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JPH0780845B2 - N−置換マレイミド類の製造方法 - Google Patents
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JPH0780845B2 - N−置換マレイミド類の製造方法 - Google Patents

N−置換マレイミド類の製造方法

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JPH0780845B2
JPH0780845B2 JP63111540A JP11154088A JPH0780845B2 JP H0780845 B2 JPH0780845 B2 JP H0780845B2 JP 63111540 A JP63111540 A JP 63111540A JP 11154088 A JP11154088 A JP 11154088A JP H0780845 B2 JPH0780845 B2 JP H0780845B2
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substituted maleimides
acid
washing
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剛 入江
恭之 高柳
健 成田
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はN−置換マレイミド類の製造方法に関する。さ
らに具体的には,本発明は無水マレイン酸とアミン類,
あるいはそれから得られるマレイン酸モノアミド類を触
媒の存在下,有機溶媒中で,脱水閉環イミド化して得ら
れる反応混合物を洗浄後,単離精製するN−置換マレイ
ミド類の製造方法に関する。
N−置換マレイミド類は医薬,農薬,染料,高分子原料
あるいはそれらの中間体としてその利用範囲は極めて広
い化合物である。
〔従来技術〕
N−置換マレイミド類の製造方法としては,従来から種
々の方法が知られている。例えば,無水マレイン酸とア
ミン類から容易に得られるマレイン酸モノアミド類(マ
レアミン酸類)を180℃に加熱し,脱水環化を行なわせ
てN−置換マレイミド類を得る方法がある(L.E.Colema
n etal.J.Org.Chem.24135〜136(1959))。しかし,こ
の方法では目的生成物の収率が15〜50%と低いものであ
る。
また,実験室的製法としてよく知られている方法に無水
マレイン酸とアニリンとを酢酸ナトリウム触媒の存在
下,無水酢酸などの脱水剤を用いる方法がある(Org.Sy
nth.Coll.vol944(1973))。この方法は比較的高収
率(75〜80%)でN−置換マレイミド類を得ることがで
きるが,脱水剤を化学量論的に使うため副原料費が加わ
り製造コストが高価になるという欠点を有し,工業的製
法としては不適当である。
一方,工業的製法として有利と考えられる方法は,脱水
剤を用いることなく,効率的な脱水触媒を用い,より穏
和な条件下でマレイン酸モノアミド類の脱水環化を行う
方法である。この方法も種々試みられており,硫酸,ス
ルホン酸等の酸性触媒を用いる方法(英国特許第104102
7号明細書),水酸化ナトリウム,トリエチルアミン等
の塩基性触媒を用いる方法(特公昭47−24024号公
報),イオン交換樹脂のような不均一触媒を用いる方法
(特開昭61−85359号公報)など多くの方法が提案され
ている。これらの方法によれば反応収率は90%以上にも
達するが,未だ副反応の抑制の点で必ずしも十分でな
く,反応混合物中には触媒のほか,未反応原料及び中間
体,種々の副反応生成物及び重合体などが含まれる。
一方,N−置換マレイミド類は医薬,農薬及び単量体など
の用途に用いられるため不純物の十分な除去が必要であ
る。従来,N−置換マレイミド類の精製方法としては,反
応生成物を希アルカリ性水溶液で中和,洗浄した後,再
結晶あるいは蒸留により単離する方法(特公昭55−4639
4号公報,特開昭60−100554号公報,特開昭62−138468
号公報など),あるいは反応後硫酸など強酸による酸処
理し,副生物を樹脂化して分離した後,水洗し単離する
方法(特開昭61−22065号公報,特開昭61−204166号公
報)などが提案されている。
しかし,樹脂化法は多量の酸を使用し,且つ粘着性の樹
脂化物を分離しなければならないので分離操作が容易で
なく,経済性,操作性及び廃棄物などの点で問題があっ
た。また,中和洗浄法は,洗浄水層の分離時に界面がエ
マルジョン化したり,不溶物が析出したりして,副生物
の分離性の悪化する欠点がある。これは脱水閉環イミド
化反応の際に,副反応により乳化作用を有する副生物
や,水および有機溶媒に溶けにくい副生物が生成するこ
とが原因であり,反応選択性の悪さに起因している。そ
れ故,このような副生物が混入したまま蒸留などの単離
操作を行うと重合を併発しやすくなり,収率の低下及び
純度の低下をまねくことになるため,洗浄水層の分離時
に非常に長時間静置しエマルジョン層の分離を行うと
か,遠心分離あるいはロ過などによる強制的なエマルジ
ョン層の破壊と不溶物の除去が必要となり洗浄工程が煩
雑になる,などの問題点があった。このように従来の精
製技術は,工業的に実施する方法としては未だ不十分な
ものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は従来法における問題点を解決すべくなされたも
ので,その目的は工業的に有利に実施することのできる
N−置換マレイミド類の製造方法を確立することにあ
り,さらに具体的には反応選択性を向上させ洗浄時の分
離性悪化原因物質の副生を防止することにより,精製時
の重合併発を防ぎ,高純度のN−置換マレイミド類を高
収率で得ることのできるN−置換マレイミド類の製造方
法を確立することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは前記目的を達成すべく鋭意研究の結果,無
水マレイン酸と第一アミン類あるいはそれらから得られ
るマレイン酸モノアミド類を脱水閉環イミド化する際
に,銅または銅化合物の1種以上の共存下で反応を行
い,次いで中和,水洗した後,単離することにより,不
溶物やエマルジョン層の副生を伴わず反応操作上極めて
容易に,高純度のN−置換マレイミド類が高収率に得ら
れることを見い出して本発明に到達した。
本発明の要旨とするところを述べると,第1の発明は,
無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の第一アミン類と
を銅または銅化合物および触媒存在下,有機溶媒中で加
熱して脱水閉環反応させ,生成する反応混合物を,希ア
ルカリ水溶液,水および希酸水溶液から選ばれた少なく
とも1種で洗浄したのち,N−置換マレイミド類を有機層
から単離することを特徴とするN−置換マレイミド類の
製造方法である。
第2の発明は,無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の
第一アミンとを反応させ得られるマレイン酸モノアミド
類を銅または銅化合物および触媒の存在下,有機溶媒中
で加熱して脱水環化反応させ,生成する反応混合物を希
アルカリ水溶液,水および希酸水溶液から選ばれた少な
くとも1種で洗浄したのち,N−置換マレイミド類を有機
層から単離することを特徴とするN−置換マレイミド類
の製造方法である。
以下に,本発明の実施態様について説明する。
本発明の出発原料である無水マレイン酸は如何なる供給
源から得られたものでもよく,市販の無水マレイン酸か
ら適当に選択されたものを用いるのが便利である。ま
た,マレイン酸を用いても,同様に反応は進行するが,
反応性,経済性などから得策とは言えない。もう一方の
原料である第一アミンは芳香族第一アミン類としては,
例えばアニリン,ナフチルアミン,トルイジン,ジメチ
ルアニリン,クロロアニリン,ジクロロアニリン,ヒド
ロキシアニリン,ニトロアニリン,フエニレンジアミン
など好ましくはアニリン,トルイジン,クロロアニリ
ン,ジクロロアニリン,ヒドロキシアニリンおよびニト
ロアニリンなど,また脂肪族第一アミン類としては,例
えばメチルアミン,エチルアミン,プロピルアミン,ブ
チルアミン,ベンジルアミン,シクロヘキシルアミン,
アリルアミン,エチレンジアミンなど好ましくはメチル
アミン,ブチルアミンおよびシクロヘキシルアミンなど
をそれぞれ挙げることができる。無水マレイン酸は前記
第一アミン類1モルに対し0.8〜1.5の範囲好ましくは0.
9〜1.2の範囲で用いるのがよい。
本発明における脱水環化反応は,有機溶媒中で,銅また
は銅化合物と触媒の存在下に行なう。
本発明による第1の発明は,無水マレイン酸と前述した
芳香族または脂肪族の第一アミン類とを有機溶媒中で,
銅または銅化合物と触媒の存在下に加熱することからな
る。この反応は種々の方法に従って実施することができ
るが,反応器中に所定量の無水マレイン酸,第一アミン
類,有機溶媒,銅または銅化合物および触媒を仕込み,
所定温度まで加熱して反応を行なう方法,または反応器
中に所定量の無水マレイン酸,有機溶媒,銅または銅化
合物および触媒を仕込み,所定温度まで加熱し,次いで
第一アミン類を徐々に加える方法,が操作法,その他を
考えると好ましい。
本発明において用いる有機溶媒としては無水マレイン
酸,芳香族または脂肪族の第一アミン類およびマレイン
酸モノアミド類を溶解し,かつ反応に関与しないもので
あれば何んでもよいが,好ましくはベンゼン,トルエ
ン,キシレン,エチルベンゼン,スチレン,およびクメ
ンなどの芳香族炭化水素溶剤が挙げられる。特に好まし
くはベンゼン,トルエン,キシレンである。
有機溶媒の使用量に特に制限はないが,操作性,経済性
を勘案すると生成物濃度が10〜60%程度になるように用
いるのがよく,特に好ましくは15〜35%程度である。ま
た,有機溶媒として,上記の芳香族炭化水素溶剤に非プ
ロトン性極性溶剤を混合したものを用いると反応を一層
促進することができる。この場合用いられる非プロトン
性極性溶剤としてはホルムアミド,N−メチルホルムアミ
ド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,ジ
メチルスルホキシド、スルホラン,r−ブチロラクトンお
よびヘキサメチルホスホトリアミドなどが挙げられる。
好ましくはジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミ
ド,ジメチルスルホキシドである。
非プロトン性極性溶媒の使用量は任意であるが,通常,
全溶媒量の50%以下好ましくは0.5〜25%程度がよい。
本発明の方法で使用される銅または銅化合物は,反応選
択性を向上させ,精製時の洗浄水層の分離性悪化原因物
質の副生を抑制する作用を示す。銅または銅化合物とし
ては銅粉,銅箔などの金属銅,酸化第一銅,酸化第二
銅,水酸化銅,硫化銅などの銅の酸化物,硫化物及び水
酸化物,塩化第一銅,塩化第二銅,硫酸銅,硝酸銅,リ
ン酸銅などの銅塩,等無機系の銅化合物,およびビスア
セチルアセトナート銅,エチレンジアミン四酢酸銅など
の銅錯体や酢酸銅などの有機系の銅化合物が挙げられ
る。熱安定性,経済性の点から金属銅および無機系の銅
化合物を用いるのがよい。これらの銅または銅化合物は
一種類でも,また二種類以上を併用しても何らさしつか
えない。
銅または銅化合物の使用量は特に制限はないが,通常は
反応液に対して5ppm〜5重量%の範囲で用いるのがよ
い。銅または銅化合物の使用量は非プロトン性極性溶媒
の併用により,更に減少させることが可能である。
本発明で使用される触媒としては硫酸,亜硫酸,無水硫
酸,リン酸,亜リン酸,ポリリン酸,など無機酸,ベン
ゼンスルホン酸,トルエンスルホン酸,ベンゼンホスホ
ン酸,トリクロル酢酸,トリフルオル酢酸などの有機
酸,トリエチルアミン,ピリジン,ジメチルアニリン,
酢酸ナトリウムなどの有機塩基および強酸性イオン交換
樹脂,弱酸性イオン交換樹脂,弱塩基性イオン交換樹脂
などのイオン交換樹脂などが挙げられるが,好ましくは
硫酸,リン酸,ベンゼンスルホン酸,トルエンスルホン
酸,およびイオン交換樹脂などである。触媒の使用量は
特に制限はされないが,通常,反応液に対して0.05重量
%〜40重量%の範囲,好ましくは0.2重量%〜25重量%
の範囲で用いるのがよい。
本発明の方法における反応温度は通常50〜200℃の範
囲,好ましくは70〜160℃の範囲である。反応圧力は,
特に制限されるものでなく,常圧,加圧,減圧に亘って
広く採用される。反応時間は原料濃度,触媒量,溶剤,
反応温度などの条件により異なるが,通常0.5〜10時間
の範囲である。
このようにして得られたN−置換マレイミド類を含む反
応混合物は,先ず洗浄したのち,次いで得られた有機層
からN−置換マレイミド類を単離精製する。
本発明における反応混合物の洗浄は希アルカリ性水溶
液,水および希酸性水溶液から選ばれた少なくとも1種
で,1回以上行う。希アルカリ性水溶液としてはアルカリ
金属あるいはアルカリ土類金属の水酸化物,炭酸塩また
は炭酸水素塩の水溶液などが使用できるが,好ましくは
ナトリウムまたはカリウムの水酸化物,炭酸塩あるいは
炭酸水素塩の水溶液である。希酸性水溶液としては硫
酸,亜硫酸,リン酸,亜リン酸,塩酸,ベンゼンスルホ
ン酸あるいはトルエンスルホン酸などの水溶液が挙げら
れるが,好ましくは硫酸またはリン酸の水溶液である。
これらの希アルカリ性水溶液,水,および希酸性水溶液
の使用量は特に制限はないが,反応混合物液量の10〜10
0%程度が好ましい。洗浄は,洗浄後の水層のpHが0.5〜
8の範囲,好ましくは1.5〜7の範囲になるように行う
のがよい。洗浄温度は20〜90℃,好ましくは30〜70℃の
範囲である。
洗浄操作としては反応混合物に洗浄水溶液を添加し5分
〜1時間の範囲で混合攪拌した後,静置し二層分離す
る。この時,従来法では分離性が著しく悪く,二層界面
に多量のエマルジョンおよび不溶物を含む不均一層を形
成するため,分離性向上のためには一夜以上の長時間静
置か,遠心分離あるいはロ過などによるエマルジョンお
よび不溶物の強制的分離が必要であった。しかし,本発
明の方法によれば,ごく短時間(通常1時間以内)で完
全に二層分離するために操作性が著しく改善されるばか
りでなく,高収率で,しかも不溶物の混入の少ないN−
置換マレイミド類含有有機層を得ることができる。銅ま
たは銅化合物は反応の選択性改善のほか,洗浄水層の分
離性に対しても好ましい作用を示すので,洗浄時に必要
に応じて添加してもよい。
次いでこのような洗浄操作により得られた有機層からN
−置換マレイミド類を,公知の再結晶法あるいは蒸留法
に従って単離する。
再結晶法の場合は,溶媒としてメタノール,エタノー
ル,イソプロパノールなどのアルコール系溶媒あるいは
ベンゼン,トルエン,キシレン,スチレンなどの芳香族
系溶媒等を使用し,再結晶分離するのがよい。
また,蒸留法の場合は常圧ないし減圧下で行うのがよ
い。N−置換マレイミド類は重合性を有するため,なる
べく低温での蒸留が好ましく,通常は20mmHg以下,好ま
しくは10mmHg以下の減圧下で蒸留するのがよい。
本発明による第2の発明においては,前述の無水マレイ
ン酸と芳香族または脂肪族の第一アミン類とを反応させ
得られるマレイン酸モノアミド類について脱水環化処理
を行なうものであり,その脱水環化反応処理は第1の発
明の場合と同様に実施される。この場合,マレイン酸モ
ノアミド類は反応生成物から単離することなく脱水環化
処理することができる。
マレイン酸モノアミド類の合成反応は有機溶媒中で行な
うのが好ましい。有機溶媒としては前述の芳香族炭化水
素溶剤あるいはこれに非プロトン性極性溶剤を混合した
ものが用いられる。この反応は特に触媒を用いることな
く,約150℃以下の反応温度で容易に進行する。反応温
度としては室温から100℃までが適当である。反応時間
は反応温度,溶媒などにより異なるが0.5時間から24時
間までが適である。
脱水環化反応により得られる反応混合物の洗浄処理およ
びN−置換マレイミド類の単離処理については第1の発
明の場合と同様に実施することができる。
本発明の方法における原料及び生成物は共に重合活性な
二重結合を有しているため,反応及び精製工程で重合禁
止剤を用いることは有効であり,本発明の効果に何らさ
しさわりはない。重合禁止剤としてはハイドロキノン,
メトキシフェノール,t−ブチルカテコール,フェノチア
ジン,チオ尿素,ヒドロキシキノリン,クペロン,N−ニ
トロソジフェニルアミンなどが有効である。
以下,実施例により本発明の構成および効果をさらに具
体的に説明するが,本発明はこれら実施例に何ら限定さ
れるものではない。
実施例1 水分離器を付した還流冷却器,温度計,攪拌機及び滴下
ロートを付した反応器に無水マレイン酸107.8gr,トルエ
ン400mlジメチルホルムアミド25ml,p−トルエンスルホ
ン酸5.0gr,硫酸銅0.1gr及びp−メトキシフェノール0.2
grを仕込み,攪拌下に加熱溶解させる。次いで滴下ロー
トよりアニリン93.1grを滴下し,溶媒還流下で3時間反
応させた。反応中生成した水は水分離器より除去する。
反応終了後,反応液をガスクロマトグラフィーにより分
析したところ172.1gのN−フェニルマレイミドの生成が
確認された。反応収率は99.4%であった。
次に反応液を60℃まで冷却し,これに6%炭酸ナトリウ
ム水溶液200grを添加し,20分間攪拌混合した後,20分間
静置し二層分離した水層を除いた。得られた有機層を50
℃に保ち,pH2に調整した希硫酸水溶液100grで再度,同
様に洗浄して,水層を分離した。この2回の洗浄操作と
も分離時に界面にエマルジョン層および不溶物などは全
く生成せず有機層,水層とも均一透明液であった。洗浄
後の有機層を130〜20mmHgで脱溶媒した後,160℃の浴温,
9mmHgの減圧度で3時間かけて蒸留した。その結果165.2
grのN−フェニルマレイミドが得られた(融点89〜90℃
の淡黄色固体,収率95.4%,ガスクロマトグロフィー分
析による純度99.9%)。
比較例1 硫酸銅を添加しなかった以外は実施例1と全く同様の操
作を行った所,反応収率は96.1%であり,また129.2gr
のN−フェニルマレイミドが得られた(融点80〜90℃の
淡黄色固体,収率74.6%,ガスクロマトグラフィーによ
る純度99.6%)。なお,洗浄操作時に,不溶物を含むエ
マルジョン層が第一回目の洗浄では15ml,第二回目の洗
浄では120ml生成した。
比較例2 ジメチルホルムアミド及び硫酸銅を添加しなかった以外
は実施例1と全く同様の操作を行った所,反応収率87.4
%で黄色スラリー状反応液を得たが,次の洗浄工程では
全体が黄白不溶物を含むエマルジョン状液となり,ほと
んど水層が分離しないため実験を中断した。
比較例3 ジメチルホルムアミドを添加しなかった以外は実施例1
と全く同様な操作を行った所,反応収率87.9%,また10
4.4grのN−フェニルマレイミドが得られた(融点89〜9
0℃の淡黄色固体,収率60.3%,純度99.8%)。なお、
洗浄操作時に,不溶物を含むエマルジョン層が第一回目
の洗浄では12ml,第二回目の洗浄では8ml生成した。
実施例2 実施例1と同様な反応装置に,無水マレイン酸103.0gr,
キシレン200ml,ジメチルスルホキシド10ml,98%硫酸3.0
gr,銅粉0.05gr及びハイドロキノン0.1grを仕込み,攪拌
下に加熱溶解させる。次いで,滴下ロートよりアニリン
93.1grを滴下し,溶媒還流下で2時間反応させた。反応
中生成する水は水分離器より除去する。反応終了後,反
応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ,1
70.0gのN−フェニルマレイミドの生成が確認された。
この時の反応収率は98.2%であった。
次に,反応液を50℃まで冷却し,4.5%水酸化ナトリウム
水溶液200grを添加し,20分間攪拌混合した後,10分間静
置し二層分離した水層を除いた。得られた有機層を50℃
に保ち,pH1.5に調整した希リン酸水溶液100grで再度同
様に洗浄して,水層を分離した。洗浄分離時にエマルジ
ョン層や不溶物の生成は全く見られなかった。洗浄後の
有機層を130〜20mmHgで脱溶媒した後,70℃に加温したイ
ソプロパノール400mlを加え,70〜75℃で溶解させる。次
いで,ゆっくり攪拌しながら10℃まで冷却する。析出す
る結晶をロ別し,100mlのイソプロパノールで洗浄した。
再結母液及び洗浄イソプロパノールを合わせ,約50mlに
濃縮後,再び10℃に冷却して析出した結晶をロ別,洗浄
して第二晶を得た。第一晶及び第二晶を合わせて70℃,1
時間熱風乾燥した所,N−フェニルマレイミド163.1grを
得た(融点89〜90℃の淡黄色固体,収率94.2%,純度9
9.9%)。
実施例3〜4 第一アミンとしてo−クロロアニリン127.6grあるいは
o−トルイジン107.2grを用い,銅化合物として酸化第
二銅0.1grを用い,それぞれ蒸留圧力を変えた以外は実
施例1と同様な操作を行った所,次表の結果を得た。
実施例5 実施例1と同様の反応装置に無水マレイン酸107.8gr,ト
ルエン400ml,ジメチルホルムアミド25ml,イオン交換樹
脂アンバーリスト15 (ローム&ハース社製)50gr,酢
酸銅0.2gr及びp−メトキシフェノール0.2grを仕込み,
攪拌下に加熱溶解させる。次いで滴下ロートよりn−ブ
チルアミン73.1grを滴下し,溶媒還流下で6時間反応さ
せた。反応中生成した水は水分離器より除去する。反応
終了後,60℃に冷却し,触媒をロ別し,トルエンで洗浄
する。ガスクロマトグラフィー分析による反応収率は8
4.7%であった。
次に,反応液を60℃に保ち,6%炭酸ナトリウム水溶液30
0ml及びpH2に調整した希硫酸水溶液100mlを用い,実施
例1と同様に2回洗浄した。洗浄分離時にエマルジョン
層や不溶物の生成は全く見られなかった。得られた有機
層を130〜20mmHgで脱溶媒した後,90℃の浴温,6mmHgの減
圧度で3時間かけて蒸留した。その結果123.5grのN−
n−ブチルマレイミドが得られた(沸点86〜89℃/6mmHg
の無色透明液体,収率80.6%,純度99.5%)。
実施例6 実施例1と同様の反応装置に無水マレイン酸107.8gr,ト
ルエン400ml,ジメチルホルムアミド25ml,硫酸銅0.1gr及
びp−メトキシフェノール0.2grを仕込み,攪拌溶解さ
せる。次いで滴下ロートよりアニリン93.1grを40℃以下
の反応温度に保ち1時間で滴下し,更に1時間40℃で攪
拌下熟成した。得られたマレアニリン酸スラリー溶液に
p−トルエンスルホン酸5.0grを添加した後,還流下で
生成水を共沸除去しながら3時間かけて脱水反応させ
た。ガスクロマトグラフィー分析による反応収率は93.5
%であった。
次に,この反応液について実施例1と同様の後処理をし
た所,154.4grのN−フェニルマレイミドが得られた(融
点89〜90℃の淡黄色固体,収率89.2%,純度99.8%)。
なお,洗浄操作時には第一回目及び第二回目ともエマル
ジョン層の生成は全く見られなかった。
比較例4 硫酸銅を添加しなかった以外は実施例6と全く同様の操
作を行った所,反応収率90.8%,また116.8grのN−フ
ェニルマレイミドが得られた(融点88〜90℃の淡黄色固
体,収率67.5%,純度99.1%)。なお,洗浄操作時に不
溶物を含むエマルジョン層が第一回目の洗浄では60ml,
第二回目の洗浄では120ml生成した。
〔発明の効果〕
本発明の方法によれば,高純度のN−置換マレイミド類
を高収率で取得することができる。また本発明は次のよ
うな利点を有するものである。
i)洗浄時の分離性が著しく向上し,操作性が向上す
る。
ii)反応および精製における収率が向上する。
iii)製品純度が向上する。
iv)副生物が減少するため精製が容易である。
v)精製中の重合が防止できる。
フロントページの続き (72)発明者 成田 健 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化学工業株式会社内 (72)発明者 矢野 雄也 神奈川県横浜市鶴見区大黒町10番1号 日 東化学工業株式会社内 審査官 星野 紹英

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の第
    一アミンとを,銅または銅化合物および触媒の存在下,
    有機溶媒中で加熱して脱水環化反応させ,生成する反応
    混合物を希アルカリ水溶液,水および希酸水溶液から選
    ばれた少なくとも1種で洗浄したのち,N−置換マレイミ
    ド類を有機層から単離することを特徴とするN−置換マ
    レイミド類の製造方法。
  2. 【請求項2】無水マレイン酸と芳香族または脂肪族の第
    一アミンとを反応させ得られるマレイン酸モノアミド類
    を銅または銅化合物および触媒の存在下,有機溶媒中で
    加熱して脱水環化反応させ,生成する反応混合物を希ア
    ルカリ水溶液,水および希酸水溶液から選ばれた少なく
    とも1種で洗浄したのち,N−置換マレイミド類を有機層
    から単離することを特徴とするN−置換マレイミド類の
    製造方法。
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