238
が実行される。そして、タイマ変数TMが所定値XTMに到
達するまで(第5A図のt1時点からt2時点間)、繰り返し
ステップS242が実行され、基準車体速VREFは所定減速度
(C2×Δt)で減速するものと予測される。
所定時間XTM(80msec)が経過した直後に実行されるス
テップS238では、その判別結果が肯定となり、ステップ
S240に進み、基準車体速VREFと基準車輪速FSVWとの偏差
が所定値XKM(例えば、4km/h)より大であるか否かを判
別する。ABS制御開始直後では路面μの予測が正確に行
うことができず、取り敢えず高μ路と仮定して基準車体
速VREFを予測したが、もし、路面μが予測した値に近い
値、即ち、高μ路であれば後述するブレーキ圧の減圧制
御による基準車輪速FSVWの回復が早く、上述の所定時間
XTM(80msec)が経過した時点では、基準車体速VREFと
基準車輪速FSVWとの偏差が所定値XKMより小である筈で
ある。従って、偏差が所定値XKMより大であるか否かを
判別することにより、路面μの大小を判別することがで
きる。
ステップS240の判別結果が肯定であれば、ステップS244
に進み、基準車体速VREFを次式(R5)により演算する。
VREF=VREF−C3×Δt ……(R5) ここに、C3は、前述の定数C2より小さい定数(例えば、
0.4g)である。従って、基準車体速VREFは、低μ路にお
いて所定減速度(第3の減速度C3×Δt)で減速するも
のと予測することになる(第5A図のt2時点からt3時点
間)。
後述するブレーキ圧の減圧制御により基準車輪速FSVWが
回復し、前述のステップS240における判別結果が否定と
なると、ステップS242が実行され、基準車体速VREFは、
再び高μ路において所定減速度(第2の減速度C2×Δ
t)で減速するものと予測される(第5A図のt3時点から
t4時点間)。
そして、ステップS242またはS244で設定された基準車体
速VREFが基準車輪速FSVWより小となると(第5A図のt4時
点)、ステップS246の判別結果が肯定となり、前述のス
テップS234を実行して基準車体速VREFを基準車輪速FSVW
と等しい値に設定し、フラグFGHをクリアして当該ルー
チンを終了する。なお、フラグFGHがクリアされると、
ステップS230の判別結果が否定、ステップSS232の判別
結果が肯定となり、ステップS234が実行されることにな
る。
次に、ブレーキングが継続され、ステップS208における
路面μの予測演算が正確に行われるようになり、ステッ
プS212において、予測された路面μ値MU1の絶対値が所
定値XMU(0.45g)より小、即ち、低μ路であると判別さ
れると、ステップS214に進み、フラグFGLがセットされ
ているか否かを判別する。このフラグFGLは、低μ路用
基準車体速の演算を指令するプログラム制御用フラグで
ある。このフラグが未だセットされていない場合には、
ステップS216に進み、基準車輪加速度GSVWが所定値XG1
(例えば、−1.0g)より大であるか否かを判別する。大
である場合、即ち、車輪速の減速度が小の場合、基準車
体速VREFを基準車輪速FSVWに等しい値に設定すると共
に、フラグFGLをクリアして(ステップS222)、当該ル
ーチンを終了する。
低μ路用の判別値XG1、高μ路の値より小さい値に設定
されており、ブレーキ圧減圧制御の開始時期を早め、車
輪のロックを未然に防止している。
ステップS216において、基準車輪加速度GSVWが所定値X
G1より小である場合(第5B図のt10時点)、即ち、車輪
速の減速度が大の場合、ステップS218に進み、フラグFG
LをセットしてステップS220に進む。ステップS220で
は、基準車体速VREFを次式(R6)により演算する。
VREF=VREF−C1×Δt ……(R6) ここに、C1は、前述の定数C2より小に設定された定数
(例えば、0.6g)である。上式(R6)から明白なよう
に、基準車体速VREFは所定減速度(C1×Δt)で減速す
るものと予測される。
そして、ステップS220において、設定した基準車体速VR
EFが基準車輪速FSVWより小さいか否かを判別して当該ル
ーチンを終了する。
このように、路面の摩擦係数が低い低μ路においては、
基準車体速VREFが、高μ路の減速度より小さい減速度
(C1×Δt)で減速しているものと予測されることにな
る(第5B図のt10時点からt11時点間)。
後述するブレーキ圧の減圧制御により基準車輪速FSVWが
回復し、基準車体速VREFが基準車輪速FSVWより小となる
と(第5B図のt11時点)、ステップS224の判別結果が肯
定となり、前述のステップS222を実行して基準車体速VR
EFを基準車輪速FSVWと等しい値に設定し、フラグFGLを
クリアして当該ルーチンを終了する。なお、フラグFGL
がクリアされると、ステップS214の判別結果が否定、ス
テップ216の判別結果が肯定となり、ステップS222が実
行されることになる。
このようにして基準車体速VREFが演算されると、第3図
に示すメインルーチンに戻り、ステップS3が実行され
る。
スリップ量ΔVの演算 ステップS3では、各車輪のスリップ量ΔVが演算され
る。第6図は、スリップ量ΔVの演算手段の詳細を示
し、電子制御装置50は、先ず、ステップS300およびS304
において、ABS制御中か否か、および悪路検出中か否か
を判別する。これらの判別は、正確なABS制御を実行し
て円滑な制動を行うためのもので、ABS制御の開始条件
は、前述した通り、基準車体速VREFが所定値(10km/h)
以上であり、且つ、減圧指令値ΔPが初めて所定値(−
3.1kg/cm2)以下の値に設定された場合であり、この制
御開始条件が成立したときに初めてABS制御が開始され
る。そして、一旦ABS制御が開始されると所定の制御終
了条件が成立するまで継続される。なお、増減圧値ΔP
は、増圧の場合には正の値に、減圧の場合には負の値に
それぞれ設定され、従って、上述の所定値は負の値に設
定されているが、減圧指令値ΔPの絶対値(減圧量)で
云えば、減圧すべきブレーキ圧量が所定値(3.1kg/c
m2)以上の値に設定されたとき、上述の制御開始条件の
一つが成立したことになる。また、悪路検出は、例え
ば、車輪加速度GVWの絶対値が所定値を越える回数を計
数し、所定値を越えた回数が所定時間内に所定値以上の
とき、路面状態が悪路であると検出するものである。従
って、車輪速の振動周期が短い程、悪路が検出される頻
度が高くなる。
ABS制御が開始されないような低車速時や、低車速時に
悪路が検出された場合には、検出される車輪速VWに大き
な検出誤差が含まれる虞があり、スリップ量の補正が却
って好ましくない場合が起こり得る。ステップS300およ
びS304では、このような虞があるか否かを判別するもの
である。
ステップS300の判別結果が否定である場合、およびステ
ップS304の判別結果が肯定の場合にステップS301に進
み、演算した基準車体速VREFが所定値XREF(例えば、60
km/h)以下であるか否かが判別される。高速時には車輪
速VWの検出誤差の影響が少ないので、後述するステップ
S306に進む。一方、基準車体速VREFが所定値XREF以下の
場合にはステップS302に進み、スリップ量補正値DDVを
値0に設定する。
一方、ABS制御中であり、且つ、悪路が検出されない場
合、ステップS306が実行され、低μ路であるか否かを判
別する。この判別は、前述したと同じ方法により判別さ
れ、低μ路でなければステップS308に進み、高μ路用テ
ーブルから基準車体速VREFに応じた補正値DDVを設定す
る。第7A図は、高μ路用補正テーブルを示し、基準車体
速VREFが60km/h以下の場合には補正値DDVは負の値に、
以上の場合には正の値に設定される。一方、低μ路であ
ればステップS310に進み、低μ路用テーブルから、基準
車体速VREFに応じた補正値DDVを読み出す。第7B図は、
低μ路用補正テーブルの基準車体速VREFと補正値DDVの
関係を示す。
電子制御装置50は上述のようにして設定した補正値DD
V、第3図のステップS1およびS2で求めた各車輪の車輪
速VWと、基準車体速VREFから次式(S1)によりスリップ
量ΔVを演算する(ステップS312)。
ΔV=VREF−VW−DDV ……(S1) なお、スリップ量ΔVは、個別の車輪について式(S1)
を用いて演算されることは勿論のことである。
第8図(a)〜(c)は、車輪速VW、スリップ量ΔV、
及びホイールシリンダ液圧Pの各時間変化を示し、車輪
速VWが基準車体速VREFと乖離し、スリップ量が増加する
と、後述するホイールシリンダの液圧Pが減圧制御さ
れ、車輪のロック状態が回避される。そして、車輪速VW
が回復するとスリップ量が減少し、再び液圧Pが増圧制
御され、車体速が低下することになる。
基本増減圧量ΔPの演算 次に、電子制御装置50は、記憶装置(図示せず)に予め
記憶されている基本増減圧マップから、上述のようにし
て演算したスリップ量ΔVおよび車輪加速度GVWに応じ
て増減圧値ΔPを読み出す(ステップS4)。
第9図は、記憶装置に記憶された基本増減圧マップのス
リップ量ΔV及び車輪加速度GVWと、これらより読み出
される増減圧量ΔPとの関係を概念的に示すグラフであ
り、増圧領域および減圧領域がそれぞれスリップ量ΔV
と車輪加速度GVWとで区画されている。実斜線で示す領
域A1およびA2は増圧領域を示し、領域A1では、例えばΔ
Pを0.5kg/cm2に設定され、領域A2では、領域A1より高
い値、例えば3.0kg/cm2に設定される。一方、破線の斜
線で示す領域D1〜D3は減圧領域を示し、領域D1では、例
えばΔPを−0.5kg/cm2に設定され、領域D2では、領域D
1より低い値、例えば−3.5kg/cm2に、領域D3では、領域
D2より更に低い値、例えば−7.0kg/cm2に設定される。
そして、斜線で示されない他の領域は保持領域であり、
この領域ではブレーキ圧を変化させないで前回値に保持
することになる。
なお、スリップ量ΔVは、前述したようにスリップ量補
正値DDVにより補正される。補正値DDVは、低基準車体速
VREF時に負の値に、高基準車体速VREF時に正の値にそれ
ぞれ設定される。従って、スリップ量ΔVは、この補正
値DDVにより、低基準車体速VREF時には、より大きい値
に、高基準車体速VREF時には、より小さい値に設定され
ることになり、第9図から明白なように、低基準車体速
VREF時に、この補正が行われることによって減圧制御が
行われ易くなる。しかしながら、低車体速の場合、ABS
非制御時および悪路が検出された時には、補正値DDVが
値0に設定される。即ち、補正値DDVによる補正が禁止
される。これにより、僅かな車輪振動により不必要なAB
S制御が行われるような不都合が解消されることにな
り、これにより、補正値DDVを大きい値に設定できるた
めに、低速時においても円滑な制動ができ、制動力も大
きくなる。また、悪路での空走感を与えること(所謂、
g抜けが生じること)がなく、円滑な制動ができる。
液圧・増減圧時間変換 増減圧値ΔPが求まると、電子制御装置50はステップS5
に進み、液圧・増減圧時間変換マップから電磁弁駆動時
間ΔTPを読み出す。
ブレーキ圧を増減圧制御する場合、前述した通り第1図
に示す電磁弁30,32,34,40,42,44をオンオフ制御するこ
とにより各ホイールシリンダに供給されるブレーキ圧の
増減を行うことになるが、増減圧値ΔPに対する電磁弁
の駆動時間ΔTPは、第10図に示すようにホイールシリン
ダに供給されている液圧により異なる。第10図は、増減
圧値ΔPおよびホイールシリンダの現在の液圧と、電磁
弁の駆動時間ΔTPとの関係を示すもので、例えば、ホイ
ールシリンダの液圧がPxであるときに、この液圧をさら
に増圧値ΔPxだけ増圧するには、これらの値を通る直線
の交点から駆動時間ΔTPx値を読み取ればよいことにな
る。即ち、第10図から明らかなように、同じ増圧値ΔPx
に対して、現在の液圧Pが高い程、駆動時間ΔTPは大と
なる。
ところで、各ホイールシリンダ3a〜6aの液圧を検出しよ
うとすると、液圧センサをそれぞれのホイールシリンダ
に取り付ける必要があり、その分、部品点数が増加する
ことになるが、本実施例ではホイールシリンダの液圧を
検出する代わりに予測した路面μ値を用いる。予測した
路面μを用いる理由について以下に説明する。
いま、ブレーキトルクTBを考えると、ブレーキトルクTB
は次式(B1)により求めることが出来る。
TB=k×P ……(B1) ここに、kは比例定数であり、Pは現在のホイールシリ
ンダの液圧である。
一方、車体減速度aから、ブレーキトルクTBを次式(B
2)により求めることも出来る。
TB=r×a×W ……(B2) ここに、rは車輪半径、Wは車両荷重である。
上式(B1)および(B2)から、液圧Pは、 P=(r×W/k)×a 表せることができるから、液圧Pは、車体減速度aに比
例することになる。一方、路面μは略車体減速度に対応
するから、液圧Pは結局路面μに比例することになる。
第11図は、本実施例に用いられる液圧・増減圧時間変換
マップを示し、路面μと増減圧値ΔPとに応じて読み出
される電磁弁駆動時間ΔTPの関係を示す。
このようにして各車輪のホイールシリンダに対する、増
減圧値ΔPに応じた電磁弁駆動時間ΔTPがそれぞれ求め
ることができ、例えば左前車輪1Lのホイールシリンダ3a
を増圧制御する場合には、第2図に示す保持状態から電
磁弁40をΔTP時間に亘ってオフにすればよく、減圧制御
する場合には、電磁弁30をΔTP時間に亘ってオンにすれ
ばよい。
電子制御装置50は、上述したように電磁弁駆動時間ΔTP
の演算が終わると、ABSメインルーチンの実行を終了す
る。
電磁弁の駆動 第12図は、電子制御装置50により実行される1msec割込
電磁弁駆動ルーチンを示し、第1図に示す各電磁弁はこ
のルーチンの実行により駆動される。なお、第12図に示
すルーチンは個々の電磁弁を特定するものでなく、実際
には電磁弁の数だけ、このルーチンに類似のルーチンが
あり、各ルーチンにより対応する電磁弁の駆動制御が行
われる。
電子制御装置50は、先ず、8msecプログラムタイマT8を
値1だけインクリメントし(ステップS500)、次いでこ
のタイマ値T8が値8に等しいか否かを判別する(ステッ
プS502)。そして、タイマ値T8が値8に等しくなければ
後述するステップS510に進み、等しいときにはタイマ値
T8を0にリセットした後(ステップS504)、ステップS5
06に進む。即ち、ステップS506の実行は、8msecに一回
の割で行われる。
ステップS506では、電磁弁駆動時間ΔTPが駆動タイマTP
の値より大きいか否かを判別する。そして、駆動時間Δ
TPがタイマ値TPより小さいとき、ステップS510に進み、
大きければ、タイマ値TPを駆動時間値ΔTPに書き換えた
後、ステップS510に進む。このように、ステップS506お
よびS508では、駆動時間ΔTPが8msecより大きい値に設
定されたとき、メインルーチンの実行周期であるmsecが
経過しても処理しきれなかった駆動時間が次回ループま
で残ることになるが、残った駆動時間はその次回ループ
で処理されることになる。このとき、新たに設定される
駆動時間ΔTPが残った駆動時間より大きい場合には、残
った駆動時間は実行されずに切り捨てられることにな
る。
ステップS510では、タイマ値TPが0であるか否かを判別
する。そして、判別結果が否定であればステップS512に
進み、当該電磁弁を駆動するオン信号を出力すると共
に、タイマ値TPを値1だけデクリメントして当該ルーチ
ンを終了する。一方、タイマ値TPが0の場合にはステッ
プS514に進み、当該電磁弁をオフにして当該ルーチンを
終了する。
なお、駆動時間ΔTPが、本実施例では1msec単位で設定
されているので、割込みルーチンも1msec毎に割込み実
行されるが、駆動時間ΔTPの設定最小単位が1msec以
下、或いはこれ以上である場合には、その最小単位の周
期で駆動ルーチンを割込み実行するようにすればよい。
(発明の効果) 以上詳述したように、本発明のアンチスキッドブレーキ
ング方法によれば、車輪速および車体速を検出し、検出
した車輪速と車体速の偏差から車輪のスリップ量を演算
し、この演算したスリップ量を車体速に応じて補正し、
補正したスリップ量に応じてブレーキ圧の増減圧量を演
算し、演算した増減圧量だけブレーキ圧を増減圧制御す
るアンチスキッドブレーキング方法において、ブレーキ
ング開始直後に、減圧すべきブレーキ圧量が所定値以上
の値に設定されたとき、ブレーキ圧の増減圧制御を開始
すると共に、該増減圧制御が開始されない内は、前記ス
リップ量の補正を禁止するようにしたので、不要なブレ
ーキ圧の増減圧制御が頻繁に実行されることなく、しか
も、低速時にも滑らかな制動ができ、しかも大きな制動
力がえられる。また、必要に応じ、路面の悪路状態を検
出して、悪路が検出されたとき、前記スリップ量の補正
を禁止するようにしたので、凹凸の激しい悪路であって
も、所謂、G抜けが生じることがない。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の一実施例を示し、第1図は、本発明方
法を実施するアンチスキッドブレーキ装置の油圧回路
図、第2A図ないし第2D図は、第1図に示す油圧制御弁16
の作動説明図、第3図は、第1図に示す電子制御装置50
により実行されるブレーキ圧増減圧制御の制御手順を示
すメインルーチンのフローチャート、第4A図ないし第4C
図は基準車体速演算ルーチンのフローチャート、第5A図
及び第5B図は、基準車輪速FSVWと基準車体速VREFの時間
変化の関係を示すグラフ、第6図は、スリップ量ΔV演
算ルーチンのフローチャート、第7A図および第7B図は、
基準車体速VREFと、これに応じて設定されるスリップ量
補正値DDVとの関係を示すグラフ、第8図(a)ないし
第8図(c)は車輪速VW、スリップ量ΔV、及びホイー
ルシリンダ液圧Pの時間変化を示すグラフ、第9図は、
基本増減圧マップからスリップ量ΔV及び車輪加速度GV
Wに応じて読み出されるブレーキ圧増減圧量ΔPの関係
を示すグラフ、第10図は、ホイールシリンダの現在の液
圧P及び増減圧量ΔPと、これらに応じて読み出される
電磁弁の駆動時間ΔTPとの関係を示すグラフ、第11図
は、路面μ及び増減圧量ΔPと、これらに応じて読み出
される電磁弁の駆動時間ΔTPとの関係を示すグラフ、第
12図は、電子制御装置50により実行され、電磁弁を駆動
制御する1msec割込みルーチンのフローチャートであ
る。 1L,1R,2L,2R……車輪、3,4,5,6……ホイールシリンダ、
10……マスタシリンダ、16,18,20,22……油圧制御弁、3
0,32,34,40,42,44……電磁弁、46……アキュムレータ、
50……電子制御装置、52,53,54,55……車輪速センサ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪速および車体速を検出し、検出した車
    輪速と車体速の偏差から車輪のスリップ量を演算し、こ
    の演算したスリップ量を車体速に応じて補正し、補正し
    たスリップ量に応じてブレーキ圧の増減圧量を演算し、
    演算した増減圧量だけブレーキ圧を増減圧制御するアン
    チスキッドブレーキング方法において、ブレーキング開
    始直後に、減圧すべきブレーキ圧量が所定値以上の値に
    設定されたとき、ブレーキ圧の増減圧制御を開始すると
    共に、該増減圧制御が開始されない内は、前記スリップ
    量の補正を禁止することを特徴とするアンチスキッドブ
    レーキング方法。
  2. 【請求項2】路面の悪路状態を検出し、悪路が検出され
    たとき、前記スリップ量の補正を禁止することを特徴と
    する請求項1記載のアンチスキッドブレーキング方法。
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