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JPH0753068B2 - 仔鮎の誘導方法 - Google Patents
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JPH0753068B2 - 仔鮎の誘導方法 - Google Patents

仔鮎の誘導方法

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JPH0753068B2
JPH0753068B2 JP8326493A JP8326493A JPH0753068B2 JP H0753068 B2 JPH0753068 B2 JP H0753068B2 JP 8326493 A JP8326493 A JP 8326493A JP 8326493 A JP8326493 A JP 8326493A JP H0753068 B2 JPH0753068 B2 JP H0753068B2
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JP
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ayu
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light
sweetfish
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勝二 寺薗
勝彦 上條
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財団法人ダム水源地環境整備センター
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、卵から孵ったばかりで
遊泳力の弱い河川内の仔鮎を、この河川の一方の岸側に
向けて誘導するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鮎は、日本の河川における漁業対象魚の
うち、鮭と並んで人工的に増殖させる魚の代表的なもの
である。鮎には、河川の中下流域で産卵し、卵から孵っ
た仔鮎は河川を下って海に向かい、海である程度大きく
なってから河川に戻る習性があるため、これを利用した
鮎の生育も行われている。
【0003】しかしながら、河川の途中に用水等の取水
口があると、遊泳力の弱い仔鮎は河川の流れによりこの
取水口に取り込まれ、海へ向かうことができなくなる。
そのため、鮎の生育用の河川に取水口が有る場合には、
仔鮎が取水口に取り込まれない対策が施される必要があ
る。その対策として、遊泳力のある比較的大きな魚につ
いては、取水口側に寄った魚を電気スクリーン等で逆側
に戻す方法が採られているが、遊泳力が弱い仔鮎の場合
はこのような方法は適用できず、仔鮎が取水口に取り込
まれることを防止できる有効な対策は施されていなかっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術の問題点に着目してなされたものであり、遊泳
力が弱い仔鮎を取水口の対岸側へ誘導するための有効な
方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1は、河川の一方の岸側に、河川の長さ方向
の所定区間において光を照射し、前記河川内の仔鮎を前
記光に沿って前記一方の岸側に向けて誘導することを特
徴とする仔鮎の誘導方法を提供する。請求項2は、河川
の長さ方向の所定区間に光を照射し、前記光の河川の幅
方向における照射幅を、上流側から下流側に向かうにつ
れて河川の一方の岸側に偏らせて小さくし、前記河川内
の仔鮎を前記光に沿って前記一方の岸側に向けて誘導す
ることを特徴とする仔鮎の誘導方法を提供する。
【0006】請求項3は、請求項1または2の特徴に加
えて、河川における、前記光が照射された下流側の終端
部付近に、前記河川の水中を幅方向に区分するスクリー
ンを設置して、前記終端部より下流側においても、前記
河川内の仔鮎を前記一方の岸側に向けて誘導することを
特徴とする仔鮎の誘導方法を提供する。請求項4は、請
求項1〜3の特徴に加えて、前記光の、河川の長さ方向
における配列距離を、前記河川の幅と流速と仔鮎の泳ぐ
速度とから算出することを特徴とする仔鮎の誘導方法を
提供する。
【0007】ここで、仔鮎とは、卵から孵ったばかりの
鮎で体長が5mm程度のものをいい、遊泳力が弱く、泳
ぐ速度は最大でも3cm/s程度であり、長い時間の平
均的な遊泳速度は1cm/s程度であると推測される。
【0008】
【作用】鮎の生育用河川において一時間毎に仔鮎の数を
数えて、一日における個体数の変化を調べた結果を図1
に示すが、この結果から、仔鮎は昼間より夜間に多く河
川を下ることが分かる。その理由は、卵から孵ったばか
りの仔鮎は体力が弱いため、昼間の紫外線に耐えられず
に死んでしまう可能性が高く、紫外線の照射がほとんど
ない夜間に活動するからではないかと考えられる。
【0009】また、鮎は成魚となると光を嫌う習性があ
るといわれているが、実験の結果、仔鮎は光に反応して
寄ってくることが分かった。すなわち、橙色の光を出す
ナトリウム灯を用い、河川の幅方向を左右半分に分けて
片側のみを照らし、各側に存在する仔鮎の数を調べた。
その結果を図2(a),(b)に示す。いずれの場合に
も、ナトリウム灯で照らした側にいる仔鮎の数がかなり
多かった。
【0010】これらのことから、請求項1の方法によれ
ば、河川の一方の岸側に、河川の長さ方向の所定区間に
おいて光を照射しているため、河川内の仔鮎は夜間にこ
の光に反応して寄っていき、前記一方の岸側に向かう。
また、請求項2の方法によれば、光の河川の幅方向にお
ける照射幅を、上流側から下流側に向かうにつれて河川
の一方の岸側に偏らせて小さくしているため、仔鮎は、
夜間にその光の配列に沿って水中を移動して、河川内の
一方の岸側に向かう。
【0011】したがって、前記一方の岸側を、取水口等
の仔鮎を向かわせたくない場所の対岸に設定することに
より、夜間に仔鮎が河川を下る際に、仔鮎を前記対岸に
向かわせて取水口に取り込まれないようにすることがで
きる。請求項3の方法によれば、請求項1および2の方
法に加えて、前記河川における、前記光が照射された下
流側の終端部付近にスクリーンを併設したために、請求
項1または2の方法により一方の岸側に誘導された仔鮎
が、その先において他方の岸側に向かうことを防止でき
る。
【0012】仔鮎の岸側への流され易さは、河川の幅と
流速と仔鮎の泳ぐ速度とで決まるため、請求項4の方法
によれば、図3に示すように、取水口12等の仔鮎を向
かわせたくない場所の上流端を光の照射終点Aとした時
に、その対岸へ仔鮎を有効に誘導することのできるため
の光の照射始点Bが分かる。すなわち、例えば図3に示
すように、河川の幅をW、流速をu、仔鮎の泳ぐ速度を
v、河川の長さ方向における光の照射距離をXとし、B
点においては河川の幅方向全体に渡って光が照射される
とすると、理論的にはW/X=v/u…(1)を満たす
場合に、仔鮎は直線L(A点とB点の対岸の点とを結ん
だ直線)に沿って流されるため、河川内に照射された光
に沿って仔鮎が誘導されやすくなる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の方法の一実施例を図面に基づ
き説明する。図4はこの方法が適用された河川を示す平
面図である。仔鮎が流れ下るこの河川1の右岸には、用
水11に向かう取水口12が有り、河川1内には、取水
口11の上流側の端部A1 点からこれより上流のB1
までの間に、多数のナトリウム灯2が配設してある。す
なわち、河川の長さ方向においては、左岸のA点位置T
A と右岸のB点位置TB とを結ぶ直線L1 と、これに平
行な直線L2 〜L4 とに沿って、幅方向においては、長
さ方向に垂直な線に沿ってそれぞれ等間隔に、各ナトリ
ウム灯2が設置されている。
【0014】この河川1は、幅が80m、流速が15c
m/sであり、仔鮎の泳ぐ速度は1cm/s程度である
ことから、ここでは、前述の式(1)より、河川の長さ
方向における灯の配列距離X1 を算出して(X1 =(1
5/1)×80m=1200m)、B1 点をA1 点から
1200m離れた位置とした。なお、式(1)は風等の
影響を無視した理論値であるため、仔鮎の泳ぐ速度を小
さく見積もり(例えば、v1 =0.5v)、河川の流速
を大きく見積もって(例えば、u1 =1.5u)、例え
ばX=(1.5v/0.5u)×Wの式から河川の長さ
方向における灯の配列距離X1 を算出してもよい。
【0015】これらの各ナトリウム灯2は、図5に示す
ように、下側に土嚢等の重り21を係留綱22aで取り
付け、上側にフロート23を係留綱22bで取り付けた
状態で水中に沈めることで、水中の所定高さに安定的に
設置してある。このナトリウム灯2の電源コード2a
は、係留綱22bに巻き付けてからフロート23を介し
て水面の上方に出し、左岸にある100Vの電源に接続
してある。また、フロート23にバッテリーを乗せてこ
れに接続してもよい。なお、各ナトリウム灯2は、河川
の水面より上方に設置されてもよい。
【0016】また、河川1の長さ方向における、ナトリ
ウム灯2の下流側の終端部より少し手前から用水11の
左岸付近までにかけて、幅方向の中央部付近に、十数枚
のスクリーン3を配置した。図6(a),(b)から分
かるように、スクリーン3は縦長の板材からなり、平面
視で、水流に対して斜めに、上流側が右岸側、下流側が
左岸側に向くように配列してある。この配列により、仔
鮎は、例えば水流に乗りながら矢印Cのように進むこと
ができる。
【0017】そして、これらのスクリーン3を水中の所
定位置に安定的に設置するため、十数枚のスクリーン3
を等間隔に直列に並べ、各スクリーン3の上端部を綱材
31で連結して、綱材31の両端部にフロート31を取
り付けてあり、各スクリーン3の下端部は綱材33で連
結して、綱材33の各端部はほつれないように固く縛っ
てある。また、各スクリーン3の下端面に綱材34を当
てて固定し、この綱材34の両端部に土嚢35を取り付
けてある。
【0018】したがって、夜間に上流側から流れてきた
仔鮎は、ナトリウム灯2の設置始点B1 から終点A1
でナトリウム灯2の光に誘導されるため、取水口12付
近においては河川1の左岸を流れ下る。また、スクリー
ン3の設置により、左岸に誘導された仔鮎が、取水口1
2付近において右岸側に向かうことを防止できる。これ
により、仔鮎を取水口12に取り込まれないようにし
て、さらに下流へ向かわせることができる。
【0019】また、本発明の別の実施例においては、図
7に示すように、ナトリウム灯4を設置することができ
る。すなわち、この場合には、図8に示すように、ナト
リウム灯4の設置用土台41を河川1の左岸をなす地面
10に固定して、そこからアーム42を延ばし、その先
端にナトリウム灯4を取り付けて、左岸の水面に光が照
射されるようにしてある。このアーム42の先端にはフ
レキシブル機構43が備えてあり、ナトリウム灯4の水
面に対する照射角度が変えられるようになっている。ま
た、この例では、使用するナトリウム灯4をワット数の
違うものに取り替えることにより、河川内の照度を容易
に変えることができる。
【0020】このようにして、複数個のナトリウム灯4
を、図4におけるX1 と同様の距離X2 の間に、河川1
の上流から下流に向けて設置間隔が大きくなるように設
置することにより、河川1の水面のうち、想像線Dと左
岸とで囲まれた部分Sにナトリウム灯4からの光が及ぶ
ようにした。なお、本発明の方法に使用されるスクリー
ン3は、前述のような板材からなるものに限定されず、
網状のもの等種々のものが含まれる。
【0021】加えて、カジカ等の仔魚についても、ナト
リウム灯等の光に反応して寄ってくることが予想されて
おり、これらについても本発明の方法と同様にして河川
内を誘導することができると考えられる。
【0022】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、仔鮎の習性である、夜間に河川を下ることと、灯に
反応して寄ってくることとを利用して、遊泳力が弱い仔
鮎を河川の一方の岸側へ誘導する効果的な方法を提供す
ることができる。これにより、仔鮎は河川の一方の岸側
へ誘導されるため、生育中の仔鮎が河川の途中にある取
水口等へ取り込まれないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】河川における仔鮎の存在数の経時変化を調べた
結果を示すグラフである。
【図2】仔鮎がナトリウム灯に反応するかどうかを調べ
た結果を示すグラフである。
【図3】請求項4の方法の一例を説明するための説明図
である。
【図4】本発明の一実施例の方法が適用された河川を示
す平面図である。
【図5】この実施例における各ナトリウム灯の、河川内
への設置方法を示す説明図である。
【図6】この実施例におけるスクリーンの設置方法を示
す斜視図と平面図である。
【図7】本発明の別の実施例が適用された河川を示す平
面図である。
【図8】図7における各ナトリウム灯の設置方法を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 河川 2 ナトリウム灯 3 スクリーン 4 ナトリウム灯

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 河川の一方の岸側に、河川の長さ方向の
    所定区間において光を照射し、前記河川内の仔鮎を前記
    光に沿って前記一方の岸側に向けて誘導することを特徴
    とする仔鮎の誘導方法。
  2. 【請求項2】 河川の長さ方向の所定区間に光を照射
    し、前記光の河川の幅方向における照射幅を、上流側か
    ら下流側に向かうにつれて河川の一方の岸側に偏らせて
    小さくし、前記河川内の仔鮎を前記光に沿って前記一方
    の岸側に向けて誘導することを特徴とする仔鮎の誘導方
    法。
  3. 【請求項3】 河川における、前記光が照射された下流
    側の終端部付近に、前記河川の水中を幅方向に区分する
    スクリーンを設置して、前記終端部より下流側において
    も、前記河川内の仔鮎を前記一方の岸側に向けて誘導す
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の仔鮎の誘
    導方法。
  4. 【請求項4】 前記光の、河川の長さ方向における照射
    距離を、前記河川の幅と流速と仔鮎の泳ぐ速度とから算
    出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに
    記載の仔鮎の誘導方法。
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