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JPH0771517B2 - アスパラギン酸アミノトランスフエラ−ゼアイソザイムの分別定量法 - Google Patents
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JPH0771517B2 - アスパラギン酸アミノトランスフエラ−ゼアイソザイムの分別定量法 - Google Patents

アスパラギン酸アミノトランスフエラ−ゼアイソザイムの分別定量法

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JPH0771517B2
JPH0771517B2 JP11701586A JP11701586A JPH0771517B2 JP H0771517 B2 JPH0771517 B2 JP H0771517B2 JP 11701586 A JP11701586 A JP 11701586A JP 11701586 A JP11701586 A JP 11701586A JP H0771517 B2 JPH0771517 B2 JP H0771517B2
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acid
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は臨床検査において有用な、血清中のアスパラギ
ン酸アミノトランスフェラーゼ(系統名L−Aspartate:
2−oxoglutarate aminotransferase(EC2.6.1.1.)、同
義語Gletamic Oxaloacetic Transamirase(GOT)、以
下、ASTと称す)のアイソザイムと分別定量法に関し、
さらに詳しくは、特定の阻害剤の存在下に検体血清を特
定の基質と反応させ、得られた生成物を測定することに
よりミトコンドリア性ASTを分別定量する方法に関す
る。
発明の背景 ASTは、哺乳動物のほとんど全ての臓器に存在してお
り、細胞質に局在する分画である細胞質性AST(以下、
s−ASTと称す)とミトコンドリアに局在する分画であ
るミトコンドリア性AST(以下、m−ASTと称す)の2種
類のアイソザイムがあり、検体、特に血清中の総AST
量、s−AST量、m−AST量の定量はいずれも臨床診断を
行なう上で非常に有用である。
ことに、m−ASTの分別定量は、ミトコンドリアの機
能、肝炎、心筋梗塞、細胞障害の重篤度などの臨床診断
法として有用であり、近年、その簡便かつ特異的な定量
法の必要性が益々高まっている。
従来技術 従来、ASTアイソザイムの測定は陰イオン交換クロマト
グラフィー法(臨床化学、,163(1979))、免疫化学
的方法(特開昭50−19918号)および電気泳動法(ロバ
ート・レイ、クリニカル・ケミストリー(Robert Rej,c
lin.chem.),24,1971(1978))などを用いて行なわれ
ているが、これらは時間のかかる煩雑な操作を要し、充
分な精度が得られないなどの種々の欠点を有している。
さらに、複数の異なるpHで活性を測定し、アイソザイム
の比を求める方法および同様に2つの異なるpHで活性を
測定し、さらに、s−AST阻害剤の影響をも調べてアイ
ソザイムの比を計算する方法(ロバート・レイ、クリニ
カル・ケミストリー(Robert Rej,Clin.Chem.),27,53
5(1981))が報告されているが、いずれも操作が煩雑
であり、迅速性および精度に欠ける。
また、s−AST活性を阻害する酵素を用いて前処理した
後、m−ASTを測定する方法(特開昭60−149399号)も
提案されている。しかし、この方法は、多量の精製酵素
を必要とし、経済性に問題があり、また、前処理に比較
的長時間を要し、自動分析に適していない。
発明の目的 本発明者らは、このような問題点がなく、迅速で、精度
の高い、かつ、自動分析にも適したm−ASTの分別定量
法を見出すべく、鋭意研究を重ねた。その結果、ジカル
ボン酸化合物およびプロテアーゼから選ばれる1種また
は2種以上のs−AST阻害剤の存在下、従来ASTの基質と
して知られるL−アスパラギン酸と異なる新たな基質を
作用させることにより、m−ASTのみを特異的に、迅
速、かつ、高精度で分別定量でき、自動分析にも適用で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
発明の開示 すなわち、本発明はジカルボン酸化合物およびプロテア
ーゼから選ばれる1種または2種以上のs−AST阻害剤
の存在下、検体中のm−ASTにL−システイン酸および
2−オキソグルタル酸を基質として作用させ、式: で示される反応に従って生成したL−グルタミン酸およ
びβ−スルホニルピルビン酸のいずれかを測定すること
によりm−ASTを特異的に定量するASTアイソザイムの分
別定量法を提供するものである。
システイン酸および2−オキソグルタル酸を基質とし、
これらからグルタミン酸およびβ−スルホニルピルビン
酸を誘導する酵素として、従来、システイン酸トランス
アミナーゼが知られているが(エス・ダーリング、ネイ
チャー(S.Darling,Nature),170,749〜750(195
2))、これはASTと異なるものであり、ASTアイソザイ
ムの分別定量にシステイン酸と2−オキソグルタル酸を
基質として用いた例は見当らない。
本発明の方法において、s−AST阻害剤として用いるジ
カルボン酸化合物としては、例えば、グルタル酸、アジ
ピン酸、こはく酸、マレイン酸およびそれらの無水物が
挙げられ、入手しやすさ等からグルタル酸が特に好まし
い。プロテアーゼとしては、アクチナーゼ(科研化学社
製)、パパイン、プロテアーゼ・タイプVII、プロテア
ーゼ・タイプVIII、プロテアーゼ・タイプX VIII、プロ
メライン(いずれもシグマ社製)などが挙げられる。こ
れらのs−AST阻害剤は単独でも、2種以上併用しても
よい。
検体は、代表的には血清であるが、これに限定するもの
ではなく、m−ASTの定量が所望される、測定に供する
ことのできるものいずれでもよい。
基質として用いるL−システイン酸および2−オキソグ
ルタル酸は通常入手しうる定量試薬グレードのものでよ
い。
式〔I〕に従って生成したL−グルタミン酸またはβ−
スルホニルピルビン酸の測定法は、特に限定するもので
はなく、これらの化合物の定量法として公知のいずれの
方法も採用することができる。
例えば、L−グルタミン酸は、NADの存在下、L−グル
タミン酸脱水素酵素(GlDH)を作用させ、ジアホラーゼ
(DI)、フェナジンメトサルフェート(PMS)のような
電子キャリアと、ニトロテトラゾリウムブルー(NT
B)、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−
ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロマイド(MTT)の
ようなテトラゾリウム塩を加えて発色させ、可視部の波
長で測定するような方法が好適に採用できる。
意外にも、本発明者らによれば、式: で示される反応に従い、NADHの存在下、従来、オキザロ
酢酸を基質とすると考えられているMDHをβ−スルホニ
ルピルビン酸に作用させ、NADHの有する紫外部(340n
m)での特異吸収を利用し、そのNAD(紫外部で吸収を示
さない)への変化、すなわち、NADHの紫外部における光
学的密度の減少を測定してβ−スルホニルピルビン酸を
定量することにより、m−ASTアイソザイムの分別定量
がきわめて高精度で迅速に行なえることが判明した。し
たがって、本発明の方法において、β−スルホニルピル
ビン酸を測定する場合は、式〔I〕の反応後、式〔II〕
の反応を行なって定量操作を行なうことが好ましく、か
くして、本発明はまた、ジカルボン酸化合物およびプロ
テアーゼからなる群から選ばれる1種または2種以上の
s−AST阻害剤の存在下、検体中のm−ASTにL−システ
イン酸および2−オキソグルタル酸を基質として作用さ
せ、生成したβ−スルホニルピルビン酸をNADHの存在
下、MDHと作用させることからなるm−ASTアイソザイム
の分別定量法を提供するものである。
なお、本発明においては、式〔I〕の反応と、式〔II〕
の反応を含め、生成したL−グルタミン酸およびβ−ス
ルホニルピルビン酸の測定は同一系内で行なうことがで
きる。
本発明の方法は、例えば、検体を要すれば適宜希釈し、
これに、s−AST阻害剤、L−システイン酸、2−オキ
ソグルタル酸および、L−グルタミン酸またはβ−スル
ホニルピルビン酸測定用試薬を水性溶液状態で同時に、
または順次添加し、所定の温度で所定時間保持した後、
精製水や盲検を対照として、所定の波長における光学的
密度や、その単位時間当たりの変化を測定し、m−AST
標準を用いた測定値や、それにより作成した検量線か
ら、検体中のm−AST量を定量することにより実施でき
る。実施に際しては、MDHの反応系の場合、m−ASTの至
適pHであるpH6.0〜8.0、好ましくは、pH7.0〜7.5に保存
することが望ましく、そのために公知の緩衝剤、例え
ば、ビス−トリスやトリスが、通常、10〜100mM程度の
濃度で好適に使用される。通常、反応系中には、s−AS
T阻害剤を100〜300mM(ジカルボン酸化合物の場合)ま
たは1000〜3000チロジン単位/ml(アクチナーゼの場
合)、L−システイン酸を100〜250mM、2−オキソグル
タル酸を5〜20mM程度の割合で存在させ、反応系を37℃
前後で1〜30分間程度保持した後、光学的密度の測定を
行なう。また、GlDHの反応系の場合、好ましくは、pH7.
5〜8.5に保持するため、同様な緩衝剤10〜200mMを使用
し、2−オキソグルタル酸の濃度を0.5〜5mMとする意外
は前記と同様にして測定を行う。例えば、GlDH、NAD、P
MSおよびNTBを用いてL−グルタミン酸を測定する場合
は盲検を対照として560nmの光学的密度を測定する。ま
た、NADHおよびMDHを用いてβ−スルホニルピルビン酸
を測定する場合は、精製水を対照とし、340nmにおける
光学的密度の単位時間当たりの変化を測定する。
特に、本発明の方法においては、s−AST阻害剤、L−
システイン酸およびL−グルタミン酸またはβ−スルホ
ニルピルビン酸測定用試薬を反応系に添加し、例えば、
37℃で1〜10分間保持後、2−オキソグルタル酸を添加
し、再度、37℃で1〜10分間保持することにより、高精
度でm−ASTアイソザイムの分別定量が行なえることが
判明した。
本発明は、また、本発明の方法を簡便、かつ、迅速に行
なうための、m−ASTアイソザイム分別定量用試薬キッ
トも提供するものである。
かかる試薬キットは、前記のs−AST阻害剤、L−シス
テイン酸、2−オキソグルタル酸およびL−グルタミン
酸またはβ−スルホニルピルビン酸測定用試薬からなる
群から選ばれる少なくとも1種の試薬で構成され、所望
により、m−AST標準品、緩衝剤等の他の薬剤を組合せ
てもよい。各試薬は、凍結乾燥品、粉末、顆粒等の固体
状、濃縮液、希釈液状等の液体でよく、通常の製剤化技
術に従い、要すれば所定の割合で適宜混合し、適宜に包
装して製造できる。
前記のごとく、本発明においては、式〔I〕および〔I
I〕の反応に従い、β−スルホニルピルビン酸を測定す
ることが好ましく、また、2−オキソグルタル酸を他の
試薬と分けて反応系に添加することが望ましい。したが
って、本発明においては、該試薬キットを、s−AST阻
害剤、L−システイン酸、NADHおよびMDHを含有する第
1試薬および2−オキソグルタル酸を含有する第2試薬
を組合せたものとすることが好ましい。
例えば、第1試薬は、使用時、精製水に溶解して、L−
システイン酸100〜300mM、好ましくは、約200mM、グル
タル酸100〜400mM、MDH5〜50単位、好ましくは、20単位
/ml、NADH0.08〜0.23mg/mlの濃度となるように、各試薬
を混合した粉末または溶液とすることができる。この第
1試薬には、使用時、反応系をpH6.5〜8.0に保持するた
め、10〜100mMの濃度となる程度のビス−トリスやトリ
スのような緩衝剤を添加することができる。
また、第2試薬は、使用時、精製水に溶解して、用手法
の場合は濃度150〜630mM、自動分析法の場合は濃度20〜
110mMとなるように2−オキソグルタル酸を含有する粉
末または溶液とすることができる。
このキットを用いて血清中のm−ASTアイソザイムを分
別定量するには、検体血清に第1試薬を作用させ、約37
℃で1〜10分間、好ましくは、2〜6分間予備加温した
後、第2試薬を加え、同温度で1〜10分間、好ましく
は、2〜6分間反応させ、精製水を対照にして340nmに
おける吸光度の1分間当たりの減少を測定し、これらの
データに基づいて下式により検体血清中のm−AST活性
値(U/)を算出する。
式中、ΔEsa:検体血清の吸光度の1分間当りの差 ΔEstd:標準m−ASTの吸光度の1分間当りの差 x:標準m−ASTの活性値(U/) このように、本発明によれば、血清中のm−ASTのみを
特異的に定量でき、しかも何ら特別の装置を要すること
なく、極めて簡便かつ迅速に実施できるため、本発明の
分別定量法およびその試薬は、血清中のm−ASTの臨床
検査にきわめて有用である。
つぎに本発明によるm−AST分別定量効果を調べるため
に以下に示す実験を行なった。
なお、以下、β−スルホニルピルビン酸を測定する本発
明の方法を本発明法(1)、L−グルタミン酸を測定す
る方法を本発明法(2)と称する。
実験 実験1 基質として、L−アスパラギン酸を用いる従来法および
L−システイン酸を用いる本発明方法における各種s−
AST阻害剤の効果 (1)試料の調製 s−AST試料:免疫沈澱法、電気泳動法等によりm−AST
を含有しないことを確認したブタ心臓由来のs−AST
(ベーリンガー社製)を1mg/ml牛血清アルブミン含有ビ
ス−トリス緩衝液(pH7.5)で希釈して活性値130.6U/
のs−AST試料を調製する。
m−AST試料:免疫沈澱法、電気泳動法等によりs−AST
を含有しないことを確認したブタ心臓由来の標準m−AS
T(栄研化学社製)を前記緩衝液で希釈して活性値154.8
U/のm−AST試料を調製する。
本発明法(1) (1)試薬の調製 第1試薬:L−システイン酸(東京化成社製)4.40g、リ
ンゴ酸脱水素酵素(天野製薬社製)2500単位、β−NADH
(オリエンタル酵母社製)16.0mg、s−AST阻害剤(後
記第1表および第2表参照)およびビス・トリス(同仁
化学社製)0.54gを精製水に溶解し全量を100mlとする
(pH7.5)。
第2試薬:2−オキソグルタル酸(東京化成社製)0.46g
を精製水に溶解し全量を50mlとする(pH6.5)。
(2)方法 前記試料0.020mlに第1試薬0.40mlを加え、37℃で5分
間予備加温した後、第2試薬0.10mlを加え同温度で反応
させ、その間精製水を対照にして340nmにおける吸光度
の1分間当たりの減少を日立705自動分析装置を用いて
測定し、それらのデータから前記式(A)により、m−
ASTの活性値および相対活性を算出した。
従来法 (1)試薬の調製 第1試薬:L−アスパラギン酸(半井化学社製)3.46g、
リンゴ酸脱水素酵素100単位、β−NADH16.0mg、s−AST
阻害剤(後記第1表および第2表参照)およびトリス0.
31gを精製水に溶解し全量を100mlとする(pH8.0)。
第2試薬:2−オキソグルタル酸0.46gを精製水に溶解し
全量を50mlとする(pH6.5)。
(2)方法 前記本発明法(1)の方法と同様にして行なう。
結果を第1表および第2表に示す。
第1表および第2表の結果から明らかなように、基質と
してL−アスパラギン酸を用いる従来法にジカルボン酸
化合物またはプロテアーゼを添加してもs−ASTの活性
は阻害されなかったがL−システイン酸を用いる本発明
法によればグルタル酸、無水マレイン酸およびアクチナ
ーゼを用いた場合に特に顕著なs−AST活性阻害効果が
得られた。
実験2 L−システイン酸基質に対するASTアイソザイムの活性 (1)試料の調製 s−AST試料:前記実験1と同様にして活性値352U/の
s−AST試料を調製する。
m−AST試料:前記実験1と同様にして活性値155U/の
m−AST試料を調製する。
本発明法(1) (1)試薬の調製 第1試薬:L−システイン酸3.63g、リンゴ酸脱水素酵素
(天野製薬社製)2000単位、β−NADH13.0mg、グルタル
酸2.84gおよびビス−トリス0.45gを精製水に溶解し全量
を100mlとする(pH7.5)。
第2試薬:2−オキソグルタル酸2.74gを精製水に溶解し
全量を50mlとする(pH6.5)。
(2)方法 前記試料0.12mlに第1試薬2.9mlを加え、37℃で5分間
予備加温した後、第2試薬0.10mlを加え同温度で反応さ
せ、その間精製水を対照にして340nmにおける光学的密
度の1分間当たりの減少を島津UV210A分光光度計を用い
て測定し、それらのデータから前記式(A)により、m
−ASTの活性値および相対活性を算出した。
本発明法(2) (1)試薬の調製 基質検出酵素溶液の調製:L−システイン酸1.69g、2−
オキソグルタル酸7.3mg、L−グルタミン酸脱水素酵素
(オリエンタル酵母社製)1500単位、NAD+(オリエン
タル酵母社製)0.15g、オキサロ酢酸デカルボキシラー
ゼ(東洋醸造社製)500単位、グルタル酸1.32g、m−フ
ェナジンメトサルフェート5.0mg、ニトロテトラゾリウ
ムブルー30mgおよびトリス(ヒドロキシメチル)アミノ
メタン0.61gを精製水に溶解して全量を50mlとする(pH
7.8)。
(2)方法 前記試料0.2mlに基質検出酵素溶液0.5mlを加え、37℃で
20分間加温した後0.1N塩酸5.0mlを加えて反応を停止さ
せ、精製水からなる盲検を対照にして560nmにおける吸
光度を島津UV210A分光光度計を用いて測定し、予め作成
したm−ASTの検量線を用い、m−ASTの活性値および相
対活性を算出した。
従来法 (1)方法 前記試料を用い、カルメン法によるAST活性の測定に従
来一般に使用されている試薬であるネスコートGOTV3(S
SCC)(日本商事社製)を用いて常法により測定し、各A
STアイソザイムの活性値および相対活性を算出した、結
果を第3表に示す。
第3表より明らかなように、m−AST活性に関しては、
本発明法(1)および(2)はともに従来法と同様の値
を示し、一方、s−AST活性に関しては、本発明法
(1)は相対活性0.6%、本発明法(2)は相対活性0.0
%の値を示し、本発明法によりASTアイソザイムの分別
定量が可能なことが判明した。
実験3 s−AST活性に対するグルタル酸の影響 (1)試料の調製 試料I:免疫沈澱法、電気泳動法等によりm−ASTを含有
しないことを確認したブタ心臓由来のs−AST(ベーリ
ンガー社製)を1mg/ml牛血清アルブミン含有ビス−トリ
ス緩衝液(pH7.5)で希釈して活性値251U/のs−AST
試料を調製する。
試料II:前記と同様にして活性値507U/のs−AST試料
を調製する。
試料III:前記と同様にして活性値760U/のs−AST試料
を調製する。
(2)試薬の調製 前記実験1と同様にして調製する。
(3)方法 前記実験1および2と同様にしてs−ASTの活性値およ
び相対活性を測定した。結果を第4表に示す。
第4表より明らかなように、グルタル酸を使用する本発
明法(1)および(2)によりs−ASTの活性は完全に
阻害された。
実験4 s−AST共存下におけるm−ASTの活性 活性値が155U/のm−AST試料に活性値がそれぞれ0、
151、316および456U/のs−AST試料を添加し、s−AS
Tおよび実験1の本発明法(1)と同様にしてm−ASTの
活性値を算出した、結果を第5表に示す。
第5表より明らかなように、s−AST共存下においても
m−AST活性値はほとんど影響されない。
したがって、本発明法(1)はm−ASTを特異的に分別
定量できる。
以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
実施例1 本発明法(1)による検量線の作成 (1)試薬の調製 第1試薬:L−システイン酸3.63g、リンゴ酸脱水素酵素2
000単位、β−NADH13.0mg、グルタル酸2.84gおよびビス
−トリス0.45gを精製水に溶解し全量を100mlとする(pH
7.5)。
第2試薬:2−オキソグルタル酸2.74gを精製水に溶解し
全量を50mlとする(pH6.5)。
(2)標準血清の調製 m−AST活性値が約340U/の血清を生理食塩水で1/5、2
/5、3/5、4/5、5/5に希釈して調製する。
(3)測定操作および結果 試験管5本に前記各濃度の標準血清各0.12mlをとり、こ
れに前記第1試薬2.9mlを加え、37℃で5分間予備加温
したのち前記第2試薬0.1mlを加え、37℃で反応させ、
精製水を対照にして340nmにおける吸光度の1分間当た
りの減少を測定し、それらのデータから前記式(1)に
より、m−ASTの活性値を求め検量線を作成した。これ
を第1図に示す。図より明らかなように原点を通る直線
が得られ、本発明法(1)の定量性が確認された。
実施例2 (1)試薬の調製 前記実施例1と同様にして調製した。
(2)測定操作および結果 実施例1で用いた第1、第2試薬および標準血清を用
い、16血清検体につき実施例1と同様の操作を行なって
m−AST活性値を求めた。一方、同じ血清検体につき、
公知の免疫化学的方法によるm−AST活性測定に一般に
使用されているm−AST試薬「栄研」(栄研化学社製)
を用いて常法によりm−AST活性値を求めた。これらよ
り、本発明法(1)と従来法の間の相関図を作成した。
これを第2図に示す。
これから相関係数r=0.989であり、従来法の測定値を
x、本発明法(1)による測定値をyとすると回帰直線
の式はy=1.058x+2.1と良好な相関を示し、本発明法
(1)の正確度が確認された。
実施例3 本発明法(2)による検量線の作成 (1)試薬の調製 基質検出酵素溶液:L−システイン酸1.69g、2−オキソ
グルタル酸7.3mg、L−グルタミン酸脱水素酵素1500単
位、NAD+0.15g、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ500
単位、グルタル酸1.32g、m−フェナジンメトサルフェ
ート5.0mg、ニトロテトラゾリウムブルー30mgおよびト
リス(ヒドロキシメチル)アミノメタン0.61gを精製水
に溶解し全量を50mlとする(pH7.8)。
(2)標準血清の調製 前記実施例1と同様にして調製する。
(3)測定操作および結果 試験管5本に前記各濃度の標準血清各0.12mlをとり、こ
れに前記基質検出酵素溶液0.5mlを加え、37℃で30分間
加温した後0.1N塩酸5.0mlを加えて反応を停止させ、精
製水からなる盲検を対照にして560nmにおける吸光度を
測定し、それらのデータから前記式(2)によりm−AS
Tの活性値を求め、検量線を作成した。これを第3図に
示す。図より明らかなように原点を通る直線が得られ、
本発明法(2)の定量性が確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明法(1)における検量線を示すグラフ、
第2図は本発明法(1)と免疫化学的方法の間の相関関
係を示すグラフ、第3図は本発明法(2)における検量
線を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジカルボン酸化合物およびプロテアーゼか
    らなる群から選ばれる1種または2種以上の細胞質性ア
    スパラギン酸アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在
    下、検体中のミトコンドリア性アスパラギン酸アミノト
    ランスフェラーゼにL−システイン酸および2−オキソ
    グルタル酸を基質として作用させ、生成したL−グルタ
    ミン酸およびβ−スルホニルピルビン酸のいずれかを測
    定することによりミトコンドリア性アスパラギン酸アミ
    ノトランスフェラーゼを特異的に定量することを特徴と
    するアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼアイソザ
    イムの分別定量法。
  2. 【請求項2】該ジカルボン酸化合物がグルタル酸である
    前記第(1)項の分別定量法。
  3. 【請求項3】ジカルボン酸化合物およびプロテアーゼか
    らなる群から選ばれる1種または2種以上の細胞質性ア
    スパラギン酸アミノトランスフェラーゼ阻害剤の存在
    下、検体中のミトコンドリア性アスパラギン酸アミノト
    ランスフェラーゼにL−システイン酸および2−オキソ
    グルタル酸を基質として作用させ、生成したβ−スルホ
    ニルピルビン酸をNADHの存在下にリンゴ酸脱水素酵素と
    作用させることによりミトコンドリア性アスパラギン酸
    アミノトランスフェラーゼを特異的に定量することを特
    徴とするアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼアイ
    ソザイムの分別定量法。
  4. 【請求項4】ジカルボン酸化合物およびプロテアーゼか
    らなる群から選ばれる1種または2種以上の細胞質性ア
    スパラギン酸アミノトランスフェラーゼ阻害剤、L−シ
    ステイン酸、2−オキソグルタル酸、およびL−グルタ
    ミン酸またはβ−スルホニルピルビン酸測定用試薬から
    なる群から選ばれる少なくとも1種の試薬からなること
    を特徴とするミトコンドリア性アスパラギン酸アミノト
    ランスフェラーゼアイソザイムの分別定量用試薬キッ
    ト。
  5. 【請求項5】ジカルボン酸化合物およびプロテアーゼか
    ら選ばれる1種または2種以上の細胞質性アスパラギン
    酸アミノトランスフェラーゼ阻害剤、L−システイン
    酸、NADHおよびリンゴ酸脱水素酵素を含有する第1試薬
    および2−オキソグルタル酸を含有する第2試薬を組合
    せてなる前記第(4)項のミトコンドリア性アスパラギ
    ン酸アミノトランスフェラーゼアイソザイムの分別定量
    用試薬キット。
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