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JPH0763366B2 - 新規プロテアーゼ - Google Patents
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JPH0763366B2 - 新規プロテアーゼ - Google Patents

新規プロテアーゼ

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JPH0763366B2
JPH0763366B2 JP23288587A JP23288587A JPH0763366B2 JP H0763366 B2 JPH0763366 B2 JP H0763366B2 JP 23288587 A JP23288587 A JP 23288587A JP 23288587 A JP23288587 A JP 23288587A JP H0763366 B2 JPH0763366 B2 JP H0763366B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、広範囲なpH領域で作用する新規なプロテアー
ゼに関し、更に詳細には、日本の洗濯状況に適した洗浄
用酵素として広く用いることのできるプロテアーゼに関
する。
〔従来の技術〕
洗浄剤へのプロテアーゼの配合は、以前より行われてき
ているが、現状の洗浄剤のpHは全て高アルカリ側にある
のでこのようなプロテアーゼの特性としてアルカリ側に
最適反応pHを有し、界面活性剤中において安定に作用を
するものが望まれ開発されてきた。
その代表的なものとして、アルカラーゼ、サビナーゼ、
エスペラーゼ(ノヴオ・インダストリー製)、マキサタ
ーゼ(ギスト プロカーデイス製)等が市販され多くの
洗浄剤に使用されている。
しかし、これらのプロテアーゼの活性領域が高温側にあ
り、日本の洗濯が室温付近で行われている状況から、低
温域においても従来のプロテアーゼよりも活性発現力の
強いプロテアーゼの提供が求められ、この要求に応じて
API−21(昭和電工製)が近年開発されるに至つた。
その他、更にプロテアーゼに望まれる特性として、ケラ
チン等の不溶性蛋白を良く分解する能力のあることが挙
げられ、そのような能力のあるプロテアーゼが洗浄に寄
与することも知られている(皆川基:繊消誌第26巻、第
322頁(1985))。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の洗浄剤用のプロテアーゼに要求されている特性と
して、アルカリ側に最適反応pHを有する、低温域で
も活性を有する、ケラチン等の不溶タンパクの分解力
に優れていることは、いずれも基本的な性能であるが、
その他にさらにプロテアーゼが広範囲のpH領域において
最適な活性を有するものであれば重、軽質洗剤に兼用が
可能であるので、そのような酵素の開発が望まれてい
た。
〔問題を解決するための手段〕
そこで本発明者らは、前記〜の基本的性能の他に、
広範囲のpH領域において最適な活性をする新規なプロテ
アーゼを得べく鋭意検索をおこなつた結果、栃木県芳賀
郡の土壌中より得られたバチルス・エスピーKSM−2004
(Bacillus sp.KSM−2004)の産生するプロテアーゼは
上記条件を満足するものであることを見出し、本発明を
完成するに至つた。
このバチルス・エスピーKSM−2004は、以下に示すよう
な菌学的性質を示す。
(A) 形態的性質 (a) 細胞の形及び大きさ 桿菌0.5〜0.8×2.0〜5.0μm (b) 多形性 認められず。
(c) 運動性 鞭毛を持たず運動性なし (d) 胞 子 0.4〜0.8×0.4〜0.8μm卵円形又は円形中央準端 (e) グラム染色 陽性 (f) 抗酸性 陰性 (B) 各種培地での生育状態 (a) 肉汁寒天平板での発育状態 pH7.0にて生育し、円形中凸状、円滑波状のコロニーを
形成する。その大きさは、φ1.0〜5.0mm、表面は円滑で
露滴状淡黄色を呈する。また不透明であり、脂状のコロ
ニーである。
(b) 肉汁寒天斜面上での生育 pH7.0において普通に生育を示し、乳白色の半透明で拡
帯状に生育する。
(c) 肉汁液体培養 pH7.0にて僅かに生育するが、菌膜は形成しない。
(d) 肉汁ゼラチン穿刺培養 pH7.0にていずれもゼラチンを液化する。
(e) リトマスミルク ミルクの液化及び深部でのリトマスの脱色が認められ
る。
(C) 生理的性質 (a) 以下の生理試験の結果は、いずれも陰性であつ
た。
硝酸塩の還元、脱窒反応、MRテスト、VPテスト、インド
ールの生成、硫化水素の生成、無機窒素の利用(硝酸ナ
トリウム、硫酸アンモニウム)、色素の生成、オキシダ
ーゼ、OFテスト。
(b) 以下の生理試験の結果はいずれも陽性であつ
た。
澱粉加水分解、カゼイン分解、チロシン加水分解、カタ
ラーゼ、ウレアーゼ(弱い陽性)。
(c) クエン酸の利用 コーサーの培地では陰性、クリステンセン及びシモンズ
の培地では陽性。
(d) 生育pH範囲 pH6〜10で生育良好。
(e) 生育温度範囲 20〜30℃で生育良好、但し10℃〜40℃で生育可能。
(f) 酸素に対する態度 好気性。嫌気条件下で生育不能。
(g) 糖類からの酸及びガスの生成 (i) 塩化ナトリウムに対する耐性 5%塩化ナトリウム存在下で生育可能。
7%塩化ナトリウム存在下で僅かに生育。
以上のバチルス・エスピーKSM−2004の菌学的性状を、
「バージエーズ マニユアル オブ デイターミネイテ
イブ バクテリオロジー第8版(1975)」及び「ザ ジ
ーナス バチルス,アグリカルチヤーハンドブツクNo.4
27(1973)」の記載に準じ、他の菌株と比較すると次の
通りである。
KSM−2004は、グラム陽性の好気性桿菌であり、胞子形
成能を有することから、バチルス属に属することは明白
である。そしてKSM−2004は、運動性を有しないこと、
即ち、鞭毛を有していないこと、サブロー寒天培地で生
育できること、でんぷん加水分解能を有すること、グル
コース,アラビノース,キシロースから酸産生を行うこ
と等の性質から、バチルス・サーキユランス(Bacillus
circulans)に類縁の菌であると判断された。しかし、
KSM−2004はチロシンを加水分解するが、バチルス・サ
ーキユランスはこれを加水分解できない点が異なつてい
る。また一般的にバチルス・サーキユランスはカゼイ
ン、ゼラチン及びリトマスミルクに対し、非常に弱い反
応を行うか又は全く反応を行わないとされているが、本
菌株は、これらの基質に対し、良好に反応しうる点にお
いても相異する。
以上の記載から明らかなように、本菌株は、バチルス・
サーキユランスと類似しているもののいくつかの点にお
いてこれと相異し、また、他の公知の菌株とも相異す
る。したがつて、本発明者らは本菌株をバチルス属の新
菌種と判断し、工業技術院微生物工業技術研究所に微工
研菌寄第9452号(FERM P−9452)として寄託した。
上記のバチルス・エスピーKSM−2004を用いて本発明の
新規なプロテアーゼを得るには、該菌株を適当な培地に
接種し、常法に従つて培養すれば良い。培地中には資化
し得る炭素源及び窒素源を適当量含有せしめておくこと
が好ましい。
この炭素源及び窒素源については特に制限はないが、そ
の例としては、窒素源としてコーングルテンミール、大
豆粉、コーンスチープリカー、カザミノ酸、酵母エキ
ス、フアーマメデイア、イワシミール、肉エキス、ペプ
トン、ハイプロ、アジパワー、コーンミール、ソイビー
ンミール、コーヒー粕、綿実油粕、カルチベータ、アミ
フレツクス及びアジプロン、ゼスト、アジツクスなどが
挙げられる。又、炭素源としては、資化し得る炭素源、
例えば、アラビノース、キシロース、グルコース、マン
ノース、蔗糖、麦芽糖、可溶性デンプン、乳糖、廃糖蜜
や資化し得る有機酸、例えば酢酸等が挙げられる。ま
た、その他、リン酸、Mg2+,Ca2+,Mn2+,Zn2+,Co2+,Na+,K
+などの無機塩や、必要であれば、無機、有機微量栄養
源を培地中に適宜添加することもできる。
斯くして得られた培養物中からの目的物質であるプロテ
アーゼの採取及び精製は、一般の酵素の採取及び精製の
手段に準じて行なうことが出来る。
すなわち、培養物の遠心分離、又は濾過等することによ
つて菌体を分離し、その菌体及び培養濾液から通常の分
離手段、例えば、塩析法、等電点沈澱法、溶媒沈澱法
(メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセト
ン等)によつて蛋白を沈澱させたり、又、限外濾過(例
えばダイアフローメンブレン、アミコン社製)により濃
縮させて本発明のプロテアーゼを得る。塩析法では例え
ば、硫安(30〜70%飽和画分)、溶媒沈澱では例えば、
75%エタノール中で酵素を沈澱させた後、濾過或いは遠
心分離、脱塩することによつてこれを凍結乾燥粉末とす
ること可能である。脱塩の方法としては透析又はセフア
デツクス G−25等を用いるゲル濾過法等の一般的方法
が用いられる。
このようにして得られるプロテアーゼ液は、そのまま使
用することもできるが、更に公知の方法によりプロテア
ーゼを精製結晶化して用いることもできる。プロテアー
ゼを精製するには、例えばヒドロキシアパタイトクロマ
トグラフイー等の吸着クロマトグラフイー、DEAE−セフ
アデツクス又はDEAE−セルロース等のイオン交換クロマ
トグラフイー及びセフアデツクスやバイオゲルのような
分子篩ゲルクロマトグラフイーを適宜組み合わせて分別
精製すれば良い。
斯くして得られた本発明のプロテアーゼは以下に示すよ
うな理化学的性質を有する。(a) 最適反応pH 種々のpH緩衝液(100mM)中に、最終濃度2.2%となるよ
うに尿素変性ヘモグロビン(基質)を加え、25℃で10分
間反応をおこなつた。最適pHにおける基質に対する反応
初速度を100%とし、各pHにおける反応初速度を相対的
に表わした。この結果を第1図に示す。第1図から明ら
かなように、本菌の生産するプロテアーゼの最適反応pH
はpH6.5〜10.5と広範囲に亘つている。
なお、使用した緩衝液及びそのpH範囲は次の通りであ
る。
酢酸緩衝液 pH4〜6 リン酸緩衝液 pH6〜8 ホウ酸緩衝液 pH8〜10 炭酸緩衝液 pH9〜11 リン酸ナトリウム緩衝液 pH10.5〜12 (b) pH安定性 (a)で用いたものと同じ緩衝液(100mM)中に約2×1
0-4AUのプロテアーゼを加え、5℃で24時間放置した。
この処理液を0.5Mホウ酸緩衝液で5倍に希釈後、尿素変
性ヘモグロビンを基質としpH10.5で反応を行い残存活性
を測定した。処理前の酵素活性を100%とし各pH領域に
て処理したサンプルの活性を相対的に表わした。この結
果を第2図に示す。第2図から明らかなように、本発明
のプロテアーゼは、pH5〜12の広範囲で極めて安定であ
る。
(c) 最適反応温度 各温度下、約5×10-5AUのプロテアーゼを用い、尿素変
性ヘモグロビンを基質としてpH10.5で反応を行つたとこ
ろ本発明によるプロテアーゼの最適温度は40℃であり、
20℃付近でも最高活性の55%以上の活性を有していた。
この結果を第3図に示す。
(d) 基質特異性 本発明によるプロテアーゼの各種基質に対する特異性を
他の市販アルカリプロテアーゼと比較した。用いた基質
は、尿素変性ヘモグロビン、ケラチン、カゼイン、ミオ
グロビン、牛血清アルブミンであり反応液中の濃度は、
ヘモグロビンを2.2%とし、他は1.0%とした。これらの
基質をpH10.5の0.1Mホウ酸緩衝液に加え、各酵素約1×
10-4AUを添加し、25℃で10分間(ケラチンは60分間)反
応を行つた。第1表にその結果を示した。尚、数値は、
各酵素量を1×10-4AU(尿素変性ヘモグロビンに対する
活性について統一)とし、これを各基質に対し反応さ
せ、それぞれの基質に対する活性の標準をAPI−21の活
性とし、対応する基質における各酵素活性をその相対値
として表わした。
以上の結果より、本発明のプロテアーゼは、ケラチン分
解能に優れ、かつ基質特異性が高いことが明らかとなつ
た。
(e) 分子量 セフアデツクス G−100ゲル過クロマトグラフイー
を用いて本プロテアーゼの分子量を求めたところ25,000
であつた。溶出液としては、0.1M塩化カリウム及び5mM
塩化カルシウムを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
0)を用いた。なお、標準タンパクとしては、牛血清ア
ルブミン(MW:68,000)、卵白アルブミン(MW:45,00
0)、キモトリプシノーゲンA(MW:25,000)及びリボヌ
クレアーゼA(MW:13,700)を用いた。
(f) 界面活性剤及びビルダーの、プロテアーゼ安定
性に及ぼす影響 約2×10-4AUのプロテアーゼを、所定濃度の各種界面活
性剤又はビルダーを溶解した50mMホウ酸緩衝液(pH8.
0)に加え、25℃で1時間放置した。その後同緩衝液で
5倍に希釈し、尿素変性ヘモグロビンを基質とし、残存
活性を測定した。その結果を第2表に示した。
これらの結果から、本発明のプロテアーゼは、界面活性
剤又はビルダー中でかなり安定であると考えられる。
(g) 酵素阻害剤の影響 4×10-3AUのプロテアーゼを、所定濃度の一般的なプロ
テアーゼ阻害剤を加えた0.1Mホウ酸緩衝液(pH8.0)中
に添加し、25℃で1時間処理を行つた(ジイソプロピル
フルオリデート(DFP)を用いる場合は、0.1Mトリス塩
酸緩衝液、pH7.0にて処理を行つた)。処理後、0.1Mホ
ウ酸緩衝液(pH8.0)にて10倍に希釈し、アンソン・ヘ
モグロビン法により酵素活性を測定した。対照として阻
害剤未添加で同様に処理を行つた系を用意し、その活性
を100とした時の相対値で阻害剤の影響を表わした。こ
の結果を第3表に示す。
本プロテアーゼは、DFPにより微かに阻害されることか
ら、活性中心にセリンを有しているものと考えられる
が、一般のセリン酵素に比べ、DFPに対して強い耐性を
有する。
(h) 金属イオンの影響 各金属塩を5mMとなるように加えた0.1Mホウ酸緩衝液(p
H8.0)にアルカリプロテアーゼ4×10-3AUを添加後、25
℃10分間処理を行つた。その後、同緩衝液にて10倍に希
釈して、アンソン・ヘモグロビン法にて酵素活性を測定
した。金属塩未添加の系を対照として用いその活性を10
0とした時の相対値各金属イオンの影響を表わした。こ
の結果を第4表に示す。
この結果から、本発明のプロテアーゼは各種金属イオン
に対して非常に安定であり、これらの存在によつても何
らの影響を受けないことが認められた。
〔発明の効果〕
本発明のプロテアーゼは、叙上の如く広範囲なpH領域に
おいて最適な活性を示し、低温域でも活性を有する。し
かも、ケラチン等に対して優れた分解力を有し、かつ、
洗剤組成物中に配合されたり、洗濯中に混入する各種成
分、例えば界面活性剤、ビルダー成分、金属イオン等の
存在下においてもほとんどその作用の低下は認められな
い。したがつて、本発明のプロテアーゼは、重質及び軽
質洗剤に配合するプロテアーゼとして極めて優れたもの
である。
〔実施例〕
次に実施例を挙げて、本発明を更に詳しく説明する。
参考例1 プロテアーゼ産生菌株の分離、採取: (i) 栃木県芳賀郡で採取した土壌サンプルの約1gの
滅菌生理食塩水10mlに懸濁し、80℃にて20分間放置し熱
処理した。熱処理上清液0.1mlをケラチンハロー寒天培
地へ接種し、30℃で48時間静置培養した。用いたケラチ
ンハロー寒天培地の組成は以下に示す通りである。
グルコース 1 % 酵母エキス 0.2 % リン酸第一カリウム 0.1 % 羊毛ケラチン 1 % カルボキシメチルセルロース 1 % 硫酸マグネシウム・7水塩 0.02% 寒 天 1.5 % (ii) 上記培地組成物に、別滅菌を施した10%炭酸ナ
トリウムを0.01%、0.1%、1%添加し、最終pHを7.0、
9.0、10.5に調整後、平板培地を作製した。
培養後、生育したコロニーの周囲にハローを生じたもの
を選抜し、同培地で2〜3回純化し、均一のプロテアー
ゼ生産菌を得た。土壌サンプル300点より、各pHの平板
培養より得られた菌株は、120菌株であつた。
(iii) 上記(ii)で得たこれらの菌株を以下に示す
ケラチン液体培地へ接種し、30℃で好気的に48時間振盪
培養を行つた。
グルコース 0.2 % ケラチン(羊毛) 0.5 % 酵母エキス 0.05% リン酸第一カリウム 0.1 % 炭酸ナトリウム(別滅菌) 0.4 % pH 9.0 培養中または終了後、ケラチンの分解力が顕著な菌株を
選択した。この方法でケラチンハロー平板培地より得ら
れた120菌株からプロテアーゼ生産菌、バチルス・エス
ピーKSM−2004を得た。
実施例1 参考例1により得た、バチルス・エスピーKSM−2004(F
ERM P−9452)を以下の液体培地に接種し、30℃で好気
的に48時間振盪培養を行つた。
グルコース 2 % 魚肉エキス 1 % 大豆粉 1 % 硫酸マグネシウム・7水塩 0.02% リン酸第一カリウム 0.1 % 炭酸ナトリウム(別滅菌) 0.4 % pH 9.0 培養終了後、得られた培養物を遠心分離(3,000回転;10
分間)に付して菌を除去し、得られた培養上清を酵素液
とし、そのプロテアーゼ活性を測定した。プロテアーゼ
の活性は次の2通りの方法によつて測定した。
(a) 尿素変性ヘモグロビンを基質としたアンソン−
ヘモグロビン法: アンソンの方法に従い(Anson,M.L.:J.Ger.Physiol.,2
2,79(1938)尿素を用いて牛血清ヘモグロビンを変性さ
せ、苛性ソーダにてpH10.5とした。この基質溶液(ヘモ
グロビンとして2.2%)の0.5mlに酵素液0.1ml(0.1×10
-4〜1.0×10-4AU)を添加し、25℃にて10分間反応を行
い、4.9%トリクロル酢酸1.0mlを加え反応を停止した。
反応終了後、遠心分離(3000rpm10分間)を行い、その
上清液中に含まれる蛋白分解物をフオーリン・ローリー
法(O.H.Lowryら、J.Biol.Chem.193,265(1951))によ
つて定量した。なお、1AUは、上記反応条件下において
1分間に1mmoleのチロシンを遊離する酵素量とした。
(b) ケラチンを基質とした方法 0.5%羊毛ケラチンを20mM炭酸緩衝液中に懸濁させた溶
液0.5mlに、酵素液0.1mlを添加し、25℃で2時間反応を
行い、4.9%トリクロル酢酸水溶液1.0mlを加え反応を停
止した。以下の操作は(a)と同一とし、蛋白分解物量
を測定した。なお、1KUは、上記反応条件下において、
1分間に1mmoleのチロシンを遊離する酵素量とした。
本実施例で得られた酵素液のプロテアーゼ活性は、第5
表の通りである。
実施例2 実施例1において得られた酵素液に、75%飽和になるよ
うに硫安を添加した。生じた沈澱を遠心分離(8000rpm
15分間)し、イオン交換水に対し透析後その酵素学的性
質(理化学的性質)を調べたところ、前記の通りであつ
た。
実施例3 洗浄試験: JIS K3371に準じ、洗浄試験をおこなつた。洗浄系は、
市販の無リン重質洗剤(酵素未添加のもの)を0.133%
になるように4゜DHの水にて調製後、本発明のプロテア
ーゼ溶液を0.01AU/となるようにそれぞれ添加した。
試験布は、ヒト皮膚上の汚れが付着しやすいワイシヤツ
衿部分(3日間着用)とし、一対比較ができるように11
×13cm程に裁断後、酵素添加、あるいは酵素未添加の洗
浄系にて30℃1時間浸漬を行つた。浸漬終了後、ターゴ
ツトメーター(上島製作所製)を使用し、20℃120r.p.
m.10分間の洗浄を行つた。濯ぎ、乾燥後、一対の衿布
(15組)を見比べ汚れ落ちの程度を3名の熟練した判定
者により、それぞれ肉眼で判定を行つた。判定方法は、
汚れがほぼ完全におちている場合を5点、汚れがほとん
どおちていない場合を1点として、15枚の衿布の合計評
価点を求め、酵素未添加の洗浄系による評価点を100と
した場合の比率を洗浄力指数として表わした。この結果
を第6表に示す。
以上の結果により、本発明のプロテアーゼは、その作用
を充分に発揮しうる優れた洗浄剤用の酵素であることが
明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明プロテアーゼの活性に及ぼすpHの影響
を示す図面である。 第2図は、本発明プロテアーゼの安定性に及ぼすpHの影
響を示す図面である。 第3図は、本発明プロテアーゼの活性に及ぼす温度の影
響を示す図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 暉公彦 埼玉県越谷市七左町1―229―8

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の理化学的性質を有する新規プロテアー
    ゼ。 (1)作用 尿素変性ヘモグロビン、ケラチンに対して作用する。カ
    ゼインに対しても若干作用する。 (2)基質特異性 尿素変性ヘモグロビン、ケラチンに対し、高い活性を有
    する。カゼインに対しても若干の活性を有する。ミオグ
    ロビン、牛血清アルブミンに対する活性は非常に弱い。 (3)作用pH及び最適pH 作用pH範囲は、4.5〜12.0である。最適pHは、6.5〜10.5
    であり、5.5〜11.5の範囲に於いても最適pHに於ける活
    性の50%以上の相対活性を有する。 (4)pH安定性 pH5〜12で極めて安定で失活せず、pH4.0〜12.5に於いて
    も、50%以上の活性を維持している。 (5)最適温度 作用温度は10〜70℃の広範囲にわたり、その至適温度は
    40℃である。また、20〜50℃の範囲に於いても、最適温
    度での活性の50%以上を有している。 (6)分子量 約25,000(ゲル濾過法による) (7)金属イオンの影響 各種の金属イオンに対して非常に安定である。 (8)界面活性剤、洗浄剤用ビルダーの影響 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキル
    硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル硫酸ナト
    リウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウム、α−ス
    ルホ脂肪酸エステル、アルカンスルホン酸ナトリウム、
    石鹸、ドデシル硫酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリ
    ウム、ゼオライト、エチレンジアミン四酢酸は、活性を
    ほとんど阻害しない。
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