JPH0743249B2 - 高分子球晶の解析方法及びその装置 - Google Patents
高分子球晶の解析方法及びその装置Info
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- JPH0743249B2 JPH0743249B2 JP3578492A JP3578492A JPH0743249B2 JP H0743249 B2 JPH0743249 B2 JP H0743249B2 JP 3578492 A JP3578492 A JP 3578492A JP 3578492 A JP3578492 A JP 3578492A JP H0743249 B2 JPH0743249 B2 JP H0743249B2
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- spectrum
- wavelength
- spherulite
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子球晶の解析方法
及びその装置に関する。更に詳述すると、本発明は、高
分子球晶の球径、球晶分布、数密度及び相対屈折率など
を求めるのに有益なデータを算出する解析方法及びその
装置に関する。
及びその装置に関する。更に詳述すると、本発明は、高
分子球晶の球径、球晶分布、数密度及び相対屈折率など
を求めるのに有益なデータを算出する解析方法及びその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子の球晶を解析する手法とし
ては、球晶径が1μm以上では、透過による光学顕微鏡
でも直接観察できる。また、光学顕微鏡に暗視野、偏
光、位相差などの特殊な機能を付加すると、よりはっき
りと観察できる。この場合はマイクロスケールとの対比
によって直接大きさを目視で計測する。
ては、球晶径が1μm以上では、透過による光学顕微鏡
でも直接観察できる。また、光学顕微鏡に暗視野、偏
光、位相差などの特殊な機能を付加すると、よりはっき
りと観察できる。この場合はマイクロスケールとの対比
によって直接大きさを目視で計測する。
【0003】また、光散乱を利用して単色レーザー光を
用いた光小角散乱法でも球晶径を測定することができ
る。光小角散乱法では二枚の偏光子を用いて四ツ葉のク
ローバー形状のHv (水平、垂直偏光)散乱像が映し出
される。Hv 散乱ではある散乱角θで散乱強度が極大値
をとるとの条件から、球晶径が計算される。
用いた光小角散乱法でも球晶径を測定することができ
る。光小角散乱法では二枚の偏光子を用いて四ツ葉のク
ローバー形状のHv (水平、垂直偏光)散乱像が映し出
される。Hv 散乱ではある散乱角θで散乱強度が極大値
をとるとの条件から、球晶径が計算される。
【0004】通常、これらの方法で測定できないほど球
晶サイズが小さい時、透過型電子顕微鏡(TEM)を使
用している。これは電子線用に四酸化ルテニウムを使っ
て染色し、その後ウルトラミクロトームを用いて数百〜
数千オングストロームの超薄切片を作る。四酸化ルテニ
ウムは結晶部分には入りにくく非晶部分に満たされるた
め、これをTEMにかけると電子線の通りやすいラメラ
は白い筋状に観察される。ラメラが見える程度のなるべ
く低い倍率でTEM像を得ると、広い範囲が観測され球
晶のパターンが認識されやすい。球晶はある中心からラ
メラが放射状に成長した一塊として観察され、このサイ
ズ(球径)をスケールで測り倍率から実際の大きさに換
算することによって求められる。
晶サイズが小さい時、透過型電子顕微鏡(TEM)を使
用している。これは電子線用に四酸化ルテニウムを使っ
て染色し、その後ウルトラミクロトームを用いて数百〜
数千オングストロームの超薄切片を作る。四酸化ルテニ
ウムは結晶部分には入りにくく非晶部分に満たされるた
め、これをTEMにかけると電子線の通りやすいラメラ
は白い筋状に観察される。ラメラが見える程度のなるべ
く低い倍率でTEM像を得ると、広い範囲が観測され球
晶のパターンが認識されやすい。球晶はある中心からラ
メラが放射状に成長した一塊として観察され、このサイ
ズ(球径)をスケールで測り倍率から実際の大きさに換
算することによって求められる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、顕微鏡
および光小角散乱では球晶径が小さい場合(<1μm)
には観察が困難である。原理的には波長の1/20即ち
数百オングストロームの粒子までは散乱現象が使えるの
であるが、散乱角が大きくなり過ぎたり強度が弱くなる
などの問題があり、経験的には測定は難しい。
および光小角散乱では球晶径が小さい場合(<1μm)
には観察が困難である。原理的には波長の1/20即ち
数百オングストロームの粒子までは散乱現象が使えるの
であるが、散乱角が大きくなり過ぎたり強度が弱くなる
などの問題があり、経験的には測定は難しい。
【0006】また、電子顕微鏡法では球晶が小さいほど
パターン認識が難しい上、また球晶を区別する明確な規
準がなく、観察者によって結果が変わる可能性がある。
さらに球晶自身の大きさより切片の厚さが薄いため、球
のどの断面を見ているのかわからず、パターンが必ずし
も直径を示さないので統計的な考察が必要となる。しか
も、設備費が極めて高く、試料作製と操作に高度の熟練
を要するため、誰でもすぐに使えるというわけにはいか
ない。
パターン認識が難しい上、また球晶を区別する明確な規
準がなく、観察者によって結果が変わる可能性がある。
さらに球晶自身の大きさより切片の厚さが薄いため、球
のどの断面を見ているのかわからず、パターンが必ずし
も直径を示さないので統計的な考察が必要となる。しか
も、設備費が極めて高く、試料作製と操作に高度の熟練
を要するため、誰でもすぐに使えるというわけにはいか
ない。
【0007】このように従来は、高分子球晶の球径、そ
の分布及び数密度あるいは球晶の相対屈折率を簡単に求
め得る装置は存在しなかった。
の分布及び数密度あるいは球晶の相対屈折率を簡単に求
め得る装置は存在しなかった。
【0008】本発明は、一つの手法によって実際の球晶
サイズの測定範囲を網羅すること、客観的測定を可能と
すること、短時間で安価でしかも精度の高い測定をする
こと及び多くの因子(サイズとその分布、数密度、相対
屈折率)を分離して求めることを可能にする解析装置を
提供することを目的とする。換言すれば、本発明は、高
分子の材料特性(絶縁破壊強度、機械強度等)に多大な
影響をおよぼす球晶サイズおよび数密度等を短時間に高
精度で測定する解析方法及び装置を提供することを目的
とする。
サイズの測定範囲を網羅すること、客観的測定を可能と
すること、短時間で安価でしかも精度の高い測定をする
こと及び多くの因子(サイズとその分布、数密度、相対
屈折率)を分離して求めることを可能にする解析装置を
提供することを目的とする。換言すれば、本発明は、高
分子の材料特性(絶縁破壊強度、機械強度等)に多大な
影響をおよぼす球晶サイズおよび数密度等を短時間に高
精度で測定する解析方法及び装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、今まで高
分子球晶の解析に用いられなかった紫外〜可視領域の光
の散乱あるいはそれによる透過光の分光学的な特徴を捉
えて解析することにより達成される。球晶組織を有する
高分子(例えばポリエチレン)は、球晶の大きさと数に
よって濁りの見え方が若干異なる。そこで、本発明者等
は、通常の紫外〜可視分光光度計を用いて定量化すれば
それらが計測できる可能性に着眼した。
分子球晶の解析に用いられなかった紫外〜可視領域の光
の散乱あるいはそれによる透過光の分光学的な特徴を捉
えて解析することにより達成される。球晶組織を有する
高分子(例えばポリエチレン)は、球晶の大きさと数に
よって濁りの見え方が若干異なる。そこで、本発明者等
は、通常の紫外〜可視分光光度計を用いて定量化すれば
それらが計測できる可能性に着眼した。
【0010】かかる着眼に基づいて本発明は、測定対象
となる高分子球晶の吸光度スペクトルまたは散乱強度ス
ペクトルを求め、それを波長のべき乗(波長b 、b:2
〜4の実数)を乗じて規格化し、そのスペクトルのピー
ク波長から球晶サイズを求めるようにしている。
となる高分子球晶の吸光度スペクトルまたは散乱強度ス
ペクトルを求め、それを波長のべき乗(波長b 、b:2
〜4の実数)を乗じて規格化し、そのスペクトルのピー
ク波長から球晶サイズを求めるようにしている。
【0011】また、上述の解析方法によって求められた
高分子の球晶半径aを用い、規格化されたスペクトルの
波長について2πaで除じ、吸光度スペクトルあるいは
散乱光スペクトルを波長に対して規格化し、規格化後の
スペクトルの形状の広がり度合いから球晶の分布を求め
るようにしている。更に、球晶サイズを求める際に規格
化されたスペクトルの高分子球晶半径を示すピーク波長
λ0 に対応する規格化前の元の測定値たる吸光度Aと散
乱理論例えばレイリー−ギャンズ−デバイ(Rayleigh-G
ans-Debye )の理論とあらかじめ求められた相対屈折率
mから数密度Nを求め、あるいはあらかじめ求められた
数密度Nから相対屈折率mを求めるようにしている。
高分子の球晶半径aを用い、規格化されたスペクトルの
波長について2πaで除じ、吸光度スペクトルあるいは
散乱光スペクトルを波長に対して規格化し、規格化後の
スペクトルの形状の広がり度合いから球晶の分布を求め
るようにしている。更に、球晶サイズを求める際に規格
化されたスペクトルの高分子球晶半径を示すピーク波長
λ0 に対応する規格化前の元の測定値たる吸光度Aと散
乱理論例えばレイリー−ギャンズ−デバイ(Rayleigh-G
ans-Debye )の理論とあらかじめ求められた相対屈折率
mから数密度Nを求め、あるいはあらかじめ求められた
数密度Nから相対屈折率mを求めるようにしている。
【0012】更に、本発明は、測定対象となる高分子球
晶の吸光度スペクトルあるいは散乱強度スペクトルを求
める分光手段と、吸光度スペクトルまたは散乱強度スペ
クトルに波長のべき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を
乗じる手段とを設け、測定対象高分子球晶の吸光度スペ
クトルまたは散乱強度スペクトルを求め、それを波長の
べき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を乗じて規格化
し、そのスペクトルのピーク波長から球晶サイズを求め
るようにしている。
晶の吸光度スペクトルあるいは散乱強度スペクトルを求
める分光手段と、吸光度スペクトルまたは散乱強度スペ
クトルに波長のべき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を
乗じる手段とを設け、測定対象高分子球晶の吸光度スペ
クトルまたは散乱強度スペクトルを求め、それを波長の
べき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を乗じて規格化
し、そのスペクトルのピーク波長から球晶サイズを求め
るようにしている。
【0013】
【作用】一般には高分子中の球晶の存在密度は明らかで
はないので、吸光度の絶対値からだけでは球晶径は求め
られない。しかし、散乱の理論によれば、高分子球晶の
場合、1に近い相対屈折率と現実に存在する大きさか
ら、紫外〜可視領域の光に対して波長の−2乗から−4
乗に比例して変化するような関数の散乱を起こす。散乱
光あるいは散乱により減衰した透過光は、この関数とし
て分光したスペクトル上に現れる。べき乗を表す指数の
数値と波長との対応関係は、散乱の主体となる球晶のサ
イズだけによって変化し、その数密度には関係しないの
で、指数は球晶のサイズだけを反映する。それゆえ、吸
光度スペクトルにλ2 を乗じた曲線は傾きが常に負、一
方λ4 を乗じて補正した曲線は傾きが常に正となる。ま
たλ4+P (P:−2〜0の任意定数)を乗じた場合は、
ある特定の波長でピークを有する曲線となることがわか
る。そこで、この特性を利用して波長に対する相対的な
球晶径と指数との関係は理論より導けるため、あらかじ
めそれらを対応させておける。即ち、f(α)の両対数
グラフ上でαに対する曲線の傾き、つまり、数式2に示
すf(α)のαに関する指数、
はないので、吸光度の絶対値からだけでは球晶径は求め
られない。しかし、散乱の理論によれば、高分子球晶の
場合、1に近い相対屈折率と現実に存在する大きさか
ら、紫外〜可視領域の光に対して波長の−2乗から−4
乗に比例して変化するような関数の散乱を起こす。散乱
光あるいは散乱により減衰した透過光は、この関数とし
て分光したスペクトル上に現れる。べき乗を表す指数の
数値と波長との対応関係は、散乱の主体となる球晶のサ
イズだけによって変化し、その数密度には関係しないの
で、指数は球晶のサイズだけを反映する。それゆえ、吸
光度スペクトルにλ2 を乗じた曲線は傾きが常に負、一
方λ4 を乗じて補正した曲線は傾きが常に正となる。ま
たλ4+P (P:−2〜0の任意定数)を乗じた場合は、
ある特定の波長でピークを有する曲線となることがわか
る。そこで、この特性を利用して波長に対する相対的な
球晶径と指数との関係は理論より導けるため、あらかじ
めそれらを対応させておける。即ち、f(α)の両対数
グラフ上でαに対する曲線の傾き、つまり、数式2に示
すf(α)のαに関する指数、
【0014】
【数2】 を求めておけば、それが関数f(α)におけるαの指数
Pになる。濁度の計算式で波長λだけに着目すると、結
局λ4+P を乗じることで特定のαに対するピークを与え
ることができる。つまり、ある特定の指数を使って全波
長領域について、スペクトルを波長のその指数乗で規格
化(例えば波長-bで除する、または波長bを乗ずる)す
ると、ピーク(極大値)を有する曲線に書き直される。
このピークを与える波長および使用した指数での波長と
球晶径の比から球晶径の値が直接得られる。
Pになる。濁度の計算式で波長λだけに着目すると、結
局λ4+P を乗じることで特定のαに対するピークを与え
ることができる。つまり、ある特定の指数を使って全波
長領域について、スペクトルを波長のその指数乗で規格
化(例えば波長-bで除する、または波長bを乗ずる)す
ると、ピーク(極大値)を有する曲線に書き直される。
このピークを与える波長および使用した指数での波長と
球晶径の比から球晶径の値が直接得られる。
【0015】規格化した曲線の形は、球晶の径に非常に
敏感に変化するので、スペクトルを精度良く得ていれば
球晶径の分布状態、例えば正規分布に従うなら標準偏差
が、曲線の形や傾きなどから求められる。しかし、この
場合、現実の分布がどんな関数に合致するかある程度調
べておく必要がある。また、真のスペクトルからのずれ
についても把握しておかなければならない。
敏感に変化するので、スペクトルを精度良く得ていれば
球晶径の分布状態、例えば正規分布に従うなら標準偏差
が、曲線の形や傾きなどから求められる。しかし、この
場合、現実の分布がどんな関数に合致するかある程度調
べておく必要がある。また、真のスペクトルからのずれ
についても把握しておかなければならない。
【0016】また、球晶径がわかると、相対屈折率ある
いは数密度のいずれかが判明していることによって、も
う一方をスペクトルの絶対値から簡単に計算できる。一
般には高分子の種類により相対屈折率がわかっており、
数密度を得ることになる。だが、別の手法で数密度を得
れば、相対屈折率を実験的に求める手法ともなる。
いは数密度のいずれかが判明していることによって、も
う一方をスペクトルの絶対値から簡単に計算できる。一
般には高分子の種類により相対屈折率がわかっており、
数密度を得ることになる。だが、別の手法で数密度を得
れば、相対屈折率を実験的に求める手法ともなる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
づいて詳細に説明する。
【0018】本発明の高分子球晶の解析装置は、測定対
象となる高分子球晶の吸光度スペクトルあるいは散乱強
度スペクトルを求める分光手段と、該手段によって得ら
れた吸光度スペクトルまたは散乱強度スペクトルに波長
のべき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を乗じる手段と
から構成され、測定対象高分子球晶の吸光度スペクトル
または散乱強度スペクトルを求めてからそれに波長のべ
き乗を乗じて規格化し、規格化されたスペクトルのピー
ク波長から球晶サイズ、その分布及び数密度(あるいは
球晶の相対屈折率)を求めるようにしている。分光手段
としては、例えば島津製作所株式会社製 商品名UV−
2200のような公知の分光光度計の使用が可能で、そ
れに付属するコンピュータのプログラムソフトの1つの
ルーチンとして測定吸光度スペクトルまたは散乱強度ス
ペクトルに波長のべき乗を乗じる手段を構成している。
勿論これに限定されるものではなく、例えば公知の演算
回路の使用も可能である。
象となる高分子球晶の吸光度スペクトルあるいは散乱強
度スペクトルを求める分光手段と、該手段によって得ら
れた吸光度スペクトルまたは散乱強度スペクトルに波長
のべき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を乗じる手段と
から構成され、測定対象高分子球晶の吸光度スペクトル
または散乱強度スペクトルを求めてからそれに波長のべ
き乗を乗じて規格化し、規格化されたスペクトルのピー
ク波長から球晶サイズ、その分布及び数密度(あるいは
球晶の相対屈折率)を求めるようにしている。分光手段
としては、例えば島津製作所株式会社製 商品名UV−
2200のような公知の分光光度計の使用が可能で、そ
れに付属するコンピュータのプログラムソフトの1つの
ルーチンとして測定吸光度スペクトルまたは散乱強度ス
ペクトルに波長のべき乗を乗じる手段を構成している。
勿論これに限定されるものではなく、例えば公知の演算
回路の使用も可能である。
【0019】ここで、べき乗の値b(=4+P)の求め
方としては、例えば次のレイリー−ギャンズ−デバイ
(Rayleigh-Gans-Debye )の理論による方法がある。球
晶半径aとピーク波長λ0 との比をcとすると、
方としては、例えば次のレイリー−ギャンズ−デバイ
(Rayleigh-Gans-Debye )の理論による方法がある。球
晶半径aとピーク波長λ0 との比をcとすると、
【0020】
【数3】 a=cλo の関係において
【0021】
【数4】 α=2πc を定義する。すると、
【0022】
【数5】 によって
【0023】
【数6】 を計算し、
【0024】
【数7】 b=4+P で、べき乗の値bを得る。精度よく吸光度スペクトルが
得られるならば波長に比べて球晶が大きくても小さくて
も仮定するcの値に応じて、広い範囲の球晶径が測定で
きることを示す。
得られるならば波長に比べて球晶が大きくても小さくて
も仮定するcの値に応じて、広い範囲の球晶径が測定で
きることを示す。
【0025】具体的には、例えば球晶半径a=波長λの
場合、α=2πの時のf(α)のλに関する指数Pは−
1.878と計算されるので、吸光度にλ2.122 を乗じ
たスペクトルはピークを与える波長が球晶半径に一致す
る。2a=λとするとα=πでありf(α)におけるα
の指数Pは−1.640と計算され、λ2.360 を乗じる
ことでピークを与える波長が半径の2倍すなわち直径を
表す。ここで、f(α)はレイリー−ギャンズ−デバイ
(Rayleigh-Gans-Debye )の理論による濁度の補正項で
ある。
場合、α=2πの時のf(α)のλに関する指数Pは−
1.878と計算されるので、吸光度にλ2.122 を乗じ
たスペクトルはピークを与える波長が球晶半径に一致す
る。2a=λとするとα=πでありf(α)におけるα
の指数Pは−1.640と計算され、λ2.360 を乗じる
ことでピークを与える波長が半径の2倍すなわち直径を
表す。ここで、f(α)はレイリー−ギャンズ−デバイ
(Rayleigh-Gans-Debye )の理論による濁度の補正項で
ある。
【0026】以上のように構成された解析装置による
と、高分子球晶の吸光度スペクトルまたは散乱強度スペ
クトルは所定の波長のべき乗を乗ずることによって規格
化されたスペクトルが得られる。このスペクトルはピー
クを有し、そのピーク部分の波長は球晶粒径と一定の関
係を有する。即ち、ピークを与える波長及びこのような
ピークを有するスペクトルに規格化するために使用した
指数での波長と球晶径との相関関係から球晶径の値が得
られる。
と、高分子球晶の吸光度スペクトルまたは散乱強度スペ
クトルは所定の波長のべき乗を乗ずることによって規格
化されたスペクトルが得られる。このスペクトルはピー
クを有し、そのピーク部分の波長は球晶粒径と一定の関
係を有する。即ち、ピークを与える波長及びこのような
ピークを有するスペクトルに規格化するために使用した
指数での波長と球晶径との相関関係から球晶径の値が得
られる。
【0027】[実施例1] 球晶径の異なる試料として、それぞれ違った温度条件で
作成した三種類のポリエチレンを準備した。具体的に
は、日本ユニカー株式会社製HFDJ−4201スーパ
ークリーンを原料とした。これらの球晶を電子顕微鏡を
用いて統計的に解析した結果、No.1の試料は球晶径
1.850μm(数密度0.217個/μm3 、径の標
準偏差480nm)、No.2の試料は球晶径1.34
0μm(数密度0.206個/μm3 、径の標準偏差5
00nm)、No.3の試料は球晶径0.890μm
(数密度0.271個/μm3 、径の標準偏差340n
m)であった。
作成した三種類のポリエチレンを準備した。具体的に
は、日本ユニカー株式会社製HFDJ−4201スーパ
ークリーンを原料とした。これらの球晶を電子顕微鏡を
用いて統計的に解析した結果、No.1の試料は球晶径
1.850μm(数密度0.217個/μm3 、径の標
準偏差480nm)、No.2の試料は球晶径1.34
0μm(数密度0.206個/μm3 、径の標準偏差5
00nm)、No.3の試料は球晶径0.890μm
(数密度0.271個/μm3 、径の標準偏差340n
m)であった。
【0028】これら試料を4.5mm厚の板状としてそ
れぞれの吸光度Aを測定したところ、図3のような吸光
度スペクトルが得られた。用いた分光計は島津製作所株
式会社製UV−2200であり、測定レンジは吸光度で
−4〜5Abs、透過度で0〜999.9%Tである。
ここで、この吸光度スペクトルを単に波長b を乗じて書
き直せばいいのであるが、実験値には散乱現象以外に反
射・吸収や多重散乱などの誤差が含まれるため、スペク
トルデータを補正しておく必要がある。補正のためのパ
ラメータは別に対象とする材料に関して実験と理論の両
面から検討しておくことを要する。極めて大雑把な手法
であるが、λ2 を乗じたスペクトルが常に負の傾きとな
り、λ4 を乗じたスペクトルが常に正の傾きとなる特質
を使って、それら各々の平均的な対数微分係数(指数)
の絶対値が等しくなるように補正値を定めた。
れぞれの吸光度Aを測定したところ、図3のような吸光
度スペクトルが得られた。用いた分光計は島津製作所株
式会社製UV−2200であり、測定レンジは吸光度で
−4〜5Abs、透過度で0〜999.9%Tである。
ここで、この吸光度スペクトルを単に波長b を乗じて書
き直せばいいのであるが、実験値には散乱現象以外に反
射・吸収や多重散乱などの誤差が含まれるため、スペク
トルデータを補正しておく必要がある。補正のためのパ
ラメータは別に対象とする材料に関して実験と理論の両
面から検討しておくことを要する。極めて大雑把な手法
であるが、λ2 を乗じたスペクトルが常に負の傾きとな
り、λ4 を乗じたスペクトルが常に正の傾きとなる特質
を使って、それら各々の平均的な対数微分係数(指数)
の絶対値が等しくなるように補正値を定めた。
【0029】ここでは影響の大きい反射・吸収によって
入射光の60%が散乱に関与しないと仮定した。この仮
定によって、真の吸光度スペクトルを仮に求め、波長の
2.122乗を乗じて規格化した結果が図1である。
2.122の数値はピークを与える波長が球晶の半径と
等しく、No.1試料は球晶径1.540μm、No.
2試料は球晶径1.320μm、No.3試料は球晶径
1.180μmとの結果が得られる。若干値は異なる
が、電子顕微鏡によって得た値と相対的には同じであ
り、試料間の差を見事に顕している。そして、これらの
値は、おおざっぱな過程に基づく補正に基づいているた
め正確には解析されていないものの電子顕微鏡による結
果と近いことから、本発明の手法が球晶径などを解析す
るに妥当であることを証明していると言える。そこで、
ピーク波長と球晶径との相関関係をあらかじめ求めてお
けば、これから球晶径の値がより正確に得られる。ま
た、電子顕微鏡で求めている数密度を使うと、相対屈折
率は1.002〜1.003で計算された。逆に例えば
相対屈折率を1.002など別に定めておけば数密度が
同じスペクトルから簡単に求まる。
入射光の60%が散乱に関与しないと仮定した。この仮
定によって、真の吸光度スペクトルを仮に求め、波長の
2.122乗を乗じて規格化した結果が図1である。
2.122の数値はピークを与える波長が球晶の半径と
等しく、No.1試料は球晶径1.540μm、No.
2試料は球晶径1.320μm、No.3試料は球晶径
1.180μmとの結果が得られる。若干値は異なる
が、電子顕微鏡によって得た値と相対的には同じであ
り、試料間の差を見事に顕している。そして、これらの
値は、おおざっぱな過程に基づく補正に基づいているた
め正確には解析されていないものの電子顕微鏡による結
果と近いことから、本発明の手法が球晶径などを解析す
るに妥当であることを証明していると言える。そこで、
ピーク波長と球晶径との相関関係をあらかじめ求めてお
けば、これから球晶径の値がより正確に得られる。ま
た、電子顕微鏡で求めている数密度を使うと、相対屈折
率は1.002〜1.003で計算された。逆に例えば
相対屈折率を1.002など別に定めておけば数密度が
同じスペクトルから簡単に求まる。
【0030】以上のようにして高分子球晶の球晶径が求
められればその後径分布および数密度若しくは相対屈折
率は次のようにして求められる。
められればその後径分布および数密度若しくは相対屈折
率は次のようにして求められる。
【0031】[径分布] 上述の手法によって規格化されたスペクトルの横軸(波
長)を、求めた球晶半径aを用いて2πaで除じグラフ
を書き直す。例えば、ピーク波長が球晶径に等しい場合
には図2の(A)に示すようになり、ピーク波長が球晶
直径に等しい場合には図2の(B)に示すように表され
る。ここで、指数に同じbの値を用いているならば、球
晶径の大きさに関係なく、このスペクトルの形状は同じ
となる。しかし、球晶径が例えば分布(正規分布など)
を有する場合、分布がない場合と比べてスペクトルが広
がる。この広がりを、例えば半値幅や任意点でのスペク
トルの傾きから定量化することによって、径の分布を見
積もることが可能になる。径分布とスペクトルの広がり
との関係は、実験および理論より予め解明させておく必
要がある。
長)を、求めた球晶半径aを用いて2πaで除じグラフ
を書き直す。例えば、ピーク波長が球晶径に等しい場合
には図2の(A)に示すようになり、ピーク波長が球晶
直径に等しい場合には図2の(B)に示すように表され
る。ここで、指数に同じbの値を用いているならば、球
晶径の大きさに関係なく、このスペクトルの形状は同じ
となる。しかし、球晶径が例えば分布(正規分布など)
を有する場合、分布がない場合と比べてスペクトルが広
がる。この広がりを、例えば半値幅や任意点でのスペク
トルの傾きから定量化することによって、径の分布を見
積もることが可能になる。径分布とスペクトルの広がり
との関係は、実験および理論より予め解明させておく必
要がある。
【0032】先にピーク波長から求めた球晶径は実際の
平均球晶径の分布から派生する誤差によって若干真の値
よりずれている可能性がある。分布が正しく得られるな
ら、これによってさらに、正確な平均球晶径を評価でき
る。
平均球晶径の分布から派生する誤差によって若干真の値
よりずれている可能性がある。分布が正しく得られるな
ら、これによってさらに、正確な平均球晶径を評価でき
る。
【0033】[数密度] 球晶の数密度を得るためには、球晶とそれ以外の非晶部
分との相対屈折率mを実験あるいは理論計算から精確に
把握しておかなければならない。径分布があまり大きく
ないとき紫外〜可視光分光光度計によって測定された吸
光度Aは、次の数式8
分との相対屈折率mを実験あるいは理論計算から精確に
把握しておかなければならない。径分布があまり大きく
ないとき紫外〜可視光分光光度計によって測定された吸
光度Aは、次の数式8
【0034】
【数8】 で表される。したがって、図1のピークの位置での波長
の規格化前の測定吸光度を用いると残りの値は全て得ら
れるので数密度Nが求められる。
の規格化前の測定吸光度を用いると残りの値は全て得ら
れるので数密度Nが求められる。
【0035】[相対屈折率] 球晶の相対屈折率mは、実験であらかじめ数密度Nを求
めておくことによって、上述の数密度Nの場合と同様に
求めることができる。
めておくことによって、上述の数密度Nの場合と同様に
求めることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
は、既に確立している紫外〜可視分光技術とそこで得ら
れるスペクトルの単純な計算によって、球晶サイズが評
価できるので以下の効果がある。
は、既に確立している紫外〜可視分光技術とそこで得ら
れるスペクトルの単純な計算によって、球晶サイズが評
価できるので以下の効果がある。
【0037】測定が極めて簡単であり、特殊な技能を
必要とせず、数分で精度の高い計測ができ、1回の測定
で結果的には球晶サイズの分布状況まで含まれる。ま
た、人間による判定が不要であり、測定者の主観が含ま
れないことから統計的な処理が不要となる。即ち、波長
の指数乗を使ったスペクトル規格化の手法は、電子顕微
鏡法などに見られる人間によるパターン認識等の主観的
判断を要せずしかも簡単である。それによって、測定者
による計測の違いや技術に伴う誤差の入り込む余地があ
まりないので、客観性の高い測定ができる。
必要とせず、数分で精度の高い計測ができ、1回の測定
で結果的には球晶サイズの分布状況まで含まれる。ま
た、人間による判定が不要であり、測定者の主観が含ま
れないことから統計的な処理が不要となる。即ち、波長
の指数乗を使ったスペクトル規格化の手法は、電子顕微
鏡法などに見られる人間によるパターン認識等の主観的
判断を要せずしかも簡単である。それによって、測定者
による計測の違いや技術に伴う誤差の入り込む余地があ
まりないので、客観性の高い測定ができる。
【0038】1度の計測から平均の球晶径(分光計の
精度によってはその分布状況)、数密度まで明らかにな
る。
精度によってはその分布状況)、数密度まで明らかにな
る。
【0039】従来の手法に比べて測定がかなり安価と
なる。例えば電子顕微鏡に比べてはるかに安価な市販の
分光計によって測定可能なので、1/10程度の設備コ
ストとなる。
なる。例えば電子顕微鏡に比べてはるかに安価な市販の
分光計によって測定可能なので、1/10程度の設備コ
ストとなる。
【0040】同一の測定手法で高範囲な球晶径の計測
が可能であり、実際の球晶径(数百nm〜数μm)を網
羅するだけの広い範囲を計測することが可能である。即
ち、指数の値を−2乗から−4乗の間で適当に選んで除
することによって、あるいは2乗から4乗の間で適当に
選んで乗じることによって、波長の範囲にとらわれず広
い範囲の球晶径を測定することができる。
が可能であり、実際の球晶径(数百nm〜数μm)を網
羅するだけの広い範囲を計測することが可能である。即
ち、指数の値を−2乗から−4乗の間で適当に選んで除
することによって、あるいは2乗から4乗の間で適当に
選んで乗じることによって、波長の範囲にとらわれず広
い範囲の球晶径を測定することができる。
【図1】誤差補正後の吸光度スペクトルを波長の2.1
22乗を乗じて規格化したスペクトル図である。
22乗を乗じて規格化したスペクトル図である。
【図2】波長のb乗を乗じて書き直した吸光度スペクト
ルの球晶径分布による影響を示すスペクトル図であり、
(A)はb=2.122の場合、(B)はb=2.36
の場合である。
ルの球晶径分布による影響を示すスペクトル図であり、
(A)はb=2.122の場合、(B)はb=2.36
の場合である。
【図3】通常の紫外〜可視分光光度計を用いて測定した
ポリエチレン試料の吸光度スペクトル図である。
ポリエチレン試料の吸光度スペクトル図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 測定対象となる高分子球晶の吸光度スペ
クトルまたは散乱強度スペクトルを求め、それを波長の
べき乗(波長b 、b:2〜4の実数)を乗じて規格化
し、そのスペクトルのピーク波長から球晶サイズを求め
ることを特徴とする高分子球晶の解析方法。 - 【請求項2】 請求項1で求められた高分子の球晶半径
aを用い、規格化されたスペクトルの波長について2π
aで除じ、吸光度スペクトルあるいは散乱光スペクトル
を波長に対して規格化し、規格化後のスペクトルの形状
の広がり度合いから球晶の分布を求めることを特徴とす
る高分子球晶の分析方法。 - 【請求項3】 請求項1で求められた規格化されたスペ
クトルの高分子球晶半径を示すピーク波長λ0 に対応す
る規格化前の元の測定値たる吸光度Aと数式1を用い、 【数1】 [但し、lは試料厚さ、mは相対屈折率、αは2πa/
λ0 、f(α)はレイリー−ギャンズ−デバイ(Raylei
sh-Gans-Debye )の理論による濁度の補正項である。]
あらかじめ求められた相対密度mから数密度Nを求め、
あるいはあらかじめ求められた数密度Nから相対密度m
を求めることを特徴とする高分子球晶の解析方法。 - 【請求項4】 紫外〜可視分光光度計を用いて測定対象
となる高分子球晶の吸光度スペクトルあるいは散乱光強
度スペクトルを求める分光手段と、吸光度スペクトルま
たは散乱強度スペクトルに波長のべき乗(波長b 、b:
2〜4の実数)を乗じる手段を設けたことを特徴とする
高分子球晶の解析装置。 【その他】明細書の実体的内容については変更なし。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3578492A JPH0743249B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 高分子球晶の解析方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3578492A JPH0743249B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 高分子球晶の解析方法及びその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH074925A JPH074925A (ja) | 1995-01-10 |
| JPH0743249B2 true JPH0743249B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=12451532
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3578492A Expired - Fee Related JPH0743249B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 高分子球晶の解析方法及びその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0743249B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4641084B2 (ja) * | 2000-05-08 | 2011-03-02 | ルネサスエレクトロニクス株式会社 | 半導体レーザの選別方法及び選別装置 |
| JP6018565B2 (ja) * | 2013-12-24 | 2016-11-02 | 日本電信電話株式会社 | 透明多孔体の細孔パラメータの算出方法 |
| JP6106125B2 (ja) * | 2014-05-08 | 2017-03-29 | 日本電信電話株式会社 | 透明多孔体の細孔パラメータの算出方法 |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP3578492A patent/JPH0743249B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH074925A (ja) | 1995-01-10 |
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