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JPH0768763B2 - コンクリート構造物の充填グラウトの介装状態検出方法及び装置 - Google Patents
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JPH0768763B2 - コンクリート構造物の充填グラウトの介装状態検出方法及び装置 - Google Patents

コンクリート構造物の充填グラウトの介装状態検出方法及び装置

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JPH0768763B2
JPH0768763B2 JP2308869A JP30886990A JPH0768763B2 JP H0768763 B2 JPH0768763 B2 JP H0768763B2 JP 2308869 A JP2308869 A JP 2308869A JP 30886990 A JP30886990 A JP 30886990A JP H0768763 B2 JPH0768763 B2 JP H0768763B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術は、土木、建築工事におけるコンクリート構造
物に介設されたPC鋼棒周囲のシース内のグラウトの充填
状態等を非破壊的に測定する技術の分野に属する。
〈要旨の概要〉 而して、この出願の発明は山間の橋梁等の大型のコンク
リート構造物のプレストレスコンクリート部材に要いら
れているPC鋼棒周辺に於いて、シース内に充填されてい
るセメントモルタル等のグラウトの充填の有無状態、或
いは、充填後の経時的凝固状態、更には、腐蝕による空
隙やひび割れ発生等の状態を超音波等の弾性波を入力
し、その反射波を測定することにより該グラウトの介装
状態を経時的に連続的に、或いは、間欠的に検出する方
法、及び、該方法に直接使用する装置に関する発明であ
り、特に、グラウト内に対し介装したPC鋼棒の開放側の
一端から数十kHz〜数MHzの高周波パルスの超音波の弾性
波を発信センサの振動子により入力し、他端側からの反
射波を受信センサの振動子から出力受信し、超音波は発
信装置の同期作動するオシロスコープによりPC鋼棒周囲
のグラウトの介装状態を非破壊的に測定するようにした
コンクリート構造物の充填グラウトの介装状態検出方
法、及び、装置に係る発明である。
〈従来の技術〉 周知の如く、近代文明は科学技術に裏付けられた多くの
種類の器具類,機械装置,構造物等により支持されてい
る。
而して、かかる器具類,機械装置,構造物等はその本来
的な機能を設計通り充分、且つ、確実に発揮するために
はこれらの完成に至るまでの間、そして、稼動中におけ
る定期,不定期的な試験,機能検査,保守点検整備等が
不可欠であり、中には法的に義務づけられているものも
ある。
蓋し、これらの器具,装置,構造物は初期製造,組立,
構築時の誤差,振動,稼働中での種々の外力,熱挙動,
環境変化等により、機能が充分果せられなくなる場合が
あるからである。
このうち、各種の機械装置類はその殆どが複数部品の組
付体,組立体であることから、各要素に亘って分解可能
であり、そたがって、組付,組立時のプロセスや完成後
の試験や機能検査は概してし易く、又、定期,不定期点
検の際に分解して充分に検査することもまた比較的用意
ではある。
しかしながら、これらの器具,装置類の機能を不充分に
する誤差,振動,外力,熱挙動,周辺環境の変化等は比
較的小さく、又、本体自体も小サイズであるが、本体自
体が大サイズで、印加される外力や振動も大きく、環境
変化も激しい鉄骨,コンクリート構造物等、或いは、こ
れらの複合タイプの構造物、就中、大型構造物はいった
ん構築されると、取り扱い容易な部分に分解,解体等し
て各個に検査することは殆ど不可能に近く、又、検査装
置,記録装置の取付け,取外し,操作が高所作業等から
安全対策上極めて難しく、又、周辺環境等を本体側へ調
整すること等は全く出来ないものであり、したがって、
これに対処するに完成後や稼動中における機能検査には
所謂非破壊検査が必要とされる。
そこで、例えば、山間地に構築された橋梁等のコンクリ
ート構造物等に対する非破壊的検査方法としては、一般
的にエックス線法,超音波検査法(AE検査法)、更には
レーダー検査法等がある。
〈発明が解決しようとする課題〉 さりながら、かかる構造物、就中、大型構造物に対する
非破壊的検査においては検査装置のセットが構造物の山
間部の高位置構築や長高サイズ等、それ自体の構造や周
辺との取合いの関係上、危険性が高く、又、入りくんだ
構造部分にはセットし難いという難点があり、しかも、
検査部位の数が多く、広範囲に亘る場合であると、大規
模な検査となり、コウト高となる不利点があり、特に、
コンクリート構造物にあってはPC鋼棒の定着部の一部を
除いてはコンクリート内部に埋設されているために必要
部分等への装置のセットが実質的には不可能であるとい
う欠点があった。
例えば、橋梁等のコンクリート構造物のPC鋼棒を用いて
プレストレスを導入している等の態様において、PC鋼棒
が不測にして経時的に腐蝕等によりひび割れが生じた
り、疲労したりすることから損傷し、該プレストレスが
大きく減少し、耐力が低下するような場合には、極めて
ゆゆしい問題があり、したがって、コンクリート構造物
等ではPC鋼棒の腐食防止や耐疲労のために導入したプレ
ストレスの応力伝達のためにPC鋼棒を囲繞するシース内
にグラウトのセメントモルタル等が充填されてPC鋼棒と
の付着力を図るようにしているが、不測にして当該セメ
ントモルタルの充填量が不充分であったり、不幸にして
充填忘れ等が生じたり、腐蝕による空隙が発生したりし
てPC鋼棒とグラウトとの付着力が低下したり、不足した
りすると、付着破壊が生じ、PC鋼棒の破断に至り、大事
故が生ずるという虞がある。
かかる付着破壊による付着力の低下は、ひび割れ発生状
況の違いやひび割れの集中を生じたり、桁のたわみ増加
として現われ、更に、付着破壊が定着部まで達すると、
そのネジ部で疲労破断を生じる可能性が大きくなる。
したがって、これに対処するには、PC鋼棒の外周部に於
けるシース内のセメントモルタル等のグラウトの注入充
填が設計通りに行われているかどうかの測定検査が直接
的にも、又、後の管理のためにも必要となってくる。
そこで、比較的に装置の設置がし易く、危険性も少く、
安全性が高く、取扱いもし易く、ノイズに対して強い超
音波探傷試験法が実用化されており、平面的で近距離に
ある欠陥に対する検査に用いる超音波は最小欠陥部に応
じて1〜10メガヘルツの直進波が用いられているが、導
波棒としてのPC鋼棒の周囲に充填されているセメントモ
ルタル等のグラウトによる影響が少いために、逆に該PC
鋼棒周囲のグラウトの適性充填量,ひび割れ,疲労発生
の有無等のグラウトの充填直後からの経時的な介装状態
の検出が出来ないという不具合があった。
又、コンクリート構造物のPC鋼棒周囲のシース内のグラ
ウトの既成充填の有無とは別に充填直後からの経時的な
強固充填状態の変化を時間的に計測する必要がある場合
(腐蝕による空隙発生の検査や予測)があるが、かかる
場合には、上記1〜10メガヘルツの指向性を有する直進
波の超音波ではPC鋼棒の周囲の影響状態が検出出来ない
ために所定の検査が出来ないという不都合さがあった。
そして、シース内のグラウト充填の有無,充分か不充分
か、又、該グラウトとPC鋼棒の付着状態の良否検出は極
めて重要であり、その計測手段が強く望まれているにも
かかわらず、これに応える技術は開発されておらず、そ
の現出が大きく期待されているのが現状である。
〈発明の目的〉 この出願の発明の目的は上述従来技術に基づくコンクリ
ート構造物のPC鋼棒周囲のグラウトの適性充填量の有無
の状態や介装状態の稼動中における、或いは、充填直後
からの経時的な状態変化検査測定の問題点、及び、関係
業界の期待を解決すべき技術的課題とし、数十kHz〜数M
Hzの広領域の弾性波を発生させるに数十kHzから数百kHz
の指向性のない高周波パルス周波数領域での距離による
減衰が小さく、しかも、分解能を必要としない高周波パ
ルスの超音波を用いることにより、PC鋼棒一端に弾性波
として入力させ、その反射波を他端から受信して測定す
ることにより充填されたグラウトの介装状態を所定タイ
ミングで、或いは、経時的に介装状態をリアルタイムで
把握することが出来るようにして建設産業等における測
定技術利用分野に益する優れたコンクリート構造物の充
填グラウトの介装状態検出方法、及び、該方法に直接使
用する装置を提供せんとするものである。
〈課題を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とするこの出
願の発明の構成は前述課題を解決するために、山間の橋
梁等のコンクリート構造物のプレキャストコンクリート
内のシース内のセメントモルタル等の充填グラフの内部
にPC鋼棒を挿入,埋設してその開放部の一端に発信セン
サの振動子を当接一体化させ、数十kHzから数MHzの高周
波パルスの超音波を入力させて広帯域の弾性波を発生さ
せ、高周波の数MHzの波動はその指向性によりPC鋼棒内
を直進し、低周波数の数十kHz〜数百kHzの波動はPC鋼棒
内で反射を繰返し、他端に設けた受信センサの振動子に
受信されるようにされ、弾性波はPC鋼棒の周囲にグラウ
トが存在する場合には、その影響を大きく受け、無い場
合には影響を受けない反射波(エコー)が出力受信セン
サの振動子により出力されてオシロスコープにより測定
され、グラウトの経時的な凝固やゲル化も弾性波の反射
波に対する影響として観測され、したがって、グラウト
の充填の有無や充填後の経時的な凝固やゲル化状態、更
には、空隙やひび割れ等もリアルタイムで観測,測定さ
れ、又、接写,記録されて適宜に対処し得るようにし、
発受信センサの振動子はPC鋼棒の開放端に困難性なく着
脱が出来、容易に装着,取外しが出来、測定がスムース
に行えるようにし、又、超音波測定であるために安全で
ノイズも拾い難い状態で測定が出来るようにした技術的
手段を講じたものである。
〈発明の原理的背景〉 鋼棒の一端に設置した発信センサに超音波等の高周波パ
ルスを入力して、数十kHz〜数MHzの広帯域の弾性波動を
発生すると、該弾性波が鋼棒の長手方向へと伝播する場
合、周波数の高い数MHzの波動は指向性があるため、直
進し、これに対し比較的低い周波数の数十kHz〜数百kHz
の波動は指向性がないため、鋼棒の内部で反射を繰返し
て、反対側に設置した受信センサで感知される。
このような波動が鋼棒中を軸方向に伝播する場合、該鋼
棒の伝播距離に応じて音圧が低下することが分ってい
る。
而して、第1図に示す様に、アンボンドの鋼棒1が自由
表面状態では振動子2により発生された弾性波は直進す
る縦波P1の他にも鋼棒1の内部で反射して伝播する反射
波Psは音速の違いから速度分散を生じて複数の波群とな
る。
これに比し、第2図に示す様に、ボンド状態の鋼棒1が
グラウト3内に埋設されて自由表面でない場合は、該鋼
棒1の側面とグラウト3の境界で反射を繰返すたびに鋼
棒1の外へと波動の逸散を生じて、そのエネルギーは徐
々に減衰する。
かかる第1,2図の弾性波の状態は図示しない受信センサ
を介してオシロスコープのCRTで目視することが出来、
横軸に時間軸を縦軸に電圧軸をとると、第3図(第1図
対応),第4図(第2図対応)の様になる(T1は波動ス
タートからP1波受信までの時間)。
このような現象はアンボンド部材(グラウト無し)中の
PC鋼棒については自由表面状態であることにより波動を
ほぼ完全に反射し、一方、ボンド部材(グラウト有り)
中のPC鋼棒についてはシース内のグラウトによる拘束か
ら、PC鋼棒内の反射波は該グラウトとPC鋼棒との境界か
らグラウト中に吸収され易い状態となることが分り、こ
のことから、PC鋼棒内を伝播してきた弾性波動の受信波
形を測定すれば、その変化からPC鋼棒とそれを囲繞する
グラウトの充填介装状況が検出出来る。
この出願の発明は上述原理的背景の基に開発,案出され
たものである。
〈実施例〉 次に、この出願の発明についてコンクリート構造物のプ
レストレスコンクリート部材のPC鋼棒の周囲にシースを
介して充填したグラウトのセメントモルタルの既成充填
状態検出測定の態様を実施例として図面を参照して説明
すれば以下の通りである。
図示実施例は、橋桁のプレストレスコンクリート部材PC
桁のプレストレス付与のためのPC鋼棒に対しシースを介
してのグラウトのセメントモルタルが設定状態に充填し
てあるか否かを非破壊的に検査する態様であり、第5図
に示す様に、プレストレス付与のために橋桁のPC桁4に
埋設介装したPC鋼棒5の外側にはシース6が在来態様同
様に同軸的に配設され、そして、PC鋼棒5とシース6と
の間にはグラウトのセメントモルタル3が充填介装され
ている。
又、PC鋼棒5の一端には発信センサとしての超音波振動
子2が添着されて超音波発生装置7に回路8を介して電
気的に接続されている。
そして、PC鋼棒5の他端には受信センサとしての超音波
振動子2′が添着されてオシロスコープ9に回路10を介
して電気的に接続されている。
超音波発生装置7とオシロスコープ9とは同期信号回路
11で接続され、又、オシロスコープ9には記録様の接写
装置12が接続されている。
上述構成において、超音波発生装置7からの出力パルス
信号は回路8を介し超音波振動子2を起振し、弾性波を
PC鋼棒5内に伝播させる。
そして、PC鋼棒5内を伝播した弾性波(反射波を含め
て)は他端の受信センサの超音波振動子2′に受信さ
れ、その受信信号は回路10を介しオシロスコープ9に目
視波形を形成して所定に測定され、又、併せて、接写装
置12より接写記録される。
而して、オシロスコープ9で形成される波形は前述第1
〜4図に示した様に、基本的に介装されているグラウト
のセメントモルタル3が充填されているボンド状態の場
合、反射波は認められず、直線波形が現われ、非充填の
アンボンド状態の場合は反射波が現われ波形が乱れる。
したがって、オシロスコープ9の弾性波の受信波形を測
定することによりグラウトのセメントモルタル3の有
無,介装状態(腐蝕,空隙,ひび割れ)等がアナログ的
にリアルタイムで観測され、又、検出データは接写装置
12で記録され、直ちに最適対応がなされ得る。
そして、このようにして、PC鋼棒5内を伝播した弾性波
は受信波形変化を測定して該PC鋼棒5と周囲の介装グラ
ウト3の介装状態が観測出来ることになる。
次に、上述実施例に則す実験例を示す。
用いた供試体は第6〜9図に示す様なPC桁(桁高さ65c
m,幅50cm,長さ6.4m)4で、内部にφ45mmのシース6を
配置し、その中にφ32mmのPC鋼棒(B種2号φ32SBPR 9
5/120)5を1本セットした短形断面のポストテンショ
ン方式のもの5体を用いた。
尚、13は仕切板、14は埋込み型の支圧板である。
該PC鋼棒5には52.8tfのプレストレスを導入し、その
後、4本はPC桁4のシース6内へグラウト3を注入し
た。
コンクリート、及び、グラウト材の配合を表1,2に、圧
縮強度を表3に示す。
尚、セメントは早強セメントを用いた。
そして、載荷試験には、容量150tfの電気油圧式疲労試
験機(50tfレンジ)を用い、載荷方法は、第10図に示す
様な荷重分配桁15を用いた2点集中載荷による曲げ試験
で、疲労試験は下限荷重21tf(PC鋼棒応力60kgf/mm2
当)とし、上限荷重は応力変動分を上乗せした荷重で、
繰返し速度は2〜2.5Hzとした。
弾性波計測の測定方法については、各供試体4の試験供
用前と疲労試験中の任意の繰返し回数で測定した。
伝播弾性波の観測は、受信センサ2′からの電気信号を
直接オシロスコープ(20MHz)9で受信してリアルタイ
ムで観察した。
そして、受信波形の状況はCRTの画面を接写装置12で撮
影して記録をした。
その後、受信波形の面積をプラニメータで図り、そのデ
ータを波面率(s/so×100%s:ボンド部材の面積,so
アンボンド部材の面積)として整理した。
尚、PC鋼棒5とグラウト3の付着破壊の確認は、PC桁4
の両端の固定側、及び、緊張側の定着用ナット(ディビ
ダーク工法)に貼り付けたひずみゲージによるモニター
方法で行った。
そして、PC桁供試体4の試験供用前と疲労試験時の波面
率を次の表4に示す。
尚、疲労試験時の波面率はPC桁4の破壊に最も近い繰返
し載荷時の値とした。
グラウト3無しのアンボンド供試体No.1については、PC
鋼棒5内では完全反射状態のため受信波形の減衰は小さ
く、P1波と速度分散により発生したP5波がつづいた波群
となった。
このグラウト無しの状態の波面率を100%とした。
一方、グラウトを充填したボンド供試体No.2〜No.5の試
験前の受信波形は、P1波(音速5540m/s)のみで、Ps
の存在は認められなかった。
これは、Ps波がPC鋼棒5内での反射を繰返す際に、該PC
鋼棒5とグラウト3の音響インピーダンスが近いため、
該グラウト3との境界から徐々にエネルギーが吸収され
てPs波の振幅が減衰したためと判断される。
このように試験前の付着の良好状態の波面率は0.4〜1.1
%と著しく小さいことが判った。
以上の試験データから、PC桁4中のシース6内のグラウ
ト3の充填の有・無については、PC鋼棒5内の伝播弾性
波の受信波形として明瞭な形でその現象がオシロスコー
プ9のCRT上で観察された。
したがって、グラウト3の充填度についてキャリブレー
ションを行うことにより評価が可能であると判断され
た。
弾性波のPC鋼棒5内での反射の繰返し回数(N)に応じ
た受信波形の例を供試体No.4について第11,12,13図(受
信感度:20mV/div,時間軸:0.5msec/div)に示す。
試験供用前にの受信波形は第11図N=0に示す様に、P1
波のみ(波面率0.5%)で、繰返し回数Nの増加(N=
1.6万回:第12図波面率2%,N=20.8万回:第13図波面
率24%)に応じて Ps波が多く受信される傾向が判った。
各応力度のPC鋼棒5端の締付け定着様のナットのひずみ
と反射繰返し回数の関係を第14図に示す。
反射繰返し回数の増加と共に付着破壊が進行し定着用の
ナットの位置まで達した結果、ナットには試験荷重によ
る変動が伝播し始め、ひずみ(圧縮)振幅が増加して、
PC鋼棒5とグラウト3との付着力が低下することが判っ
た。
又、波面率は第15図に示す様に、上記第14図に対応して
ナットひずみ振幅の増大に伴って増加することも判っ
た。
いずれの供試体No.1〜5においても、波面率の変化はひ
ずみ振幅の挙動と良く一致していることが判る。
そして、応力振幅が高い場合や、試験前でも波面率が大
きい場合は付着破壊の進行も早く、その影響が現れてい
ることが判った。
又、表4に示した様に、破断位置が定着部に在る供試体
No.3は繰返し載荷時に波面率が20%程度を維持し、更
に、応力振幅により8%程度の波面率の変動が認められ
た。
これに対し、供試体No.5では繰返し載荷時の波面率が10
%前後と小さく、応力振幅による変動も2%以下であっ
た。
一旦、疲労試験を中心(破断せず)した供試体No.2の受
信波形には除荷重時でもP1波とPs波が観測され、付着力
の低下が認められた。
このように、波面率の増加はPC鋼棒5とグラウト3との
付着力の低下傾向を明らかに示しているものであった。
これらのことから、PC鋼棒5内の伝播弾性波の受信波形
におけるPs波の観測がPC鋼棒5とグラウト3との付着性
状の評価に有力な検出手段となることが試験からも確認
されたものである。
〈発明の効果〉 以上、この出願の発明によれば、基本的に橋梁等のコン
クリート構造物のプレストレス付与のPC鋼棒の一端から
数十kHzから数MHzの超音波等の弾性波を入力させ、該PC
鋼棒の周囲のセメントモルタル等のグラウトの弾性波吸
収による他端からの反射波を受信しオシロスコープ等に
より観測し、該グラウトの介装状態を観測することによ
り、シース内のグラウトの良好な設計充填状態や経時的
な凝固状態や腐蝕発生状態,空隙,ひび割れの存在状態
等を検出することが出来、したがって、構造物の稼動中
における非破壊的検査が行え、しかも、データをアナロ
グデジタル化してリアルタイムで観測したり記憶するこ
とが出来、そのため、しかるべき早急の対処手段が取れ
大事に至らなくて済み、そのうえ、他の構造物の参考デ
ータにも供することが出来るという優れた効果が奏され
る。
このようにPC桁等のコンクリート構造物中のPC鋼棒に弾
性波の超音波を入力し、該PC鋼棒を伝播してきた波動状
況からシース内のグラウト充填の有・無を検知すること
が出来、PC鋼棒と該グラウトの付着破壊状況は、Ps波の
存在による波面率の変化から観測出来、これらのことは
繰返し載荷時は勿論のこと、荷重保持状態、或いは、除
荷重時でも適用可能である効果がある。
而して、検出装置においてはPC鋼棒の定着部の開放端の
端面に発信センサとして超音波振動子を、他端に受信セ
ンサの超音波振動子を添着させたことにより、複数のPC
鋼棒に対する取付け,取外しが簡単に行え、取り扱いが
し易く、早急な能率的な介装状態の検出が行えるという
効果もある。
又、超音波は数十kHzから数MHzのパルスの超音波を用い
るために安全でノイズを拾うこともなく、しかも、指向
性の無いグラウトの影響を充分に受けた状態で過渡的な
現象から他端面の反射波を分離して受信することが出来
るという効果があり、コンクリート構造物等の工事終了
検査や稼動中における耐久性の検討や保全管理等に寄与
することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
図面はこの出願の発明の実施例の説明図であり、第1,2
図は基本実施例のグラウトの弾性波の伝播状態の概略模
式断面図、第3,4図はPC鋼棒内に於ける弾性波の百kHzの
受信波のCRT波形図、第5図は検出装置の模式図、第6
〜9図は供試体のPC桁の平面図、側面図、第7図IIX−I
IX断面図、第7図IX−IX断面図、第10図は載荷試験模式
側面図、第11〜13図は受信波形のCRT図、第14図は反射
繰返し回数とナットひずみの特性グラフ図、第15図は反
射繰返し回数と波面率の特性グラフ図である。 3……グラウト、5……PC鋼棒 6……シース

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シース内に充填したグラウトに挿通された
    PC鋼棒に対し弾性波を付与して該弾性波の反射波を測定
    し該グラウトの充填介装状態を検出する方法において、
    上記PC鋼棒の一端から数十kHz〜数MHzの弾性波を入力
    し、他端から反射波を受信して該PC鋼棒周囲のグラウト
    の充填体の介装状態を非破壊的に測定するようにしたこ
    とを特徴とするコンクリート構造物の充填グラウトの介
    装状態検出方法。
  2. 【請求項2】上記入力弾性波が超音波であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載のコンクリート構造物
    の充填グラウトの介装状態検出方法。
  3. 【請求項3】上記グラウトがセメントモルタルであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のコンクリー
    ト構造物の充填グラウトの介装状態検出方法。
  4. 【請求項4】上記測定が経時的に連続的、或いは間欠的
    に行われるようにしたことを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のコンクリート構造物の充填グラウトの介装
    状態検出方法。
  5. 【請求項5】シースのグラウト内に挿入したPC鋼棒の端
    部に振動子を設けて測定装置に電気的に接続したコンク
    リート構造物の充填グラウトの介装状態検出装置におい
    て、上記振動子の一方が発信センサであって超音波パル
    ス発振装置に電気的に接続され、他方の振動子が受信セ
    ンサであって、上記超音波パルス発信装置に同期的に接
    続されたオシロスコープに電気的に接続されていること
    を特徴とするコンクリート構造物の充填グラウトの介装
    状態検出装置。
  6. 【請求項6】上記オシロスコープに接写装置が接続され
    ていることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のコ
    ンクリート構造物の充填グラウトの介装状態検出装置。
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