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JPH0789863B2 - ペルオキシダ−ゼを配合した飲料用クリ−ム - Google Patents
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JPH0789863B2 - ペルオキシダ−ゼを配合した飲料用クリ−ム - Google Patents

ペルオキシダ−ゼを配合した飲料用クリ−ム

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JPH0789863B2
JPH0789863B2 JP13541786A JP13541786A JPH0789863B2 JP H0789863 B2 JPH0789863 B2 JP H0789863B2 JP 13541786 A JP13541786 A JP 13541786A JP 13541786 A JP13541786 A JP 13541786A JP H0789863 B2 JPH0789863 B2 JP H0789863B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ペルオキシダーゼを配合したコーヒー、紅茶
等の飲料用クリームに関する。本発明のクリームは、飲
用時にコーヒー、紅茶中に発生する過酸化水素を分解す
ることによつて、当該飲料の細胞毒性を低下せしめ、ま
た同時に当該飲料の突然変異原性を不活性化せしめるこ
とを目的とする。
(従来技術) 食品中の変異原をペルオキシダーゼにより消去すること
は、本発明者らの発明に係る特開昭60−6294号公報に開
示されているが、本発明はその改良に関するものであ
る。
(発明が解決しようとする技術課題) 飲食品の安全性がヒトの健康にとつて重大な問題である
ことは言うまでもない。ここで、飲食品の安全性とは具
体的には飲食品がヒトの健康に悪影響を及ぼすもの(病
原菌,毒物)を含有していないことを基本的に意味して
いる。食品産業により生産された製品の微生物管理につ
いては、各社とも厳重な滅菌、除菌工程を施しており、
また脱酸素剤のように微生物の生育を困難にさせる基剤
も開発されているため問題化することは現在では稀であ
る。しかしながら、毒物については、未解決の問題が多
く残つている。すなわち、フリルフラマイド(AF−
2)、サイクラミン酸塩(チクロ)、過酸化水素のよう
に発癌性が明らかにされた食品添加物については使用が
禁止されたり、残留してはならないとされ、食品添加物
から排除されてきたが、アクイライド(Aquilide)Aの
ように食用にする植物に本来含まれる発癌物質や、Trp
−P−1,MeIQのように食肉の調理過程で内因的に生成す
る発癌物質については、それらの危険性を単なる法的規
制によつて排除することはできない。
このため、これらの毒物に対する分解・除去方法の開発
は、現にこれらの物質を含む飲食品を摂取するヒトの健
康にとつて最も重要な課題となつてきている。
本発明者らは、コーヒーのヒト小腸細胞に対する細胞毒
性や突然変異原性について検討した結果、コーヒーをつ
くつた直後に(すなわち、インスタントコーヒーの場
合、コーヒー粉末を水あるいはお湯で溶かした直後、レ
ギュラーコーヒーの場合、焙煎したコーヒー豆を抽出し
た直後)、過酸化水素がコーヒー成分の自動酸化により
発生することを認めた(第1図)。
第1図によれば、過酸化水素は、コーヒー粉末を水に溶
かした直後から発生し、その濃度は時間の経過とともに
上昇した。これに対して、嫌気条件下(100%N2)でつ
くつたコーヒー溶液では過酸化水素は検出されなかつ
た。好気条件下でつくつたコーヒーを嫌気条件下に移す
と過酸化水素濃度の上昇は止まるが、濃度低下は見られ
なかつた。
同様な報告は、ナガオ(Nagao),M.ら、Banbury Report
17:Coffee and Health,pp69−77,Cold Spring Harbor
Laboratory,1984にもなされている。
過酸化水素の濃度はインスタントコーヒー(15mg粉末/m
l,溶解5分後)で2.4±1.2ppm、レギュラーコーヒーで1
0.6±4.8ppmであつた。しかして、後述の実施例に示す
とおり、過酸化水素を酵素的に分解すると、コーヒーの
上記細胞毒性は著しく低下し、突然変異原性もほとんど
消失することが本発明者らにより見出された。過酸化水
素が両毒性の主因と考えられる。
また、コーヒー以外の飲料については過酸化水素の発生
の有無及び程度を調べた結果、コーヒーよりは濃度が低
いものの、紅茶にも過酸化水素が1ppm前後発生するこ
と、及び過酸化水素を酵素的に分解することにより紅茶
のヒト小腸細胞への毒性、あるいは突然変異原性も低下
することが明らかになつた。
過酸化水素の毒性は既に明らかにされているとおりであ
り〔イトウ(Ito),A.ら,Gann,Vol.73,315−322,1982;
タツカー(Thacker),J.,Mutation Res.,Vol.33,147−1
56,1975〕、加熱工程(焙煎,調理を含む)や乾燥工程
を含む飲食品から過酸化水素が発生すれば、突然変異原
性や細胞毒性に関して好ましくない影響を有すると考え
られる。
従つて、これを酵素的に分解することは、日常的にこれ
らの飲食品を摂取するヒトの健康を守る上で十分に有意
義であると考えられる。因みに、厚生省は食品における
過酸化水素の残留をゼロにするように告示している(19
80)。また、現在市販されているコーヒー、紅茶用クリ
ームのうち、粉状、あるいは液状のもの併せて10種につ
いて調べたところでは、いずれも過酸化水素を分解せ
ず、コーヒー、紅茶の細胞毒性や突然変異原性も各クリ
ーム添加により全く変化しなかつた(第2図及び第3
図)。
第2図は、市販クリーム(3種;他に7種について検討
した)は、コーヒーの突然変異原性に対していずれも何
ら影響を与えなかつたことを示す。
第3図は、市販クリーム(クリーミングパウダー)はコ
ーヒーのヒト小腸細胞に対する細胞毒性に関して何ら効
果を示さなかつたことを示す。なお、クリームは4種類
(4ブランド)検討したが、全て第3図の白丸と同一の
結果を示したので、3種類(3ブランド)については省
略した。また、作図上、白丸と黒丸をずらして書いてあ
るが、本来同一点を示す。
本発明は、飲用時、コーヒー、紅茶等の中に過酸化水素
が発生し、両飲料の細胞毒性、突然変異原性の原因を構
成しているという新しい知見を基に、コーヒー、紅茶用
クリームに過酸化水素を分解する酵素であるペルオキシ
ダーゼ(donor:H2O2−oxidoreductase,EC1.11.7)を配
合せしめ、当該クリームを使用することにより簡便な方
法で、コーヒー、紅茶中の過酸化水素を完全に分解さ
せ、過酸化水素の毒性(発癌性、突然変異原性、クラス
トジエネシテイー(clastogenicity)、細胞毒性)を消
失させることを意図している。
(発明の構成) 本発明は、ペルオキシダーゼを配合した飲料用クリーム
である。本発明に使用するペルオキシダーゼとしては、
ラクトペルオキシダーゼ、グルタチオンペルオキシダー
ゼの様な動物由来のもの、小麦胚芽や西洋ワサビのペル
オキシダーゼの様に植物に由来するもの、及び微生物に
由来するもののうち安全性の確かめられたものが使用の
対象となり得る。これらのペルオキシダーゼのうち、耐
熱性、安全性、安定性等から植物性のペルオキシダーゼ
が本発明の用途に特に適している。とりわけ、本発明で
用いる植物性ペルオキシダーゼは最終的にはヒトに摂取
されるので、昔から食用にされている植物(例えば、西
洋ワサビ、小麦胚芽、米胚芽)から安全な精製法により
分離・精製されたものを用いることが望ましい。但し、
分散性、溶解性、熱凝固性等の実用面で問題がなければ
粗精製品であつても充分である。
ペルオキシダーゼはクリームに配合する際の操作上、賦
形剤を用いて扱いを容易にしてもよい。賦形剤としては
安全で食用上、嗜好性上問題がなく吸湿性、反応性の低
いものが好ましい。例えば、ラクトースなどが適してい
る。
ペルオキシダーゼを配合するに当たつてのクリームの種
類は特に限定されない。クリームを粉末化したインスタ
ント粉末クリームあるいは液状クリームのいずれでもよ
いし、また牛乳由来のものでも、植物油脂で乳脂肪を置
換したものでも、配合するペルオキシダーゼ活性やその
安定性に大きな差異を生じさせない。
クリームにペルオキシダーゼを配合する場合、クリー
ムが粉末の場合は、賦形剤で増量した粉状のペルオキシ
ダーゼ製剤を粉体混合するか、賦形剤とともに液状に
したペルオキシダーゼを噴霧造粒法や流動層造粒法で配
合することができ、あるいはクリームが液状の場合
は、賦形剤を用いることなく、粗精製、もしくは精製し
たペルオキシダーゼをクリームに溶解すればよい。配合
割合は使用するペルオキシダーゼの耐熱性と飲料時の飲
料の温度によつて設定が変わるが、ペルオキシダーゼ活
性が粉末クリームの場合、0.5〜60単位/gクリーム、ま
た液状クリームの場合、0.4〜50単位/ml(単位はいずれ
もプルプロガリン単位)になるように配合する。
以下、実施例により本発明を詳述するが、先ず、用いた
試験法およびペルオキシダーゼの種類は次のとおりであ
る。
I)過酸化水素濃度の測定 被験体溶液を酸素測定反応槽〔Type BOM−11,(株)石
川製作所,東京〕に入れ、外気と遮断した後、攪拌しな
がらカタラーゼ(牛肝臓製,Pharmacia P−L Biochemica
ls Inc.)1,500単位/10μlを添加し、過酸化水素の分
解により発生する酸素量を溶存酸素電極〔Type DG−5,
(株)石川製作所〕によつて測定した。過酸化水素濃度
は発生した溶存酸素濃度から算出した。
II)突然変異原性試験 突然変異原性はサルモネラ変異原性試験(Salmonella m
utagenicity test)(Ames,B.N.et al.,Mutation Res.,
Vol.31,347−364,1975)と、ジフテリア毒素耐性を指標
としたチヤイニーズハムスター肺線維芽細胞(CHL細
胞)(Nakasato,F.,Mutation Res.,Vol.141,109−112,1
984)を用いて行なつた。
(1)サルモネラ変異原性試験 プレインキュベーション法(Sugimura,T.およびM.Naga
o,:F.J.de SerresおよびA.Hollaender(共編),Chemica
l Mutagens,Principles and Methods for Their detect
ion,Vol.6,Plenum,ニユーヨーク,pp41−66,1980)によ
る。使用菌株はサルモネラ・テイフイムリウム(Salmon
ella typhimuritum)TA100株(以下、“S.TA100株”と
略す)を用いた。
(i)試料の調製 イ)コーヒー:インスタントコーヒー(粉末)は蒸留水
に溶かす。レギュラーコーヒーの場合、焙煎コーヒー豆
をその20g当り250mlの熱蒸留水で抽出し、抽出液をコー
ヒーフイルターペーパー(カリタ製No.12)で過す
る。液を凍結乾燥し、乾重量を測定後蒸留水に溶か
す。
ロ)クリーム:インスタント粉末クリームの場合は蒸留
水に所定濃度になるように溶かす。ペルオキシダーゼを
クリームに配合する場合はラクトースを賦形剤として所
定量を噴霧造粒法により配合した。液状クリーミングの
場合は、ペルオキシダーゼを所定量だけ添加し、溶解さ
せた。
ハ)紅茶:市販の紅茶2.5gを200mlの沸騰した蒸留水で
抽出し、抽出後に葉を除去し、抽出液を減圧下40℃でエ
バポレータにより乾燥させ、残渣をジメチルスルフオキ
サイド(DMSO)に溶解する。
(ii)突然変異原性の測定 上記イ)〜ハ)により得られた各試料を単独、あるいは
混合〔イ)とロ)、ロ)とハ)〕後いずれも100μlと
し、これに、500μlの100mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH7.4)と100μlのS.TA100株培養液を加えたものを
加える。この混合液を37℃で20分間振とう後、溶解した
2mlの軟寒天に混ぜ、0.1%グルコース寒天プレートに拡
げる。なお、前記軟寒天には菌をプレート上で数回分裂
させるのに必要な0.1μmole/2ml軟寒天/プレートのL
−ヒスチジンを加えておく。37℃で48時間静置後、プレ
ート上のコロニー数を復帰突然変異株として数える。
(2)ジフテリア毒素抵抗性細胞出現を指標とする突然
変異試験 Nakayasuらの方法により試験した〔Nakayasu,M.et al.,
Carcinogenesis,Vol.3,917−922,1982;坂本及び寺田、
トキシコロジーフオーラム,Vol.8(2),101−104,198
5〕。
突然変異原性試験開始の48時間前にCHL細胞を0.25%ト
リプシンを用いてフラスコより遊離させ、1×105個の
細胞を5.5cm2のチューブ(A/C,Nunc社)に移す。
被験体をCHL細胞と3時間37℃で培養した後、培養液を
除き、トリプシン処理で細胞を遊離し細胞を10%胎児牛
血清を含むVAMEM〔ビタミン類、アミノ酸類を加えたMEM
培地(Eagle′s minimum essential medium)〕で3回
洗う。細胞毒性の測定には、被験体と培養したCHL細胞
および被験体を含まない培養液で培養したCHL細胞を60m
mのシヤーレに200〜400個まき、7〜8日間培養する。
細胞をメタノールで固定し、ギムザ染色をする。細胞数
50個以上のコロニーをコロニーとして数える。細胞毒性
は細胞生存率として表わすが、生存率は、被験体処理細
胞のコロニー形成率の、未処理細胞のコロニー形成率に
対する比率であらわす。
突然変異率を測定するためには、細胞を被験体と培養し
た後、1×105〜3×105個の細胞を25cm2のフラスコに
移し、10mlの10%胎児牛血清を含む培養液で7〜8日間
(発現期間に相当する)培養する。この間1回、細胞を
トリプシンではがし、他のフラスコに播きなおし、細胞
を常に増殖期の状態に保つておく。発現期間の後、2.5
×105個の細胞を90mmのシヤーレに移し、10mlの10%胎
児牛血清を含むVAMEMを加える。3〜4時間後、ジフテ
リア毒素を0.1Lf/mlの濃度で加える。同時に発現期間
後、200〜400個の細胞を60mmのシヤーレに移し、5mlの1
0%胎児牛血清を含むVAMEMで7〜8日間培養し、コロニ
ー形成率を測定する。突然変異率はジフテリア毒素存在
下に形成したコロニー数を毒素の存在しない状態におけ
るコロニー数で割り、2.5×105生存細胞あたりの突然変
異率としてあらわす。
この系における変異原性の強さはサルモネラ菌に対する
変異原性の強さより、その被験体の発癌性の強さとより
よい相関関係がある。
(3)ヒト小腸細胞に対する細胞毒性試験 ヒト小腸上皮細胞(Intestine407)を、6穴シヤーレ
(底面積9.6cm2×6)に9.2×103細胞/2mlずつ播き、10
%胎児牛血清を含むMEM培地(Eagle′s minimal essent
ial medium)中で3日間CO2ガス培養器により培養す
る。3日後、MEMを取り除き、被験体をMEM又はPBSにて
溶解し、2mlずつシヤーレに加え3時間CO2ガス培養器中
に放置後、被験体を含むMEM又はPBSを除去する。更にME
Mを交換し、3日間培養する。培養後、細胞をPBSで洗浄
し、メタノール固定後ギムザ染色を行なう。細胞毒性
(細胞障害度)は5段階評価する。
III)ペルオキシダーゼ 下記のペルオキシダーゼについて試験した。
(1)ペルオキシダーゼ〔西洋ワサビ由来;120単位/m
g:東洋紡績(株)、大阪〕 (2)ペルオキシダーゼ〔西洋ワサビ由来;180単位/m
g:天野製薬(株)、名古屋〕 ※いずれも、プルプロガリン単位 実施例 (1)ペルオキシダーゼ配合のクリームのコーヒー、紅
茶中の過酸化水素分解効果 前記II)(i)イ)およびハ)の方法で調製したレギユ
ラーコーヒー及び紅茶中に20分間に発生する過酸化水素
に対し、ペルオキシダーゼ配合のクリーム(西洋ワサビ
由来、6プルプロガリン単位/g粉末クリーム)をコーヒ
ーもしくは紅茶各150ml当り3g添加すると瞬時にこれを
分解した(第4図)。クリームの添加量はレギュラーコ
ーヒー、紅茶とも1ml当たり20mgであつた。
(2)過酸化水素の分解と突然変異原性の不活性化蒸留
水にインスタントコーヒーを溶かして10分経過後、ペル
オキシダーゼ(西洋ワサビ製、10単位/mlコーヒー)を
添加し過酸化水素を分解した。このとき、S.TA100に対
する突然変異原性も不活性化した(第5図)。第5図に
よれば、コーヒーの突然変異原性は、コーヒー中に発生
する過酸化水素量と密な相関関係をもつが、ペルオキシ
ダーゼは過酸化水素と変異原性を極めて有効に消失させ
ることが認められる。また、ペルオキシダーゼを限外ロ
過により取り除くと、両者とも再び元のレベルまで戻る
ことから、本酵素の作用は可逆的であることもわかつ
た。但しペルオキシダーゼで長時間(少くとも1時間)
処理するか、ペルオキシダーゼの基質となる電子受容体
を添加し、コーヒー中の電子供与体を完全に反応消費す
れば、コーヒー中の過酸化水素に由来する変異原は不可
逆的で消失する。
第6図AおよびBは、コーヒーの変異原性をペルオキシ
ダーゼ(POD)の長時間処理によつて不可逆的に不活性
化する方法について、データとして示すものである。PO
Dを配合しないときのコーヒーのS.テイフイムリウムTA1
00株に対する変異原性を100%とすると、POD(0.125〜
1.25単位/mlコーヒー溶液)を配合し、かつ長時間反応
させたときほど変異原性は不可逆的に消失し、例えばPO
D(前記濃度)を2時間37℃で振とうしながら反応させ
ると変異原性の約90%は不可逆的に失活する。
一方、上記の結果は、CHL細胞においても確められた。
すなわち、インスタントコーヒーのCHL細胞に対する突
然変異原性はペルオキシダーゼ配合クリームの添加(5
単位/mlコーヒー)により著しく低減した。(第7
図)。ペルオキシダーゼの効果は、哺乳動物を対象とし
ても確認された。
(3)ペルオキシダーゼ配合クリームによるコーヒー及
び紅茶の細胞毒性の軽減。
市販のクリーム(クリーミングパウダー)にペルオキシ
ダーゼ〔東洋紡績(株)製〕を噴霧造粒して配合クリー
ムを製造した。本クリームをPBS(リン酸生理食塩水)
に0.015単位分/ml添加したところ、インスタントコーヒ
ー及び紅茶のヒト小腸上皮細胞に対する細胞毒性を著し
く軽減した(第8図,第9図)。ペルオキシダーゼを配
合しないクリームでは何ら効果は認められなかつた(第
8図,第9図)。クリームとしては、他に市販のクリー
ミングパウダー3種、液状クリーム2種について、コー
ヒーや紅茶に添加しその効果を検討したが、クリーム無
添加コーヒーと同一結果を示し、細胞毒性に関し効果は
認められなかった。
(4)ペルオキシダーゼ配合クリームの耐熱性。
本クリームの耐熱性について検討した。前述した効果を
示すのに充分な酵素活性は、10分間の煮沸で失なわれた
が、コーヒー、紅茶の通常の飲用形態を想定した条件、
すなわち、80℃、10分間処理では、1gあたり6単位の酵
素を含むクリームは、過酸化水素の分解、細胞毒性、突
然変異原性の著しい低下作用を発揮した。酵素量を10倍
に増やせば、90℃で5分間処理しても充分な酵素活性を
残し、飲用時に沸騰水がコツプ内でさめるわずかの時間
(通常1〜2分程度)を見込めば充分に実用性がある。
また、クリームの変質劣化、溶解性や凝固性の悪化等品
質の低下は、ペルオキシダーゼを配合したことにより生
じなかつた。同時に、本クリームのコーヒー、紅茶の嗜
好性に及ぼす影響については、ペルオキシダーゼを配合
したことにより、味、香りは損なわれておらず、この点
についても実用上問題はなかつた。
調製例(ペルオキシダーゼ配合クリーム) 合成クリーム製造の常法に準じて、合成クリーム1g当り
6単位のペルオキシダーゼを含むクリームを製造した。
すなわち、米糠油、硬化ヤシ油からなる原料油脂に、
水、コーンシロツプ、大豆蛋白、乳酸ステロールナトリ
ウム、ポリソルベート、二リン酸ナトリウム、二リン酸
カリウム、ピロリン酸およびペルオキシダーゼを配合
し、ホイツプを行なつた。ついで65℃にて、均質化し、
バツチ式殺菌を80℃10分間行ない、その後急速冷却し、
5℃にて10時間エージングし、ペルオキシダーゼ配合ク
リームを得た。ペルオキシダーゼは乳化剤としても作用
し、乳化を安定させた。
【図面の簡単な説明】
第1図はコーヒー溶液からの過酸化水素発生を示すグラ
フであり、 第2図は市販クリームがコーヒーの突然変異原性を不活
性化しないことを示すグラフであり、 第3図は市販クリームがコーヒーのヒト小腸細胞に対す
る細胞毒性を不活性化しないことを示すグラフであり、 第4図はペルオキシダーゼ配合クリームのコーヒー、紅
茶中の過酸化水素分解効果を示すグラフであり、 第5図は、コーヒー中に発生した過酸化水素量と突然変
異原性との関係を、ペルオキシダーゼによるこれらの不
活性化により調べた結果を示すグラフであり、 第6図Aはコーヒーの変異原性の不可逆的な不活性化の
検討方法を示す工程図であり、 第6図Bはコーヒーの変異原性の不可逆的な不活性化を
示すグラフであり、 第7図はペルオキシダーゼ配合クリームによるインスタ
ントコーヒーの突然変異原性の不活性化を示すグラフで
あり、 第8図はペルオキシダーゼ配合クリームによるコーヒー
の細胞毒性の軽減を示すグラフであり、 第9図はペルオキシダーゼ配合クリームによる紅茶の細
胞毒性の軽減を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペルオキシダーゼを配合したことを特徴と
    する飲料用クリーム。
JP13541786A 1986-06-11 1986-06-11 ペルオキシダ−ゼを配合した飲料用クリ−ム Expired - Lifetime JPH0789863B2 (ja)

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