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JPH0774632B2 - 水車ランナ - Google Patents
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JPH0774632B2 - 水車ランナ - Google Patents

水車ランナ

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JPH0774632B2
JPH0774632B2 JP1181828A JP18182889A JPH0774632B2 JP H0774632 B2 JPH0774632 B2 JP H0774632B2 JP 1181828 A JP1181828 A JP 1181828A JP 18182889 A JP18182889 A JP 18182889A JP H0774632 B2 JPH0774632 B2 JP H0774632B2
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道広 高田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐キャビテーションおよび耐土砂摩耗性に優
れた水車ランナに関する。
〔従来の技術〕
水力発電用水車において、いわゆる水車ランナ、ガイド
ベーション、およびステーベーン等の流水部は、その形
状、流速によって、キャビテーションによる損傷を受け
ることは知られている。
このため、外部材料としては、耐キャビテーション壊食
性に優れたステンレス鋼系の肉盛用溶接合金が開発され
るようになり、その組成はたとえば、特開昭57−152447
号公報、特開昭57−15689号公報、によって知られてい
る。
そして、このような背景の下に、流水部材に、ポリウレ
タン系の塗料を被覆して、キャビテーション壊食を制御
しようとする試みもなされている。
ここで、キャビテーション壊食とは、高速流水中で発生
したキャビテーションが崩壊するときに、高い衝撃力が
部材に加わって、その部材を壊食する現象をいうもので
あり、その際の衝撃力は、流速35〜120m/秒において約5
14〜1745atmと高いものとなる。
したがって、前記壊食を防止する部材としては、前記衝
撃圧力よりも高強度のステンレス鋼系肉盛溶接部材に、
前記衝撃圧力を吸収するようなポリウレタン系塗料を被
覆したものが期待されているのである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上述した部材から構成される水車ランナ
等は、高土砂含有の流水においては、該土砂による部材
の浸食が生ずることは配慮されていなかった。この浸食
とは、Al2O3のような硬質の土砂による切削作用のため
に流水部材が摩耗する現象をいう。一般的には、土砂よ
りも硬度の大きい材料であれば切削されず浸食を防止す
ることが可能といわれているが、これまで、発電用水車
を高土砂含有地で使用することが比較的少なかったの
で、土砂による摩耗を対象として開発された材料はなか
った。さらに高土砂含有の流水で、かつキャビテーショ
ンを伴う場合には、単独の要因よりも壊食あるいは浸食
が加速されるという問題を有した。
本発明は、このような事情に基いてなされたものであ
り、耐キャビテーション性はもちろんのこと耐土砂摩耗
性をも達成し得る水車ランナを提供することを目的とす
るものである。
〔課題を解決するための手段〕
このような目的を達成するために、本発明の水車ランナ
は、流水に接する部分に、ゴム変性エポキシ樹脂の100
重量部と、硬化剤としてのテトラブチルボロニウムの2
〜10重量部と、無機質フィラの10〜70重量部とを配合し
てなる組成材を加熱焼付硬化して形成した皮膜を有する
ことを特徴とするものである。
そして、ゴム変性エポキシ樹脂が、ポリブタジエン骨
格、シロキサン骨格、フルオロアルキル骨格、フルオロ
アルキルエーテル骨格を有するもののうちから選択され
たものが好ましく、また硬化剤としてテトラブチルボロ
ニウムは、下記の化学式で示される化合物であり、 また無機質フィラは、平均粒径8〜20μmのシリカ粉末
あるいはアルミナ粉末であることが好ましい。
〔作用〕
このようにコーテング材としてゴム変性エポキシ化合物
をその一つとして用いることは次の検討による。
すなわち、無機粉末を高濃度に配合したエポキシ樹脂組
成物を部材に塗布し、所定の条件で硬化させた皮膜の硬
度はセラミックのそれに近く、その表面は、無機粉末が
ほぼ連続的に配列されているため、土砂による切削作用
も受け難しいことから、その耐土砂摩耗性は金属よりも
優れている。
そして、このようにして形成した皮膜について耐キャビ
テーション性を検討したところ予想に反して、金属材料
よりも壊食性が多くなる事実が判明した。その理由とし
ては無機粉末とエポキシ樹脂との接着強度が低かったた
めにキャビテーションの衝撃圧力により無機粉末粒子が
脱落してしまうことが考えられる。
そこで、無機粉末とエポキシ樹脂間の強度向上と粘弾性
の付与を目的として、液状ゴムの配合を試みた。この液
状ゴムの配合によりキャビテーション壊食の低減が認め
られるようになったが、単純に液状ゴムを混合した系の
場合には、流水部材と皮膜との剪断強度が低くなった。
これはエポキシ樹脂と液状ゴムとの相溶性に問題がある
と考えられる。
それ故、本発明では、前記剪断強度の点において、特に
問題とならないゴム変性したエポキシ樹脂を用いたもの
であり、ポリブタジエン骨格を持つもの、また、シロキ
サン、フルオロアルキル、フルオロアルキルエーテル骨
格をもつもので、たとえば、 ここでRは、 からなるような構造のゴム変性エポキシ化合物である。
なお、これらのゴム変性エポキシ樹脂に汎用のエポキシ
樹脂であるビス型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂を加えたい場合も容易に混ぜ合わせてもよいことは
もちろんである。
そして、硬化剤としては、テトラブチルボロニウムが有
効になることが判明した。
ここで前記テトラブチルボロニウムは と表わせるものである。
また、水流による壊食は、ゴムのような弾性体でその力
を緩和するか、また、土砂による摩耗に対しては、強靭
であることが望まれる。そのため、無機フィラーを適当
に充填することが考えられる。
無機フィラーとしてはシリカ、アルミナが良好でその粒
子の形状は破砕状,ひも状,球状のいずれでもよい。平
均粒径は、河川に含有される土砂の粒径が8〜12μmと
云われており、これらの粒径と同じかむしろ大きい方が
良く8〜20μmのものが適当となる。また、これらの無
機フィラーにカップリング剤で表面処理した各種ウイス
カ(チタン酸カリウム繊維、金属ウイスカ、セラミック
ウイスカ)または、マイカフィラーと混合して使用する
こともできる。
さらに耐キャビテーション性に優れる組成は、ゴム変性
エポキシ樹脂中のゴム分が50〜60重量パーセント以上に
なるように調整し、これらに対して硬化剤は2〜10重量
部が適当となる。
また、無機フィラの配合割合はゴム変性エポキシ樹脂10
0重量部に対し10〜70重量部が適当である。無機フィラ
が70重量%以上では、組成物の粘度が高く流水部材に塗
布することが困難になる。また、ゴム分が多くなり過ぎ
ると母材との剪断接着強度が低くなり好ましくない。
さらに、本発明では、無機フィラーの親和性を上げるた
めのカップリング剤を配合し、皮膜の実用性能をさらに
向上させた。
〔実施例〕
第1図は本発明が適用される水力発電用水車の一実施例
を示す構成図である。同図において、クラウン1、シュ
ラウド2、ランナ羽根3、ランナコーン4、ガイドベー
ン5、ステーベーン6、ランナライナ7、およびシート
ライナ8等から構成されており、前記ステーベーン6を
通った流水は、ガイドベーン5からランナ羽根3に流
れ、このランナ羽根3を回転させて、図中下方に流れる
ようになっている。
次に、第2図は、たとえば前記ランナ羽根3に被覆する
組成材を、材料と組成度合に応じて、実施例1から実施
例15にそれぞれ示したものである。なお、各実施例の効
果を明確にするため、ゴム変性エポキシ化合物でないエ
ポキシを用いた場合の比較例を5つ同図に併記してい
る。
たとえば実施例1の場合は、重量配合により、ビスA型
エポキシ:20、ブタジエン骨格変性エポキシ:80、硬化剤
としてのヒシコリンPX−4BT:5からなる組成材を、たと
えば真空擂かい機により30分混和し、加熱焼付硬化して
被覆することを示している。
この場合、引張剪断強さは150kg/cm2、キャビテーショ
ン壊食量は3.0×10-3cm3、土砂摩耗量は6×10-3cm3/h
になることが判明する。
このような特性は、実施例4,5にみられるように、ブタ
ジエン骨格変性エポキシ樹脂の代わりに、シロキサン骨
格変性エポキシ樹脂、あるいはフルオロアルキル骨格変
性エポキシ樹脂を用いてもほぼ同様となる。
さらに、実施例7から実施例15まではそれぞれ、シラン
カップリング剤、またはこれらの組成に無機フィラーを
所定量配合させたものを示している。
なお、ここで、キャビテーション壊食試験は、振動式キ
ャビテーション試験機を用いた。発振ホーン先端に円形
試験片を取り付け、振動周波数6.5kHz、振幅50μmとし
て1時間後の壊食量を求めた。土砂摩耗試験は、土砂含
有水噴流式により行なった。土砂として平均粒径8μm
のAl2O3粉末を用い、噴流速度40m/s、平板試験片(SUS3
04)に対して45゜の角度で噴流し、1時間後の摩耗量を
測定した。
比較例は、エポキシ樹脂単独、あるいは、これに無機フ
ィラーを加えた系である。無機フィラーの配合量を増加
すると耐土砂摩耗性が向上している。なお、従来これら
流水部材に一般的に用いられるSUS304の同じ条件におけ
る土砂摩耗量は4×10-3cm3/hであり、比較例4の皮膜
でもSUS304とほぼ同等の耐摩耗性を示している。一方、
キャビテーション壊食量は、エポキシ樹脂に対する無機
フィラーの配合は、ある程度の効果を示すに過ぎない。
これに対し、ゴム変性エポキシ樹脂を主体とした本発明
の皮膜は、キャビテーション、および、土砂流による衝
撃圧力を粘弾性的緩和する。キャビテーション壊食と土
砂摩耗の双方を効果的に低減している。ときに無機フィ
ラを加えない系は、耐キャビテーションに優れている。
すなわち、ゴム変性エポキシ樹脂中のゴム分の効果が極
めて優れていることが認められた。
なお、上記した本発明の趣旨から、組成材は水車ランナ
の全表面に被覆する必要はなく、損傷の大きな領域に限
って被覆するようにしてもよいことはもちろんである。
〔発明の効果〕
以上説明したことから明らかなように本発明による水車
ランナによれば、耐キャビテーション性はもちろんのこ
と耐土砂摩耗性をも達し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明が適用される水力発電用水車の一実施例
を示す構成図、第2図は、本発明に適用される組成材の
材料およびその配合の一実施例を示したグラフである。 1……クラウン、2……シュラウド、 3……ランナ羽根、4……ランナコーン、 5……ガイドベーン、6……ステーベーン、 7……ランナライナ、8……シートライナ。
フロントページの続き (72)発明者 宇佐美 賢一 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 高田 道広 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 小林 好一 東京都千代田区内幸町1丁目1番3号 東 京電力株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流水に接する部分に、ゴム変性エポキシ樹
    脂を100重量部と、硬化剤としてのテトラブチルボロニ
    ウムを2〜10重量部と、無機質フィラを10〜70重量部と
    を配合した組成材を加熱焼付硬化して形成した皮膜を有
    することを特徴とする水車ランナ。
  2. 【請求項2】前記ゴム変性エポキシ樹脂が、ポリブタジ
    エン骨格、シロキサン骨格、フルオロアルキル骨格、フ
    ルオロアルキルエーテル骨格を有するもののうちから選
    択されたものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の水車ランナ。
  3. 【請求項3】前記硬化剤としてテトラブチルボロニウム
    は、下記の化学式で示される化合物であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の水車ランナ。
  4. 【請求項4】前記無機質フィラが、平均粒径8〜20μm
    のシリカ粉末あるいはアルミナ粉末であることを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の水車ランナ。
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