JPH0776375B2 - 鋼片の表面割れを防止した熱間圧延法 - Google Patents
鋼片の表面割れを防止した熱間圧延法Info
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- JPH0776375B2 JPH0776375B2 JP61055710A JP5571086A JPH0776375B2 JP H0776375 B2 JPH0776375 B2 JP H0776375B2 JP 61055710 A JP61055710 A JP 61055710A JP 5571086 A JP5571086 A JP 5571086A JP H0776375 B2 JPH0776375 B2 JP H0776375B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、アルミキルド鋼、アルミセミキルド鋼または
アルミシリコンキルド鋼等自動車用鋼板、一般建築用鋼
板、造船用鋼板、機械構造用鋼板等に供される炭素鋼な
らびにNb、V等を含有する低合金鋼の熱間圧延時の表面
割れを防止した熱間圧延法に関するものであり、特にそ
れらの鋼の連続鋳造直後の鋳片をただちに熱間圧延する
か、また連続鋳造後そのまま鋳片を保温炉あるいは加熱
炉等に装入してから熱間圧延を行うプロセスにおいて、
熱間圧延時に鋼片の表面に割れの発生するのを防止する
方法に関する。
アルミシリコンキルド鋼等自動車用鋼板、一般建築用鋼
板、造船用鋼板、機械構造用鋼板等に供される炭素鋼な
らびにNb、V等を含有する低合金鋼の熱間圧延時の表面
割れを防止した熱間圧延法に関するものであり、特にそ
れらの鋼の連続鋳造直後の鋳片をただちに熱間圧延する
か、また連続鋳造後そのまま鋳片を保温炉あるいは加熱
炉等に装入してから熱間圧延を行うプロセスにおいて、
熱間圧延時に鋼片の表面に割れの発生するのを防止する
方法に関する。
(従来の技術) すでに当業界において良く知られているように、凝固の
ままの鋳片を途中加熱することなく、その保有熱を利用
してそのまま直接熱間圧延すること(以下、単に“直接
圧延”という)あるいは未だAr1変態点以上の表面温度
を有する鋳片を一旦加熱炉、保温炉等に装入してから熱
間圧延すること(以下、単に“直送圧延”という)は省
エネルギーの観点から最も望ましい操業形態であるが、
その実現に当っては鋳片表面性状あるいは設備レイアウ
トなどに関する問題が種々存在していた。しかし近年に
至り、それらに対する技術改善が進むにつれ、直接圧延
あるいは直送圧延に関する検討が活発となってきた。
ままの鋳片を途中加熱することなく、その保有熱を利用
してそのまま直接熱間圧延すること(以下、単に“直接
圧延”という)あるいは未だAr1変態点以上の表面温度
を有する鋳片を一旦加熱炉、保温炉等に装入してから熱
間圧延すること(以下、単に“直送圧延”という)は省
エネルギーの観点から最も望ましい操業形態であるが、
その実現に当っては鋳片表面性状あるいは設備レイアウ
トなどに関する問題が種々存在していた。しかし近年に
至り、それらに対する技術改善が進むにつれ、直接圧延
あるいは直送圧延に関する検討が活発となってきた。
その結果、直接圧延あるいは直送圧延においては、従来
法、すなわち連続鋳造後、一旦Ar1変態点以下、室温近
くまで冷却後再加熱して圧延する方法にみられる冶金学
的現象とは異った現象が多く見出された。特に、直接熱
間圧延する際には材料の熱間加工性が著しく低下するこ
と、つまり従来法においては何ら問題とならなかったよ
うな鋼種においても直接圧延あるいは直送圧延において
は熱間圧延時に鋼片表面に割れの発生することが判明し
た。
法、すなわち連続鋳造後、一旦Ar1変態点以下、室温近
くまで冷却後再加熱して圧延する方法にみられる冶金学
的現象とは異った現象が多く見出された。特に、直接熱
間圧延する際には材料の熱間加工性が著しく低下するこ
と、つまり従来法においては何ら問題とならなかったよ
うな鋼種においても直接圧延あるいは直送圧延において
は熱間圧延時に鋼片表面に割れの発生することが判明し
た。
一般に、鋼の熱間加工性は、オーステナイト粒径(以
下、“γ粒径”という)と硫化物、炭窒化物などの析出
状態とから影響を強く受け、γ粒径が微細なほど、また
γ粒界への硫化物、炭窒化物などの析出が少ないほど、
熱間加工性は向上する。
下、“γ粒径”という)と硫化物、炭窒化物などの析出
状態とから影響を強く受け、γ粒径が微細なほど、また
γ粒界への硫化物、炭窒化物などの析出が少ないほど、
熱間加工性は向上する。
そして従来法においては、材料に冷却再加熱を繰り返す
ことでγ(オーステナイト)α(フェライト)変態を
経験させて、γ粒を微細化し、かつ析出物の多くを粒内
に固定してγ粒界への析出量を少なくすることにより熱
間加工性を向上させていた。
ことでγ(オーステナイト)α(フェライト)変態を
経験させて、γ粒を微細化し、かつ析出物の多くを粒内
に固定してγ粒界への析出量を少なくすることにより熱
間加工性を向上させていた。
これに対し、直接圧延法あるいは直送圧延法の場合に
は、鋳片のもつ保有熱を最大限に利用することからγ→
α変態を経ずに圧延するのでγ粒径は非常に大きく、か
つγ粒界への析出も多く、したがって、熱間加工性は低
下することとなる。このような熱履歴が熱間圧延時の割
れの原因とされるのである。
は、鋳片のもつ保有熱を最大限に利用することからγ→
α変態を経ずに圧延するのでγ粒径は非常に大きく、か
つγ粒界への析出も多く、したがって、熱間加工性は低
下することとなる。このような熱履歴が熱間圧延時の割
れの原因とされるのである。
このような直接圧延あるいは直送圧延にみられる熱間圧
延時の割れの発生防止に関しては、既にいくつかの提案
がなされているが、これらに共通する考え方は特開昭55
−84201号あるいは特開昭55−84203号に代表されるよう
に、凝固後の鋳片の冷却速度を遅くするか、冷却途中で
所定温度に一定時間以上、例えば10分間超保定して、析
出物の形態変化ないし粗大化を図り、γ粒界における析
出物の析出間距離を大きくすることにより割れを防止し
ようとするものである。
延時の割れの発生防止に関しては、既にいくつかの提案
がなされているが、これらに共通する考え方は特開昭55
−84201号あるいは特開昭55−84203号に代表されるよう
に、凝固後の鋳片の冷却速度を遅くするか、冷却途中で
所定温度に一定時間以上、例えば10分間超保定して、析
出物の形態変化ないし粗大化を図り、γ粒界における析
出物の析出間距離を大きくすることにより割れを防止し
ようとするものである。
なお、「Metallurgical Transactions A」Vol.6A、Sep.
(1975)pp.1727〜1735においては「低炭素鋼の熱間延
性におよぼす熱履歴および組成の影響」に関し、溶融・
凝固に引き続く冷却過程で、自然放冷される場合、1200
〜800℃の温度域で熱間延性が低下すること、そしてこ
の対策として等温保持が有効であることを述べている。
以上のことは上記文献にかぎらず前述の特開昭55−8420
1号にも述べられている事実であり、両者とも割れ防止
に必要な保定(等温保持)時間は10分間超としている。
(1975)pp.1727〜1735においては「低炭素鋼の熱間延
性におよぼす熱履歴および組成の影響」に関し、溶融・
凝固に引き続く冷却過程で、自然放冷される場合、1200
〜800℃の温度域で熱間延性が低下すること、そしてこ
の対策として等温保持が有効であることを述べている。
以上のことは上記文献にかぎらず前述の特開昭55−8420
1号にも述べられている事実であり、両者とも割れ防止
に必要な保定(等温保持)時間は10分間超としている。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明が解決せんとする問題点は、従来技術である保定
あるいは徐冷に要する時間、すなわち例えば特開昭55−
84201号に開示される保持に必要な10分超という時間を
さらに短縮せんとするものである。確かに前記従来技術
以前に行われていた数時間という加熱時間に比べれば10
分間を越える程度という時間は画期的であり、これによ
る省エネルギー効果は非常に大きい。にもかかわらず本
発明が、この時間をさらに短縮せんとするのは次のよう
な理由による。
あるいは徐冷に要する時間、すなわち例えば特開昭55−
84201号に開示される保持に必要な10分超という時間を
さらに短縮せんとするものである。確かに前記従来技術
以前に行われていた数時間という加熱時間に比べれば10
分間を越える程度という時間は画期的であり、これによ
る省エネルギー効果は非常に大きい。にもかかわらず本
発明が、この時間をさらに短縮せんとするのは次のよう
な理由による。
すなわち、造塊一分塊法にかわる方法として登場した連
続鋳造も最近では円熟期に入り、次の開発テーマとして
薄鋳片の連続鋳造法の開発が業界の重要課題となってお
り、近い将来に実現の見透しが得られる段階となってい
る。そしてこの開発課題の中には単に薄い鋳片を鋳造す
るだけでなく、該鋳片を極力高温のまま、直ちに圧延機
に結び付けようとの思想も含まれている。この場合鋳造
機と圧延機の接続方法として、両者を同一ラインで、す
なわち鋳片を圧延機手前で切断することなく圧延機に送
り込む方法(直結型)および一旦鋳片を切断して、たと
えばコイル状にした後に圧延機に送り込む方法(非直結
型)の2通りが考えられている。まず、直結型の場合、
圧延時の割れを防止するため、鋳造機から出た鋳片を10
分間を超えた時間保定しようとすると、一般に薄鋳片の
鋳造速度は10m/minを越える高速となるため、鋳造機と
圧延機の間で100mを超す、保定のための設備が必要とな
る。このことは建屋を含めた設備全体の長大化を意味
し、設備投資費用の面だけでなく、薄鋳片製造目的の一
つである設備簡素化の点からも、その実現を危うくする
ものである。このことは非直結型の場合でも同様であ
る。また、非直結型の考え方は、このように圧延機の能
力に比べ鋳造機の能力が小さいため、一台の圧延機で数
台の鋳造機から出てくる鋳片をまかなうというものであ
る。この場合にあっても、数台の鋳造機から次々と送り
出されてくる鋳片を保定するために必要な保定炉等の設
備は保持時間の短縮により著しく簡素化できることは明
白である。
続鋳造も最近では円熟期に入り、次の開発テーマとして
薄鋳片の連続鋳造法の開発が業界の重要課題となってお
り、近い将来に実現の見透しが得られる段階となってい
る。そしてこの開発課題の中には単に薄い鋳片を鋳造す
るだけでなく、該鋳片を極力高温のまま、直ちに圧延機
に結び付けようとの思想も含まれている。この場合鋳造
機と圧延機の接続方法として、両者を同一ラインで、す
なわち鋳片を圧延機手前で切断することなく圧延機に送
り込む方法(直結型)および一旦鋳片を切断して、たと
えばコイル状にした後に圧延機に送り込む方法(非直結
型)の2通りが考えられている。まず、直結型の場合、
圧延時の割れを防止するため、鋳造機から出た鋳片を10
分間を超えた時間保定しようとすると、一般に薄鋳片の
鋳造速度は10m/minを越える高速となるため、鋳造機と
圧延機の間で100mを超す、保定のための設備が必要とな
る。このことは建屋を含めた設備全体の長大化を意味
し、設備投資費用の面だけでなく、薄鋳片製造目的の一
つである設備簡素化の点からも、その実現を危うくする
ものである。このことは非直結型の場合でも同様であ
る。また、非直結型の考え方は、このように圧延機の能
力に比べ鋳造機の能力が小さいため、一台の圧延機で数
台の鋳造機から出てくる鋳片をまかなうというものであ
る。この場合にあっても、数台の鋳造機から次々と送り
出されてくる鋳片を保定するために必要な保定炉等の設
備は保持時間の短縮により著しく簡素化できることは明
白である。
さらに以上のことは単に薄鋳片製造用を対象としたもの
だけでなく、現状の連続鋳造機を、直送圧延あるいは直
接圧延を目的として改良あるいは新設する場合において
も同様である。
だけでなく、現状の連続鋳造機を、直送圧延あるいは直
接圧延を目的として改良あるいは新設する場合において
も同様である。
以上のように、本発明は省エネルギーはもちろんのこ
と、今後ますます拡大が予想される直送圧延もしくは直
接圧延における鋼片表面割れ対策に必要な設備投資の簡
素化を目的としたものである。
と、今後ますます拡大が予想される直送圧延もしくは直
接圧延における鋼片表面割れ対策に必要な設備投資の簡
素化を目的としたものである。
(問題点を解決するための手段) ところで、本発明者は同様に直送圧延あるいは直接圧延
時の割れを防止するため、各種基礎検討を行ってきた
が、その結果、このような熱間加工性の評価においては
圧延条件の考慮が非常に重要なこと、すなわち従来のよ
うなねじり試験あるいは引張試験法では、定量的な評価
が困難なばかりではなく、このような評価法にたよるか
ぎり、十分な割れ対策を確立することは難しいことを知
った。そこで先の従来技術、すなわち割れ対策としての
保定あるいは徐冷法についても実験室的な直圧実験によ
る基礎検討を行なった結果、目的である保定時間の短縮
に必要な技術課題に関し重要な知見が得られ本発明を成
すに至ったものである。
時の割れを防止するため、各種基礎検討を行ってきた
が、その結果、このような熱間加工性の評価においては
圧延条件の考慮が非常に重要なこと、すなわち従来のよ
うなねじり試験あるいは引張試験法では、定量的な評価
が困難なばかりではなく、このような評価法にたよるか
ぎり、十分な割れ対策を確立することは難しいことを知
った。そこで先の従来技術、すなわち割れ対策としての
保定あるいは徐冷法についても実験室的な直圧実験によ
る基礎検討を行なった結果、目的である保定時間の短縮
に必要な技術課題に関し重要な知見が得られ本発明を成
すに至ったものである。
その検討の第一はいかなる形で保持を行うかである。当
然のことながら鋳片は鋳造機から出た時点では非常に高
温である。そして、圧延が開始されるまでには、その用
途、目的等により異なるが、数100℃冷却される。した
がって、この間のどの温度域で、どのような熱履歴で保
持を行うことがより有利であるかが重要な検討課題であ
る。
然のことながら鋳片は鋳造機から出た時点では非常に高
温である。そして、圧延が開始されるまでには、その用
途、目的等により異なるが、数100℃冷却される。した
がって、この間のどの温度域で、どのような熱履歴で保
持を行うことがより有利であるかが重要な検討課題であ
る。
以上の項目について調査すべく、実験室的な直圧実験に
よる基礎検討を行なった。主な実験条件としては、JIS
・SPHC相当の厚さ40mm×幅200mm×長さ300mmの鋳片を用
い、850mmφ・2Hiミルにより40→20→10→5mmのパス・
スケジュールのもとで検討を行なった。
よる基礎検討を行なった。主な実験条件としては、JIS
・SPHC相当の厚さ40mm×幅200mm×長さ300mmの鋳片を用
い、850mmφ・2Hiミルにより40→20→10→5mmのパス・
スケジュールのもとで検討を行なった。
第1図は保持後直ちに圧延を開始した時の保持条件と割
れ発生有無の関係を示したものであるが、この場合950
℃以上の温度範囲で2分以上の保持を行うことにより割
れは防止できることが判明した。一方、実操業において
は製品々質等の観点から圧延開始温度は自ずと決定され
ること、さらに保持から圧延間での鋳片搬送にはしかる
べき時間が必要であり、その間での鋳片の冷却を考える
と、第1図の如き条件を実操業において満たすことは困
難である。
れ発生有無の関係を示したものであるが、この場合950
℃以上の温度範囲で2分以上の保持を行うことにより割
れは防止できることが判明した。一方、実操業において
は製品々質等の観点から圧延開始温度は自ずと決定され
ること、さらに保持から圧延間での鋳片搬送にはしかる
べき時間が必要であり、その間での鋳片の冷却を考える
と、第1図の如き条件を実操業において満たすことは困
難である。
そこで、次に、圧延開始温度を1000℃一定(但し1000℃
以下の保持では、保持後直ちに圧延開始)とした場合に
ついて検討を行なった。第2図のように、圧延開始温度
より高い温度で保持する場合、保持後空冷し、所定の圧
延開始温度まで冷却するわけであるが、このような熱履
歴の場合、保持温度が高い程、割れ防止に必要な保持時
間は長くなることが明らかとなった。
以下の保持では、保持後直ちに圧延開始)とした場合に
ついて検討を行なった。第2図のように、圧延開始温度
より高い温度で保持する場合、保持後空冷し、所定の圧
延開始温度まで冷却するわけであるが、このような熱履
歴の場合、保持温度が高い程、割れ防止に必要な保持時
間は長くなることが明らかとなった。
以上の結果は、保持後鋳片が空冷されるような場合、そ
の冷却過程で再び熱間加工性を低下させるような現象が
生じていることを推定させる。
の冷却過程で再び熱間加工性を低下させるような現象が
生じていることを推定させる。
そこで、この点を解明すべく、次のような検討を行なっ
た。
た。
すなわち、1200〜950℃の任意の温度で2分間の保持を
行い、その後一旦鋳片を空冷してから圧延を行うに際
し、保持から圧延開始までの空冷時間を種々変化させ、
割れとの関係を調査した。その結果、第3図に示すよう
に保持温度により2つのタイプに分かれることが判明し
た。
行い、その後一旦鋳片を空冷してから圧延を行うに際
し、保持から圧延開始までの空冷時間を種々変化させ、
割れとの関係を調査した。その結果、第3図に示すよう
に保持温度により2つのタイプに分かれることが判明し
た。
タイプIは保持後短時間の空冷で熱間加工性が低下する
ものであり、タイプIIはこれに対し保持後しばらく空冷
しても熱間加工性が低下しないものである。本調査の結
果、保持温度が1050〜950の範囲ではタイプIIの傾向を
示し、より高い温度で保持を行うとタイプIの傾向とな
ることが判明した。
ものであり、タイプIIはこれに対し保持後しばらく空冷
しても熱間加工性が低下しないものである。本調査の結
果、保持温度が1050〜950の範囲ではタイプIIの傾向を
示し、より高い温度で保持を行うとタイプIの傾向とな
ることが判明した。
このことは保持による硫化物の形態変化ないし粗大化は
すみやかに進行するため、その状態で圧延すれば割れは
発生しないが、保持後空冷されるような場合、保持開始
までおよび保持中に析出しきらない硫化物が、冷却過程
で再び熱間加工性を低下させるような形態でγ粒界に析
出するため割れが発生しやすいことを示している。1050
〜950℃で保持を行う場合、硫化物の析出は保持の時点
でほぼ完了しているため、この段階で保持を行うことに
より、前述の如く硫化物の形態変化ないし粗大化により
熱間加工性は向上し、しかもその後空冷しても、もはや
新たな硫化物の析出は生じないため熱間加工性が再び低
下することはない。これに対し、保持温度が1200〜1050
℃の場合、2分間の保持では、保持終了時点で硫化物の
析出は完了しきらないため、その後の冷却により熱間加
工性が低下する。
すみやかに進行するため、その状態で圧延すれば割れは
発生しないが、保持後空冷されるような場合、保持開始
までおよび保持中に析出しきらない硫化物が、冷却過程
で再び熱間加工性を低下させるような形態でγ粒界に析
出するため割れが発生しやすいことを示している。1050
〜950℃で保持を行う場合、硫化物の析出は保持の時点
でほぼ完了しているため、この段階で保持を行うことに
より、前述の如く硫化物の形態変化ないし粗大化により
熱間加工性は向上し、しかもその後空冷しても、もはや
新たな硫化物の析出は生じないため熱間加工性が再び低
下することはない。これに対し、保持温度が1200〜1050
℃の場合、2分間の保持では、保持終了時点で硫化物の
析出は完了しきらないため、その後の冷却により熱間加
工性が低下する。
第2図に示す割れ防止に必要な保定時間は、以上のこと
から硫化物の析出をほぼ完了させ、かつ形態変化ないし
粗大化に必要な時間を示すものである。因に、1200℃保
持の場合に必要な保持時間は10分、また1050℃保持の場
合は2分であり、したがって、1200〜1050℃の温度域で
保持を行う場合、上記2点を結ぶ直線、すなわち(1)
式で示される保持時間(tH)以上、10分間までの保持を
行うことにより、割れは防止される。
から硫化物の析出をほぼ完了させ、かつ形態変化ないし
粗大化に必要な時間を示すものである。因に、1200℃保
持の場合に必要な保持時間は10分、また1050℃保持の場
合は2分であり、したがって、1200〜1050℃の温度域で
保持を行う場合、上記2点を結ぶ直線、すなわち(1)
式で示される保持時間(tH)以上、10分間までの保持を
行うことにより、割れは防止される。
tH:保持時間(分) TH:保持温度(℃) なお、タイプIIで保持から圧延開始までの時間がある値
以上になると急激に熱間加工性が低下しているが、これ
はこの時点で割れ発生位置となる鋳片表面温度がAr3点
未満となっており、旧γ粒界に初析フェライトがバンド
状に析出し、その結果圧延に伴い発生する引張応力がこ
の部分に集中し、割れが発生しやすくなるためである。
以上になると急激に熱間加工性が低下しているが、これ
はこの時点で割れ発生位置となる鋳片表面温度がAr3点
未満となっており、旧γ粒界に初析フェライトがバンド
状に析出し、その結果圧延に伴い発生する引張応力がこ
の部分に集中し、割れが発生しやすくなるためである。
したがって、保持による割れ防止対策を有効に活用する
ためには、圧延開始温度をAr3点以上とすることが必要
である。
ためには、圧延開始温度をAr3点以上とすることが必要
である。
以上のことから明らかなように、従来技術においては保
持の特性の一部を確認したにすぎないものであり、実操
業において保持により割れを確実に防止するためには、
さらに解明すべき保持処理の本質は大く残されていたわ
けである。
持の特性の一部を確認したにすぎないものであり、実操
業において保持により割れを確実に防止するためには、
さらに解明すべき保持処理の本質は大く残されていたわ
けである。
本発明者は以上の基礎検討により保持のなんたるかを明
らかにしたものであり、その結果本発明の目的である保
持時間短縮に必要な技術項目を解明し、本発明を完成す
るに至ったものである。
らかにしたものであり、その結果本発明の目的である保
持時間短縮に必要な技術項目を解明し、本発明を完成す
るに至ったものである。
本発明は従来技術が抱える問題点を補い、改良するため
になされたものであり、その要件を明らかにするため
に、先の検討から得られた知見を改めて以下に整理す
る。
になされたものであり、その要件を明らかにするため
に、先の検討から得られた知見を改めて以下に整理す
る。
(1) 保持後直ちに圧延する場合、割れ防止に必要な
保持時間は非常に短いが、実操業においては通常保持か
ら圧延開始までには鋳片は一旦冷却過程を経るため、こ
の場合保持時間はより長くする必要がある。
保持時間は非常に短いが、実操業においては通常保持か
ら圧延開始までには鋳片は一旦冷却過程を経るため、こ
の場合保持時間はより長くする必要がある。
(2) これは保持後、鋳片が空冷されるような場合、
保持開始まで、および保持中に析出しきらない硫化物
が、その冷却過程で再び熱間加工性を低下させるような
形態でγ粒界に析出するためであり、したがって保持
後、鋳片が空冷されるような場合でも、熱間加工性の低
下を防止するためには、保持終了時点で硫化物の析出が
ほぼ完了し、かつ形態変化ないし粗大化していることが
必要である。1200〜1050℃の温度域で保持を行う場合、
そのために必要な最低保持時間は、第2図より(1)式
で示すtHとなる。
保持開始まで、および保持中に析出しきらない硫化物
が、その冷却過程で再び熱間加工性を低下させるような
形態でγ粒界に析出するためであり、したがって保持
後、鋳片が空冷されるような場合でも、熱間加工性の低
下を防止するためには、保持終了時点で硫化物の析出が
ほぼ完了し、かつ形態変化ないし粗大化していることが
必要である。1200〜1050℃の温度域で保持を行う場合、
そのために必要な最低保持時間は、第2図より(1)式
で示すtHとなる。
(3) 保持により硫化物は形態変化ないし粗大化する
ため、熱間加工性は向上するが、保持後割れ発生位置と
なる鋳片表面がAr3点未満になると、硫化物以外の原
因、即ち旧γ粒界に沿ったαバンドへの応力集中により
折角の保持処理が無意味になる。したがって、保持時間
をtH〜10分だけ確保することにより、その後の冷却過程
での熱間加工性の低下は防止できるが、さらにAr3点以
上で圧延開始することが必要である。
ため、熱間加工性は向上するが、保持後割れ発生位置と
なる鋳片表面がAr3点未満になると、硫化物以外の原
因、即ち旧γ粒界に沿ったαバンドへの応力集中により
折角の保持処理が無意味になる。したがって、保持時間
をtH〜10分だけ確保することにより、その後の冷却過程
での熱間加工性の低下は防止できるが、さらにAr3点以
上で圧延開始することが必要である。
以上の知見は前述のように直送圧延あるいは直接圧延の
本来の目的が省エネルギーにあることだけでなく、保持
に必要な設備の簡素化を図ることにもあることから大き
な意味をもつものである。
本来の目的が省エネルギーにあることだけでなく、保持
に必要な設備の簡素化を図ることにもあることから大き
な意味をもつものである。
本発明は、以上の知見をその構成要件とするものであ
り、その要旨とするところは、連続鋳造した鋳片を直送
圧延もしくは直接圧延する方法において、溶融体からの
凝固に引き続く冷却過程における1200〜1050℃の温度域
でtH(分)以上10分未満の時間保持を行い、かつAr3点
以上で圧延を開始することを特徴とする。鋼片の表面割
れを防止した熱間圧延法である。
り、その要旨とするところは、連続鋳造した鋳片を直送
圧延もしくは直接圧延する方法において、溶融体からの
凝固に引き続く冷却過程における1200〜1050℃の温度域
でtH(分)以上10分未満の時間保持を行い、かつAr3点
以上で圧延を開始することを特徴とする。鋼片の表面割
れを防止した熱間圧延法である。
ここに、tHは下記式で示される保持時間である。
tH:保持時間(分) TH:保持温度(℃) このように、本発明は実操業において、保持後鋳片が冷
却過程を経る場合でも短時間の保持で割れが発生するこ
となく、圧延開始温度をAr3点以上とすることにより、
保持の効果を有効に活用して割れを防止せんとするもの
である。
却過程を経る場合でも短時間の保持で割れが発生するこ
となく、圧延開始温度をAr3点以上とすることにより、
保持の効果を有効に活用して割れを防止せんとするもの
である。
本発明において、保持温度を1050℃〜1200℃としたの
は、この温度域が前記したように鋳片における硫化物の
析出温度であるからである。
は、この温度域が前記したように鋳片における硫化物の
析出温度であるからである。
1050℃以下の温度で保持するとその温度への冷却過程で
粒界への硫化物の析出が完結してしまうからである。
粒界への硫化物の析出が完結してしまうからである。
また、保持時間の上限を10分未満としたのは、可及的短
い時間が経済的にも利益が大きく、また従来技術の保持
時間との重複を避けるためである。
い時間が経済的にも利益が大きく、また従来技術の保持
時間との重複を避けるためである。
なお、ここにおいて述べる温度は割れ発生位置となる鋳
片の表面温度を示すものである。これは一般に鋳片温度
は厚み方向、幅方向とも均一でなく、割れ発生位置も圧
延条件により異なるため、上記の如く定義するものであ
る。
片の表面温度を示すものである。これは一般に鋳片温度
は厚み方向、幅方向とも均一でなく、割れ発生位置も圧
延条件により異なるため、上記の如く定義するものであ
る。
次に、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する
が、それらは単に本発明の例示として示すものであっ
て、何ら本発明を制限するものではない。
が、それらは単に本発明の例示として示すものであっ
て、何ら本発明を制限するものではない。
実施例1 C:≦0.06%、Si:≦0.04%、Mn:0.15〜0.30%、P:≦0.03
0%、S:≦0.030%、sol.Al:0.020〜0.050%の組成(Ar3
点=850℃)を有する、厚さ40mm×幅600mmの形状からな
る鋳片端面、つまり板幅端部を直径800mmのロール径の
ロールを有する圧延機により、各パス50%の圧下率で連
続3パスの直送圧延もしくは直接圧延に供した。
0%、S:≦0.030%、sol.Al:0.020〜0.050%の組成(Ar3
点=850℃)を有する、厚さ40mm×幅600mmの形状からな
る鋳片端面、つまり板幅端部を直径800mmのロール径の
ロールを有する圧延機により、各パス50%の圧下率で連
続3パスの直送圧延もしくは直接圧延に供した。
結果を各圧延条件とともに第1表にまとめて示す。第1
表に示すように本発明の構成要件を満たすことにより割
れは防止される。
表に示すように本発明の構成要件を満たすことにより割
れは防止される。
実施例2 C:0.13〜0.17%、Si:0.25〜0.45%、Mn:1.25〜1.50%、
P:≦0.030%、S:≦0.030%、Nb:0.020〜0.040%、V:0.0
30〜0.050%、sol.Al:0.020〜0.050%の組成(Ar3点=7
50℃)を有する厚さ264mm×幅1240mmの形状の鋳片を直
径1300mmのロール径を有するロールを備えた圧延機によ
り、各パス15%の圧下率で、連続5パスの直送圧延もし
くは直接圧延に供した。
P:≦0.030%、S:≦0.030%、Nb:0.020〜0.040%、V:0.0
30〜0.050%、sol.Al:0.020〜0.050%の組成(Ar3点=7
50℃)を有する厚さ264mm×幅1240mmの形状の鋳片を直
径1300mmのロール径を有するロールを備えた圧延機によ
り、各パス15%の圧下率で、連続5パスの直送圧延もし
くは直接圧延に供した。
第2表にその結果をまとめて示すが、それからも分かる
ように、本発明の構成要件を満たすものでは割れが効果
的に防止されることが明らかである。
ように、本発明の構成要件を満たすものでは割れが効果
的に防止されることが明らかである。
(発明の効果) 以上のように、本発明は直送圧延あるいは直接圧延時の
表面割れ対策としての保持に関し、従来十分な解明がな
されていなかった保持の本質を明らかとすることによ
り、本発明の目的である保持時間の短縮に必要な技術項
目を解明、その結果一層の省エネルギーが図れるだけで
なく、著しい設備の簡素化が可能となり、直送圧延もし
くは直接圧延の実操業化にとって多大の効果を有するも
のである。
表面割れ対策としての保持に関し、従来十分な解明がな
されていなかった保持の本質を明らかとすることによ
り、本発明の目的である保持時間の短縮に必要な技術項
目を解明、その結果一層の省エネルギーが図れるだけで
なく、著しい設備の簡素化が可能となり、直送圧延もし
くは直接圧延の実操業化にとって多大の効果を有するも
のである。
第1図ないし第3図は、本発明における予備試験の結果
を保持条件によって整理したグラフである。
を保持条件によって整理したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】連続鋳造した鋳片を直送圧延もしくは直接
圧延する方法において、溶融体からの凝固に引き続く冷
却過程における1200〜1050℃の温度域でtH(分)以上10
分間未満の時間保持を行い、かつAr3点以上で圧延を開
始することを特徴とする、鋼片の表面割れを防止した熱
間圧延法。 ここに、tHは下記式で示される保持時間。 tH:保持時間(分) TH:保持温度(℃)
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61055710A JPH0776375B2 (ja) | 1986-03-13 | 1986-03-13 | 鋼片の表面割れを防止した熱間圧延法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61055710A JPH0776375B2 (ja) | 1986-03-13 | 1986-03-13 | 鋼片の表面割れを防止した熱間圧延法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62212002A JPS62212002A (ja) | 1987-09-18 |
| JPH0776375B2 true JPH0776375B2 (ja) | 1995-08-16 |
Family
ID=13006434
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61055710A Expired - Fee Related JPH0776375B2 (ja) | 1986-03-13 | 1986-03-13 | 鋼片の表面割れを防止した熱間圧延法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0776375B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002035805A (ja) * | 2000-07-25 | 2002-02-05 | Nkk Corp | 表面性状に優れた薄鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS566703A (en) * | 1979-06-28 | 1981-01-23 | Nippon Steel Corp | Hot rolling method for steel billet |
-
1986
- 1986-03-13 JP JP61055710A patent/JPH0776375B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002035805A (ja) * | 2000-07-25 | 2002-02-05 | Nkk Corp | 表面性状に優れた薄鋼板の製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62212002A (ja) | 1987-09-18 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |