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JPH0774196B2 - マレイミドの製造方法 - Google Patents
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JPH0774196B2 - マレイミドの製造方法 - Google Patents

マレイミドの製造方法

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JPH0774196B2
JPH0774196B2 JP8920887A JP8920887A JPH0774196B2 JP H0774196 B2 JPH0774196 B2 JP H0774196B2 JP 8920887 A JP8920887 A JP 8920887A JP 8920887 A JP8920887 A JP 8920887A JP H0774196 B2 JPH0774196 B2 JP H0774196B2
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勝次 辻
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (イ)発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は、各種高分子化合物の原料として、また抗酸化
剤、ゴムの硬化剤、防蝕剤、殺菌剤などの原料として、
極めて利用範囲の広い化合物であるマレイミドの製造方
法に関する。
(従来の技術及びその問題点) マレイミドの公知の製造方法としては以下のもの知られ
ている。
マレイミド製造方法として、例えばピロールをクロム硫
酸で、または光及びエオシンの存在下に酸素で酸化する
方法、およびマイシン酸ジアミドを塩化亜鉛と加熱する
方法などが知られているが、いずれも収率が悪い。
マレイン酸無水物にフランまたはシクロペンタジエンを
反応させてディールスアルダー付加物を生成し、これを
アンモニアで処理してイミド化合物に変換し、さらに熱
分解してマレイミドを得る方法が知られているが、工程
が複雑で工業的な製造方法とは言えない。
さらに、マレアミン酸を液相中で、脱水剤を用いて脱水
環化し、マレイミドを生成する方法としては、次の2例
が知られている。
1)ドイツ連邦共和国特許公開公報第1,934,791号に
は、あらかじめ脱水したオルト燐酸とマレアミン酸とを
混合加熱後蒸留することによってマレイミドを生成する
方法が開示されているが、マレイミドの収率が低い。
2)特開昭50−126659号公報には、マレアミン酸をアミ
ド系溶媒中で−10℃ないし90℃の温度で、塩化アセチ
ル、塩化ベンゾイル、塩化チオニル、五酸化リンのよう
な脱水剤と反応させてマレイミドを生成する方法が示さ
れている。しかし、この方法でマレイミドを生成する脱
水剤である塩化アセチルや塩化チオニルは極めて水との
反応性が高く、空気中の水分とも反応して塩酸ガスや亜
硫酸ガスを大量に発生したり、水との急激な反応により
高熱を発生するなど、取扱方法が簡便ではないのみなら
ず人体に対する危険性が高く、腐食性も強い。その結果
として作業性が悪く、設備費も高価となる。さらにこれ
らの脱水剤は高価で、反応成績体からの回収が困難であ
り、使い捨てをよぎなくされる、また、これらの脱水剤
を用いた反応では後処理が困難であるなど工業的に不利
な点が多い。
また、この公報(特開昭50−126659号)に挙げられてい
る脱水剤中で水との反応性が緩和で取扱いが比較的容易
な無水酢酸やクロルギ酸エチルなどではマレイミドの生
成が認められないかまたは、生成率が低い。
このほかにも脱水剤として種々のものが知られている
が、例えば三塩化リン、五酸化リン、三塩化アンチモ
ン、五塩化アンチモン、オキシ塩化リン等の脱水剤をマ
レアミン酸と反応させても、マレイミドの生成率は低
い。
上記脱水剤は例えば三塩化リンや五塩化リンは(有機合
成における)クロル化剤であり、塩化アセチルや無水酢
酸がアセチル化剤であるように、脱水反応を起こすこと
ができるにしても、他の作用も併せ持っており、従っ
て、脱水をひき起す作用機構はそれぞれ相異っているの
で、任意の脱水剤を用いて高い収率でマレイミドが得ら
れるとは限らない。
(ロ)発明の構成 本発明者は、マレアミン酸および/またはその塩の脱水
剤についてさらに鋭意研究した結果、工業的には脱水剤
としてまだ用いられていない塩化シアヌルが、マレアミ
ン酸および/またはその塩との反応によって高収率でマ
レイミドを生成することを見出し、本発明を完成した。
なお、塩化シアヌルは安価で、水との反応性が弱く、腐
食性も低く、取扱いが容易で人体に対する危険性も少な
い利点をもっている。かくして、本発明は、実質的に無
水の非プロトン性極性溶剤中で、マレアミン酸および/
またはその塩を塩化シアヌルで脱水させて、マレイミド
を製造する方法を要旨とするものである。
本発明においてマレイミドを製造するにあたっては、
(i)マレアミン酸および/またはその塩を非プロトン
性極性溶媒に溶解または分散させておき、ここへ塩化シ
アヌルを加えるか、または(ii)逆に塩化シアヌルを非
プロトン性極性溶媒中に溶解または分散させておき、こ
こへマレアミン酸および/またはその塩を加えて、反応
させてもよい。さらに、両者を非プロトン性極性溶媒中
に同時に加えてもよい。このようにして非プロトン性極
性溶媒中で両者は反応してマレイミドを生成する。この
際、反応熱の発生は比較的少ないので、容易に温度コン
トロールができ、しかも広範囲の温度で高い生成率でマ
レイマドが生成するので、高収率の安定した製造が容易
に達成できる。反応は、高温下程速くすすむが、室温付
近の緩和な温度でも短時間で終了する。反応終了後、脱
水剤として用いた塩化シアヌルは、シアヌル酸になる
が、シアヌル酸は一般の有機溶媒に対する溶解度が極め
て低いので容易に回収し、再利用することができる。
ここで、非プロトン性極性溶媒としては、マレアミン酸
および/または、その塩の溶解度の高いものが好まし
く、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルム
アミド、N,N−メチルエチルホルムアミドなどのN,N−ジ
低級アルキルホルムアミドが特に好ましい。また、反応
に悪影響を与えないような他の非極性溶媒(例えば、ベ
ンゼン、トルエン、クロロホルム、四塩化炭素など)を
併用してもさしつかえない。これらの溶媒は、この発明
の反応が脱水反応であるのでこの反応を実質的に妨げな
い程度の、実質上無水の状態で用いる必要があることは
いうまでもない。さらに、その使用量は特に限定されな
いが、マレアミン酸に対して等重量以上用いるのがよ
い。
マレアミン酸の塩としては、例えばアルカリ金属、アル
カリ土類金属などの金属塩やトリアルキルアミンなどの
3級アミン塩が挙げられる。
脱水剤としての塩化シアヌルの使用量は、理論上はマレ
アミン酸1モルに対し、その1/3モルを必要とする。従
って通常マレアミン酸1モルに対し、塩化シアヌルをお
1/3モル以上用いる。しかし、経済上の観点から、塩化
シアヌルをマレアミン酸1モルに対し、例えば0.05モル
のような少量を用い、未反応のマレアミン酸を回収し再
利用することができる。一方塩化シアヌルの使用量の上
限は、特にないが、マレアミン酸1モルに対し1.5倍モ
ル以上用いるのは経済上から好ましくない。
反応温度は−20℃以上100℃以下が好ましい。−20℃未
満の温度では反応時間が必要以上にかかるし、また、10
0℃を越える高温では反応の調整が困難で、副反応も無
視できない。さらにより好ましい反応温度は0℃以上80
℃以下である。
このようにして合成したマレイミドを反応系内から単離
する場合には、例えば水を加えて反応を停止し、析出し
たシアヌル酸を分離回収した後に酢酸エチルなどの水に
対する溶解度が低く、マレイミドを溶解する溶媒で抽出
し、溶媒を留去した後に水で再結晶すれば良い。一旦生
成したマレイミドは、反応系内に於ける安定性が良いの
で収率が高い。
以下実施例及び比較例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。
(実施例) 実施例(1) 温度計、還流冷却器および攪拌機を備えた200ml四頚フ
ラスコ中に、マレアミン酸11.5g(0.1mol)とN,N−ジメ
チルホルムアミド60mlを入れて混合溶解した。ここへ塩
化シアヌル12.91g(0.07mol)を添加混合し、反応温度
を40℃にコントロールした。10分後の反応生成物をガス
クロマトグラフィーを用いて定量したところ、マレイア
ミドの生成率94.3%を確認した。次いで水30mlを加えて
反応を停止し、析出したシアヌル酸を濾別して回収した
後、酢酸エチルで抽出した。溶媒を留去し、水で再結晶
したところ白色結晶8.27g(0.0853mol)を得た。(融点
93.5〜94.5℃)。
この結晶のIRスペクトルをマレイミドの標品と比較した
ところ、すべてのピークが一致し、マレイミドと確認さ
れた。さらにこの結晶中のマレイミドの含有率をガスク
ロマトグラフィーで定量したところ99%以上であった。
実施例(2)〜(7) 反応温度と反応時間を変える以外は実施例(1)と同様
に行った。反応温度及び反応時間とマレイミドの生成率
との関係を表−1に示す。
実施例(8) 溶媒をN,N−ジエチルホルムアミドに変える以外は、実
施例(1)と同様に行った。反応時間1時間後のマレイ
ミドの生成率は86.1%であった。
実施例(9) 温度計、還流冷却器および攪拌機を備えた200ml四頚フ
ラスコ内で、塩化シアヌル9.22g(0.05mol)をN,N−ジ
メチルホルムアミド50gに溶解した。ここへマレアミン
酸ナトリウム13.7g(0.10mol)を添加混合した。反応温
度を50℃にコントロールして1時間後のマレイミドの生
成率をガスクロマトグラフィーを用いて測定したとこ
ろ、83.2%であった。
比較例(1) 溶媒を、プロトン性溶媒であるメチルアルコール、酢
酸、及びアセトンに変える以外は、実施例(1)と同様
にそれぞれに行った。反応時間1時間後にマレイミドの
生成率をガスクロマトグラフィーで定量したが、マレイ
ミドの生成はいずれの場合も認められなかった。
比較例(2)[特開昭50−126659号公報に記載の実施例
1の追試] 温度計、還流冷却器および攪拌機を備えた200ml四頚フ
ラスコに、マレアミン酸11.5g(0.1mol)とN,N−ジメチ
ルホルムアミド50mlを入れて混合溶解した。ここへ塩化
アセチル10.0g(0.125mol)を28〜33℃の温度で滴下反
応させた。滴下終了後48〜52℃で1時間反応後、系内の
マレイミドの生成率をガスクロマトグラフィーで定量し
たところ、生成率82.9%を確認した。次いでメタノール
30mlを加えた後、窒素気流中で80℃で減圧蒸留して溶媒
を留去した。残渣に水10mlを加えて溶解し、ジエチルエ
ーテル130mlを4回に分けて抽出し、無水芒硝で乾燥
後、ジエチルエーテルを留去したところ、白色結晶9.45
gを得た。しかし、この結晶は純度が悪く、マレイミド
の含有率をガスクロマトグラフィーで測定したところ、
64.0%であり、マレイミドの実質的な収量は6.05g(0.0
624mol)であった。
比較例(3) マレアミン酸11.5gをN,N−ジメチルホルムアミド50gに
溶解し、攪拌しつつ反応温度50℃にて塩化ベンゾイル1
6.6gを滴下した。30分後、ガスクロマトグラフィーでマ
レイミドの生成率を測定したところ59.6%であった。
比較例(4) 脱水剤を無水酢酸12.8g(1.25mol)に変える以外は実施
例(1)と同様に行った。脱水剤添加後、30分後および
2時間後にマレイミドの生成率を測定したが、マレイミ
ドの生成は認められなかった。
(ハ)発明の効果 この発明によれば、 (1)目的物である、マレイミドの収率が高い、 (2)水との反応性及び腐食性の少い塩化ジアヌルを原
料として使用するので、作業性が良く、設備費が安価に
なる、 (3)水溶性であり、回収が困難な塩化アセチルに比較
して、塩化シアヌルの反応後の生成物であるシアヌル酸
は、溶媒特に水に対する溶解度が低く、結晶性が良いの
で、容易に分離回収ができる。回収したシアヌル酸は水
中塩素安定剤、塗料用樹脂原料及び選択的除草剤として
も有用である、 (4)緩和な温度条件で短時間に合成できる、 等の効果が得られる。従ってマレイミドの工業的製造方
法として極めて有用なものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マレアミン酸および/またはその塩を実質
    的に無水の非プロトン性極性溶媒中、塩化シアヌルの存
    在下で脱水させてマレイミドを得ることを特徴とするマ
    レイミドの製造方法。
  2. 【請求項2】反応温度が−20℃以上100℃以下である特
    許請求の範囲第1項記載の製造方法。
  3. 【請求項3】非プロトン性極性溶媒がN,N−ジ低級アル
    キルホルムアミドである特許請求の範囲第1項記載の製
    造方法。
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