JPH0758536B2 - 磁気記録鋼材およびその製造方法 - Google Patents
磁気記録鋼材およびその製造方法Info
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- JPH0758536B2 JPH0758536B2 JP31243288A JP31243288A JPH0758536B2 JP H0758536 B2 JPH0758536 B2 JP H0758536B2 JP 31243288 A JP31243288 A JP 31243288A JP 31243288 A JP31243288 A JP 31243288A JP H0758536 B2 JPH0758536 B2 JP H0758536B2
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- Transmission And Conversion Of Sensor Element Output (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁気を利用した情報記録媒体、特に高温環
境や腐食環境などの苛酷な条件下での使用に適した磁気
記録鋼材およびその製造方法に関するもので、具体的に
は、各種自動化機器の制御センサー用や工場内での材料
トラッキング用などの産業用の外、民生用でも耐久性や
記録保護性の要求が強い用途に利用可能な磁気記録鋼材
とその製造方法に関する。
境や腐食環境などの苛酷な条件下での使用に適した磁気
記録鋼材およびその製造方法に関するもので、具体的に
は、各種自動化機器の制御センサー用や工場内での材料
トラッキング用などの産業用の外、民生用でも耐久性や
記録保護性の要求が強い用途に利用可能な磁気記録鋼材
とその製造方法に関する。
(従来の技術) 情報の記録には磁気テープや磁気カードなど磁気を利用
した情報媒体が広く用いられているが、これは、記録再
生システムが自動化に対応し易いこと、製造が容易で安
価であり、しかも信頼性に富むことによる。また、古く
からの情報記録手段である印刷に比べ、記録容量が大き
いこと、記録内容が目視出来ないため機密保持性が高い
ことなども利点となっている。
した情報媒体が広く用いられているが、これは、記録再
生システムが自動化に対応し易いこと、製造が容易で安
価であり、しかも信頼性に富むことによる。また、古く
からの情報記録手段である印刷に比べ、記録容量が大き
いこと、記録内容が目視出来ないため機密保持性が高い
ことなども利点となっている。
一般に、磁気テープや磁気カードは、プラスチックや紙
を基材として、その上にフェライトなどの磁性体粉末を
塗布して作られる。基材としては適度の剛性や機械的強
度、耐水、耐薬品性、加工性、印刷性などが要求され、
目的に応じて各種の材料が選択される。現在では、取り
扱い易さとコストの点から、プラスチックのフイルムや
シートが主流となっている。磁性体としては、γ−Fe2O
3などのフェライト粉末が多く用いられており、記録密
度を上げるため各種の技術開発が行われている。また、
永久磁石を用いた製品との接触による記録の消失や減衰
の事故を防ぐため、保磁力の高い磁性材料の検討も進め
られている。磁性体に対しては、磁気特性以外に耐摩耗
性や外観特性などが問題とされる。
を基材として、その上にフェライトなどの磁性体粉末を
塗布して作られる。基材としては適度の剛性や機械的強
度、耐水、耐薬品性、加工性、印刷性などが要求され、
目的に応じて各種の材料が選択される。現在では、取り
扱い易さとコストの点から、プラスチックのフイルムや
シートが主流となっている。磁性体としては、γ−Fe2O
3などのフェライト粉末が多く用いられており、記録密
度を上げるため各種の技術開発が行われている。また、
永久磁石を用いた製品との接触による記録の消失や減衰
の事故を防ぐため、保磁力の高い磁性材料の検討も進め
られている。磁性体に対しては、磁気特性以外に耐摩耗
性や外観特性などが問題とされる。
一方、民生用ほど派手ではないが、製造業など各種産業
において磁気記録を応用する試みが盛んに行われてい
る。例えば、ロボットのような自動化機器の操作や制御
には、長さや角度、位置を検出する必要があり、そのセ
ンサーとして磁気目盛りが検討されている。磁気目盛り
では、磁気テープなどと同様にフェライトを磁性媒体と
して情報パターンを記録させたものが一部実用化されて
いる。しかし、フェライトはキュリー点(それ以上では
磁性を失う温度)が低いため、使用温度は通常50℃以下
に制限される。
において磁気記録を応用する試みが盛んに行われてい
る。例えば、ロボットのような自動化機器の操作や制御
には、長さや角度、位置を検出する必要があり、そのセ
ンサーとして磁気目盛りが検討されている。磁気目盛り
では、磁気テープなどと同様にフェライトを磁性媒体と
して情報パターンを記録させたものが一部実用化されて
いる。しかし、フェライトはキュリー点(それ以上では
磁性を失う温度)が低いため、使用温度は通常50℃以下
に制限される。
製造業においては工場内の材料トラッキングの自動化も
大きな課題である。このため、バーコード方式の材料識
別法が検討されており、高温用にはセラミックス薄膜の
バーコードシールが開発されている。しかし、これらは
基本的には光学的検出を行うため、摩耗や汚れにより表
面が変化すると使えなくなる。その他、NC旋盤の制御に
は今なお紙の穿孔テープが主流となっているが、これは
磁気記録の場合、外部磁場や熱などの影響を受け易く信
頼性に問題があることが大きな理由である。
大きな課題である。このため、バーコード方式の材料識
別法が検討されており、高温用にはセラミックス薄膜の
バーコードシールが開発されている。しかし、これらは
基本的には光学的検出を行うため、摩耗や汚れにより表
面が変化すると使えなくなる。その他、NC旋盤の制御に
は今なお紙の穿孔テープが主流となっているが、これは
磁気記録の場合、外部磁場や熱などの影響を受け易く信
頼性に問題があることが大きな理由である。
(発明が解決しようとする課題) 磁気記録は光学式や機械式に比べ多くの利点を持ってい
るが、産業用には必ずしも十分活用されていない。これ
は産業用では民生用以上に高い信頼性が要求される一
方、使用環境が劣悪でそれに耐える記録媒体がないため
である。
るが、産業用には必ずしも十分活用されていない。これ
は産業用では民生用以上に高い信頼性が要求される一
方、使用環境が劣悪でそれに耐える記録媒体がないため
である。
環境に対する耐性でまず問題になるのは耐熱性である。
記録媒体として良く使われるフェライトは特性上、高温
で使えないことは前述の通りである。また、基材自体も
紙やプラスチックは高温では使えない。この点では金属
材料が最適である。
記録媒体として良く使われるフェライトは特性上、高温
で使えないことは前述の通りである。また、基材自体も
紙やプラスチックは高温では使えない。この点では金属
材料が最適である。
また、産業用では、腐食や摩耗のはげしい環境で使われ
る場合が多く、従来の記録媒体では対応出来ない。この
点でも金属材料が有利で、特にオーステナイト系のステ
ンレス鋼は良好な耐食性を示す。
る場合が多く、従来の記録媒体では対応出来ない。この
点でも金属材料が有利で、特にオーステナイト系のステ
ンレス鋼は良好な耐食性を示す。
特公昭62−32407号公報には、金属材の表面を局部的に
熱処理して磁気変質部を形成し、変位検出に用いること
が提案されている。しかし、ここに開示されている磁気
変質部を設ける手段は、溶融点以下の温度での加熱−急
冷という熱処理であって、処理部と未処理部との磁気特
性の差はそれほど大きくない。しかも熱が加わると急冷
によって生じた金属組織(析出物や歪)が変化するた
め、その差はますます小さくなる。また、磁気特性の差
を大きくするため、金属材は高価なNi集合金(Fe25%−
Ni75%合金)を用いる必要があるなど、この方法は、安
価で磁気特性の優れた記録体を安定して製造するには不
向きである。
熱処理して磁気変質部を形成し、変位検出に用いること
が提案されている。しかし、ここに開示されている磁気
変質部を設ける手段は、溶融点以下の温度での加熱−急
冷という熱処理であって、処理部と未処理部との磁気特
性の差はそれほど大きくない。しかも熱が加わると急冷
によって生じた金属組織(析出物や歪)が変化するた
め、その差はますます小さくなる。また、磁気特性の差
を大きくするため、金属材は高価なNi集合金(Fe25%−
Ni75%合金)を用いる必要があるなど、この方法は、安
価で磁気特性の優れた記録体を安定して製造するには不
向きである。
本発明者らは、上記特公昭62−32407号公報に示される
磁気記録体とは異なるFe系の材料を使用し、しかもその
一部を溶融処理して磁気変位部を製造することに成功
し、先に、特願昭60−225737号として出願した(特開昭
62−83620号)。この先願発明は、準安定オーステナイ
トステンレス鋼に冷間塑性加工を施し、加工誘起変態を
生じせしめて強磁性体に変換し、これに高エネルギー密
度ビームを照射溶解して局部的に非磁性体に変換し、こ
の非磁性−強磁性の対を用いて磁気尺(磁気目盛)を構
成するというものである。この原理は情報を記録するこ
とにも応用できる。これは、準安定オーステナイトステ
ンレス鋼における冷間加工状態と溶融処理状態での相変
化を利用したもので、前述の特公昭62−32407号公報記
載の方法に較べて処理部と未処理部の磁気特性の差は格
段に大きい。しかしながら、この方法も300〜400℃以上
の熱を受けると、冷間加工によって生じた加工誘起マル
テンサイトが再度オーステナイトに分解してしまうた
め、記録が室われてしまう。
磁気記録体とは異なるFe系の材料を使用し、しかもその
一部を溶融処理して磁気変位部を製造することに成功
し、先に、特願昭60−225737号として出願した(特開昭
62−83620号)。この先願発明は、準安定オーステナイ
トステンレス鋼に冷間塑性加工を施し、加工誘起変態を
生じせしめて強磁性体に変換し、これに高エネルギー密
度ビームを照射溶解して局部的に非磁性体に変換し、こ
の非磁性−強磁性の対を用いて磁気尺(磁気目盛)を構
成するというものである。この原理は情報を記録するこ
とにも応用できる。これは、準安定オーステナイトステ
ンレス鋼における冷間加工状態と溶融処理状態での相変
化を利用したもので、前述の特公昭62−32407号公報記
載の方法に較べて処理部と未処理部の磁気特性の差は格
段に大きい。しかしながら、この方法も300〜400℃以上
の熱を受けると、冷間加工によって生じた加工誘起マル
テンサイトが再度オーステナイトに分解してしまうた
め、記録が室われてしまう。
このように、従来の方法では耐熱性が必ずしも十分でな
く、一般に300℃を越える熱履歴を受けると急激に記録
が失われるのが普通である。また、特公昭62−32407号
公報の方法に見られるように、出力信号のS/N比も低い
場合が多く、高度の検出技術を必要とした。
く、一般に300℃を越える熱履歴を受けると急激に記録
が失われるのが普通である。また、特公昭62−32407号
公報の方法に見られるように、出力信号のS/N比も低い
場合が多く、高度の検出技術を必要とした。
本発明は、上記の状況に鑑み、300℃以上の高温に耐
え、且つ優れた耐食性と耐摩耗性を有し、しかも出力信
号のS/N比が高く検出が容易な磁気記録媒体を安価に提
供することを目的とする。
え、且つ優れた耐食性と耐摩耗性を有し、しかも出力信
号のS/N比が高く検出が容易な磁気記録媒体を安価に提
供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 金属材料は一般に、合金元素の種類や組成あるいは金属
学的組織によって磁気特性が変化することが知られてい
る。単体金属ではFe、Ni、Coのみが強磁性を示し、実用
鋼では炭素鋼やフェライト系ステンレス鋼は強磁性、オ
ーステナイト系ステンレス鋼は通常は非磁性である。
学的組織によって磁気特性が変化することが知られてい
る。単体金属ではFe、Ni、Coのみが強磁性を示し、実用
鋼では炭素鋼やフェライト系ステンレス鋼は強磁性、オ
ーステナイト系ステンレス鋼は通常は非磁性である。
この原理を応用して強磁性の基材を局部的に非磁性の組
織にすることによって情報記録を行うのが、先に掲げた
特開昭62−53620号の発明である。しかし、この方法で
は耐熱性が十分ではない。これは、前述のとおり、基材
の強磁性が準安定オーステナイトに冷間加工を加えて加
工誘起マルテンサイトを生成させた結果得られたもので
あるため、熱が加わると非磁性のオーステナイトに戻る
からである。また、磁気特性の差を検出する場合に、強
磁性の基材に局部的な非磁性部が存在するものに較べ、
非磁性の基材に強磁性の部分が存在するものの方が一般
に検出が容易でS/N比も高くなる。
織にすることによって情報記録を行うのが、先に掲げた
特開昭62−53620号の発明である。しかし、この方法で
は耐熱性が十分ではない。これは、前述のとおり、基材
の強磁性が準安定オーステナイトに冷間加工を加えて加
工誘起マルテンサイトを生成させた結果得られたもので
あるため、熱が加わると非磁性のオーステナイトに戻る
からである。また、磁気特性の差を検出する場合に、強
磁性の基材に局部的な非磁性部が存在するものに較べ、
非磁性の基材に強磁性の部分が存在するものの方が一般
に検出が容易でS/N比も高くなる。
そこで、本発明者らは耐熱性と検出感度の向上をはかる
べく、非磁性の基材の表層部に異種の金属を付着させた
鋼材に、高密度エネルギービームを照射し、その部分の
組成自体を変化させる方法について種々検討を行った。
その結果、ベース材と表層部材の適正な組合わせ及び表
層部材の適正な厚みが存在することが明らかになった。
しかして、本発明は、下記の磁気記録体との磁気記
録体の製造方法を要旨とする。
べく、非磁性の基材の表層部に異種の金属を付着させた
鋼材に、高密度エネルギービームを照射し、その部分の
組成自体を変化させる方法について種々検討を行った。
その結果、ベース材と表層部材の適正な組合わせ及び表
層部材の適正な厚みが存在することが明らかになった。
しかして、本発明は、下記の磁気記録体との磁気記
録体の製造方法を要旨とする。
オーステナイト系ステンレス鋼の基材と、その表面
のクロム層とからなり、表面の所定局部が基材とクロム
層とが溶融均一化して形成された強磁性体になっている
ことを特徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録鋼材。
のクロム層とからなり、表面の所定局部が基材とクロム
層とが溶融均一化して形成された強磁性体になっている
ことを特徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録鋼材。
オーステナイト系ステンレス鋼の表面に、下記の
式を満足する厚みt(μm)のクロムを付着させた後、
その表面の所定位置に高エネルギー密度ビームを照射し
て局部的に溶融させ、その部分を強磁性化することを特
徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録鋼材の製造方法。
式を満足する厚みt(μm)のクロムを付着させた後、
その表面の所定位置に高エネルギー密度ビームを照射し
て局部的に溶融させ、その部分を強磁性化することを特
徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録鋼材の製造方法。
ここで、X、Yはそれぞれオーステナイト系ステンレス
鋼のNi当量、Cr当量であり、Dはビーム照射後の平均溶
け込み深さ(μm)である。
鋼のNi当量、Cr当量であり、Dはビーム照射後の平均溶
け込み深さ(μm)である。
(作用) まず、第1図によって本発明の基本概念を説明する。
第1図(a)は、オーステナイトステンレス鋼基材1の
表面にクロム層2を形成させた状態を示す表面局部の拡
大断面図である。この表面の所定局部に高エネルギー密
度ビームを照射して溶融させれば、第1図(b)に示す
ように、基材のオーステナイトステンレス鋼とクロム層
とが溶融混合してCr含有量の高い強磁性のフェライト系
ステンレス鋼になった部分3が形成される。
表面にクロム層2を形成させた状態を示す表面局部の拡
大断面図である。この表面の所定局部に高エネルギー密
度ビームを照射して溶融させれば、第1図(b)に示す
ように、基材のオーステナイトステンレス鋼とクロム層
とが溶融混合してCr含有量の高い強磁性のフェライト系
ステンレス鋼になった部分3が形成される。
即ち、非磁性のオーステナイトステンレス鋼の表面に或
る適正な厚みのCrを付着させた鋼材に高エネルギー密度
ビームを照射すると、その部分が溶融して強磁性のフェ
ライト系ステンレス鋼に変わり、磁気特性の異なる部分
が生成する。目的とするパターンに従ってビームを照射
することで情報が記録され、このパターンを第1図
(c)に示すような磁気ヘッドを用いたインダクティブ
センサ方式などで検出することにより情報を読み取るの
である。
る適正な厚みのCrを付着させた鋼材に高エネルギー密度
ビームを照射すると、その部分が溶融して強磁性のフェ
ライト系ステンレス鋼に変わり、磁気特性の異なる部分
が生成する。目的とするパターンに従ってビームを照射
することで情報が記録され、このパターンを第1図
(c)に示すような磁気ヘッドを用いたインダクティブ
センサ方式などで検出することにより情報を読み取るの
である。
ベースの母材は、非磁性を示すオーステナイト系ステン
レス鋼であればどのようなものでも良い。母材コストや
Cr層の必要厚みをできるだけ薄くすることを考えれば、
Ni含有量の低いSUS 201やSUS 301系が有利であるが、こ
れらは、冷間加工を受けると加工誘起マルテンサイトを
生成し強磁性化し易いから注意を要する。
レス鋼であればどのようなものでも良い。母材コストや
Cr層の必要厚みをできるだけ薄くすることを考えれば、
Ni含有量の低いSUS 201やSUS 301系が有利であるが、こ
れらは、冷間加工を受けると加工誘起マルテンサイトを
生成し強磁性化し易いから注意を要する。
表層部のクロムは、高エネルギー密度ビームの照射で部
分的に強磁性のフェライト系ステンレス鋼を生成するの
に必要となるものである。同様の目的ではFeも考えられ
るが、Fe自身磁性であるため後工程で除去する必要があ
り適当でない。AlやSiもフェライト生成元素であるが、
酸化し易く処理が難しい。
分的に強磁性のフェライト系ステンレス鋼を生成するの
に必要となるものである。同様の目的ではFeも考えられ
るが、Fe自身磁性であるため後工程で除去する必要があ
り適当でない。AlやSiもフェライト生成元素であるが、
酸化し易く処理が難しい。
表層部のクロムの厚さは、基材のオーステナイト系ステ
ンレス鋼中のNi当量とCr当量、およびビーム照射後の溶
け込み深さに依存しており、適当な範囲が存在する。下
限の厚みはビーム照射部に安定してフェライト系ステテ
ンレス鋼を生成するのに必要であり、下限未満では十分
なS/N比が得られない。一方、上限はビーム照射により
形成される局部的溶融部の組成を均一化するのに必要で
上限を越えるとやはりS/N比が劣化する。
ンレス鋼中のNi当量とCr当量、およびビーム照射後の溶
け込み深さに依存しており、適当な範囲が存在する。下
限の厚みはビーム照射部に安定してフェライト系ステテ
ンレス鋼を生成するのに必要であり、下限未満では十分
なS/N比が得られない。一方、上限はビーム照射により
形成される局部的溶融部の組成を均一化するのに必要で
上限を越えるとやはりS/N比が劣化する。
クロム層厚みの上限と下限の決定方法に関して以下に具
体的に説明する。
体的に説明する。
第2図は、ビーム照射による溶融部の断面形状を模式的
に表した図である。
に表した図である。
第2図で、t:クロム層の厚み(μm) DM:最大溶け込み深さ(μm) とすれば、平均溶け込み深さ(μm)は、 =A×DMとなる。
ここで、Aは溶融部断面形状による係数で、溶融部断面
が完全に矩形断面ならA=1.0、三角形断面ならA=0.5
である。実際の断面形状はこの中間であるから、Aは通
常0.6〜0.9の範囲になる。
が完全に矩形断面ならA=1.0、三角形断面ならA=0.5
である。実際の断面形状はこの中間であるから、Aは通
常0.6〜0.9の範囲になる。
ステンレス鋼の金属字的組織を決定づける主要な因子
は、Ni含有量とCr含有量である。前者はオーステナイト
安定化元素、後者はフェライト安定化元素で、坐性の面
からいえば、寸者が非磁性化元素、後者が強磁性化元素
である。Ni、Cr以外の成分に関しても、オーステナイト
安定化元素群とフェライト安定化元素群に分けられ、そ
れぞれの作用効果の程度を加味して、Ni当量およびCr当
量というものが下記のように定義されている。
は、Ni含有量とCr含有量である。前者はオーステナイト
安定化元素、後者はフェライト安定化元素で、坐性の面
からいえば、寸者が非磁性化元素、後者が強磁性化元素
である。Ni、Cr以外の成分に関しても、オーステナイト
安定化元素群とフェライト安定化元素群に分けられ、そ
れぞれの作用効果の程度を加味して、Ni当量およびCr当
量というものが下記のように定義されている。
Ni当量(%)=%Ni+30×%C+0.5×%Mn Cr当量(%)=%Cr+%Mo+1.5×%Si+0.5×%Nb (%は重量%を示す。) 第3図がこのNi当量およびCr当量と、組織の関係を表す
図(日刊工業新聞社「ステンレス鋼便覧」よりである。
図(日刊工業新聞社「ステンレス鋼便覧」よりである。
さて、いま基材のNi当量をX%、Cr当量をY%とする
と、溶融部の平均Ni当量およびCr当量は、表面のクロム
層が均一に溶け込むと見倣して、 となる。
と、溶融部の平均Ni当量およびCr当量は、表面のクロム
層が均一に溶け込むと見倣して、 となる。
溶融部が強磁性化するためには、50%以上のフェライト
の存在が必要とみなされる。この条件を第3図でみると
直線イの下の領域となる。直線イは、 で表されるから、直線イの下の領域というのは、 Ni当量≦〔Cr当量−10〕/1.65 ・・・ であり、この式に式および式のNi当量およびCr当
量を代入すると、 となる。
の存在が必要とみなされる。この条件を第3図でみると
直線イの下の領域となる。直線イは、 で表されるから、直線イの下の領域というのは、 Ni当量≦〔Cr当量−10〕/1.65 ・・・ であり、この式に式および式のNi当量およびCr当
量を代入すると、 となる。
一方、クロム層厚さtの上限に関しては溶融部のキュリ
ー点が室温以上である必要から、第4図(朝倉書店「磁
性体ハンドブック」より)に基づいて Cr(%)≦65 ・・・・・・・・・・ であり、この式に式のCr等量(%)を代入すること
により、 となる。
ー点が室温以上である必要から、第4図(朝倉書店「磁
性体ハンドブック」より)に基づいて Cr(%)≦65 ・・・・・・・・・・ であり、この式に式のCr等量(%)を代入すること
により、 となる。
第3図より、50%以上のフェライトを生成するには10%
以上のCr当量が必要であることから、この値を用いる
と、ほぼ、 t≦0.6×・・・ となる。
以上のCr当量が必要であることから、この値を用いる
と、ほぼ、 t≦0.6×・・・ となる。
なお、Cr以外の元素もキュリー点に影響を与えるので、
厳密に言えば式のCr(%)に式のCr当量を代入する
のは問題がある。しかし、主要元素であるNiについて
は、Crで希釈されるとキュリー点が上がる方向にあり、
安定サイドであるため問題はない。その他の元素は含有
量も少なく、実用上は式、或いは式を用いて何ら差
し支えはない。
厳密に言えば式のCr(%)に式のCr当量を代入する
のは問題がある。しかし、主要元素であるNiについて
は、Crで希釈されるとキュリー点が上がる方向にあり、
安定サイドであるため問題はない。その他の元素は含有
量も少なく、実用上は式、或いは式を用いて何ら差
し支えはない。
基材表面にクロムを付着させる方法は、電気めっき、蒸
着、クロム箔の貼合わせ、圧延クラッドなど任意の方法
でよい。厚みの調整の容易さや製造コストを考慮すると
現状では電気めっきが最も望ましい。
着、クロム箔の貼合わせ、圧延クラッドなど任意の方法
でよい。厚みの調整の容易さや製造コストを考慮すると
現状では電気めっきが最も望ましい。
高エネルギー密度ビームとしては、レーザービーム、電
子ビーム、プラズマビームなどいづれでも良いが、真空
装置を必要としないレーザービームを使うのが実際的で
ある。
子ビーム、プラズマビームなどいづれでも良いが、真空
装置を必要としないレーザービームを使うのが実際的で
ある。
なお、溶け込み深さはビームのエネルギー密度を変えれ
ば制御可能で鋼材形状や使用目的に応じて選べば良い。
ば制御可能で鋼材形状や使用目的に応じて選べば良い。
情報の読み取りは磁気ヘッドを用い、高周波を印加し電
磁誘導による磁束を検出する方法や、着磁した後ファラ
デー素子を用いて磁気光学的に検出したり、ホール素子
で漏洩磁束を検出する方法で可能である。
磁誘導による磁束を検出する方法や、着磁した後ファラ
デー素子を用いて磁気光学的に検出したり、ホール素子
で漏洩磁束を検出する方法で可能である。
(実施例) 基材としては、代表的なオーステナイト系ステンレス鋼
であるSUS 301とSUS 316の1mm厚の冷延板を1100℃で溶
体化したものを用いた。これら基材の表面に種々の厚み
のクロム層を電気めっきで付着させた。その後、シング
ルモード炭酸ガスレーザー発振機を用い、出力100wでビ
ームを発振し、レンズで100μm径に集光して鋼板表面
に照射した。鋼板の送りは5m/min、ピッチ0.5mmで走査
し、溶け込みの平均深さ()30μmの線状パターンを
記録した。
であるSUS 301とSUS 316の1mm厚の冷延板を1100℃で溶
体化したものを用いた。これら基材の表面に種々の厚み
のクロム層を電気めっきで付着させた。その後、シング
ルモード炭酸ガスレーザー発振機を用い、出力100wでビ
ームを発振し、レンズで100μm径に集光して鋼板表面
に照射した。鋼板の送りは5m/min、ピッチ0.5mmで走査
し、溶け込みの平均深さ()30μmの線状パターンを
記録した。
こうして得た記録体のレーザ照射のままの試料および50
0℃加熱後の試料について、インダクティブセンサー方
式で900kHzの高周波を印加し、電磁誘導による磁束を検
出し、S/N比を評価した。その結果を第1表に示す。
0℃加熱後の試料について、インダクティブセンサー方
式で900kHzの高周波を印加し、電磁誘導による磁束を検
出し、S/N比を評価した。その結果を第1表に示す。
第1表中の比較例1は、オーステナイト系ステンレス鋼
(SUS 301)を冷間圧延して加工誘起変態によって強磁
性化した基材にレーザービームを照射して局部的に溶融
させて非磁性化したもので、特開昭62−83620号公報に
提案されるものに相当する。比較例の2は、特公昭62−
32407号公報に開示されている方法に従って、25%Fe−7
5%NiのNi基合金のレーザービーム照射して熱処理した
ものである。
(SUS 301)を冷間圧延して加工誘起変態によって強磁
性化した基材にレーザービームを照射して局部的に溶融
させて非磁性化したもので、特開昭62−83620号公報に
提案されるものに相当する。比較例の2は、特公昭62−
32407号公報に開示されている方法に従って、25%Fe−7
5%NiのNi基合金のレーザービーム照射して熱処理した
ものである。
第1表の試験結果をみれば、本発明例に相当するもので
は、500℃加熱の後でもS/N比に変化がなく、耐熱性に優
れていることが明らかである。比較例の1では、加熱の
前には本発明例の1部に匹敵するS/N比が得られてい
る。これは、本発明例と同じく、原理的に強磁性と非磁
性の差を検出しているからである。ただし、基材が強磁
性であるため、本発明で得られる高いS/N比のレベルに
は達していない。さらに500℃に加熱すると、記録は全
く失われてしまう。これは、基材の強磁性を支えている
加工誘起マルテンサイトがオーステナイト化して比磁性
化したためである。
は、500℃加熱の後でもS/N比に変化がなく、耐熱性に優
れていることが明らかである。比較例の1では、加熱の
前には本発明例の1部に匹敵するS/N比が得られてい
る。これは、本発明例と同じく、原理的に強磁性と非磁
性の差を検出しているからである。ただし、基材が強磁
性であるため、本発明で得られる高いS/N比のレベルに
は達していない。さらに500℃に加熱すると、記録は全
く失われてしまう。これは、基材の強磁性を支えている
加工誘起マルテンサイトがオーステナイト化して比磁性
化したためである。
比較例の2は、単にレーザービーム照射後の急冷による
金属組織の差(析出物や歪の差と考えられる)を利用し
ているにすぎないので、加熱の前のS/N比が小さいだけ
でなく、加熱によってその記録も消失してしまう。これ
に対して、本発明の例では、基材とレーザービーム照射
部との金属組織自体の相違に基づく磁気特性の差を利用
しているので、高温でも高いS/N比が得られる。即ち、
本発明の磁気記録材は、原理的には、材料の融点までの
温度に耐えられる。
金属組織の差(析出物や歪の差と考えられる)を利用し
ているにすぎないので、加熱の前のS/N比が小さいだけ
でなく、加熱によってその記録も消失してしまう。これ
に対して、本発明の例では、基材とレーザービーム照射
部との金属組織自体の相違に基づく磁気特性の差を利用
しているので、高温でも高いS/N比が得られる。即ち、
本発明の磁気記録材は、原理的には、材料の融点までの
温度に耐えられる。
なお、表面のクロム層の厚みは、特許請求の範囲第2項
に記載した条件を満たすのが望ましいことが、第1表の
結果からも言える。
に記載した条件を満たすのが望ましいことが、第1表の
結果からも言える。
(発明の効果) 本発明の磁気記録鋼材は、これまでに知られている磁気
記録体に較べて、高い耐熱性とS/N比が得られ、且つ材
料特性上、耐食性や耐摩耗性にも優れている。また、磁
気記録の特性上、記録内容の秘匿性が高く、しかも外部
磁場に対する記録の保護性も極めて高い。従って、環境
変動の激しい産業用の磁気記録体として工業的応用範囲
は非常に広い。
記録体に較べて、高い耐熱性とS/N比が得られ、且つ材
料特性上、耐食性や耐摩耗性にも優れている。また、磁
気記録の特性上、記録内容の秘匿性が高く、しかも外部
磁場に対する記録の保護性も極めて高い。従って、環境
変動の激しい産業用の磁気記録体として工業的応用範囲
は非常に広い。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の磁気記録鋼材の基本概念を説明する図
で、(a)が基材にクロム層を付着させた状態の断面
図、(b)がこれに局部的に溶融部(強磁性部)を形成
させた断面図、(c)が記録検出方法を示す図である。 第2図は、溶融部の拡大断面図である。 第3図は、Ni当量およびクロム当量と金属学的組織との
関係を示す図である。 第4図は、Fe−Cr二元系におけるCr含有量とキュリー点
との関係を示す図である。
で、(a)が基材にクロム層を付着させた状態の断面
図、(b)がこれに局部的に溶融部(強磁性部)を形成
させた断面図、(c)が記録検出方法を示す図である。 第2図は、溶融部の拡大断面図である。 第3図は、Ni当量およびクロム当量と金属学的組織との
関係を示す図である。 第4図は、Fe−Cr二元系におけるCr含有量とキュリー点
との関係を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−259413(JP,A) 特開 昭57−20921(JP,A) 特公 平1−32448(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】オーステナイト系ステンレス鋼の基材と、
その表面のクロム層とからなり、表面の所定局部が基材
とクロム層とが溶融均一化して形成された強磁性体にな
っていることを特徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録
鋼材。 - 【請求項2】オーステナイト系ステンレス鋼の表面に、
下記の式を満足する厚みt(μm)のクロムを付着さ
せた後、その表面の所定位置に高エネルギー密度ビーム
を照射して局部的に溶融させ、その部分を強磁性化する
ことを特徴とする耐熱耐食性に優れた磁気記録鋼材の製
造方法。 ここで、X、Yはそれぞれオーステナイト系ステンレス
鋼のNi当量、Cr当量であり、Dはビーム照射後の平均溶
け込み深さ(μm)である。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31243288A JPH0758536B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 磁気記録鋼材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31243288A JPH0758536B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 磁気記録鋼材およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02158912A JPH02158912A (ja) | 1990-06-19 |
| JPH0758536B2 true JPH0758536B2 (ja) | 1995-06-21 |
Family
ID=18029136
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31243288A Expired - Fee Related JPH0758536B2 (ja) | 1988-12-09 | 1988-12-09 | 磁気記録鋼材およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0758536B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2616504B2 (ja) * | 1991-02-15 | 1997-06-04 | トヨタ自動車株式会社 | 磁気特性変化を利用した信号パターンの形成方法 |
-
1988
- 1988-12-09 JP JP31243288A patent/JPH0758536B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02158912A (ja) | 1990-06-19 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |