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JPH078282B2 - 袖部を有する外科手術用覆布、およびその成形方法 - Google Patents
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JPH078282B2 - 袖部を有する外科手術用覆布、およびその成形方法 - Google Patents

袖部を有する外科手術用覆布、およびその成形方法

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JPH078282B2
JPH078282B2 JP4142677A JP14267792A JPH078282B2 JP H078282 B2 JPH078282 B2 JP H078282B2 JP 4142677 A JP4142677 A JP 4142677A JP 14267792 A JP14267792 A JP 14267792A JP H078282 B2 JPH078282 B2 JP H078282B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アームボートを備えた
手術台の上で、腕をアームボートに乗せた姿勢で寝かさ
れている患者に外科手術を施すための、腕覆い部(袖
部)を有する外科手術用覆布、および、該袖部を有する
外科手術用覆布を成形する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】外科用の覆布は、外科手術における切開
創と未消毒区域との間に防壁を設けるために用いられる
シートであって、使用条件に応じて防水処理や撥水処理
を施したり、患者の身体に貼着するための粘着剤層を設
けたりするが、原始的には長方形のリネンないし不織布
のシートである。しかし、医学の進歩に伴って外科手術
の態様が多様化し、外科手術に際して用いられる医療用
機械器具も複雑化,大型化したので、単なる長方形のシ
ートでは種々の不具合を生じるようになった。このよう
な不具合を解消するため、患者の腕を覆う部分(袖とも
呼ばれる)を有する外科手術用覆布や、マチを有する外
科手術用覆布などが種々提案されて公知になっている。
この「従来の技術」の項においては、後述する「発明が
解決しようとする課題」を理解するために必要な、
(イ)患者の胴体および下肢を覆う本体部分と、患者の
腕を覆う袖部とを有するT字形の覆布、および、(ロ)
麻酔医のアーチないしスタンドによってカーテン状に張
り渡される構造のマチ付き覆布について、本発明に最も
近い公知の先行技術を次に説明する。説明の便宜上、患
者は長方形のベット状の手術台上に横たえられているも
のとし、覆布は上記患者に覆い掛けて用いられる。以
下、特に断わらない場合は患者の頭の方向を上と呼び、
足を伸ばしている方向を下と呼ぶものとする。
【0003】患者の腕を覆う袖部を有する覆布について
は特公平3−7372号「手術用ドレープおよびその形
成方法」が公知である(以下、公知の手術用ドレープと
略称する)。図3(A)は該公知の手術用ドレープの1
実施例を示す斜視図であって、患者は手術台9Aに乗せ
て横たえられている。この手術台9Aは台座10Aによ
って水平に支持されており、その側方に患者の腕を乗せ
るアームボート11Aが延び出し、患者は腕を側方に広
げて仰臥している。この公知の手術用ドレープにおいて
は、患者の胴体および下肢を覆うドレープ本体部10
と、患者の腕およびそれよりも上の部分を覆うドレープ
横腕部分(前記公報ではT字形部と呼ばれている)15
とがT字形に接合されている。この種のドレープがT字
形に構成される理由を図3(B)について述べると、長
方形の手術台9Aの幅寸法をWbとしたとき、ドレープ
本体部10の幅寸法Wは上記寸法Wbよりも適宜に大き
く設定され、その側縁13が患者および手術台9Aを覆
い余った部分が床に向かって垂下するように図られてい
る。しかし、この幅寸法Wを過大にすると床面に触れて
好ましくないので無制限に大きくはできない。一方、1
対のアームボート11Aの両端間の寸法lは患者が両腕
を広げたときの長さよりも適宜に大きくしなければなら
ないので、どうしてもl>Wとなり、その結果、ドレー
プ全体がT字状をなすようになる。上記のようなT字形
のドレープを工業的に生産する場合、図4に示すような
問題が有る。すなわち、同図(A)に示すように幅寸法
が前記の寸法lよりも大きいシート素材を用いて、平行
斜線を付して示した1a,1bを切り捨て、横腕部分1
cを切り出してT字形のドレープ1を構成すると、材料
の歩留まりが悪くて不経済である。上記のような材料経
済に関する不具合を解消するため、図4(B)に示すよ
うに2枚の長方形のシート2a,2bを並べ、斑点を付
して示した重なり合い部分を接合する技術が公知であ
る。しかし、この接合に縫合を用いると針孔が出来て細
菌の防壁としての機能が低下する。針孔を生じさせない
ためには接着剤による接着、若しくは熱融着が望ましい
のであるが、図示の幅寸法Wのように比較的長い区間を
接着,若しくは熱融着する作業は相当困難であってコス
ト高を招くという問題が有る。
【0004】前記公知の手術用ドレープは、基本的には
前掲の図4(B)に示したように2枚の長方形のドレー
プを縦,横に並べて接合するものであって、製造工程を
減少させるとともに材料を節減することを目的として次
のように構成されている。図5は前記公知の手術用ドレ
ープの1例を示す上面図であって、前掲の図3で述べた
ように胴体部10と横腕部分(袖部)15とを縦,横に
並べてT字形に接合されている。16は患者の頭側の上
縁、12は同じく足側の底縁(下縁)であり、13,1
4は胴体部の側縁、18,19は横腕部分の側縁であ
る。40は手術用の開口であり、43は補強材である。
44は、器具類を置くための滑り止め面を有する器具用
のパッドである。図示の11は前記胴体部10の上縁で
あり、17は前記横腕部分15の下縁である。これらの
上縁11と下縁17とは重ね合わされて接合される。こ
の接合部は次のように構成されている。すなわち、図6
は前記横腕部分15を抽出して描いた単品平面図であっ
て、実線で描かれているように切れ目が入れられる。こ
の切れ目の内、本図6において紙面の左右方向の線が前
掲の図5で説明した横腕部分の下縁17となり、次のよ
うに操作を経て胴体部の上縁11に重ね合わせて接合さ
れる。図6に示した切れ目17を入れた横腕部分15
は、図示の鎖線4を折り目として折り返される。折り返
された状態を図7(A)に示す。さらに図示の鎖線6を
折り目として折り返されて図7(B)のようになり、前
述した胴体部10が重ね合わされて接合される。先に図
6で示した鎖線4を折り目として折り返した片b,b′
を図6の状態に戻して横腕部分15を長方形に広げる
と、図5に示した手術用ドレープの図の上半部と同様
(ただし開口40や補強材43は未だ設けられていな
い)になる。図示の11は胴体部10の上縁であり、図
示の17は横腕部分15の下縁であって、これらの上縁
11と下縁17とが重なり寸法tだけ重ね合わせて接合
される。上述の構成から容易に理解されるように、この
場合の接合部の長さは、ドレープ胴体部10の幅寸法W
と等しい。
【0005】患者が側方に広げている腕を覆うように構
成された上記公知の手術用ドレープの応用例として、患
者に両腕を開かせるだけでなく両腕を開かせる場合、図
8に示すように胴体部10の底縁(下縁)12からドレ
ープ側縁13,14と平行に切れ目55,54を入れ、
鎖線56を折り目として折り返す技術も同公報に開示さ
れているが、この場合においても、腕覆い部(袖)を形
成するために胴体部10の上縁11と横腕部分15の下
縁17とを重ね合わせて接合する操作が必要であり、そ
の接合長さは胴体部10の幅寸法Wと等しい。
【0006】図4(A),(B)に示したT形ドレープ
の基本的形状は、同図(A)のように切り出して構成し
たT字状ドレープ1においても、2枚のシーツを接合し
て構成したT字状ドレープ2においても、その展開形状
は平面図形である。ところがこれらのドレープを実際に
患者に覆い掛けると、例えば前掲の図3に示したように
立体的形状をなさねばならない。この図3の例におい
て、手術台9Aから側方に延び出しているアームボート
11Aを無理なく覆うためには単純な平面図形のT字形
ドレープでは不充分であるため、前記公知の手術用ドレ
ープは図7に示したような折り返し襞が設けられてい
る。このように、ドレープを立体的に張り渡すための技
術として、特公昭57−58944号「改良された腕カ
バーのついた外科用覆い」が公知である(以下、公知の
外科用覆いと略称する)。
【0007】図9は上記公知の外科用覆いの1例を示す
斜視図、図10は同じく平面図である。図9に示した9
Aは手術台、12Aは該手術台に乗せて横たえられた患
者であって、腕を側方に広げてアームボード11Aに乗
せて仰臥している。10Aは手術台9Aの台座である。
この公知の外科用覆いも、その基本的な構成は胴体部分
14Aと横腕部分15Aとを縦,横に並べ、重ね合わせ
て接合(縫合,ノリづけ,熱封着など)されたものであ
る。20Aは窓割であって、フラップ27Aと保護板2
1Aとを備えている。24Aは器具用パッドであり、2
5Aはチューブ取付用のツマミである。胴体部分14A
の両側は手術台9Aの両側に垂れられてフラップ17
A,18Aを形成する。この公知の外科用覆いは、その
特徴的な構成として、横腕部分15Aの下縁に、胴体部
分14Aの両側と部分的に重なるように位置せしめて、
アームボードのフラップ18Aが接合されている。図1
0に示された16Aは横腕部分15Aと胴体部分14A
との固定部であり、19Aは横腕部分15Aとアームボ
ードフラップ18Aとの接合部である。
【0008】以上に説明したように、アームボードに乗
せられた患者の腕に覆いかけるための腕覆い(袖)を備
えたドレープ(覆いとも、覆布とも呼ばれる)が工夫さ
れている一方、ドレープを立体的に張り渡すための技術
として特開昭64−25845合「外科用ドレープおよ
びその製造方法」が提案されている(以下、公知の外科
用ドレープと略称する)。図3および図9に示した公知
例においては、ドレープで患者の頭部を覆った形で使用
されているが、この公知の外科用ドレープは図11に示
すようにドレープの一部を患者の首ないし胸の付近か
ら、地球に対して垂直上方に折り上げるように構成され
ている。このような構成は、麻酔用アーチ若しくはスタ
ンドを覆うことを目的としたものであって、麻酔医とそ
のスタッフを手術部位から遮蔽する垂直遮蔽壁が形成さ
れる。図11に示した1Bは患者の胴体および四肢を覆
う第1の長方形部分であり、2Bは垂直遮蔽壁を形成す
る第2の長方形部分である。患者12Aは手術台9Aに
乗せて横たえられている。この例において、手術台9A
はアームボードを備えていない。図12は上記公知の外
科用ドレープの構成手順の説明図である。第1の長方形
部分1Bと第2の長方形部分2Bとを接合するため、第
2の長方形部分2Bには図12(A)に示すように切頭
V字形の切欠き3Bが設けられる。そして第1の長方形
部分1Bには図12(B)に示すように前記切頭V字形
の切欠き3Bと同形の切欠き4Bが設けられる。上記第
2の長方形部分2Bを矢印cのごとく第1の長方形部分
1Bの上に重ねて、切頭V字形の切欠き3Bと同4Bと
を重ね合わせ、図12(C)に示すように切欠きに沿っ
た継ぎ目5Bによって接合されている。この継ぎ目5B
の長さ寸法は、図12(C)から容易に理解されるごと
く、第1の長方形部分1Bの幅寸法Wよりも長い。この
(C)図に鎖線で示した2本の平行線6B,6Bは、手
術台に覆い掛けたときに折り曲げられる線の概要的な位
置を示している。
【0009】外科用覆布の一部を地球に対して垂直に折
り上げる技術として、実開昭60−104114合「マ
チ付き覆布」が公知である(以下、公知のマチ付き覆布
と略称する)。図13は該公知のマチ付き覆布の説明図
である。同図(A)に示すごとく長方形のベッド状手術
台1Cに乗せて横たえられている患者2Cを単なる長方
形のシート状覆布3Cで覆うと、該覆布3Cの上縁付近
をスタンド4Cでカーテン状に張り渡すと、引きつれ6
Cを生じて不具合である。そこで公知のマチ付き覆布は
図13(B)に示すように構成される。すなわち、長方
形の手術台1Cよりも大きい長方形のシート7Cを用
い、その1対の長辺のそれぞれから短辺に平行な切れ目
8C,同8Cを入れ、この切れ目8C,8Cに正方形の
マチ布9C,同9Cが付記矢印のごとく挿入される。上
記の切れ目8Cを入れると、図13(A)において引き
つれ6Cを生じていた個所が同図(C)のように広げら
れて、覆布の切れ目による空間Fを生じる。前記のマチ
布9Cは該切れ目空間Fに張り渡される形に挿入され、
該正方形のマチ布9Cの2辺が切れ目の縁に接合されて
立体的な遮蔽壁を完成する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前記の各公知技術には
それぞれ長短があって未だ完全とは言い難い。すなわ
ち、 図5〜図8に示した公知の手術用ドレープでは、
2枚の長方形のシートを縦,横に並べて接合するという
構成を必須の要件としており、その結果ドレープ胴体部
10の幅寸法Wと等しい長さの比較的長い接合作業(上
縁11と下縁17との重なり部の接合作業)を必要とす
る。このため加工設備が大形,高価となり、製品コスト
が割高となる。図9,図10に示した公知の外科用覆い
も、前記公知の手術用ドレープと同様に2枚の長方形の
シートを縦,横に並べて接合するという構成を必須の要
件としおり、従って大形,高価な加工設備が必要で製品
コストが割高になる。図11,図12に示した公知の外
科用ドレープにおいては、図12(C)について説明し
たように第1の長方形部分1Bの幅寸法Wよりも長い継
ぎ目5Bを接合しなければならないので、前記公知の手
術用ドレープおよび公知の外科用覆いと同様に、大形、
高価な加工設備を必要とし、製品コストが割高となる。
図13に示した公知のマチ付き覆布は、2枚の長方形シ
ートを縦,横に並べて接合する構成ではなく、1枚の長
方形のシート7Cに切れ目8Cを入れてマチ布9Cを挿
入し、該マチ布9Cの2辺を上記切れ目8Cの縁に接合
する構成であるから、上記長方形のシート7Cの幅寸法
に比して接合加工部の長さ寸法が短く、加工設備が小
形,安価で足りるが、上記の切れ目を長方形のシート7
Cの長辺に(短辺と平行に)入れる構成であるため、該
長方形のシート7Cの横幅寸法は原形状よりも広くなら
ない。従って、患者の腕を側方に拡げさせてこれを覆う
ということは出来ない。本発明は上述の事情に鑑みて為
されたものであって、(a)基本とする長方形のシート
の枚数が1枚で足り、(b)上記長方形のシートの幅寸
法よりも短い接合加工で足り(従って加工設備が小形,
軽量で、製品コストが安く)、(c)患者の腕を側方に
広げさせて、これを覆うことができる、袖部を有する外
科用手術用の覆布、および、その成形方法を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに創作した本発明の基本的原理について、公知のマチ
付き覆布を示した図13と比較対照して略述すると次の
ごとくである。この公知技術においては、(B)図に示
したように切れ目8Cを長方形のシート7Cの短辺と平
行に設けたので、該切れ目8Cの長さに自から限度が有
り、その結果、比較的小さいマチ布9Cしか挿入できな
かった。そこで本発明においては長方形のシート7C
に、例えば点線で示した仮想の切れ目1hのごとく、長
方形のシートの長辺に平行な切れ目をいれる。このよう
に長辺と平行な切れ目は、その長さ寸法に制約が少な
く、図示のマチ布9Cに比して大きいマチ布(図示せ
ず)を挿入することができる。
【0012】上述の原理に基づく具体的構成として本発
明に係る袖部を有する外科手術用覆布は、手術台に患者
を仰臥させたとき該患者の肩に相当する個所の付近から
手術台の側方に延びているアームボートを備えた手術台
で使用する外科手術用の覆布であって、その1実施例に
対応する図1を参照して説明すると、上記手術台の、ア
ームボートを除く本体部分の幅寸法よりも大きい幅寸法
と、該手術台の長手方向の長さ寸法とほぼ等しく又はそ
れよりも大きい長さ寸法とを有する長方形のシート
(1′)を基本部材とし、上記手術台上の患者を上記基
本部材であるシートで覆ったとき、該患者の腋下付近に
対応する点(a)から該シートの上縁(1c)に向け
て、側縁(1e,1f)と平行な切れ目(1g,1h)
が設けられており、上記の切れ目の長さ寸法をLとし、
前記の点(a)から最寄りの側縁までの距離をSとし
て、L>Sであり、前記の切れ目によって切り出された
幅S,長さLのシート片が基本部材であるシート
(1′)の側方に折り返されており、1辺の長さがほぼ
寸法Lである正方形のマチ(7)の隣接する2辺のそれ
ぞれが、前記の切れ目の1対の切口のそれぞれに対向せ
しめられて接合されていることを特徴とする。ただし、
前記の「患者を仰臥させたとき」とは、肩に相当する個
所を定義するための仮定条件であって、この覆布は仰臥
している患者に限ることなく適用し得る発明である。そ
して、本発明に係る袖部を有する外科手術用覆布の成形
方法は、手術台に患者を仰臥させたとき該患者の肩に相
当する個所の付近から手術台の側方に延びているアーム
ボートを備えた手術台で使用する外科手術用の覆布を形
成する場合、上記手術台の、アームボードを除く本体部
分の幅寸法よりも大きい幅寸法と、該手術台の長手方向
の長さ寸法とほぼ等しく又はそれよりも大きい長さ寸法
とを有する長方形のシート(1′)を基本部材とし、上
記手術台上の患者を上記基本部材であるシートで覆った
とき、該患者の腋下付近に対応する点(a)から該シー
トの上縁(1c)に向けて、側縁(1e,1f)と平行
な切れ目(1g,1h)を設け、上記の切れ目の長さ寸
法をLとし、前記の点(a)から最寄りの側縁までの距
離をSとして、L>Sならしめ、前記の切れ目によって
切り出された幅S,長さLのシート片を基本部材である
シート(1′)の側方に折り返し、1辺の長さがほぼ寸
法Lである正方形のマチ(7)の隣接する2辺のそれぞ
れを、前記の切れ目の1対の切口のそれぞれに対向せし
めて接合することを特徴とする。
【0013】
【作用】前記の構成よりなる本発明の外科手術用覆布の
1実施例に対応する図1(A)について見れば、患者の
腋下に相当する点aからシートの上縁1cまで、基本シ
ート1′の長辺である側縁1e,1fと平行に長さ寸法
Lの切れ目1g,1hが設けられている。この切れ目1
g,1hは長辺と平行であるから長さの制約が緩やかで
あって、その長さ寸法Lは基本シート1の幅寸法Wより
は著しく短いが図示の寸法Sよりも長い。このため、こ
の切れ目1g,1hによって切り出された長方形の片1
j,1kを側方へ折り返すと図1(B)のように寸法L
−Sだけ側方に張り出す。そこで、斑点を付して示した
マチ7を挿入して2辺を接合すると、患者3の腕を覆う
ことができる。この場合、上記のマチ7の接合部の長さ
寸法はほぼLであり、基本シート1の幅寸法Wよりも格
段に短いので加工設備が小形,軽量,安価で足り、加工
コストも割高である。
【0014】
【実施例】図1および図2は本発明方法によって本発明
に係る袖部を有する外科手術用覆布を構成した1例の説
明図であって、図1(A),図2(A),図2(B),
図1(B)の順に加工の工程を表わしている。図1
(A)に示した2は長方形の手術台であって、3は患者
である。この患者の肩の付近に位置せしめて、前記手術
台2から側方にアームボート5が延出していて、前記の
患者3はこのアームボート5に腕を乗せている。図示の
1対のアームボート5の両端の間の寸法をlとし、手術
台2の本体部分(アームボート5を除いた部分)の幅寸
法をWbとする。本図1(A)は、説明の手順として基
本シート1′で手術台2を覆った状態を模式的に描いて
あり、該基本シート1′の幅寸法Wは手術台の幅寸法W
bよりも大きく、アームボートの両端間の距離lよりも
小さい。1cは前記基本シート1′の上縁、1dは同じ
く下縁、1e,1fは同じく側縁である。患者3の腋下
付近の点aを設定する。この点aは実体を有するもので
はなく、設計手順として定めるものである。この点a
は、患者3の右側腋下と左側腋下との2点が定められ、
この点aから上縁1cに向けて、側縁1e,側縁1fと
平行に切れ目1g,1hを入れる。この際、該切れ目1
g,1hの長さをLとし、そのぞれの点aから最寄りの
側縁1e,1fまでの距離をSとして、S<Lとなるよ
うに関係各部の寸法を設定する。図示の1iは、切開手
術のため基本シート1′に設けられた開口である。本発
明を実施する際、この開口1iの位置および形状,寸法
は適宜に設定することができる。前記の切れ目1g,1
hによって、長方形の片1j,1kが切り出される。こ
れらの片1j,1kの幅寸法はS,長さ寸法はLであ
る。これらの片を図2(A)に示すように外側に折り広
げ、側縁1e,1fに対して直角ならしめて畳むと図2
(B)のようになる。このように折り畳んだ場合、上記
1対の片1j,1kは、それぞれ側縁1e,1fの外側
へ寸法L−Sだけ突出する。このため、上記1対の片1
j,1kの両端の間の距離はW+2(L−S)=W+2
L−2Sとなる。そして、本図2(B)に示したM区域
およびN区域には、前記の片を折り広げた跡の正方形状
のスペースを生じ、その1辺の寸法はLである。図1
(B)に示すように、上記の区域M,Nを覆う形に、1
辺の長さが寸法Lよりも若干大きい正方形のマチ7を当
てがい、それぞれのマチ7の2辺を基本シート1′に接
合(本実施例では接着剤による接着)する。このように
して、折り返した片1j,1kおよび接合したマチ7に
よって、患者3の腕およびアームボード5を覆い得るよ
うになる。この図1(B)の全体的輪郭はT字状をなし
ている。すなちわ、図4(A),(B)に示した何れの
方法にも属しない新規の方法によってT字状の覆布が形
成され、しかも、接着操作を必要とする個所の長さ寸法
は基本シート1の幅寸法Wよりも短い。以上のようにし
て本実施例では、(a)基本とする長方形のシートの枚
数が1枚で足り、(b)上記長方形のシートの幅寸法よ
りも短い接合加工で足り(従って加工設備が小形,軽量
で、製品コストが安く)、(c)患者の腕を側方に広げ
させて、これを覆うことができる、という効果が得られ
た。以上に説明した本実施例の構成を前述した各公知技
術に比較すると次のごとくである。図3〜図8に示した
公知の手術用ドレープは、袖部を形成するために2枚の
長方形のシート(横腕部分16と胴体部10)を縦,横
に並べて、長さ寸法W(シートの横幅)の接合操作を必
要としたが、本実施例においては1枚の基本シート1′
と2枚のマチ7とによって構成され、その接合長さは約
寸法Lであって、上記寸法Wよりも著しく短い。図9,
図10に示した公知の外科用覆いも、2枚のシート(1
4A,15A)を縦,横に並べて長い距離の接合を必要
としたが、本実施例は1枚の基本シート1′と2枚のマ
チ7とを、比較的短い寸法Lの接合操作で構成し得る。
【0015】図11,12に示した公知の外科用ドレー
プは、2枚の長方形部分(1B,2B)を縦,横に並べ
て、長方形部分1Bの幅寸法Wよりも長い継ぎ目5Bに
沿って接合されているが、本実施例では1枚の基本シー
ト1′と2枚のマチ7とを、接合部の長さL<Wで接合
して構成することができる。図13に示した公知のマチ
付き覆布は、その(B)図に示したように切れ目8Cが
長方形のシート7Cの短辺と平行に設けられているた
め、腕覆い(袖部)を形成することが出来なかったが、
本実施例は図1(A)に示したように切れ目1g,1h
を側縁(長辺)1e,1fと平行に設けて、長さ寸法L
>Sとしたので図1(B)に示すように患者3が側方に
広げた腕、およびアームボード5を覆うことができ、さ
らに麻酔用アーチ若しくはスタンドを覆うこともでき
る。
【0016】図1,図2に示した実施例においては、1
枚の基本シート1′に2本の切れ目1g,1hを入れて
2枚のマチ7を接合したが、上記実施例の変形例とし
て、左,右いずれか1本の切れ目を入れて1枚のマチ7
を接合することもでき、患者が側方に広げた片手を覆う
場合に実用的効果が得られる。
【0017】
【発明の効果】以上に実施例を挙げて説明したように、
本発明は、患者の肩に相当する個所の付近から手術台の
側方に延びているアームボートを備えた手術台で使用す
る外科手術用の覆布を形成する場合、上記手術台の、ア
ームボートを除く本体部分の幅寸法よりも大きい幅寸法
と、該手術台の長手方向の長さ寸法とほぼ等しく又はそ
れよりも大きい長さ寸法とを有する長方形のシート
(1′)を基本部材とし、上記手術台上の患者を上記基
本部材であるシートで覆ったとき、該患者の腋下付近に
対応する点(a)から該シートの上縁(1c)に向け
て、側縁(1e,1f)平行な切れ目(1g,1k)を
設け、上記の切れ目の長さ寸法をLとし、前記の点
(a)から最寄りの側縁までの距離をSとして、L>S
ならしめ、前記の切れ目によって切り出された幅S,長
さLのシート片を基本部材であるシート(1′)の側方
に折り返し、1辺の長さがほぼ寸法Lである正方形のマ
チ(7)の隣接する2辺のそれぞれを、前記の切れ目の
1対の切口のそれぞれに対向せしめて接合するという、
全く新規な方法によって、新規な構成の袖部を有する外
科用覆布を形成し、この新規な外科用覆布は1枚の基本
シートと2枚若しくは1枚のマチを用いて容易に安価に
(短い接合長さで)構成され、しかも患者が側方に広げ
た腕を覆うことができ、さらに麻酔用アーチやスタンド
を覆うこともできるという優れた実用的効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外科手術用覆布の1実施例を示
し、(A)は基本シートと手術台との寸法関係を表わし
た説明図、(B)は完成品と患者との関係を表わした平
面図である。
【図2】上記実施例における形成の工程を示し、(A)
は切り出された片1j,1kを開く工程の説明図、
(B)は上記の片1j,1kを折り畳んだ状態の平面図
である。
【図3】公知の手術用ドレープの1例を示し、患者に覆
いかけた状態を描いた斜視図である。
【図4】患者の腕を覆うためのT字形ドレープの成形に
関する公知技術を示す平面図である。
【図5】前記公知の手術用ドレープの1例を示し、要部
の寸法記号を記入した平面図である。
【図6】上記公知の手術用ドレープを成形する場合の切
れ目を説明するための要部平面図である。
【図7】(A)は上記の切れ目を入れた部分を折り返し
た状態の平面図、(B)は上記返した部分をさらに折り
広げて胴体部と重ね合わせて接合する作業の説明図であ
る。
【図8】前記公知の手術用ドレープの変形例として、股
覆い部を併設する作業の説明図である。
【図9】公知の外科用覆いの1例を示し、両腕を拡げた
患者に覆い掛けた状態の斜視図である。
【図10】上記公知の外科用覆いの1例を示し、各構成
部材の接合を完了した状態の平面図である。
【図11】公知の外科用ドレープの1例を示し、患者の
首よりも上方を折り上げた状態の斜視図である。
【図12】上記公知のドレープの成形工程を示し、
(A),(B)は分解図、(C)は完成図である。
【図13】公知のマチ付き覆布の1例を示し、(A)は
患者を覆うとともにスタンドに張り渡した状態の斜視
図、(B)は成形工程を示す平面図、(C)は同じく斜
視図である。
【符号の説明】
1…T字形のドレープ、1′…基本シート、1c…上
縁、1d…下縁、1e,1f…側縁、1g,1h…切れ
目、1i…開口、1j,1k…前記の切れ目によって切
り出された片、2…手術台、3…患者、5…アームボー
ド、7…マチ、9A…手術台、10…胴体部、15…横
腕部分(袖部)、17…切れ目、18…フラップ、W…
長方形のシートの横幅寸法。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手術台に患者を仰臥させたとき該患者の
    肩に相当する個所の付近から手術台の側方に延びている
    アームボードを備えた手術台で使用する外科手術用の覆
    布であって、 上記手術台の、アームボードを除く本体部分の幅寸法よ
    りも大きい幅寸法と、該手術台の長手方向の長さ寸法と
    ほぼ等しく又はそれよりも大きい長さ寸法とを有する長
    方形のシート(1′)を基本部材とし、 上記手術台上の患者を上記基本部材であるシートで覆っ
    たとき、該患者の腋下付近に対応する点(a)から該シ
    ートの上縁(1c)に向けて、側縁(1e,1f)と平
    行な切れ目(1g,1h)が設けられており、 上記の切れ目の長さ寸法をLとし、前記の点(a)から
    最寄りの側縁までの距離をSとして、L>Sであり、 前記の切れ目によって切り出された幅S,長さLのシー
    ト片が基本部材であるシート(1′)の側方に折り返さ
    れており、 1辺の長さがほぼ寸法Lである正方形のマチ(7)の隣
    接する2辺のそれぞれが、前記の切れ目の1対の切り口
    のそれぞれに対向せしめられて接合されていることを特
    徴とする、袖部を有する外科手術用覆布。
  2. 【請求項2】 前記の基本部材であるシート(1′)
    は、これを患者に覆い掛けたとき該患者の胴体の何れか
    の部分に対応する切開手術用の開口が設けられているこ
    とを特徴とする、請求項1に記載した袖部を有する外科
    手術用覆布。
  3. 【請求項3】 前記長方形のシート(1′)の幅寸法を
    Wとし、前記の手術台の両側に延び出した1対のアーム
    ボートの両端の間の寸法をlとして、W<lであること
    を特徴とする、請求項1に記載した袖部を有する外科手
    術用覆布。
  4. 【請求項4】 前記の各寸法について、(W+2L−2
    s)>lであることを特徴とする、請求項3に記載した
    袖部を有する外科手術用覆布。
  5. 【請求項5】 前記の基本部材であるシート(1′)の
    1枚について、前記の切れ目の数およびマチの数がそれ
    ぞれ1個であることを特徴とする、請求項1に記載した
    袖部を有する外科手術用覆布。
  6. 【請求項6】 前記の基本部材であるシート(1′)の
    1枚について、前記の切れ目の数およびマチの数がそれ
    ぞれ2個であることを特徴とする、請求項1に記載した
    袖部を有する外科手術用覆布。
  7. 【請求項7】 手術台に患者を仰臥させたとき該患者の
    肩に相当する個所の付近から手術台の側方に延びている
    アームボートを備えた手術台で使用する外科手術用の覆
    布を形成する場合、 上記手術台の、アームボートを除く本体部分の幅寸法よ
    りも大きい幅寸法と、該手術台の長手方向の長さ寸法と
    ほぼ等しく又はそれよりも大きい長さ寸法とを有する長
    方形のシート(1′)を基本部材とし、 上記手術台上の患者を上記基本部材であるシートで覆っ
    たとき、該患者の腋下付近に対応する点(a)から該シ
    ートの上縁(1c)に向けて、側縁(1e,1f)と平
    行な切れ目(1g,1h)を設け、 上記の切れ目の長さ寸法をLとし、前記の点(a)から
    最寄りの側縁までの距離をSとして、L>Sならしめ、 前記の切れ目によって切り出された幅S,長さLのシー
    ト片を基本部材であるシート(1′)の側方に折り返
    し、 1辺の長さがほぼ寸法Lである正方形のマチ(7)の隣
    接する2辺のそれぞれを、前記の切れ目の1対の切口の
    それぞれに対向せしめて接合することを特徴とする、袖
    部を有する外科手術用覆布の成形方法。
  8. 【請求項8】 前記の基本部材であるシート(1′)
    に、これを患者に覆い掛けたとき該患者の胴体の何れか
    の部分に対応する切開手術用の開口を設けることを特徴
    とする、請求項7に記載した袖部を有する外科手術用覆
    布の成形方法。
  9. 【請求項9】 前記長方形のシート(1′)の幅寸法を
    Wとし、前記の手術台の両側に延び出した1対のアーム
    ボートの両端の間の寸法をlとして、W<lとすること
    を特徴とする、請求項7に記載した袖部を有する外科手
    術用覆布の成形方法。
  10. 【請求項10】 前記の各寸法について、(W+2L−
    2S)>lとすることを特徴とする、請求項9に記載し
    た袖部を有する外科手術用覆布の成形方法。
  11. 【請求項11】 前記の基本部材であるシート(1′)
    の1枚について、前記の切れ目の数およびマチの数をそ
    れぞれ1個とすることを特徴とする、請求項7に記載し
    た袖部を有する外科手術用覆布の成形方法。
  12. 【請求項12】 前記の基本部材とするシート(1′)
    の1枚について、前記の切れ目の数およびマチの数をそ
    れぞれ2個であることを特徴とする、請求項7に記載し
    た袖部を有する外科手術用覆布の成形方法。
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