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JPH0749365B2 - プロポリス抽出物の製造方法 - Google Patents
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JPH0749365B2 - プロポリス抽出物の製造方法 - Google Patents

プロポリス抽出物の製造方法

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JPH0749365B2
JPH0749365B2 JP3162596A JP16259691A JPH0749365B2 JP H0749365 B2 JPH0749365 B2 JP H0749365B2 JP 3162596 A JP3162596 A JP 3162596A JP 16259691 A JP16259691 A JP 16259691A JP H0749365 B2 JPH0749365 B2 JP H0749365B2
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propolis
fraction
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residue
methyl alcohol
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哲也 松野
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日本プロポリス株式会社
松野 のり子
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    • Y02W30/74Recovery of fats, fatty oils, fatty acids or other fatty substances, e.g. lanolin or waxes

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  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プロポリスを原料とす
る殺腫瘍細胞作用および抗菌作用に優れた抽出物の製造
方法に関する。
【0002】
【背景技術】プロポリスは、ミツバチにより採取された
樹脂類、ミツバチの唾液分泌物、蜂ロウ、花粉等が混合
された一種のにかわ質であり、抗菌作用、抗炎症作用等
を示す民間薬として古くから知られている。現在、プロ
ポリスは食品添加物として認可されており、プロポリス
のエチルアルコール溶液、界面活性剤でミセル化された
プロポリスのグリセリン懸濁液等、プロポリスを含有し
た種々の飲食物が製造されている。そして、プロポリス
が各種の炎症、潰瘍、アレルギー性疾患等に対して治癒
効果を有していることを示す臨床例や抗悪性腫瘍作用が
認められた症例が、近年、一般的にも知られるようにな
り、これに伴って、健康保持、疾病予防等のためにこの
プロポリスを飲用する人が増加している。
【0003】
【発明の目的】プロポリスは、前述したエチルアルコー
ル溶液やグリセリン懸濁液等のかたちで飲食しても人体
にとって有用な物質であるが、本発明は、プロポリスが
有する生物活性作用、特に殺腫瘍細胞作用および抗菌作
用をより効率的に利用することができるプロポリス抽出
物の製造方法を提供することを目的とする。
【0004】
【目的を達成するための手段】本発明者は、プロポリス
に含まれる抗腫瘍物質の探索を進めていく過程で、プロ
ポリスに特定の処理を施すことにより殺腫瘍細胞作用お
よび抗菌作用に優れたプロポリス抽出物が得られること
を見出だし、本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明のプロポリス抽出物の製造方法は、プロポリスの
酢酸エチル抽出液から溶媒を蒸散除去した後、得られた
残渣をメチルアルコール中に分散させ、不溶物を除去し
て、メチルアルコール抽出液を得る工程(以下、第1の
工程ということがある)、前記メチルアルコール抽出
液をカラムクロマトグラフィーにかけて、70%から1
00%(V/V)までの酸性メチルアルコール濃度勾配
による溶出操作を行い、酸性メチルアルコール濃度が8
2〜88%(V/V)の範囲内の画分を得る工程(以
下、第2の工程ということがある)、前記画分から溶
媒を蒸散除去した後、得られた残渣をカラムクロマトグ
ラフィーにかけて、70%から80%(V/V)までの
酸性アセトニトリル濃度勾配による溶出操作を行い、酸
性アセトニトリル濃度が73〜76%(V/V)の範囲
内の画分を得る工程(以下、第3の工程ということがあ
る)、前記画分から溶媒を蒸散除去した後、得られた
残渣をカラムクロマトグラフィーにかけて、75%から
90%(V/V)までのエチルアルコール濃度勾配によ
る溶出操作を行い、エチルアルコール濃度が80〜85
%(V/V)の範囲内の画分を得る工程(以下、第4の
工程ということがある)とを含むことを特徴とするもの
である。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
プロポリス抽出物の製造方法では、まず、上述した第1
の工程を行う。この第1の工程での出発原料であるプロ
ポリスの酢酸抽出液は、プロポリス(塊状物、粉砕物、
乾燥粉末等)、プロポリスのエチルアルコール溶液、界
面活性剤でミセル化されたプロポリスのグリセリン懸濁
液等を用いて、例えば下記I、IIおよびIII のようにし
て調製することができる。
【0006】I.プロポリスを用いる場合には、プロポ
リスを酢酸エチルで直接抽出することにより、プロポリ
スの酢酸エチル抽出液を得てもよいが、下記a〜cの要
領で酢酸エチル抽出液を得た方がより好ましい。 a.まず、プロポリスを5〜10倍量(V/W)のエチ
ルアルコール[濃度:95〜99.5%(W/W)]と
混合し、マグネチックスターラー等を用いて20〜30
℃で一昼夜以上撹拌して懸濁液を得た後に、この懸濁液
を常圧下ないし減圧下でろ過して、プロポリスのエチル
アルコール抽出液を得る。 b.次いで、得られたエチルアルコール抽出液中の溶媒
をローターリーエバポレーター等を用いて蒸散除去す
る。 c.この後、得られた残渣を、水と酢酸エチルとの1:
1〜1:2混液に分散させ、上層の酢酸エチル層を分取
することによりプロポリスの酢酸エチル抽出液を得る。
【0007】II. プロポリスのエチルアルコール溶液を
用いる場合には、上記aの操作は省略して、上記bおよ
びcの操作を行うことによりプロポリスの酢酸エチル抽
出液を得る。 III.界面活性剤でミセル化されたプロポリスのグリセリ
ン懸濁液を用いる場合には、まず、この懸濁液を1〜2
倍量(V/V)のイソプロピルアルコールやDMSO
(ジメチルスルホキシド)等と混合し、マグネチックス
ターラー等で撹拌しながら前記懸濁液に対して10〜1
5倍量(V/V)の5〜10%(W/V)食塩水と、同
じく2〜3倍量(V/V)の酢酸エチルとを加え、20
〜30℃で5〜10分撹拌を続ける。撹拌後、静置また
は低速遠心して、上層の酢酸エチル層を分取することに
よりプロポリスの酢酸エチル抽出液を得る。
【0008】本発明の方法における第1の工程では、上
述のようにして得られるプロポリスの酢酸エチル抽出液
から溶媒を蒸散除去した後、得られた残渣をメチルアル
コール中に分散させ、不溶物を除去して、メチルアルコ
ール抽出液を得る。ここで、酢酸エチル抽出液からの溶
媒の蒸散除去は、常法に基づき、ローターリーエバポレ
ーター等により行うことができる。また、残渣を分散さ
せたメチルアルコール中からの不溶物の除去は、常法に
基づき、ろ過や低速遠心等により行うことができる。第
1の工程で用いるメチルアルコールの濃度は、99.5
〜99.7%(W/W)であることが好ましい。
【0009】本発明の方法では、第2の工程として、上
述した第1の工程で得られたメチルアルコール抽出液を
カラムクロマトグラフィーにかけて、70%から100
%(V/V)までの酸性メチルアルコール濃度勾配によ
る溶出操作を行い、酸性メチルアルコール濃度が82〜
88%(V/V)の範囲内の画分を得る。この第2の工
程で用いるカラムは、予め70%(V/V)酸性メチル
アルコール(pHは溶離剤のpHと同じ)で平衡化して
おくことが好ましい。また、カラムクロマトグラフィー
としては液体クロマトグラフィーが特に好ましく、液体
クロマトグラフィーを行う場合のカラムとしては、OD
S系カラム[例えば、東ソー(株)製のODS 80T
M ]等を用いることが好ましい。酸性メチルアルコール
濃度が82〜88%(V/V)の範囲内の画分は、例え
ば液体クロマトグラフィーの場合、オートマチックフラ
クションコレクター等を用いて常法により得ることがで
きる。また、以下のクロマト操作においては、紫外線
(例えば波長254nm)の吸収を自動的に測定、記録
することにより、画分の溶出を検出することができる。
なお、第2の工程で溶離剤として用いる70〜100%
(V/V)酸性メチアルコール、およびカラムの平衡化
のために第2の工程で用いられることがある70%(V
/V)酸性メチルアルコールとは、それぞれ、当該濃度
(V/V)のメチルアルコールに酢酸等の揮発性酸を加
えてpHを3.4〜3.6に調整した液を意味する。
【0010】本発明の方法では、第3の工程として、上
述した第2の工程で得られた酸性メチルアルコール濃度
が82〜88%(V/V)の範囲内の画分から溶媒を蒸
散除去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィ
ーにかけて、70%から80%(V/V)までの酸性ア
セトニトリル濃度勾配による溶出操作を行い、酸性アセ
トニトリル濃度が73〜76%(V/V)の範囲内の画
分を得る。この第3の工程における前記画分からの溶媒
の蒸散除去は、常法に基づき、ローターリーエバポレー
ター等により行うことができる。得られた残渣をカラム
クロマトグラフィーにかけるにあたっては、残渣を70
%(V/V)酸性アセトアニリルに溶解させてカラムに
注入することが好ましい。また、この第3の工程で用い
るカラムは、予め70%(V/V)酸性アセトニトリル
(pHは溶離剤のpHと同じ)で平衡化しておくことが
好ましい。カラムクロマトグラフィーとしては、液体ク
ロマトグラフィーが特に好ましく、液体クロマトグラフ
ィーを行う場合のカラムとしては、ODS系カラム[例
えば、東ソー(株)製のODS 80TM ]等を用いる
ことが好ましい。酸性アセトアニリル濃度が73〜76
%(V/V)の範囲内の画分は、例えば液体クロマトグ
ラフィーの場合、オートマチックフラクションコレクタ
ー等を用いて常法により得ることができる。なお、第3
の工程で溶離剤として用いる70〜80%(V/V)酸
性メチアルコール、およびカラムの平衡化のために第3
の工程で用いられることがある70%(V/V)酸性ア
セトニトリルとは、それぞれ、当該濃度(V/V)のア
セトニトリルに酢酸等の揮発性酸を加えてpHを3.4
〜3.6に調整した液を意味する。
【0011】本発明の方法では、第4の工程として、上
述した第3の工程で得られた、酸性アセトニトリル濃度
が73〜76%(V/V)の範囲内の画分の溶媒を蒸散
除去した後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィー
にかけて、75%から90%(V/V)までのエチルア
ルコール濃度勾配による溶出操作を行い、エチルアルコ
ール濃度が80〜85%(V/V)の範囲内の画分を得
る。この第4の工程における前記画分からの溶媒の蒸散
除去は、常法に基づき、ローターリーエバポレーター等
により行うことができる。得られた残渣をカラムクロマ
トグラフィーにかけるにあたっては、残渣を70%(V
/V)アセトニトリルに溶解させてカラムに注入するこ
とが好ましい。また、この第4の工程で用いるカラム
は、予め75%(V/V)エチルアルコールで平衡化し
ておくことが好ましい。カラムクロマトグラフィーとし
ては、液体クロマトグラフィーが特に好ましく、液体ク
ロマトグラフィーを行う場合のカラムとしては、ODS
系カラム[例えば、東ソー(株)製のODS 80
M ]等を用いることが好ましい。エチルアルコール濃
度が80〜85%(V/V)の範囲内の画分は、例えば
液体クロマトグラフィーの場合、オートマチックフラク
ションコレクター等を用いて常法により得ることができ
る。紫外線(例えば波長254nm)の吸収を自動的に
測定、記録することにより画分の溶出を確認する。この
際、主画分が2つ得られた場合は、両方の主画分を得て
もよいが、エタノール濃度にして82〜83%(V/
V)近辺で溶出される後方の画分を得た方がより好まし
い。
【0012】このようにして得られる、エチルアルコー
ル濃度が80〜85%(V/V)の範囲内の画分中に
は、プロポリス中に含まれていた殺腫瘍細胞作用および
抗菌作用に優れた物質が高濃度で含まれている。したが
って、本発明の方法に基づいて得られた、上記エチルア
ルコール濃度が80〜85%(V/V)の範囲内の画分
を水、生理食塩水等により希釈したものを食することに
より、前述したエチルアルコール溶液やグリセリン懸濁
液等のかたちでプロポリスを食する場合よりも、プロポ
リスが有する殺腫瘍細胞作用および抗菌作用をより効率
的に利用することが可能となる。また本発明の方法は、
上述のようにして得た、エチルアルコール濃度が80〜
85%(V/V)の範囲内の画分の溶媒を蒸散除去して
残渣を得る工程を含んでいてもよい。そしてこの残渣そ
のもの、あるいは得られた残渣を食物に添加したものを
食することにより、プロポリスが有する殺腫瘍細胞作用
および抗菌作用をより効率的に利用することが可能とな
る。さらに、本発明の方法に基づいて得られたプロポリ
ス抽出物は、医薬品製造原料等として利用することもで
きる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 (1) 第1の工程 まず、ブラジル産プロポリス100gを10倍量(V/
V)の99.5%(W/W)エチルアルコールと混合
し、マグネチックスターラーを用いて室温下で撹拌し
た。得られた懸濁液をろ紙を通して減圧ろ過して、プロ
ポリスのエチルアルコール抽出液を得た。次いで、得ら
れたエチルアルコール抽出液の溶媒をローターリーエバ
ポレーターを用いて蒸散除去し、得られた残渣30gを
水と酢酸エチルとの1:1混液に分散させ、上層の酢酸
エチル層を分取することによりプロポリスの酢酸エチル
抽出液を得た。この後、得られた酢酸エチル抽出液の溶
媒をローターリーエバポレーターにより蒸散除去し、得
られた残渣20gを99.5%(W/W)メチルアルコ
ールに分散させた後に不溶物を低速遠心により取除い
て、メチルアルコール抽出液を得た。
【0014】(2) 第2の工程 上記(1) で得られたメチルアルコール抽出液を、70%
(V/V)酸性メチルアルコール[70%(V/V)メ
チルアルコールのpHを酢酸で3.5に調整したもの]
で平衡化した高速液体クロマトグラフィー用ODS系カ
ラム[商品名:東ソーODS 80TM 、東ソー(株)
製]に注入し、70%から100%(V/V)までの酸
性メチルアルコール(pHは酢酸で3.5に調整)濃度
勾配による傾斜溶離を行った。この後、酸性メチルアル
コール濃度82〜88%の画分をオートマチックフラク
ションコレクターを用いて分取した。
【0015】(3) 第3の工程 まず、上記(2) で得られた酸性メチルアルコール濃度8
2〜88%の画分を1つに集め、溶媒をローターリーエ
バポレーターにより蒸散除去して、残渣200mgを得
た。次いで、得られた残渣を70%(V/V)酸性アセ
トニトリル[70%(V/V)アセトニトリルのpHを
酢酸で3.5に調整したもの]に溶解させ、得られた溶
液を、70%酸性アセトニトリル[70%(V/V)ア
セトニトリルのpHを酢酸で3.5に調整したもの]で
平衡化した高速液体クロマトグラフィー用ODS系カラ
ム[商品名:東ソーODS 80TM 、東ソー(株)
製]に注入し、70〜80%(V/V)の酸性アセトニ
トリル(pHは酢酸で3.5に調整)濃度勾配による傾
斜溶離を行った。この後、酸性アセトニトリル濃度73
〜76%の画分をオートマチックフラクションコレクタ
ーを用いて分取した。
【0016】(4) 第4の工程 まず、上記(3) で得られた酸性アセトニトリル濃度73
〜76%の画分を1つに集め、溶媒をローターリーエバ
ポレーターにより蒸散除去して、残渣50mgを得た。
次いで、得られた残渣を70%(V/V)アセトニトリ
ルに溶解させ、得られた溶液を、75%(V/V)エチ
ルアルコールで平衡化した高速液体クロマトグラフィー
用ODS系カラム[商品名:東ソーODS 80TM
東ソー(株)製]に注入し、75〜90%(V/V)の
エチルアルコール濃度勾配による傾斜溶離を行った。こ
の後、エチルアルコール濃度80〜85%の画分をオー
トマチックフラクションコレクターを用いて分取した。
紫外線(波長254nm)を吸収する主画分が2つ得ら
れたので、後方の画分を得た。得られた画分を1つに集
めて、本発明の目的物であるプロポリス抽出物(A)を
得た。
【0017】実施例2 まず、界面活性剤でミセル化されたプロポリスのグリセ
リン懸濁液[商品名:ESTA PRONTO、日本プ
ロポリス(株)製]100mlと1.5倍量(V/V)
のイソプロピルアルコールとを混合し、マグネチックス
ターラーで撹拌しながら前記グリセリン懸濁液に対して
7倍量(V/V)の10%(W/V)食塩水と同じく2
倍量(V/V)の酢酸エチルとを加え、室温下で約5分
撹拌を続けた。撹拌後、静置して、上層の酢酸エチル層
を分取することによりプロポリスの酢酸エチル抽出液を
得た。次いで、得られた酢酸エチル抽出液の溶媒をロー
ターリーエバポレーターにより蒸散除去し、得られた残
渣10gを99.5%(W/W)メチルアルコールに分
散させた後に不溶物を低速遠心により取除いて、メチル
アルコール抽出液を得た。この後は実施例1(2) 〜(4)
と同様の操作を行ってエチルアルコール濃度80〜85
%の画分を分取し、得られた画分を1つに集めて、本発
明の目的物であるプロポリス抽出物(B)を得た。
【0018】殺腫瘍細胞作用試験 実施例1(4) で得られたプロポリス抽出物(A)から溶
媒をローターリーエバポレーターにより蒸散除去して残
渣(以下、これを残渣Aというが、これも本発明の目的
物であるプロポリス抽出物に相当する)を得、この残渣
Aを被験物質として用いて、以下のようにして殺癌細胞
作用の試験を行った。まず、ヒト肝癌HuH13株を液
体培地(10%仔ウシ血清を含むイーグルMEM培地)
で培養した後、1×105 細胞/mlのHuH13株浮
游液に調製した。次いで、この浮游液に、被験物質のD
MSO溶液を被験物質の濃度が所定濃度となるように添
加した後、この液をプラスチックプレートのウエルに
0.1ml分注して、5%炭酸ガスと95%空気との通
気雰囲気下、37℃で48時間培養した。次に、プレー
ト壁に付着した細胞をトリプシンとEDTA(エチレン
ジアミンテトラ酢酸)とで処理して剥離し、剥離した細
胞を新しい別のプラスチックプレートに移して、5%炭
酸ガスと95%空気との通気雰囲気下、37℃で培養し
た。このときの培養液としては、同上の血清を含むイー
グル培地を用いた。
【0019】24時間後、プレート壁に付着している生
細胞をMTT法{Slater,T.F. ら、Biochim. Biophys.
Acta 77 (1963) 353〜393 。MTT[3−(4,5−ジ
メチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテ
トラゾリウム ブロマイド]を細胞に取り込ませ、これ
を還元することにより生じるMTTフォルマザンの呈色
反応を利用する方法}により定量し、被験物質で処理し
た際の生細胞数と無処理対照生細胞数との割合を算定す
ることにより生存率を求めて、生存率の高低により殺癌
細胞作用の強弱を評価した。なお、コントロールでは被
験物質に代えて、被験物質を溶解するDMSOを用い
た。また、対照細胞としてはウサギ腎RK13株と初代
ウサギ腎細胞とを用い、これらの細胞には、プラスチッ
クプレート中で単層培養して集密的になったときに、被
験物質のDMSO溶液を被験物質の濃度が所定濃度とな
るように加え、以後はヒト肝癌HuH13株の場合と同
様にして、生存率を求めた。これらの結果を図1に示
す。
【0020】図1から明らかなように、本発明の方法に
より得られるプロポリス抽出物の1つである残渣Aは、
ヒト肝癌HuH13株に対しては優れた殺傷作用を示
し、ウサギ腎RK13株や初代ウサギ腎細胞に対しては
比較的低い殺傷作用しか示さない。このことから、残渣
Aは殺癌細胞作用に優れているということがわかる。
【0021】抗菌作用試験 上述した残渣Aを被験物質として用いて、以下のように
して抗菌作用の試験を行った。まず、表1に示す被験菌
をそれぞれの培地で100〜1000個/mlに希釈し
て、96穴U底マイクロプレートのA列にはウエル当た
り196μl 、B列からH列までは100μl 、それぞ
れ分注した。次いで、残渣Aを25mg/ml の濃度で含
有するDMSO溶液4μl をA列ウエルに加え、撹拌
後、100μl をB列ウエルに移して撹拌し、以下、C
〜F列まで順に希釈操作を繰返した。希釈操作終了後、
感圧フィルム(Pressure Sensitive Film 、商品名:Fa
lcon 3073 、Falcon社製)でA〜F列のウエルを封止
し、37℃で培養して毎日観察した。抗菌作用の判定
は、残渣AのDMSO溶液を添加しなかった培地中で被
験菌の増殖が認められた時点で行った。なお、被験菌の
うちのアルギニン分解マイコプラズマの培地としては
0.25%アルギニン−HCl添加SP−4培地(pH
7.2)を用い、グルコース分解マイコプラズマの培地
としては0.25%グルコース添加SP−4培地(pH
7.8)を用い、培地の色調変化で増殖を判定した。ま
た、細菌の培地としてはBrain Heart Infusion培地(脳
肝浸出液培地、Difco 社製)を用い、菌塊の形成で増殖
を判定した。これらの結果を表1および表2に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1および表2から明らかなように、本発
明の方法により得られるプロポリス抽出物の1つである
残渣Aは、特定のマイコプラズマおよび菌に対して優れ
た抗菌作用を示す。
【0025】細胞周期およびDNA合成に及ぼす影響試
前述した殺癌細胞作用試験の場合と同様にして得た残渣
Aがヒト肝癌HuH13株の細胞周期およびDNA合成
に及ぼす影響を、以下のようにして解析した。まず、1
0%仔ウシ血清を含むイーグルMEM培地中、37℃、
5%炭酸ガスと95%空気との通気雰囲気下で所定期間
培養した細胞株を70%(V/V)エタノールで処理し
て、各細胞を固定化すると共に細胞膜の透過性を高め
た。次いで、各細胞を塩酸で処理して、DNAを変性さ
せた。次に、各細胞を30分間BrdU(ブロモデオキ
シウリジン)で処理した後、PI(ヨウ化プロピジュウ
ム)を各細胞に取り込ませてDNAと結合させた。ま
た、PIを取り込ませるのと同時に、FITC(フルオ
レッセント イソチオシアネート)で標識した抗Brd
Uモノクローナル抗体を各細胞に取り込ませた。この
後、DNAフローサイトメーター[商品名:FACSc
an、Becton Dickinson Immunocytometry Systems社
製]により、PIを取り込んだ各細胞内DNAを定量し
て細胞株におけるDNA量の分布パターンを調べ、同時
に、DNA中に取り込まれたBrdUの有無を調べた。
なお、残渣AはDMSOに溶解させて、最終濃度が2μ
g/mlとなるように培養開始時に上記培養液中に添加
した(以下、このときの細胞群を試験群という)。ま
た、コントロールでは残渣AのDMSO溶液に代えてD
MSOを添加した。そして、1つの対照群では、残渣A
のDMSO溶液に代えてコルセミドのDMSO溶液を、
コルセミドの最終濃度が1μg/mlとなるように添加
し(以下、このときの細胞群を対照群1という)、他の
対照群では前記コルセミドのDMSO溶液の添加と同時
に、前記残渣AのDMSO溶液を添加した(以下、この
ときの細胞群を対照群2という)。
【0026】この結果、残渣Aを添加した試験群では、
1 期(DNA合成準備期)およびM期(分裂期)にあ
る細胞の割合よりもS期(DNA合成期)にある細胞の
割合の方が相対的に高くなってた。一方、コントロール
では、G1 期にある細胞の割合が最も高く、次いで、M
期にある細胞、S期にある細胞が多く見られた。そし
て、対照群1ではM期にある細胞の割合が最も高く、対
照群2ではS期にある細胞の割合が圧倒的に高かった。
このことから、残渣Aはヒト肝癌HuH13株の分裂を
S期で停止させる作用を有し、かつ、G1 期からS期へ
の移行およびM期からG1 期への移行に対しては特別な
影響は及ぼさないことがわかる。また、残渣Aを添加し
た試験群および対照群2ではDNA中へのBrdUの取
り込みが確認されなかったのに対して、対照群1ではD
NA中へのBrdUの取り込みが確認された。このこと
から、残渣Aは、ヒト肝癌HuH13株におけるDNA
合成を抑制していることがわかる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
り得られるプロポリス抽出物は、殺腫瘍細胞作用および
抗菌作用に優れている。また、DNA合成抑制作用等も
有している。したがって本発明によれば、プロポリスが
有する生物活性作用、特に殺腫瘍細胞作用および抗菌作
用を、飲食物、医薬品製造原料等のかたちでより効率的
に利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明の方法により得られたプロポリス抽
出物の殺腫瘍細胞作用の試験結果を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロポリスの酢酸エチル抽出液から溶
    媒を蒸散除去した後、得られた残渣をメチルアルコール
    中に分散させ、不溶物を除去して、メチルアルコール抽
    出液を得る工程、 前記メチルアルコール抽出液をカラムクロマトグラ
    フィーにかけて、70%から100%(V/V)までの
    酸性メチルアルコール濃度勾配による溶出操作を行い、
    酸性メチルアルコール濃度が82〜88%(V/V)の
    範囲内の画分を得る工程、 前記画分から溶媒を蒸散除去した後、得られた残渣
    をカラムクロマトグラフィーにかけて、70%から80
    %(V/V)までの酸性アセトニトリル濃度勾配による
    溶出操作を行い、酸性アセトニトリル濃度が73〜76
    %(V/V)の範囲内の画分を得る工程、 前記画分から溶媒を蒸散除去した後、得られた残渣
    をカラムクロマトグラフィーにかけて、75%から90
    %(V/V)までのエチルアルコール濃度勾配による溶
    出操作を行い、エチルアルコール濃度が80〜85%
    (V/V)の範囲内の画分を得る工程とを含むことを特
    徴とする、プロポリス抽出物の製造方法。
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