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JPH0763602B2 - 縦型多段攪拌槽及び該攪拌槽を用いた化学銅めっき液への銅補給方法 - Google Patents
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JPH0763602B2 - 縦型多段攪拌槽及び該攪拌槽を用いた化学銅めっき液への銅補給方法 - Google Patents

縦型多段攪拌槽及び該攪拌槽を用いた化学銅めっき液への銅補給方法

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JPH0763602B2
JPH0763602B2 JP2414630A JP41463090A JPH0763602B2 JP H0763602 B2 JPH0763602 B2 JP H0763602B2 JP 2414630 A JP2414630 A JP 2414630A JP 41463090 A JP41463090 A JP 41463090A JP H0763602 B2 JPH0763602 B2 JP H0763602B2
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鐘治 川窪
律司 鳥羽
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Hitachi Ltd
Eneos Corp
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Hitachi Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、縦型多段撹拌槽及び該
撹拌槽を用いた化学銅めっき液への銅補給方法に関す
る。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年、電子工業の進展に伴
い、プリント基板等の製造に利用される化学銅めっき技
術は非常に重要なものとなっている。化学銅めっき工程
で使用される化学銅めっき液は現在では、2価銅イオ
ン、2価銅イオンの錯化剤、2価銅イオンの還元剤、p
H調整剤及び有機添加剤から成るものが主として使用さ
れている。例えば、EDTA浴と呼ばれる代表的化学銅
めっき液は次のような組成を有している(使用温度70
±3℃)。
【0003】 成 分 濃 度 CuSO4 ・5H2 O 5〜15g/l EDTA(錯化剤) 5〜65g/l HCHO(濃度:37%)(還元剤) 1〜10ml/l NaOH(pH調整剤) pH12〜12.8(室温) とするのに必要な量 有機添加剤 少 量
【0004】こうした化学銅めっき液においては、めっ
き性能もさることながら、消費した銅イオンを補給し、
めっき液の寿命を延長することも重量な課題である。
【0005】従来、化学銅めっき液へ銅イオンを補給す
る場合、めっき槽から一部抜出しためっき液へ硫酸銅を
主成分とする溶液(硫酸銅+還元剤+pH調整液)を添
加混合し、それをめっき槽に戻していた。しかし、めっ
き処理量が増加すると、反応生成物である硫酸ナトリウ
ム及びギ酸ナトリウムがめっき液中に蓄積し、そのため
めっき液の寿命は短いものとなって、一定めっき処理量
毎に建浴が必要であった。これは、化学銅めっき液のコ
スト負担の大きな増大を招いた。
【0006】これらの問題点を解決するため、最近、銅
補給源として、水酸化銅、酸化銅、オキシ塩化銅、及び
銅の塩基性炭酸塩、塩基性塩化物もしくは塩基性硫酸塩
を用いることが提案されている。(特公昭59−325
42号公報参照)。
【0007】ところで、これらの銅補給源のうち、酸化
銅又は水酸化銅を用いて化学銅めっき液へ銅を補給する
に際しての反応で硫酸ナトリウムを生成しないことか
ら、従来の硫酸銅に代えて酸化銅を銅補給に用いると品
質的にも良好な化学銅めっきを行うことができるとされ
ている。しかしながら、酸化銅は化学銅めっき液への銅
補給反応に際しての溶解が硫酸銅に比べてかなり遅いた
め、 i)溶解のために大きな設備が必要となる、 ii)化学銅めっき液中の銅濃度のコントロールが難し
い、 iii)未溶解の酸化銅が化学銅めっき液に混入するため精
密な濾過設備が必要である、等の問題点があり、したが
って、工業的に実用化されていないのが現状である。
【0008】因に、化学銅めっき液に銅を補給する方法
の1つとして用いられている縦型多段撹拌槽は、図2に
例示したように撹拌軸に複数個の撹拌パドルを設けると
ともに、各撹拌パドルの間に仕切板を介在するように配
設して成るものであるため、液−液反応の場合には効率
的に撹拌して反応させることができるものの、化学銅め
っき液に粉状の酸化銅を補給して行う固−液反応におい
ては効率的な撹拌が行い難く、また、空気等のガスを吹
込む場合でもガスがショートパスして固−液−気体の均
一な混合も十分に行われなくなる欠点を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したご
とき状況に鑑み、固−液反応ならびに固−液−気反応に
おいても効率的な撹拌混合を行い得る撹拌槽について検
討した結果なされたものであって、化学銅めっき液への
銅補給において、銅補給源として適当とされる酸化銅を
連続的かつ完全に溶解させて化学銅めっき液へ銅を安定
して補給するのに有効に適用し得る縦型多段撹拌槽を提
供すること、及び該撹拌槽を用いた化学銅めっき液への
銅補給方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る縦型多段撹
拌槽は、垂直に設置された撹拌槽の内部に、該内部を複
数の室に区画するように複数個の仕切板をすると共に該
仕切板の各中心部に設けた開口を貫通させて撹拌軸を垂
下させ、かつ該撹拌軸には上記区画した各室に対応して
撹拌パドルを設け、最下段の室には給液管を、最上段の
室には排出管をそれぞれ設けて成る多段撹拌槽におい
て、イ)上記撹拌パドルの上方部の撹拌軸に該撹拌パド
ルと共に回転するように仕切円盤を配設し、かつロ)多
段撹拌槽及び上記給液管の各底部に連通したガス吹込管
を設けたことを特徴とする。
【0011】また、本発明の化学銅めっき液への銅補給
方法は、上記縦型多段撹拌槽を用い、酸化銅と還元剤を
含有するとともに、少なくとも銅塩と錯化剤を含む化学
銅めっき液を該撹拌槽に設けられた前記給液管を介して
撹拌槽内に供給し、撹拌槽内の撹拌軸を回転させること
により、上記化学銅めっき液中の酸化銅を溶解させるこ
とを特徴とする。
【0012】次に、本発明の縦型多段撹拌槽の構成を、
該撹拌槽を例示した図1に基いて具体的に説明する。
【0013】図1は、本撹拌槽の縦断面の概略を示した
模式図であって、図中1は垂直に設置された撹拌槽
を示す。撹拌槽1の内部には、該内部を複数の室に区画
するように複数個の仕切板21〜24が配設されてお
り、該仕切板21〜24の各中心部に設けられた開口9
1〜94を貫通させて撹拌軸3が垂下されている。図中
41〜44は撹拌パドルであって、上記の区画された室
の各々に対応して撹拌軸に配設されている。また、図中
71〜74は、撹拌軸3の回転に伴い上記撹拌パドル4
1〜44とともに回転するように撹拌軸3に配設された
仕切円盤を示す。この円盤71〜74は撹拌パドル41
〜44より大きい直径を有していることが、槽内の固−
液混合体を効率的に撹拌させるうえで好ましい。
【0014】図において、5は撹拌槽の最下段の室に設
けた給液管であって、その開口部51は多段撹拌槽1よ
り高い位置に設置されている。また、8は撹拌槽及び給
液管5の各底部に連通したガス吹込管を示す。
【0015】なお、本発明の縦型多段撹拌槽では、槽内
に配設した仕切板により区画された室の段数は、多けれ
ば多いほどその撹拌混合の効率は向上するが、設備の増
大化を考慮すると、通常3〜6段あれば十分であり、目
的に応じて適宜選択すればよい。
【0016】本発明の縦型多段撹拌槽内に撹拌軸3を垂
下させるための仕切板21〜24の中心部に設けた開口
91〜94の大きさは、小さければ小さいほど槽内への
供給液との接触効率が増大するが、一方、あまり小さく
すると処理液量が減少するので所要処理液量及び吹込み
ガス量等を考慮に入れて選定するとよい。
【0017】撹拌軸3に設ける撹拌パドル41〜44の
直径は、通常撹拌槽1の直径の1/3〜2/3であり、
また、そのパドルの形状は、ディスク型、プロペラ型、
タービン型のいずれでもよい。なお、撹拌パドル41〜
44は、通常各仕切板21〜24で仕切られた室のほぼ
中心に位置するように設けるとよい。
【0018】次に、本発明の縦型多段撹拌槽における特
徴的事項の一つである仕切円盤71〜74について説明
する。
【0019】この仕切円盤71〜74の直径は、前記撹
拌パドル41〜44の直径より大きいことが好ましく、
該パドル直径、形状に応じ選定する必要があるものの、
通常撹拌パドル直径の1.2〜1.5倍程度で良い。ま
た、仕切円盤71〜74撹拌パドル41〜44との距
離は、吹込ガス量、撹拌速度及び撹拌パドルの高さによ
り異なるものの、通常は撹拌パドルの高さの0.2〜
1.0倍程度が適当である。
【0020】本発明の縦型多段撹拌槽では、この仕切円
盤71〜74の回転による作用により吹込ガスのショー
トパスを防止すると共に、撹拌パドル41〜44との共
同作用によって、槽内の液を乱流状態にし、吹込んだガ
スを細分化して固−液−気の完全な混合を可能にする。
したがって、本発明の撹拌槽を用いると、通常の多段撹
拌槽では液中に完全に溶解出来ない固体についても、僅
かの滞留時間で完全に効率よく溶解できるという特徴的
効果が得られる。また、撹拌槽1中の適当箇所に邪魔板
を取付けることにより、上記溶解効率をさらに向上させ
ることもできる。
【0021】次に、本発明の多段撹拌槽におけるもう一
つの特徴的事項である該撹拌槽1及び給液管5の底部に
設けた、反応性ガスを吹込むためのガス吹込管8につい
て説明する。
【0022】本発明では、このガス吹込管8を介して目
的に応じ、酸素、空気等を吹込むことにより、固−液−
気の混合及び接触を促進することにより反応効率を向上
させることができる。なお、このガス吹込みに際し、バ
ブラー管などを用いて微細な泡を吹込むと更に効果的で
ある。
【0023】本発明の多段撹拌槽の撹拌軸3の回転数
は、処理液の比重、粘度、さらには撹拌パドルの種類お
よび設備の設計条件等により適宜選択する必要がある
が、固−液−気の混合を十分に行うためには、通常14
0〜500rpmでよく、周速は通常15m/s以下で
あるが、必要に応じ、15〜30m/sを採用してもよ
い。
【0024】本発明による撹拌槽1の最下段に設けた給
液管5の上方部には開口部51が形成されていて、この
開口部51より反応させるべき液体及び固体等が撹拌槽
1内へ供給される。また、上記液体と固体を予備撹拌槽
で撹拌混合後、ポンプ又はヘッド差を利用して給液管5
に直接給液してもよい。
【0025】また、撹拌槽1の最上段に設けられた排出
管6は、給液管5の液レベルに応じてオーバーフローす
るように通常取付けられるが、オーバーフロー方式に代
えて、撹拌槽1の液レベルを検知してポンプにより排出
させる方式を採用してもよい。
【0026】以上述べたごとく、本発明の縦型多段撹拌
槽は、通常の撹拌、混合及び撹拌混合による反応等にも
利用できるが、特に溶解性の悪い固体と液体及び気体と
の均一な混合や、短時間での完全な反応等望まれる場
合等に好適に使用できる。
【0027】次に、本発明の縦型多段撹拌槽を用いた化
学銅めっき液への銅の補給方法について具体的に説明す
る。
【0028】本発明の対象とする化学銅めっき液は、還
元剤を含み、その他少くとも銅塩と錯化剤を有するもの
であり、具体的には2価銅イオン、2価銅イオンの錯化
剤、2価銅イオンの還元剤、pH調整剤及び有機添加剤
を組成とするものであり、必要に応じ微量の金属イオン
が添加されているものも包含する。この代表例が前記の
EDTA浴であり、この他にもロッシェル塩浴、アミン
類浴、グルコン酸塩浴、グルコペプトン酸塩浴などが知
られている。
【0029】めっき皮膜の析出反応は、錯化剤がEDT
A、還元剤がホルムアルデヒド(HCHO)、pH調整
剤がNaOHの場合、下記式(I)で表される。 EDTA−Na2 Cu+2HCHO+4NaOH=EDTA−Na4 +Cu+H
2 +2HCOONa+2H2 O (I) この反応式(I)にしたがって、例えばプリント回路基
板等の被めっき材を化学銅めっき液に浸漬することによ
り、所望の部位に銅皮膜が形成される。
【0030】本発明の方法では、上記反応により化学銅
めっき液中の消費された銅イオンを補給するために、化
学銅めっき槽より銅イオンが消費された化学銅めっき液
を、好ましくは一定量づつ連続的に抜き出して、本発明
の縦型多段撹拌槽の給液管の上部開口部へ送り、該上部
開口部に定量フィーダ等を用い所定量の微粉状の酸化銅
(CuO)を添加し、この酸化銅と上記銅イオンが消費
された化学銅めっき液との混合物を給液管を通して縦型
多段撹拌槽へ供給する。この際、酸化銅と化学銅めっき
液を給液管上部に設けた撹拌機で予め撹拌した後に多段
撹拌槽へ供給することが好ましい。
【0031】また、予備撹拌槽でめっき槽より抜き出し
た液と酸化銅(CuO)を、予め撹拌混合後、ポンプ又
はヘッド差を利用して給液管に直接給液してもよい。
【0032】本発明の多段撹拌槽へ供給された上記混合
物は、該撹拌槽に充満さている化学銅めっきに用いた組
成と同一の液及びガス吹込管より吹込まれた酸素又は空
気のような酸素含有ガスと共に撹拌、混合され、上記多
段撹拌槽の優れた撹拌機能により、固−液−気の接触が
十分に行われて酸化銅が液中に溶解し、化学銅めっき液
へ銅イオンが補給されることになる。
【0033】このようにして銅イオンが補給された化学
銅めっき液は、縦型多段撹拌槽よりオーバーフロー又は
液面制御によりポンプ等で抜き出された後、銅析出反応
で消費されたpH調整剤(NaOH)と2価銅イオンの
還元剤(HCHO)を所定量添加混合され、化学銅めっ
き設備へ送られ、再び化学銅めっき液として使用され
る。
【0034】なお、上述した酸素又は空気等の撹拌槽へ
の吹込みは、銅補給源として酸化銅を用いる場合には下
記反応式(II)により銅補給反応が行われるので、反応上
は必ずしも必要でない。 EDTA−Na4 +CuO+H2 O= EDTA−Na2 Cu+2NaOH (II)
【0035】しかし、酸素含有ガスを吹込むことにより
化学銅めっき液を酸化性雰囲気に保持しないと、該めっ
き液中に含まれる還元剤の作用により還元反応が起って
銅が析出したり、又は酸化銅の溶解速度が遅くなるとい
う問題が生ずる場合があるので、本発明においては酸素
含有ガスを吹込むことが好ましい。ガス吹込量は、処理
液等により変動するため一義的に決められないが、多段
撹拌槽の単位容積当り0.0〜0.3倍、すなわち、
容積11に対して0.03〜0.31/分、好ましくは
0.1〜0.21/分程度で十分である。
【0036】多段撹拌槽へ給液管の上部開口部を介して
補給される酸化銅は、銅粉末を空気中加熱したり、水
酸化銅、炭酸銅、硝酸銅等を加熱分解することにより、
また電気銅を硫酸ナトリウム浴で電解することにより工
業的に製造されうる。補給源酸化銅は、安価であるこ
と、高純度であることそして易溶性であることが要求さ
れ、これら要件を満たす新たな酸化銅製造方法として、
オートクレーブを用いてアンモニア水溶液或いはアンモ
ニア水溶液及び水酸化ナトリウムの水溶液と金属銅とを
接触反応させる方法が提唱されており、本発明の目的に
きわめて好適な酸化銅を入手することが出来る。
【0037】縦型多段撹拌槽におけるめっき液温はめっ
き時温度と同等または低温とすることが好ましい。酸化
銅を補給しようとするめっき液には、EDTA浴の場合
を例にとるとCu2+、HCHO及びNaOHが存在する
ため、めっき液温度がめっき時温度を超えると、銅イオ
ン補給と同時にめっき皮膜析出反応が溶解槽内において
生じやすい。めっき時温度は最適のめっき反応を生ぜし
める為に高温、例えばEDTA浴では70℃前後に維持
されている。めっき液の温度を下げる程、反応が起こり
にくくなり、こうした不慮の銅析出を防止することが出
来る。他方、温度を下げる程酸化銅の溶解度が減少す
る。EDTA浴を代表とする化学銅めっき浴において、
めっき液の温度を40〜60℃に管理することにより銅
の析出反応を防止しつつ充分なる酸化銅溶解速度が保証
される。
【0038】補給する銅イオンはフリーの錯化剤と等モ
ルまでとする必要があり、これを超えると補給した酸化
銅は溶解せず、沈降するか或いは撹拌により液中に物理
的に浮遊した状態となる。この未溶解酸化銅は、槽、撹
拌機の磨耗等装置に悪影響を与え、また、銅の異常析出
を起こしたり、めっき皮膜に悪影響をおよぼす可能性が
あるので、めっき槽への補給液とするには固−液分離の
必要性を生ぜしめる。例え分離機を設けたとしても、分
離機の目詰りを生ぜしめる。したがって、未溶解酸化銅
をなるべく低下させる為補給する銅イオンの添加量はフ
リーの錯化剤と等モルまでとされる。反面、補給銅イオ
ン量が少ないと、めっき槽での本来のめっき反応に支障
を生ずるので、銅イオン添加量は錯化剤モル量の20%
以上が望ましい。
【0038】すなわち、銅イオンの補給効率と溶解性の
観点から、フリーの錯化剤のモル量の20〜80%、よ
り好ましくは40〜60%に相当する銅イオンを酸化銅
の形で補給することが好ましい。こうして添加された酸
化銅は全量が、フリーの錯化剤とキレートをつくり、め
っき皮膜析出の為の銅イオンとなり、しかも消耗した銅
イオンの補給を保証する。
【0039】なお、使用する酸化銅に含まれる不純物等
による未溶解分がある場合もあるため、縦型多段撹拌槽
とめっき設備との間に、これらを除去する濾過設備等を
念のため設置しておくことが望ましい。
【0040】以下実施例により本発明による縦型多段撹
拌槽を用いる化学銅めっき液への銅補給方法を具体的に
説明する。
【0041】
【実施例】図1に示した縦型多段撹拌槽において下記仕
様の試験用撹拌槽を用いて、酸化銅の化学銅めっき液へ
の溶解試験を下記条件下で行った。
【0042】試験撹拌槽装置 (イ)槽径 :300mm (ロ)撹拌パドル:撹拌軸からの長さ80mm、幅15
mm、数4枚/段(合計4段) (ハ)段 間 隔:125mm (ニ)仕切円盤 :径200mm、厚さ1.6mm (ホ)仕切板中央開口部:20mm (ヘ)撹拌径 :8mm (ト)給液管径 :50mm (チ)撹拌パドルは各室の中央位置 (リ)仕切円盤の位置:撹拌パドル上端より10mmの
位置(中心部)
【0043】試験条件 (イ)化学銅めっき液:はじめに銅イオンを約2.0g
/l含むKC液(日本鉱業(株)製、商品名)を撹拌槽
に満たし、続いて化学銅めっき槽(液量:2400l)
より、KC液に含まれる銅イオンの約0.27%(銅消
費量=13.2g/分)を化学銅めっきにより銅として
析出させためっき液を連続的に抜き出し、これを撹拌槽
に給液した。給液量:4l/分、温度:60℃そして、
撹拌槽で銅イオンを補給した後、4l/分の割合で抜き
出した。次に、この液に所定量のpH調整剤(NaO
H)と還元剤(HCHO)を補給した後、化学銅めっき
槽へ返送した。 (ロ)酸化銅:電気銅を硫酸ナトリウム浴で電解し製造
したもの。供給量16.5g/分 (ハ)空気吹込量:7.5l/分(撹拌槽:給液管=
4:1) (ニ)撹拌機回転数:200rpm
【0044】上記の装置を用い、上記条件下で試験を行
い、1時間後に各段よりサンプリングを行い、酸化銅の
溶解率を分析により求めた。又、比較例として上記装置
よりの(ニ)に示した仕切円盤を取り除いた以外は、
実施例と同様に試験を行い、酸化銅の溶解率を求めた。
【0045】これらの結果を表1に示す。
【表1】
【0046】表1から明らかなように、比較例では酸化
銅の溶解率が4段目でも80%と低く、明らかに未溶解
の酸化銅が認められるのに対し、本発明の縦型多段撹拌
槽を用いた場合(実施例)には、酸化銅の溶解率は、1
段目においても85%そして4段目では100%と完全
に溶解することが出来るため、化学銅めっき液へ銅を確
実に補給することができ、著しい差があることが判る。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の縦型多段撹
拌槽は、溶解速度の遅い固体を、液体と気体との混合及
び接触を十分に行う機能を有することにより、短時間で
完全に溶解することができる。
【0048】したがって、本発明は、その縦型多段撹拌
槽を用いることにより、従来、工業的に実施されていな
かった酸化銅による化学銅めっき液への銅の補給が容易
に行えるようになり、化学銅めっき工程での大幅なコス
トダウンとめっき皮膜の品質向上をはかることが出来る
ため、プリント基板製造業界の発展に大きく貢献するこ
とが出来る顕著な効果を有する。
【0049】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の縦型多段撹拌槽の縦断面の概略を示し
た模式図である。
【符号の説明】
1 縦型多段撹拌槽 21〜24 仕切板 3 撹拌軸 41〜44 撹拌パドル 5 給液管 51 給液管5の上部開口部 6 排出管 71〜74 仕切円盤 8 ガス吹込管 91〜94 仕切板21〜24の中心部に設けられた開
【図2】従来の縦型多段撹拌槽の縦断面の概略を示した
ものである。
【符号の説明】
11 縦型多段撹拌槽 33 撹拌軸 211〜244 仕切板 411〜455 撹拌パドル 55 給液管 66 排出管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直に設置された撹拌槽の内部に、該内
    部を複数の室に区画するように複数個の仕切板を配設す
    ると共に該仕切板の各中心部に設けた開口を貫通させて
    撹拌軸を垂下させ、かつ、該撹拌軸には上記区画した各
    室に対応して撹拌パドルを設け、最下段の室には給液管
    を、最上段の室には排出管をそれぞれ設けて成る多段撹
    拌槽において、 (イ)上記撹拌パドルの上方部の撹拌軸に該撹拌パドル
    と共に回転するように仕切円盤を配設し、かつ (ロ)多段撹拌槽及び上記給液管の各底部に連通したガ
    ス吹込管を設けたことを特徴とする縦型多段撹拌槽。
  2. 【請求項2】 垂直に設置された撹拌槽の内部に、該内
    部を複数の室に区画するように複数個の仕切板を配設す
    ると共に該仕切板の各中心部に設けた開口を貫通させて
    撹拌軸を垂下させ、かつ該撹拌軸には上記区画した各室
    に対応して撹拌パドルを設け、最下段の室には給液管
    を、最上段の室には排出管をそれぞれ設け、更に上記撹
    拌パドルの上方部の撹拌軸に該撹拌パドルと共に回転す
    るように仕切円盤を配設し、かつ上記撹拌槽及び上記給
    液管の各底部にガス吹込管を設けて成る縦型多段撹拌槽
    を用い、酸化銅と還元剤を含有すると共に、少くとも銅
    塩と錯化剤を含む化学銅めっき液を前記給液管を介して
    上記撹拌槽内に供給し、該撹拌槽の撹拌軸を回転させる
    ことにより、上記化学銅めっき液中の酸化銅を溶解させ
    ることを特徴とする化学銅めっき液への銅補給方法。
  3. 【請求項3】 上記撹拌を回転させると共に上記ガス
    吹込管を介して酸素もしくは酸素含有ガスを撹拌槽内へ
    導入する請求項2に記載の化学銅めっき液への銅補給方
    法。
  4. 【請求項4】 給液管を介して撹拌槽内へ供給される化
    学銅めっき液は、該撹拌槽から排出された後に消費され
    る銅イオンに相当する量の粉末状酸化銅を添加した液で
    ある請求項2に記載の化学銅めっき液への銅補給方法。
  5. 【請求項5】 上記液は予備撹拌した後に撹拌槽へ供給
    される請求項4に記載の化学銅めっき液への銅補給方
    法。
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