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JPH0740939B2 - 粒状澱粉から直接グルコースを生成する方法、同方法に用いる酵素製剤 - Google Patents
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JPH0740939B2 - 粒状澱粉から直接グルコースを生成する方法、同方法に用いる酵素製剤 - Google Patents

粒状澱粉から直接グルコースを生成する方法、同方法に用いる酵素製剤

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JPH0740939B2
JPH0740939B2 JP60173060A JP17306085A JPH0740939B2 JP H0740939 B2 JPH0740939 B2 JP H0740939B2 JP 60173060 A JP60173060 A JP 60173060A JP 17306085 A JP17306085 A JP 17306085A JP H0740939 B2 JPH0740939 B2 JP H0740939B2
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Description

【発明の詳細な説明】 澱粉は無水グルコース単位で縮合したグルコースから成
る高分子量ポリマーである。澱粉ポリマーの完全な加水
分解はデキストロース(グルコース)を生ずることにな
る、また澱粉はそれ自身の末端部としてあるいは、フラ
クトース及びその他の生成物を製造するための原料とし
てデキストロースを生成するのに用いられる。
澱粉は周囲温度において本質的に水に不溶な個々の顆粒
として、現実に多くの植物中に生成する。一部には不溶
性であるために、「粗」澱粉(その本来の顆粒形の澱
粉)からデキストロース溶液またはグルコースシロツプ
への営利的転換は高エネルギーを消費するプロセスであ
る。
現在用いられている営利的プロセスの第一段階では、非
ペースト状澱粉の水性スラリーを、酸または熱に安定な
酵素製剤による澱粉の糊化温度以上の温度を加熱する。
この目的は澱粉の顆粒構造を破壊し(すなわち、糊化さ
せ)、澱粉を水和させ、澱粉を部分的に加水分解するこ
とによつて、その粘性を減ずることである。このこと
は、粘性、水分除去費用及び好ましくない副生成物の形
成の釣合いを保たせるために選択した、適当な濃度で操
作するために必要である。他の方法で操作するための提
案が多くなされているが、「希釈」と呼ばれる、この第
一段階の部分的加水分解はその費用と欠点にも拘らず依
然として用いられている。
希釈の後に、澱粉は糖化型酵素グルコアミラーゼ(EC3.
2,1,3)の存在下での加水分解によつて、デキストロー
スに転化する。通常は120℃のオーダの温度における酸
による澱粉の希釈は澱粉フラグメント及び再重合生成物
を生ずるが、これらはグルコアミラーゼによる加水分解
に対して耐性であり、収率を減ずる。このような副生成
物は過を困難にし、デキストロースの結晶を妨げ、特
にクロマトグラフイ濃縮法を用いた場合には、デキスト
ロースから高フラクトースシロツプへの転化を妨げる。
着色体、ヒドロキシメチルフルフラール及びその他の分
解生成物も生成するので、これらは精製によつて除去し
なければならない。
酵素希釈(α−アミラーゼ,EC3.2.1.1による)は通常85
℃〜110℃の温度及び糖化反応に用いるpHよりも高いpH
において実施されるが、澱粉の完全な分散を保障し、次
に行う過を改良するために、120℃以上での加熱段階
も通常含まれる。酵素希釈は前記種類の好ましくない副
生成物の形成を排除しないとしても減ずる。グルコアミ
ラーゼはかなり低温の最適条件を有しているので、全て
の方法において希釈後に冷却を行うことが必要である。
1980年11月25日に発行された、Walonの米国特許第4,23
5,965号にはこれらの問題の幾つかが述べられている。
希釈プロセスの他の欠点は、pHまたは酸性度を調節する
必要があることである。広く用いられているグルコアミ
ラーゼの最適pH条件は5.0以下、最も一般的には4.0〜4.
5である。澱粉の希釈に酸を用いる場合には、pHをアル
カリによつてこのレベルにまで高めなければならない。
α−アミラーゼは5.0以上の最適pH条件を有しているの
で、pHをグルコアミラーゼの最適条件にまで下げなけれ
ばならない。いずれの場合にも、pHの変化がイオンを誘
発し、このイオンを後に除去しなければならない。
本発明は粒状澱粉の直接の転化、すなわち水性スラリー
(懸濁液)状態の粗澱粉から溶液状態のデキストロース
(グルコース)への転化を可能にするものである。この
ことは、独特の複合性質を有する新規な酵素製剤の使用
によつて達成される。この酵素製剤は、すでに発見され
同定されている多くの好熱性及び中温性の真菌類によつ
て生成される。この酵素製剤は、営利的なグルコース製
造のための充分に高い澱粉濃度での澱粉の膨潤温度以下
の温度において不溶性澱粉を直接デキストロースに転化
させる能力のために注目に値するものである。
本発明の目的は粒状澱粉を直接デキストロースに転化さ
せる酵素製剤を提供することである。
本発明の他の目的は、澱粉から直接に、中間の希釈また
は溶解化段階なしに、または澱粉のペースト化または膨
潤化を行わずにデキストロースを製造する新しい方法を
提供することである。
本発明のさらに他の目的は新しい澱粉〜グルコース転化
プロセスのエネルギー消費量を減ずることである。
本発明のさらに他の目的は新しい澱粉糖化型酵素製剤の
製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、新しい澱粉糖化型酵素を産生する
好熱性菌、特にフミコーラ(Humicola)属の菌の突然変
異体の生物学的に純粋な培養物を提供することである。
本発明は粗澱粉を溶解化し、加水分解して、主としてグ
ルコースである炭水化物組成物を製造することを意図す
るものである。この方法は、約pH8.0またはそれ以上の
等電点を有するグルコアミラーゼ酵素(EC3.2.1.3)及
び、グルコアミラーゼに協力して粒状澱粉の可溶化を触
媒する、グルコアミラーゼ強化活性を有する蛋白質物質
を含むことを特徴とする酵素混合物含有の菌発酵ブイヨ
ンの製造を含む。この酵素混合物はさらに、グルコアミ
ラーゼがカルボキシメチルセルロースゲルに付着する
が、強化物質(以下では「強化因子」と呼ぶ)はカルボ
キシメチルセルロース陽イオン交換体に吸収されないこ
とを特徴とする。この酵素製剤は、例えば水中の15%澱
粉固体懸濁液を加水分解して、加水分解を最適pHである
約5.0〜7.0のpHにおいて行つた場合に、枝切り酵素の不
在下またはαアミラーゼの添加なしに、本質的に澱粉残
渣を含まず、三糖類と高級無水グルコースポリマーの含
量が1%未満であり、乾燥固体ベースで少なくとも97%
のデキストロースを含む糖溶液を生成する能力を有す
る。
この酵素混合物は特定の菌、特にフミコーラ属の菌によ
る細胞外酵素製剤として表される。酵素混合物を単離す
るフミコーラ属の好ましい種属はフミコーラ・グリシー
・変種・サーモイデア(Humicola grisea Var.thermoid
ea)である。野生型の活性を充分に凌駕する粗澱粉加水
分解活性を有する。この種属の突然変異体が誘発されて
いる。
特に、フミコーラ・グリシー変種サーモイデアNRRL1521
9;NRRL15220;NRRL15221;NRRL15222;NRRL15223;NRRL1522
4及びNRRL15225の菌株の突然変異体の純粋な培養物が誘
発されている。これらの中で特に好ましい種属はNRRL15
219である。これらは、免疫学的に同一である酵素製剤
を製造し、単離したグルコアミラーゼ分画および強化因
子分画も対応する分画に免疫学的に適合する。
例えば少なくとも約15%の固体澱粉を含む水性懸濁液中
でα−アミラーゼまたは枝切り酵素を添加せずに粒状澱
粉を加水分解して乾燥物質ベースで95%以上のデキスト
ロースを含むシロツプを製造するために、発酵ブイヨン
の有効量を用いる。
本発明の酵素製剤中に存在するグルコアミラーゼ酵素
は、粒状澱粉から誘導される種々な中間生成物の加水分
解にも有効である。グルコアミラーゼは一般に、希簿な
澱粉加水分解物を加水分解してグルコースを生成するた
めに用いられる。本発明のグルコアミラーゼは公知のグ
ルコアミラーゼと同様な方法で、希簿な澱粉加水分解物
を加水分解してグルコースを生成する。しかし、一般に
広く用いられているグルコアミラーゼ製剤の最適pHが5.
0未満、最も一般的には4.0〜4.5であるのに比べて、本
発明のグルコアミラーゼの最適pHは5.0〜7.0の範囲であ
る。この酵素製剤のグルコアミラーゼの最適pHが高いた
めに、希簿な澱粉からグルコースへの転化プロセスに必
要なpH調節の手間が減ずる。また、酵素製剤のグルコア
ミラーゼ分画を用いると、希簿な澱粉からグルコースへ
の加水分解が終了した後のイオン除去の必要性も減ず
る。
あらゆる公知の先行技術方法では、澱粉の加水分解はグ
ルコースの溶解性中間体ポリマー,デキストリンまたは
オリゴマーの形成を通して進行する。意外なことに、本
発明の酵素製剤は、可溶性中間体または溶解したデキス
トリン様澱粉加水分解生成物を最初に生ずることなく、
通常不溶性の粒状澱粉を、溶解したグルコースに直接加
水分解する能力を有している。中間加水分解生成物が生
成した場合には、顆粒中に残留するように思われ、個溶
体中のデキストロース含量は最初実質的に100%であ
り、経時的に幾らか減少するが、非常に高い初期澱粉濃
度においてもまだ90%以上残留する。固体澱粉16%の初
期濃度では、グルコース濃度が溶解した糖類の99%以上
を占めている。典型的に固体25%においても、24時間後
にグルコース含量は97%以上であり、72時間後に澱粉の
80%以上が加水分解した後に95%に減少し、二糖(D.P.
2無水グルコースポリマー)が徐々に増加する。このこ
とは、溶解している固体のデキストロース含量が連続的
に徐々に増加し、可溶性の中間体多糖類またはオリゴ糖
類連鎖が初期に形成される先行技術の方法とは完全に異
なるものである。
本発明の酵素製剤はフミコーラ・グリシー・変種サーモ
イデアATCC16453(1982年カタログ,389頁)の菌株から
最初に単離されたものである。この有機体は、Cooneyと
Emersonによる「Thermophilic Fungi(好熱性菌類)」
(1964年、Freeman出版,サンフランシスコ)に述べら
れている。望ましい培養培地(ATCCカタログ,上記参
照)は可溶性澱粉を含むエマーリンYpSs寒天であつた
(CooneyとEmerson,13頁)。本発明の酵素は最初は、こ
の培養物をコーン浸せき液、無機塩、ペーセト状澱粉0.
1%及び、ジエチルエーテル下で一晩貯蔵することによ
つて無菌化した粒状澱粉1〜2%から成る液体培地で増
殖させることによつて得られた。ペースト状澱粉は有機
体の増殖のために実質的に最適とはいえないが、増殖を
開始させるのに充分であつた。粒状澱粉が分解している
のが認められた。
この方法で製造された酵素は先ず最初に、増殖培地1部
に対して添加イソプロパノール2部を用いて沈澱させて
分離した。この単離した酵素は粒状澱粉を急速に分解し
て、pH4.5において及び意外なことには、グリコアミラ
ーゼが一般に不活性になると考えられるpH6.0において
も主としてグルコースを生成した。粒状澱粉を含有する
培地中で産生した酵素を、ペースト状澱粉のみを含有す
る培地中で産生した酵素と比較した。後者の酵素は粒状
澱粉を約92%のデキストロースに転化させたが、前者の
酵素は96%までのデキストロースに転化させた。
澱粉をその顆粒形状からデキストロース(グルコース)
へ直接転化させるという好ましい方法は、特にグルコー
スシロツプと結晶性デキストロースの世界的に主要な原
料であるコーン(もろこし)からの澱粉に適用するため
に、多くの研究の目的であつた。最近の特許は、1975年
11月25日に発行された、Leach等の米国特許第3,922,196
号と第3,922,197号及びMarshallの1980年11月18日に発
行された米国特許第4,234,686号及び1982年3月9日に
発行された米国特許第4,318,989号である。Leach等は細
菌性αアミラーゼをグルコアミラーゼを加えてまたは加
えずに用いて、グルコアミラーゼによつてデキストロー
スに転化させることのできる可溶性の一部加水分解物を
得ている。Marshallはプルラナーゼ活性を有する酵素な
らびに分枝切断またはデキストリン化活性を有する他の
アミラーゼを用いている。
他方では、希簿な濃度において多少アカデミツクな研究
が多く行われている。次のような研究を参照することが
できる: 1)J.J.Marshallによつて編集された(1980年)Mechan
ismx of Saccharide Polymerization and Depolymeriza
tion 55〜72頁のVeda等による「Raw Starch Digestion
by Mold Glucoamylases and Debranching Enzymes」;Tr
ends in Biochemical Science(TIBS)(1981年9月)8
9〜90頁;Staerke33(1981年)313〜316頁;同誌32(198
0年)122〜125頁;同誌31(1979年)307〜314頁;同誌2
8(1976年)20〜22頁;同誌27(1975年)123〜127頁 2)Hayashida等によるAgric&Biol Chem.46,(1982
年)83〜89頁;同誌39(1975年)2093〜2099頁; 3)Marshallによる上記刊行物、73〜100頁の「Degrada
tion of Various Starch Granules by Amylases」及び
その他多くの研究者による文献. これらの文献は粒状澱粉の、多くのグルコアミラーゼ製
剤による加水分解に対する感受性を示しているが、高度
な転化は低澱粉濃度においてのみ生ずる。
グルコアミラーゼによる粒状澱粉の転化を促進するため
に用いる酵素は、例えばマルトース,マルトトリオース
及びデキストリンのような、短鎖オリゴ糖類を加水分解
中に形成することを特徴とする。最近の論文(Wankhede
等,Staerke,34(1982年)309〜312頁)は粗澱粉の消化
中のグルコアミラーゼに対するα−アミラーゼまたはプ
ルラナーゼ(EC3.2.1.41)の「強化」効果をとり挙げて
いるが、非常に希簿な懸濁液における条件下でも、60時
間内に澱粉の70%未満が転化したにすぎない。
上記TIBSの1981年のVedaのレヴューは、酵母の存在下で
粗澱粉を消化してアルコールにするためのグルコアミラ
ーゼ製剤のレヴューである。少なくとも希簿な濃度にお
いて粗澱粉消化性を有するといわれているカビから得た
グルコアミラーゼ製剤が参照されており、またフミコー
ラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)が参照され
ているが、これのグルコアミラーゼ活性には有意差が認
められていない。このレヴューはまた、グルコースとマ
ルトースが粗澱粉の消化及び粗澱粉に対する酵素の吸着
を抑制することを結論している。フミコーラ・ラヌギノ
ーサによつて製造されるグルコアミラーゼはTayler等の
研究対象であり(Carbonhydrate Research61(1978年)
301〜308頁),フミコーラ属の他の菌,すなわちフミコ
ーラ・グリシー・変種・サーモイデア及びフミコーラ・
インソレンス(H・insolens)の性質についてはEllis
が述べている(Trans.Br.Mycol.Soc.78(1982年),129
〜139頁)。好熱性菌類の幾つかの性質のレヴューは、p
H及び温度の最適条件に重点をおいて、Rosenbergによつ
てCan.J.Microbiol.21(1975年)1535〜1540頁に述べら
れている。この論文はフミコーラ属の菌に関するデータ
を含んでおり、フミコーラ・ラヌギノーサ(ATCC1645
5)がサーモマイセス・ラヌギノーサ(Thermomyces lon
uginosa)と同じものであることが認められる。これら
の論文は粒状澱粉をデキストロースに転化させるための
グルコアミラーゼの使用を開示していない。
1931年1月27日にWalonに付与された米国特許第4,247,6
37号では、フミコーラ・ラヌギノーサによつて製造され
る酵素と、タラロマイセス(Talarmyces)種菌株によつ
て製造される、この特許で特許権を請求する、この発明
の酵素との比較を行つている。この特許はサーモマイセ
ス・ラヌギノーサ有機体のグルコアミラーゼが当時の最
も熱に安定なグルコアミラーゼ製剤であるが、pH6.0,70
℃において急速に不活化されることを開示している。こ
の特許で特許権を請求する酵素の最適pHと最適温度はそ
れぞれ、4.0と75℃であると述べられており、フミコー
ラ属酵素の最適pHと最適温度はそれぞれ、6.5と65℃で
あつた。
Barbesgaard等に1984年3月6日付与された米国特許第
4,435,307号では、フミコーラ・インソレンスからのセ
ルロース酵素製剤、DSM1800が開示されている。電子顕
微鏡検査に基づいて述べているEllisによる上記刊行物
に基づくと、フミコーラ・インソレンスとフミコーラ・
グリシー変種・サーモイデアの分類学的な区別は「明確
ではない」と云われている。CooneyとEmersonはThermop
hilic Fungiの中で、色とフミコーラ・インソレンスに
は小胞子のないことによつて両者を区別している。Emer
sonの分類は、フミコーラ・グリシー変種サーモイデア
の厚壁胞子が短い側在性粉状胞子上にのみ生じ、部間胞
子としてはめつたに存在しないという観察に明らかに基
づくものである。本発明のフミコーラ・グリシー変種サ
ーモイデア真菌のテストは、末端粉状胞子と部間厚壁胞
子の両方を示し、Emersonの意見を確証した。「部間」
なる用語はカビのフイラメントすなわち菌糸内に発生す
る胞子に適用される。
本発明によると、特定の菌類、特にフミコーラ属の菌は
発酵ブイヨン中で蛋白質の酵素混合物(酵素製剤)を分
泌し、この酵素混合物は直鎖または分枝鎖澱粉を含めて
粗澱粉すなわち粒状澱粉を加水分解し、澱粉を実質的に
完全にグルコースに加水分解する。この酵素混合物はpH
8.0より高い等電点を有するグルコアミラーゼ酵素(EC
3.2.1.3)と、グルコアミラーゼに協力して粒状澱粉の
溶解を触媒するグルコアミラーゼ強化活性を有する蛋白
質物質とを含むことを特徴とする。この酵素混合物はさ
らに、グルコアミラーゼがカルボキシメチルセルロース
に付着するが、強化物質(以下では「強化因子」と呼
ぶ)はカルボキシメチルセルロースゲルに吸着されない
ことを特徴とする。この酵素混合物は例えば水中の15%
澱粉固体懸濁液を加水分解して、この加水分解を最適pH
である約5.0〜6.5のpHにおいて実施する場合には、分枝
切断酵素または添加α−アミラーゼが存在しなくとも、
乾燥固体ベースで少なくとも97%のグルコースを含み、
本質的に澱粉残渣を含まず、1%未満の三糖類及び高級
無水グルコースポリマーを含むにすぎない糖溶液を生成
する。
粗澱粉を加水分解する酵素活性は最初野生型のフミコー
ラ種で発見されたが、公知の野生型に比べて粗澱粉加水
分解(RSH)酵素活性量を高める種々の突然変異体が人
工的に誘発されている。突然変異体菌株を以下で述べる
ように発芽させて発酵に用いた場合に生ずるブイヨン
は、以下で述べるように分析したときに120単位/ml以上
のRSH酵素活性を有する。突然変異体菌株によつて生ず
るブイヨンの酵素活性増加は、発芽及び酵素条件下での
個々の有機体による酵素生成量の上昇及び/または種属
増殖上昇によつて生ずると考えられる。このように非常
に開発された突然変異体の大部分では、酵素分泌量の増
加は有機体の迅速な増加というよりもむしろ個々の有機
体による酵素生成量の増加によつて生じたように思われ
る。ブイヨンを生成する発酵中に、同量の炭水化物フイ
ードストツク、例えば澱粉を用いて高い酵素生成量が得
られるので、これは好運であつたと考えられる。
RSH活性の上昇したブイヨンを生成する突然変異体菌株
は、本発明の方法が完全に営利化できる可能性を高めて
いる。野生型の菌類は、RSH活性を有するブイヨンを生
成するが、生成量は大規模の澱粉加水分解用に望ましい
量には一般に及ばない。RSH酵素混合物を製造するのに
用いる菌類は250単位/ml以上の活性を有するまでブイヨ
ンを生成するものであることが望ましい。
突然変異は、突然変異誘発性化学薬品及び種々な種類の
照射への暴露を含めた、公知の種々な方法によつて誘発
される。幾つかの有用なフミコーラ種突然変異体はこの
ようにして開発されたものである。突然変異体種は高力
価のRSH活性を生ずるためならびにその他の望ましい特
性のために突然変異体種が選択される。さらに、明らか
に有効な突然変異体は少なくとも3回継代して、それら
の獲得された遺伝特性の安定性を確実にする。
高力価の酵素を生ずる他に、菌種が比較的高温で増殖す
るのが好ましく、中でも37℃〜40℃の温度で増殖する中
等温度好性菌及び40゜〜50℃の温度で増殖する好熱性菌
がRSH酵素混合物を生成する好ましい種である。耐熱性
菌の重要な利点は、比較的高温で増殖するときにこのよ
うな温度で生存することのできないような夾雑菌類及び
その他の夾雑有機体が除かれることである。高温で増殖
することの他の利点は有機体がより迅速に増殖する傾向
があるため、高力価のRSH酵素製剤が得られるというこ
とである。
上述のようなRSH活性を有する酵素混合物が粗澱粉から
直接デキストロースを製造する方法に用いられる。この
方法は菌胞子の発芽、発芽した菌を用いる発酵、培養し
た有機体から発酵ブイヨンの分離及び分離したブイヨン
を用いる粗澱粉の加水分解から成る。RSH酵素混合物を
生成する菌によつて粗澱粉を発酵させるとデキストロー
スが生成するが、おそらく生成するデキストロースが培
養によつて消費されるために、デキストロースの収率は
低い。従つて、粗澱粉の加水分解に用いる酵素的に活性
なブイヨンの分離が、デキストロースの収率を良くする
ために必要であると思われる。さらに、菌が中等温度好
性または好熱性であり、比較的高温で増殖するとして
も、酵素混合物は有機体の増殖を促進する温度以上の温
度(例えば55℃)において最大触媒活性を有する。ブイ
ヨン製造発酵段階を酸素加水分解段階と分離することに
よつて、温度を発酵段階ならびに酵素加水分解段階のそ
れぞれに対して最適化することができる。さらに、この
分離処理は、生成するデキストロースシロツプの色及び
質に影響を与えるような有機体、胞子及びその他の夾雑
物の分離を可能にする。
この処理は胞子からの菌の発芽から始まつて、実質的な
発酵を行うための接種物を製造する。例えば、希簿な澱
粉のような炭水化物源を含む無菌基質を供給する。炭水
化物は基質の約10〜約48重量%を占める。培地のpHを約
4.5〜約7.5、好ましくは約5.0〜約6.5に調節する。培地
1mlにつき50,000〜500,000胞子を充分に与えるほどの接
種物を基質に接種する。個々の菌種または菌株の発芽を
促がすような温度において、数日間、典型的には約3日
〜約7日間胞子を発芽させる。発芽した胞子は使用する
まで凍結保存することができる。
炭水化物基質を含む発酵培地の接種物として、発芽した
胞子を用いる。典型的には、無菌液体発酵培地に発芽し
た菌を接種する。液体培地は、例えば低濃度のペースト
状澱粉のような炭水化物基質と、蛋白質及びビタミン類
を含む他の栄養物源とを与える。液体培地は窒素をも与
える。コーン浸せき液は比較的安価な好ましい栄養物源
である。この液体培地を、菌増殖に都合の良い無機塩に
よつて約4.5〜約7.5、好ましくは約5.0〜6.5のpHに緩衝
化する。さらに、例えばペニシリンG及びオキシテトラ
サイクリンのような抗菌剤を加えることができる。全発
酵培地は少なくとも若干の粗澱粉を含むのが好ましい。
液体培地に接種した後に、粗澱粉を液体培地に加えるこ
とができる。
発酵培地に加える粗澱粉はRSH酵素混合物の産生を誘発
するように思われる。すなわち、少なくとも若干の粗澱
粉が発酵培地中に存在する場合には、全く存在しない場
合よりも、同じ菌種または菌株が高力価のRSH活性を生
ずる。
菌の増殖を促進させるような温度において発酵を実施
し、温度は特定の菌種または菌株に合わせて最適化する
のが好ましい。発酵混合物を絶えず撹拌し、通気するの
が好ましい。発酵は培養物が実質的に力価の酵素混合物
をブイヨン中に分泌するのに充分な時間、典型的には約
24〜約84時間実施する。
発酵後に、ブイヨンを例えば菌糸のような固体から分離
する。この分離は過、遠心分離、または液体から固体
を分離するために適した先行技術で公知の他の方法によ
つて行うことができる。分離した酵素ブイヨンはさらに
精製することなく、粗澱粉の加水分解に適している。発
酵が約48時間進行した場合に酵素産生が最大に達する傾
向のあることが発見された。発酵がさらに長時間進行し
た場合には、酵素生成が横ばい状態になり、低下するこ
ともある。
分離した発酵ブイヨンはさらに精製することなく、粗澱
粉の加水分解に用いることができ、粗ブイヨンを精製す
ることなく用いることが、一般に最も経済的である。粗
澱粉は水性スラリー状で供給され、グルコースを効果的
に製造するためには、粗澱粉含量は少なくとも約15重量
%の乾燥物質澱粉であり、好ましくは少なくとも約25重
量%の乾燥物質澱粉であるが、約60重量%までの乾燥物
質澱粉であり得る。加水分解のための最適pHは約6.0で
あるが、5.0〜7.0の範囲のpHにおいて加水分解を行うこ
とができる。RSH酵素混合物による加水分解のための最
適温度は約55℃であるが、酵素活性は約60℃以上の温度
で失われる。0℃までの低温でも加水分解は生ずるが、
低温になればなるほど、加水分解率は低下する。しか
し、効果的にグルコースを製造するためには加水分解を
40℃以上で実施するべきであると一般に考えられる。こ
のスラリーにブイヨンを加えると、澱粉1gにつき約10〜
約300単位の酵素活性、特に澱粉1gにつき約25〜約100単
位の酵素活性を生ずる。低力価の酵素は当然かなり緩慢
にグルコースを生成する。他方では、酵素1単位あたり
のグルコース生成量は直線状になるとは思われず、高力
価の酵素のデキストリン生成量は、中等力価の酵素に比
べて比較的少ない。従つて、かなり迅速な速度で、しか
も酵素1単位につき一般に最適の生成率でグルコースを
生成するような酵素力価を選択すべきである。
酵素の特性 本発明の酵素製剤は、単離状態、乾燥粉砕生成物状態ま
たは植物組織のマトリツクス内の粒状澱粉の加水分解を
触媒する。この酵素製剤はコーン湿式粉砕プロセスで分
離されたコーンのからから残留澱粉をとり出すのに用い
られる。この酵素は、例えばコーン(もろこし)、小
麦、米のような殻類澱粉、及び例えばジヤガイモ,サツ
マイモ,タピオカのような根・塊茎澱粉、ならびに直鎖
及び分枝鎖澱粉分子、すなわちアミロース及びアミロペ
クチンを、単離分画としてまたはろう状澱粉もしくは高
アミロース・コーンスターチとして、加水分解するのに
有用である。本発明の酵素は、そのグルコアミラーゼ活
性のために、ペースト状澱粉、溶解性澱粉、低D.E.澱粉
加水分解物(例えば、2〜20のD.E.)及びその他の澱粉
様のグルコースポリマーの加水分解に用いられる。
酵素の回収と分画化 本発明の独特な面は、グルコアミラーゼに加えて粒状澱
粉の加水分解を可能にするように思われる強化因子の存
在である。精製した酵素製剤から分画されるような強化
因子は、酵素活性によつて確認される成分とともに、構
造が決定されていない蛋白質を含む混合物である。
本発明の酵素製剤は発酵培地から過または遠心分離に
よつて、菌糸、破片及びその他の残留物を除去して回収
される。溶液は濃縮する場合には、液のpHを6に調節
し、真空蒸発または限外過によつて濃縮する。酵素製
剤を濃縮する代りに、4℃においてアセトン(等量)ま
たは硫酸ジアンモニウム(50%飽和)によつて沈殿さ
せ、遠心分離によつて回収することもできる。アセトン
による沈殿が望ましい。酵素製剤を回収するために他の
方法もあることは、当業者にとつて明らかである。
粗澱粉加水分解(RSH)活性を研究用に精製するため
に、アセトン沈殿した酵素をジエチルアミノエチル(DE
AE)セルロースによつて処理する。
本発明の酵素製剤は、他の全てのグルコアミラーゼ製剤
と実質的に異なり、DEAEセルロース(Whatman前膨潤し
たDEAEセルロース、DE−52を用いた)に吸着されない;
その代りに、不活性蛋白質が除去され、溶離液中の望ま
しい活性(グルコアミラーゼと強化因子)がこれによつ
て濃縮される。この処置はpH約5.0〜7.0(好ましくは6.
5〜7.0)においてカラム式またはバツチ式のいずれで実
施しても同じ様に効果的であり、比活性(単位/gまたは
単位/ml)が2〜4.5倍に増加する。この増加の少なくと
も一部は不活性蛋白質が除かれることに帰因する。この
生成物を「精製酵素製剤」と呼ぶ。
強化因子を含む分画を分離するために、精製酵素製剤に
対して吸着剤としてカルボキシメチルセルロースを用い
る陽イオン交換クロマトグラフイを行う。グルコアミラ
ーゼ酵素は単独の蛋白質吸着帯として強く吸着され、希
NaClによつて溶離されるが、強化因子を含む分画は吸着
されない。
「強化因子」は次のような条件下でのカルボキシメチル
セルロースイオン交換物質を用いたカラムクロマトグラ
フイによつて、精製酵素製剤から吸着されない、酵素製
剤の分画である: カラム:10mMリン酸ナトリウム緩衝液pH6.8と平衡させた
Whatman CM−52カルボキシメチルセルロース2.5cm×13.
4cm。
サンプル:精製酵素製剤50ml、蛋白質0.43mg/ml,40単位
/mlまたはこれと等価のもの 洗浄:10mMリン酸ナトリウムpH6.8,110mlずつ 直線勾配:10mMリン酸ナトリウムpH6.8,400ml,0〜0.5M塩
化ナトリウム、洗浄後に開始. 流量:2ml/分. 分画量:9〜12ml. 強化因子はカラム洗浄中に溶離するが、グルコースアミ
ラーゼは強く吸着する。グルコアミラーゼは塩化ナトリ
ウム50mM〜200mMの直線勾配によつて溶離する回収は蛋
白質約0.1mg/mlの濃度においてグルコアミラーゼ単位80
%以上である。各分画は凍結または凍結乾燥によつて保
存することができる。
「クロマトフオーカツシング」(「Chromatofocusing w
ith Polybuffer and PBE」Pharmacia Fine Chemicals,1
980年11月号)と呼ばれる技術による強化因子分画の蛋
白質成分の分離とテストは、これが次の活性を有するこ
とを示した:α−グルコシダーゼ,β−グルコンダー
ゼ、セルラーゼ,グルコアミラーゼ,α−アミラーゼ及
びキシラナーゼ。次の成分は検出されなかつた:β−ア
ミラーゼ,プルラナーゼ,イソアミラーゼ,プロテアー
ゼ,デキストラナーゼ,イソマルターゼ,フラクトシル
トランスフエラーゼ,インバターゼ及びα−1,6−ガラ
クトシダーゼ。α−アミラーゼ活性が比較的低レベルで
あることも、カルシウムイオンの増進効果、EDTAによる
抑制、pHが5以下に低下した場合の活性損失(変性α−
アミラーゼ)及びアミロペクチン(ろう状澱粉)に対す
る活性によつて推論された。しかし、強化因子のみの作
用によつて澱粉から生じた糖は、α−アミラーゼによつ
て生じた糖とは全く異なるものである:すなわち、デキ
ストロースが約1/3、多糖類(D.P.10以上)が約1/3であ
り、及びD.P.3糖含量がD.P.2糖(α−1,6−結合存在せ
ず)含量よりも多い。α−アミラーゼはデキストロース
を生じない。さらに、単独で測定されたα−アミラーゼ
活性は非常に低いため、可溶性短鎖多糖類を実質的に形
成することなく、顆粒状の澱粉を加水分解する本発明の
酵素製剤の能力をとても説明できるものではない。これ
については後にさらに説明する。
強化因子が一般の炭水化物酵素でないことは、強化因子
をα−アミラーゼ,プルラナーゼ及びイソアミラーゼな
らびにグルコミラーゼと比較した表1のデータによつて
明らかである。使用した基質はLintnerの(可溶性)澱
粉、Sigmaブランドのジヤガイモのアミロペクチン、ジ
ヤガイモのアミロースとプルランであつた。酵素はTher
mamyl 120L細菌性α−アミラーゼ、Hayashibaraイソア
ミラーゼ及びNovoプルラナーゼSP247であつた。加水分
解は全て、基質濃度1%、pH5.5及び50℃において30分
間実施したが、但しアミロペクチンは、供給した生成物
がかなり高い還元糖ブランク値を示したので、0.5%濃
度で用いた。還元糖はソモジーネルソン法(Starch and
clts Derivatives編集者Radley,第4版,431頁)によつ
て測定し、デキストロースはYellow Spring Instrment
社の工業用分析器によつて定量した。デキストロースに
対する還元糖の比は、澱粉に対するグルコアミラーゼに
関して1.0であるべきである。アミロースまたはアミロ
ペクチンを用いた場合にはデキストロースが検出されな
いこと、及びプルランを用いた場合には還元糖が検出さ
れないことを、表中のブランク値は示している。
最適pH及びpHの安定性 本発明の酵素製剤の粒状澱粉加水分解におけるpH範囲は
5.0〜7.0であり、pH5.5〜6.0において最大活性が得られ
る。数値は、pH6.0以下の酢酸ナトリウム緩衝液中及びp
H6.0以上のリン酸ナトリウム緩衝液中において、49℃で
1時間、17%(W/V)コーン粒状澱粉と0.69及び2.5酵素
活性単位/mlを反応させたことによつて測定した。不溶
な澱粉は遠心分離によつて除去し、希釈し上清を沸とう
させることによつて反応を抑制した。
本発明の酵素製剤のpH安定性を、25℃において1時間及
び50℃において20分間、2〜8のpHレベルに維持するこ
とによつて測定した。両温度において、活性の90%以上
の5〜8のpH範囲では保留され、最も安定な範囲はpH6
〜7である。
希簿な澱粉(D.E.10マルトデキストリン)中での本発明
の酵素の活性は、pH4.5においてクロカビ(A.niger),
コウジカビ(A.oryzae)またはクモノスカビ(R.niveu
s)からのグルコアミラーゼに比べて低い。pH5.0以下で
強化因子活性は失われるので、本発明の酵素は粒状澱粉
に対する作用において、他のグルコアミラーゼ製剤に類
似している。
熱安定性 澱粉が存在しない場合の酵素製剤の熱安定性を50〜60℃
において、酵素製剤サンプルを各温度において20分間pH
6.7に維持し、10D.E.マルトデキストリンを用いて分析
することによつて、測定した。室温に保持したサンプル
に比べて、53℃では活性の90%以上及び57℃では活性の
55%以上が保留された。
加水分解の形式 本発明の酵素製剤は、形成される可溶性糖類から判明す
る加水分解形式において、特に粒状澱粉に対する澱粉加
水分解に用いられる先行技術の酵素組成物と区別され
る。本発明では、最初の数時間の加水分解中に溶液中に
存在する唯一の糖はデキストロースである、すなわち、
乾燥した糖固体ベースで溶液は実質的に100%グルコー
スである。澱粉溶解の初期段階後に、明らかにグルコー
スの再複合または再重合によつて形成される高級糖類が
徐々に増加するように思われる。24時間の最後に、15%
以上の澱粉スラリーからの液体のグルコース含量は乾燥
物質ベースで100%から97〜98%に減少し、48時間後に
は96〜97%及び72時間後には95〜96%にさらに漸減し
た。これに反して、α−アミラーゼとグルコアミラーゼ
の組合わせによる粒状澱粉の典型的な加水分解は24時間
後に90%未満のデキストロース含量を示すが、この含量
は72時間後に92〜93%まで上昇し、95%以下で横ばい状
態になつた。このことは図1のグラフに示すが、詳しい
ことは後に実施例5で述べる。
周知のように、グルコアミラーゼ存在下での澱粉の加水
分解を長時間続けた場合には、デキストロース濃度のピ
ークが生ずる。グルコアミラーゼ10〜20単位/gを用いる
営利的条件下では、通常約48〜72時間でデキストロース
含量は最大値に達し、その後再重合が生じて、加水分解
に耐性な短鎖無水グルコースポリマーが形成されるた
め、デキストロース含量は徐々に減少する。本発明の酵
素製剤はこのようなピークを有さず、その代りに、澱粉
加水分解物のデキストロース含量の初期測定は本質的に
100%であり、図1に示すように、濃度が緩慢に低下す
るにすぎない。
澱粉1gにつき本発明の酵素30単位は、pH5.7,55℃におい
て48時間内に16%固体分の粒状澱粉を完全に溶解した。
溶液中の糖は95%以上のデキストロースであり、澱粉が
反応するヨウ素に対する反応によつて澱粉様物質は検出
されない。すなわち、ヨウ素錯塩を形成する無水グルコ
ースポリマーは存在しない。
等電点 本発明の酵素のグルコアミラーゼ分画の等電点は他の大
部分のグルコアミラーゼ製剤に対して測定されたよりも
高い。単離したグルコアミラーゼ分画はpH8.0以上の等
電点を有する。3種類の酵素製剤クロカビ,コウジカビ
及びクモノスカビに関する測定値は、それぞれ3.7,3.4
及び7.7であつた(文献では:それぞれ3.4〜4.0,3.4〜
3.5及び8.7〜8.8)。この測定等電点は、イソゲル・ア
ガロース・イソエレクトリツクフオーカツシング法
(「A Step by Step Guide to Isogel Agarase Isoeled
tric Focusing」,FMC Marine Colloids Division Biopr
oducts,1980年1月)によつて求めたものである。
分子量 LaemmliのSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法(Natu
re227号(1970年)680頁以降)によつて、グルコアミラ
ーゼと強化因子分画を分析し、分子量を測定した。用い
たゲルはそれぞれ2.7%架橋している、7%及び10%ア
クリルアミドであつた。グルコアミラーゼ酵素の分子量
を64,300と測定し、強化因子の3主要成分の分子量をそ
れぞれ、87,300,72,500及び52,200と測定した。
金属イオンに対する感受性 テストした金属イオンはカルシウム,クロム,第二鉄、
亜鉛、マグネシウム,マンガン及びニツケルであつた。
粒状澱粉の加水分解に対する唯一の観察された効果は、
カルシウムイオンによつて速度がやや促進されることで
あつたが、これは加水分解の初期段階において生じたに
すぎなかつた。
形 態 上述したように、本発明の酵素の最初のサンプルは、文
献に述べられている有機体のフミコーラ・グリシー変種
サーモイデアATCC16453から単離された。ATCC16453はこ
の菌及びこの菌の誘導体である変種をN−メチル−N′
−ニトロ−N−ニトロソグアニジンまたは殺菌紫外光線
(253nm波長)に暴露させることによつて、徐々に突然
変異した。ATCC16453及び発生した各突然変異体のサン
プルを次の組成のYpSs寒天上で増殖させた: 酵母エキス(Difco) 4.0g K2HPO4 1.0g MgSO4・7H2O 0.5g 可溶性澱粉 15.0g 蒸留水 1000 ml 寒天(Difco) 15 g この有機体から誘導された突然変異体の形態は次の点で
ATCC16453の形態とは異なる: 表 面:ATCC16453は起伏のある表面及び寒天中に切り込
まれた比較的明確なエツジを備えた幾らか不規則な溝を
有し、暗灰色であるが、突然変異体はATCC16453よりも
全てが高度に着色しており(より強く黒色)、次のよう
な特徴を有する: NRRL15219−滑らかな表面と細い溝を有し、褐色がかつ
た灰色 NRRL15220−滑らかな表面とATCC16453よりも細い溝のあ
る灰褐色 NRRL15221−やや起伏のある表面を有し、褐色がかつた
灰色 NRRL15222−起伏ある表面になりがちな、比較的幅の広
い溝を有し、灰色 NRRL15223−褐色がかつた灰色、若干しわのある滑らか
な表面、ローンは完全には連接していない。
NRRL15224−不連続なコロニーを有し明るい灰色、ロー
ンは連接していない NRRL15225−暗灰色から黒色、ざらざらしている、表面
増殖は連接していない、寒天中に色素あり 裏 面:ATCCは30℃において暗褐色から灰色及びもも色
であるが、突然変異体は全てATCC16453よりも濃く着色
しており(黒色)、次の特徴を有する: NRRL15219,−221及び−223暗灰色から黒色。
NRRL15220及び−224灰色から黒色。
NRRL15222灰色から黒色、殆んど黒色。
NRRL15225黒色。
粒状胞子及び厚壁胞子:突然変異体はATCC16453のオリ
ジナル菌株から区別することができず、EmersonとCoone
yの古典的な説明(Thermophilic Fungi,第8章)を確証
した。同一条件下で増殖させた、フミコーラ・インソレ
ンスの菌株(ATCC16454とATCC22082)の比較は、これら
の菌株がEmersonとCooneyの記述に適合することを示し
た。
温度限界:25,30,37,42,45,50及び55℃の温度において上
述の組成の寒天上で5日間増殖させたサンプルを観察し
た。この観察は以下の増殖と胞子形成の表に示す。「見
出し」の中で、「良好な増殖」とは繁茂したローンを意
味し、「中等度の増殖」は幾らか少なく茂つたローンを
意味し、「軽度」はプレートが完全には覆われていない
増殖を表すのに用いる。サンプルのいずれも55℃で増殖
するのは観察されなかつた。
胞子形成量は温度と共に急速に増加し、コロニーと培地
の両方の色(着色)に明らかに影響を与える。大量の胞
子形成は灰色から黒色を生ずる。「肉眼で認められず」
なる用語は、殆んどまたは全く着色の認められない、す
なわち殆んど白色の増殖を意味するが、「軽度」なる用
語は殆んど着色のない、通常黄褐色に見えるようなプレ
ートを表すのに用いられる。
上記で言及したものを除いて、突然変異体は全て、ATCC
16453のオリジナル菌株に類似していた。完全に発生し
た胞子は球形もしくは球形に近かつた。菌糸体ローンの
増殖度が増すにつれて、単離した菌糸パツチを区別する
ことは困難になり、成熟した個々の胞子の発生は頻繁に
なつた。同時に、胞子及び胞子連鎖が発生した菌糸スト
ランド数は減少した。すなわち、増殖が増加するにつれ
て、部間胞子の検出は困難になつた。
標準培養方法 種々の菌株のRSH酵素製剤を生成する能力を比較するた
めに、標準培養方法は次のように定義される。標準培養
方法に従つて培養した場合に、種々な菌変種のブイヨン
を分析し、直接比較することができる。次の組成を有す
る無菌の液体基質上で培養する: 酵母エキス 0.4 % K2HPO4 0.1 % MgSO4・7H2O 0.05% 希釈澱粉 20.0% 水 バランス ※希釈澱粉は、3%プロピオン酸カルシウムを含む2M酢
酸ナトリウムの約2容量%の存在下のpH6.4〜6.6におい
て、約10%(W/V)濃度のコーン澱粉を糊化し、70℃に
冷却し、少量のThermamy1ブランドα−アミラーゼを加
え、70℃の温度を1時間維持することによつて製造す
る。
500ml−バツフル付き振盪フラスコ中で無菌の胞子形成
培地(100ml,pH7)に有機体を接種し、フラスコを42℃
に5〜6日間維持して、胞子群を発生させた。胞子フラ
スコは使用するまで凍結する。
500ml振盪フラスコ内で、同じ組成の無菌接種培地100ml
と、約3000万胞子に対応する量の胞子培地とを混合する
ことによつて、発酵器接種物を調製する。接種した接種
培地を42℃において16時間振盪し、生成した接種物を、
空気供給源と撹拌機付きの14発酵器内の無菌増殖培地
10に、5容量%で加える。
液体発酵器培地は次の組成を有する: コーン浸せき液 2.0 % K2HPO4 0.15% MgSO4・7H2O 0.05% ペースト状コーン粉末 0.10% 水 バランス 殺菌後、ペニシリンGとオキシテトラサイクリンのそれ
ぞれ1gを発酵器に加える。接種物を加えるときに、無菌
顆粒状コーン粉末100gをも培地に混入する。
最初は撹拌機を500rpmで作動させ、増殖培地を通して0.
5量/量/分(vvm)の流量で空気を流しながら、発酵器
を42℃に維持する。18時間後に、無菌コーン粉末200gと
無菌のコーン浸せき液200mlを発酵器に加える。空気流
量と撹拌機速度をそれぞれ、約1.8vvm60rpmに高める。2
6時間目に、無菌コーン粉末100gを発酵器に加える。発
酵は73時間後に終了する。
発酵器からの酵素ブイヨンを過して、菌糸体とその他
の固体物質を除去する。例えば37℃で発酵する菌のよう
な、42℃では増殖しない中等温度好性菌に対しては、標
準培養法を改良する。
酵素活性の測定 酵素活性の測定には2種類の方法が用いられている。
本発明の目的のために、最初のテストを標準分析法No.1
とする。この分析法は粒状澱粉に対する酵素製剤の相対
活性を測定するのに用いられる粗澱粉加水分解テストで
ある。このテストはDNSAテスト(ジニトロサリチル酸)
による還元糖(グルコース)の測定に基づくものであ
る。標準分析法No.1では、0.025Mリン酸塩緩衝液、カル
シウムイオンとして0.01M(pH6.5)中に懸濁させた1%
コーン粒状澱粉1mlに培養ブイヨン(または酵素溶液)
0.1mlを加える。懸濁液を50℃に1時間保持し、次に「D
NSA」溶液1mlを加える(ジニトロサリチル酸10g、2.66N
水酸化ナトリウム150ml、酒石酸ナトリウムカリウム300
gを水で1000mlにしたもの)。この澱粉懸濁液を沸とう
水中に5分間保持し、水10mlを加える。540nmにおける
光学密度を分光光度計(例えば、Spectronic70ブランド
比色計)によつて、相対活性の尺度として読み取る。1
粗澱粉加水分解(RSH)単位を一定条件下で、光学密度
を0.1高めるのに必要な還元糖の量として定義する。零
時間におけるデキストロースを定量するためにブランク
をランする。還元糖含量は光学密度対還元糖溶液(0〜
0.3%溶液)の標準曲線から算出することができる。こ
のデータから、酵素活性の国際単位を決定することがで
きる。活性1単位は分析条件下で1分間にデキストロー
ス1μmoleを生ずる酵素量である。
粒状澱粉基質によつて生ずる影響(濃度に関する速度の
変化、加水分解物の混合及び透明化に関する問題点等)
を避けるために、他の方法を用いることもできる。本発
明の目的のために、この方法を標準分析法No.2とする。
これは10D.E.マルトデキストリンテストとも呼ばれる。
これは粒状澱粉よりもむしろ10D.E.マルトデキストリン
を基質として用いるスクリーニングテストである。0.06
〜1.1単位を含む酵素製剤1/10mlを、必要ならば希釈し
て、50℃で5分間前加熱した基質溶液0.9mlに加える。
基質溶液は0.25M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)40容量
部と4重量%10D.E.マルトデキストリン水溶液50容量部
から成るものである。基質溶液を酵素溶液添加の前に、
50℃に5分間保持する。10分間後に、前加熱した16mm試
験管中に注入し、100℃水溶中で6分間加熱することに
よつて、反応を中断させる。例えばグルコース試薬キツ
ト15−UV(Sigma Chemical)またはTechnicon Autoanal
yzerのような機器等の従来の方法によつて、グルコース
を定量する。零時間におけるグルコースを定量するため
に、ブランクをランする。結果をサンプルの希釈に関し
て補正する。この単位を10D.E.または10D.E.マルトデキ
ストリン単位と呼ぶ。
幾つかの改良突然変異体のRSH活性 上述の標準培養方法と標準分析方法No.1を用いて、特定
の突然変異体が以下の表に示すように、野生型ATCC1645
3よりも高力価RSH酵素活性を生ずることが発見された: 単位/ml ATCC16453 80 NRRL15219 286 NRRL15220 172 NRRL15222 152 これらの突然変異体が野生型の約2倍から約3 1/2倍のP
SH活性を生ずることがわかる。
次の実施例は本発明の方法と組成物を説明するために示
すのであつて、実施例に述べる詳細に本発明を限定する
ものでないことは自明のことである。明細書及び特許請
求の範囲を通して、%、部及び比は重量に関するもので
あり、温度は他に記載しないかぎり、℃である。
実施例 1 フミコーラ・グリシー変種サーモイデアの突然変異体菌
株、NRRL15219を、次の組成の無菌液体基質上で培養し
た: 酵母エキス 0.4 % K2HPO4 0.1 % MgSO4・7H2O 0.05% 希釈澱粉 20.0 % 水 バランス 希釈澱粉は、3%プロピオン酸カルシウムを含む2M酢
酸ナトリウム緩衝液約2容量%の存在下のpH6.4〜6.6に
おいて、約10%(W/V)濃度の澱粉を糊化させ、70℃に
冷却し、少量のThermamylブランドα−アミラーゼを加
え、70℃の温度に1時間保持することによつて製造され
たものである。
500mlバツフル付き振盪フラスコ内で無菌胞子形成培地
(100ml,pH7)に有機体を接種し、フラスコを5〜6日
間42℃に維持して、胞子群を発生させた。胞子フラスコ
は使用するまで凍結させた。
500ml−振盪フラスコ内で同じ組成の無菌接種培地100ml
に約3000万胞子に相当するような量の胞子培地を混合す
ることによつて、発酵器接種物を調製した。接種した接
種培地を42℃で16時間振盪し、生成した接種物を5容量
%で、空気供給源と撹拌機付きの14−発酵器内の無菌
増殖培地10に加えた。この実施例の酵素生成物を2つ
の発酵器内で製造した。
液体発酵器培地は次の組成を有するものであつた: コーン浸せき液 2.0 % K2HPO4 0.15% MgSO4・7H2O 0.05% ペースト状コーン粉末 0.10% 水 バランス 殺菌後、ペニシリンGとオキシテトラサイクリンの各1g
を各発酵器に加えた。接種物を加えるときに、無菌の顆
粒状コーン粉末100gも培地に混入した。
各発酵器を42℃に維持して、最初は撹拌機を500rpmで作
動させ、増殖培地に0.5量/量/分(vvm)の流量で空気
を供給した。18時間後に、無菌コーン粉末200gと無菌コ
ーン浸せき液200mlを各発酵器に加えた。空気流量と撹
拌機速度をそれぞれ、約1.2〜2.2vvmと600rpmに高め
た。26時間目に、無菌コーン粉末100gを発酵器の1つに
加えた。発酵は73時間後に終了した。
各発酵器からの酵素ブイヨンを過して、菌糸体及びそ
の他の固体物質を除去した。2つの発酵器からの過し
たブイヨンをプールし、凍結保存した。解凍した酵素溶
液を遠心分離して、形成された固体を除去した。過し
たブイヨンの活性は、10D.E.マルトデキストリンを用い
る上述の方法(標準分析法No.2)による測定によつて、
183単位/mlであつた。
この酵素を澱粉1gにつき10D.E.単位50の割合で用いて、
乾燥物質26%のスラリー状態のコーン粒状澱粉を加水分
解した。このスラリーは防腐剤として加えた0.02%プロ
ピルパラベンと0.1%メチルパラベンとともに、カルシ
ウムイオン100ppmを含有した(ppmはスラリー重量に基
づく)。絶えず撹拌しながら、pHと温度はそれぞれ、6.
0と55℃に96時間維持した。結果は表2に示す。
実施例 2 フミコーラ・グリシー変種サーモイデア、ATCC16543を
次の組成の寒天(pH7)上でストリークした: 酵母エキス 0.2% 牛肉エキス 0.2% 表芽エキス 0.3% Bacto寒天Difco 1.5% Lintner 澱粉 1.0% 水 バランス カバーしたプレートを逆にして、5〜6日間42℃に維持
した。これらは必要時まで凍結保存した。培地100mlを
含有する500mlフラスコに対して約1/4プレートの割合
で、接種培地に胞子を加え、ブレンダーで混合すること
によつて、発酵器接種物を製造した。この接種培地は次
の組成を有した: 綿実蛋白質 単離ProfioTM※ 3.0% コーン粉末 3.0% Tradcrs Oil Mill CompanyのTraders蛋白質部門 2組みのフラスコを用意し、1つはコーン粉末を加えた
後に殺菌し(コーン粉末澱粉は糊化する)、他方は完全
な粒状澱粉を有する無菌コーン粉末を加える前に殺菌し
た。フラスコを42℃において16時間振盪し、接種物は凍
結保存した。
空気供給源と撹拌機付きの14−発酵器内の無菌増殖培
地10に、各接種物5重量%を加えた。発酵器には水に
加えた4%Profioブランド綿実蛋白質単離物のみを含め
た。接種物の添加時に、無菌顆粒状コーン粉末100gをも
加え、この操作を18時間目と24時間目の終りにくり返し
た。各発酵器を42℃に維持し、最初は撹拌機を500rpmで
作動させ、空気を0.5vvmの流量で供給した。18時間後
に、空気流量と撹拌速度をそれぞれ、約1.6〜2.2vvmと6
00rpmに高めた。発酵は72時間後に終了した。
発酵器からの酵素ブイヨンを実施例1と同様に処理し
た。この活性は実施例1と同様な測定によつて1mlあた
り10D.E.単位29であつた。
酵素を1gにつき10D.E.単位15の割合で用いて、乾燥物質
29%のスラリー状態のコーン粒状澱粉を加水分解した。
このスラリーは防腐剤として加えた0.028%プロピルパ
ラベンと0.1%メチルパラベンを含むものであつた(%
はスラリー重量に基づく)。絶えず撹拌しながら、pHと
温度をそれぞれ、6.0と55℃に96時間維持した。結果を
表3に示す。
実施例 3 この実施例では、粒状澱粉と希釈澱粉(10D.E.マルトデ
キストリン)の加水分解における本発明のグルコアミラ
ーゼの活性に及ぼす強化因子分画の効果を説明する。本
発明の酵素製剤から上述のように分画化したグルコアミ
ラーゼの10D.E.単位2によつて、1%粒状澱粉懸濁液を
50℃,pH5.5において加水分解した。強化分画溶液を、表
4に示すような量で、澱粉懸濁液に加えた。デキストロ
ースを4時間にわたつて測定した。この4時間の結果
(表4)は、粒状澱粉の可溶化及び澱粉のデキストロー
スへの転化におけるグルコアミラーゼに対する強化酵素
の効果を明白に実証している。
17%(W/V)粒状澱粉懸濁液中で10D.E.単位2.5〜2.8の
グルコアミラーゼを用いて、本質的に同じ反応条件下で
同じテストを6時間実施した。テストした3種類のサン
プルは本発明の非分画化酵素、単離したグルコアミラー
ゼ分画及び、強化因子(蛋白質13μg)を加えた単離グ
ルコアミラーゼ分画であつた。この液体のデキストロー
ス濃度はそれぞれ、72,16及び76mg/mlであつた。
対照のために、公知の市販のグルコアミラーゼ製剤のサ
ンプルを最適pH4.4と、供給者が勧めているような、各
々に対する最適温度とを用いて比較した。これらはBoeh
ringer MannbeimからのクロカビとSigma Chemicalから
のコウジカビとクモノスカビであつた。最初の2種類は
60℃;最後の種類は50℃において、上述のような1%粒
状澱粉スラリーを用いて4時間テストした。これら3種
類の製剤をそれぞれ2.4単位、1.7単位及び2.0単位にお
いて、本発明の精製されているが非分画化の酵素2.4単
位と比較した。組成物のグルコース含量はそれぞれ、0.
7,1.7,1.2及び5.0mg/mlであり、本発明の酵素の粒状澱
粉に対する効果を示している。同じテストを可溶性10D.
E.マルトデキストリンに対して実施した場合には、対照
的に、4種類の酵素製剤の全てが、1.5時間後に95%デ
キストロースに達した、すなわち同時に本質的に同じ終
点に達した。
実施例 4 この実施例では、B等級小麦澱粉の加水分解への本発明
のグルコアミラーゼ製剤の使用を説明する。この澱粉
は、グルテン除去後に小麦澱粉を遠心分離によつて2つ
の分画に分画化する結果として得られる。B等級澱粉は
クリーム色であり、α−アミラーゼの作用に耐性であ
り、「ジエツト」クツカー(蒸気噴射ヒーター)におけ
るような、高温澱粉処理と呼ばれるプロセスで処理する
のが困難である。
顆粒状B−等級小麦澱粉の固体分26%,pH5.5である水性
スラリーを、澱粉1gにつき酵素製剤10D.E.単位15の存在
下,55℃において24時間撹拌した。残留固体から分離し
たシロツプは95.7%のデキストロースを含み、澱粉の64
%は溶解していた。96時間後に、デキストロース含量は
95.3%であり、澱粉の約73.0%が溶解した。澱粉1gにつ
き酵素製剤10D.E.単位30の存在における対応する結果
は、24時間後にデキストロース含量95.7%、澱粉の71%
溶解及び48時間後にデキストロース含量94.4%、澱粉78
%溶解であつた。
澱粉固体分34.4%における同じ条件では、澱粉1gにつき
10D.E.単位15によつてシロツプ中に、24時間後にデキス
トロース96%、溶解54%及び48時間後には、転化が終了
して、デキストロース95.2%、溶解57%であつた。澱粉
につき10D.E.単位20では、24時間及び48時間の最後にそ
れぞれ、デキストロース含量95.1と94.2%に達し、溶解
は55%と58%であつた。
実施例 5 この実施例では本発明の酵素と、グルコアミラーゼ製剤
をα−アミラーゼとともに用いて粒状澱粉をグルコース
に転化させる先行技術の方法との間の重要であるがまだ
明らかにされていない相違について説明する。この相違
は加水分解で形成される生成物の糖分布にあると思われ
る。データも本発明の酵素製剤を用いて大きな改良が得
られることを示している。
本発明の酵素製剤(ATCC16453,NRRL15219から得られた
もの)を澱粉1gにつき10D.E.単位15の割合で、カルシウ
ムイオン50ppm含有のコーン粒状澱粉の26%固体物質水
性スラリーに加えた。サンプルを24,48及び96時間後に
採取した。データは図1に示す(断続線)。液体の分析
結果(乾燥物質ベース)を表5に示す。澱粉固体濃度は
26%から約9%に減少した。同じ実験を澱粉1gにつき酵
素10D.E.単位22.5を用いてくり返した場合には、澱粉残
渣が6%にまで減少した。
固体分16%では、24時間の最後にデキストロース含量が
97%以上になり、澱粉残渣は1%未満になつた。多くの
試行で、澱粉残渣が検出できないことが発見されてい
る。
対照実験を、乾燥物質27.5%のコーン澱粉スラリー中
で、両方とも澱粉乾燥重量に基づいて、0.275%のNovo
Thermamyl 60Lブランドの細菌性α−アミラーゼ及び0.2
75%のMiles Laboratories Diazyme L−100ブランドの
グルコアミラーゼ製剤を併用して実施した。pH5.5及び
温度60℃を120時間維持し、24時間毎にサンプルを採取
した。これらの結果も図1(実線)及び表5に示す。α
−アミラーゼはバチルス・リチエニホルミス(Bacillus
Iicheniformis)から製造され、最適pHは60℃において
5.5である。グルコアミラーゼはアスペルギルス(Asper
gillus)属の文献ではクロカビの菌株と同定された菌株
から生成する(Smith等、Staerke28(1976年),243〜24
9頁)。このような条件下で、pH5.5が澱粉の溶解に最適
であるように思われた。pHが低くなるほど、液相中のグ
ルコース含量が高くなるが、溶解する澱粉は減少するこ
とが観察された。図1に示すように、デキストロース含
量が経時的に減少する本発明とは対照的に、デキストロ
ース含量(可溶性糖に基づく乾燥物質)は徐々に増加す
る。α−アミラーゼ−グルコアミラーゼの組合わせは72
時間の終りに16%の澱粉を残し、120時間後に14%の澱
粉を残した。
図1と表5のデータは、本発明の酵素が粒状澱粉を加水
分解させて溶解させる形式には、明らかに根本的な差異
があることを示している。すなわち、すくなくとも最初
の24時間に形成される可溶性澱粉は95%より多いデキス
トロースであり、D.P.3及びこれ以上のグルコースポリ
マーは実質的に形成されない。D.P.2糖類の増加は再重
合の結果であると考えられる。これとは対照的に、相互
作用して粒状澱粉を可溶化させる酵素としてα−アミラ
ーゼを含む、典型的なグルコアミラーゼ製剤は24時間内
に90%デキストロースに達せず、96時間後には94〜95%
に徐々に減少する。D.P.3及びこれ以上の重合度の糖を
比較的多く生成し、本発明におけるよりも実質的に高い
レベルでこれらの生成が横ばい状態になることも明らか
である。
本発明の幾つかの利点をさらに完全に知ることができ
る。特定の菌によつて生成される酵素を用いると、ペー
スト状澱粉よりむしろ粗澱粉をグルコース形成の基質と
することができる。澱粉をペースト化する必要がなくな
るため、実質的に非常なエネルギー節約が可能になる。
この酵素製剤は高い重量%の澱粉を含む粗澱粉スラリー
を加水分解して、希簿な溶液よりも水分を排除するエネ
ルギー必要量が少ない比較的濃厚なグルコース溶液を生
成するのに有効である。加水分解の出発点から、溶液中
の生成物は実質的に完全にグルコースである。この酵素
製剤が非常に低濃度の限界デキストリン及び三糖類を生
成するという事実は非常に重要である。これらの基質は
グルコースまたは、高フラクトースシロツプのような、
誘導生成物の甘味を高めることはなく、甘味を減ずるこ
とさえある。このように、この酵素製剤は澱粉からグル
コースを生成するための殆んど全ての見地から理想的で
ある。高力価の酵素混合物を生成するために開発された
突然変異体種は、グルコースを大規模に製造するために
酵素混合物を使用する可能性を高めるものである。
本発明を特定の好ましい実施態様に関して説明してきた
が、当業者にとつて明らかな改良を本発明の範囲から逸
脱することなく、行うことも可能である。例えば、非常
に高力価の酵素を生成する改良された突然変異体が引続
いて開発されるであろうと期待される。また、このRSH
酵素混合物を構成する酵素の性質についてさらに多く知
られるようになるにつれて、酵素を生成する遺伝子がク
ローン化され、組換え体DNAテクノロジーによつて他の
有機体中に適当に挿入されることも考えられる。本発明
の目的に関して、同じ酵素混合物を生成する改良された
突然変異体または組換え体の有機体は、ここに述べた有
機体の等価物であると考えられる。
本発明の種々な特徴については、特許請求の範囲の中で
述べる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の酵素製剤とα−アミラーゼ/グルコアミ
ラーゼ組合わせとを用いた比較加水分解の過程でのデキ
ストロース含量と澱粉溶解量の変化を示すグラフであ
る。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒状澱粉を実質的に直接グルコースに加水
    分解する反応を触媒する、実質的に純粋なフミコーラ属
    の真菌類培養物によって生成される酵素製剤であって、 a)加水分解をpH約5.0から約7.0及び温度約55℃におい
    て、α−アミラーゼを添加せず、またプルラナーゼ、イ
    ソアミラーゼ又はβ−アミラーゼ型の枝切り酵素も添加
    せずに行った場合に、この酵素製剤は、約15重量%の固
    体澱粉濃度で水に懸濁した粒状澱粉を、乾燥物質ベース
    で少なくとも約97重量%のグルコースを含む可溶性グル
    コースシロップ固体にまで実質的に完全に加水分解する
    反応を触媒し; b)この酵素製剤はカルボキシメチルセルロースによっ
    て、第一の非吸着性分画と第二の吸着性タンパク質分画
    とに分離可能であり、該第一の非吸着性分画はグルコア
    ミラーゼ強化活性を含み、該第二の吸着性分画は約8.0
    又はそれ以上の等電点を有するグルコアミラーゼ酵素活
    性(EC 3.2.1.3)を含む、 ことを特徴とする酵素製剤。
  2. 【請求項2】フミコーラ・グリシー変種サーモイデアの
    菌株である真菌に由来する特許請求の範囲第1項記載の
    酵素製剤。
  3. 【請求項3】菌が、ATCC16453,NRRL15219,NRRL15220,NR
    RL15221,NRRL15222,NRRL15223,NRRL15224及びNRRL1522
    5、並びにこれらから人工的に誘導される遺伝的に変化
    した菌株からなる群から選択されたフミコーラ・グリシ
    ー変種サーモイデアの菌株である特許請求の範囲第1項
    に記載の酵素製剤。
  4. 【請求項4】フミコーラ属真菌類から粒状澱粉加水分解
    酵素製剤を製造する方法において、 a)1)加水分解をpH約5.0から約7.0及び温度約55℃に
    おいて、α−アミラーゼを添加せず、またプルラナー
    ゼ、イソアミラーゼ又はβ−アミラーゼ型の枝切り酵素
    も添加せずに行った場合に、この酵素製剤は、約15重量
    %の固体澱粉濃度で水に懸濁した粒状澱粉を、乾燥物質
    ベースで少なくとも約97重量%のグルコースを含む可溶
    性グルコースシロップ固体にまで実質的に完全に加水分
    解する反応を触媒し; 2)この酵素製剤はカルボキシメチルセルロースによっ
    て、第一の非吸着性分画と第二の吸着性タンパク質分画
    とに分離可能であり、該第一の非吸着性分画はグルコア
    ミラーゼ強化活性を含み、該第二の吸着性分画は約8.0
    又はそれ以上の等電点を有するグルコアミラーゼ酵素活
    性(EC 3.2.1.3)を含む、 ことを特徴とする酵素製剤を分泌する真菌の胞子を発芽
    させ、 b)栄養培地中で該発芽した真菌で炭水化物基質を発酵
    させて、該分泌された酵素を含むブイヨンを製造し、そ
    して c)該発酵真菌から該酵素製剤を分離し、これによって
    粒状澱粉加水分解酵素製剤を得る、ことからなる方法。
  5. 【請求項5】炭水化物基質が粗澱粉を含み、これにより
    真菌に高力価の酵素製剤を分泌させる特許請求の範囲第
    4項記載の方法。
  6. 【請求項6】培地がビタミンとタンパク質を提供する栄
    養源を含む特許請求の範囲第4項記載の方法。
  7. 【請求項7】栄養源がコーン浸せき液である特許請求の
    範囲第6項記載の方法。
  8. 【請求項8】培地が真菌の増殖を促進させる窒素源と無
    機塩とを含む特許請求の範囲第6項記載の方法。
  9. 【請求項9】真菌がフミコーラ・グリシー変種サーモイ
    デアの菌株である特許請求の範囲第4項記載の方法。
  10. 【請求項10】菌が、ATCC16453,NRRL15219,NRRL15220,
    NRRL15221,NRRL15222,NRRL15223,NRRL15224及びNRRL152
    25、並びにこれらから人工的に誘導される遺伝的に変化
    した菌株からなる群から選択される特許請求の範囲第9
    項に記載の方法。
  11. 【請求項11】a)1)加水分解をpH約5.0から約7.0及
    び温度約55℃において、α−アミラーゼを添加せず、ま
    たプルラナーゼ、イソアミラーゼ又はβ−アミラーゼ型
    の枝切り酵素も添加せずに行った場合に、この酵素製剤
    は、約15重量%の固体澱粉濃度で水に懸濁した粒状澱粉
    を、乾燥物質ベースで少なくとも約97重量%のグルコー
    スを含む可溶性グルコースシロップ固体にまで実質的に
    完全に加水分解する反応を触媒し; 2)この酵素製剤はカルボキシメチルセルロースによっ
    て、第一の非吸着性分画と第二の吸着性タンパク質分画
    とに分離可能であり、該第一の非吸着性分画はグルコア
    ミラーゼ強化活性を含み、該第二の吸着性分画は約8.0
    又はそれ以上の等電点を有するグルコアミラーゼ酵素活
    性(EC 3.2.1.3)を含む、 ことを特徴とする酵素製剤を得て、 b)該酵素製剤を水中の粒状澱粉スラリーに加えて、こ
    れをグルコースに加水分解する、 ことからなる粒状澱粉をグルコースに加水分解する方
    法。
  12. 【請求項12】酵素製剤を水中の粒状澱粉に対して、澱
    粉1gにつき約25から約300の粗澱粉加水分解単位を供給
    するように加える特許請求の範囲第1項記載の方法。
  13. 【請求項13】酵素製剤を水中の粒状澱粉懸濁物に対し
    て、澱粉1gにつき約50から約100の粗澱粉加水分解単位
    を供給するように加える特許請求の範囲第11項記載の方
    法。
  14. 【請求項14】スラリーが約15から約60重量%の粒状澱
    粉を含む特許請求の範囲第11項記載の方法。
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