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JPH0789957B2 - 腸炎ビブリオ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 - Google Patents
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JPH0789957B2 - 腸炎ビブリオ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法 - Google Patents

腸炎ビブリオ菌検出のためのオリゴヌクレオチドおよびそれを用いた検出法

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JPH0789957B2
JPH0789957B2 JP18568289A JP18568289A JPH0789957B2 JP H0789957 B2 JPH0789957 B2 JP H0789957B2 JP 18568289 A JP18568289 A JP 18568289A JP 18568289 A JP18568289 A JP 18568289A JP H0789957 B2 JPH0789957 B2 JP H0789957B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、臨床検査、殊に食中毒にかかる検査、あるい
は、食品検査での腸炎ビブリオ菌(Vibrio parahaemoly
ticus)の検出に関するものである。
[従来の技術と問題点] 検査材料が患者の嘔吐物、糞便、食品または拭き取り材
料の場合、腸炎ビブリオ菌と同定するまでには、増菌培
養、分離培養を経て鑑別培養に至る操作を行わなければ
ならない。各培養段階に要する時間は、増菌培養で10〜
16時間、分離培養で18〜24時間、鑑別培養で18〜24時間
かかり、総所要時間にすると2〜4日間となり、長時間
を要する。鑑別培養における試験では、NaCl加寒天培地
での発育試験、グラム染色、オキシダーゼ試験等を行う
必要があり、操作的にも煩雑で、時間や費用もかかる。
また、腸炎ビブリオ菌が産生する耐熱性溶血毒の検出法
として、抗毒素血清より得た特異免疫グロブリンを用い
た逆受身赤血球凝集反応があるが、結果を得るまでに20
〜24時間を要する。一方、最近では、オリゴヌクレオチ
ドを用いたDNAプローブ法あるいはハイブリダイゼーシ
ョン法が試みられるようになってきた。しかし、オリゴ
ヌクレオチドを標識修飾したプローブにより膜上、ある
いは他の支持体上でハイブリダイゼイションを行い、こ
れを検出する場合、細菌検査において十分な検出感度と
選択性を得るのが難しい。
[発明の目的] 本発明は、オリゴヌクレオチドを核酸合成反応のプライ
マーとして機能させた遺伝子増幅技術により腸炎ビブリ
オ菌由来のtdh遺伝子を検出するもので、簡便、迅速か
つ高感度な検出法を食中毒菌検査において提供すること
にある。
[問題点を解決するための手段および作用] 本発明は、腸炎ビブリオ菌のtdh遺伝子と選択的にハイ
ブリダイズするオリゴヌクレオチドを作製し、このオリ
ゴヌクレオチドをプライマーとして遺伝子増幅に用い、
腸炎ビブリオ菌を選択的に検出することを特徴としてい
る。ここで、本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明者
の当該分野におけるこれまでの幅広い経験と総合的な知
識の集積から、先ず次の〜の観点に基づき望ましい
塩基配列を絞り込み、 標的遺伝子(すなわち検出されるべき遺伝子)が、当
該菌種に特有の病原因子の遺伝子であること それぞれオリゴヌクレオチドを適当に組合わせて遺伝
子増幅法のプライマーとして使用する場合に、その増幅
領域の大きさが200〜500bp程度であること。
それぞれのオリゴヌクレオチドが19〜25個程度の塩基
からなり、そのうちのGおよびCの構成比が50%程度で
あること それぞれのオリゴヌクレオチドの塩基配列が他菌を有
する塩基配列とホモロジーを有しないこと Tm(℃)が特定温度以上であること(但し、Tmとは、
オリゴヌクレオチドと標的遺伝子とのハイブリッドの半
分量が解離する温度で、ハイブリッドの安定性を示す指
標となる) 次に選び出したオリゴヌクレオチドを組合わせて遺伝子
増幅法のプライマーとし、遺伝子増幅法およびアガロー
スゲル電気泳動法を用いて、その選択性について検討し
て決定した。
遺伝子増幅は、Saikiらが、開発したPolymerase Chain
Reaction法(以下、略してPCR法;Science.230,1350(19
85))をもとに行っている。この方法は、ある特定のヌ
クレオチド配列領域(本発明の場合は腸炎ビブリオ菌の
tdh遺伝子)を検出する場合、その領域の両端の一方は
+鎖を他方は−鎖をそれぞれ認識してハイブリダイゼー
ションするようなオリゴヌクレオチドを用意し、それを
熱変性により1本鎖状態にした試料核酸に対し鋳型依存
性ヌクレオチド重合反応のプライマーとして機能させ、
生成した2本鎖核酸を再び1本鎖に分離し、再び、同様
な反応を起こさせる。この一連の操作を繰り返すことで
2つのプライマーにはさまれた領域は検出できるまでに
コピー数が増大してくる。検体としては、臨床検査材
料、例えば、糞便、尿、血液、組織ホモジェネートな
ど、また、食品材料でもよい。これら材料をPCRの試料
として用いるには、材料中に存在する菌体から核酸成分
を遊離させる操作が前処理として必要となる。しかし、
プライマーがハイブリダイズできる核酸が数分子から数
十分子以上存在すればPCRは進むので、検査材料を溶菌
酵素、界面活性剤、アルカリ等で短時間処理するだけで
PCR反応を進行させるに十分な核酸量を持った試料液が
調製できる。本発明でプライマーとして用いられるオリ
ゴヌクレオチドは、選択性や検出感度および再現性から
考えて、10塩基以上、望ましくは15塩基以上の長さを持
ったヌクレオチド断片で、化学合成あるいは天然のどち
らでもよい。また、プライマーは、特に検出用として標
識されていなくてもよい。プライマーが規定している腸
炎ビブリオ菌のtdh遺伝子のヌクレオチド配列における
増幅領域は、50塩基から2,000塩基、望ましくは、100塩
基から1,000塩基となればよい。鋳型依存性ヌクレオチ
ド重合反応には、耐熱性DNAポリメラーゼを用いている
が、この酵素の起源については90〜95℃の温度で活性を
保持していれば、どの生物種由来でもよい。熱変性温度
は、90〜95℃、プライマーをハイブリダイズさせるアニ
ーリング操作の温度は37〜65℃、重合反応は50〜75℃
で、これを1サイクルとしたPCRを20から42サイクル行
って増幅させる。検出は酵素反応液をそのまま、アガロ
ースゲル電気泳動にかけることで増幅されたヌクレオチ
ド断片の存在、およびその長さが確認できる。その結果
から、検体中に、プライマーが認識すべき配列を持った
ヌクレオチドが存在しているかどうか判定することがで
きる。この判定は、そのまま腸炎ビブリオ菌の有無を判
定するものとなる。増幅されたヌクレオチド断片の検出
には、その他の電気泳動やクロマトグラフィーも有効で
ある。
[実施例] (実施例1) 検体の調製 腸炎ビブリオ菌は表1の縦の見出しに示した5株を用い
てそれぞれを適当な増菌培地に接種し、37℃、好気的条
件下で終夜培養を行い、その培地、1.5mlから遠心操作
により菌体を回収した。10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.
5)で1回洗浄後、同緩衝液にリゾチームを1mg/mlとな
るように溶かした液、0.5mlで懸濁させ、37℃、10分で
溶菌させた。溶菌液に前記緩衝液で飽和させたフェノー
ルを同容量加え、よく撹はんした。遠心後、上層液を回
収し、エタノール沈澱処理を行って核酸成分を沈澱さ
せ、その沈澱物を前記緩衝液、1mlに溶かして、これを
検体とした。
プライマーの合成 腸炎ビブリオ菌のtdh遺伝子の塩基配列(Nisibuchi,M.a
nd Kaper,J.B.;J.Bacteriol.162,558−564(1985))か
ら、特許請求範囲第1項に示した配列を選び、それと同
じ配列を持つオリゴヌクレオチドを化学合成した。化学
合成は島津DNA合成機NS−1を用い、トリエステル法に
より行った。合成したオリゴヌクレオチド断片の精製は
C18逆相カラムを用いて行った。
PCR 前記検体液を3μlを用いそれに滅菌蒸留水16.05μ
l、10×反応用バッファー3μl、dNTP溶液4.8μl、
プライマー(a)1.5μl、プライマー(b)1.5μlそ
して耐熱性DNAポリメラーゼ0.15μlを加え、30μlの
反応液を調製した。この反応液の入った容器にミネラル
オイル(SIGMA社製)を50μl加え反応液上に重層す
る。各添加された液の内容を下記に示す。
10×反応用バッファー:500mM KCl,100mM Tris−HCl
(pH8.3),15mM MgCl2,0.1%(w/v)ゼラチン. dNTP溶液:dATP,dCTP,dGTP,dTTPを混合させたもので各終
濃度が1.25mM. プライマー(a)および(b):前述した化学合成精製
品の各水溶液(50DU/ml) 耐熱性DNAポリメラーゼ:Teq DNAポリメラーゼ(5unit/
ml;Perkin Elmer Cetus社製). 反応条件は、次の通りである。
熱変性:94℃ 1分 アニーリング:37℃ 1分 重合反応:60℃ 1分 熱変性からアニーリングを経て重合反応に至る過程を1
サイクル(所要時間5.7分)とし、これを42サイクル
(総所要時間約4時間)行った。これらの操作は、Perk
in Elmer Cetus社製DNA Thermal Cyclerに上記反応条件
をプログラムすることにより行った。
検出 反応液から、増幅されたヌクレオチド断片を検出するた
め、アガロース電気泳動を以下の様に行った。
アガロースゲルはゲル濃度2%(w/v)とし、臭化エチ
ジウム(0.5μg/ml)を含むものを用いた。泳動の電気
的条件は、定電圧100V、時間は30分行った。操作方法な
らびに他の条件はManiatis等、Molecular Cloning(198
2)に記載されている技法で行った。反応液の他に分子
量マーカーの泳動も同時に行い、相対移動度の比較によ
り、ヌクレオチド断片の長さを算出した。
結果 前述したように、腸炎ビブリオ菌のtdh遺伝子は、すで
に塩基配列が決定されており、本発明のオリゴヌクレオ
チド、すなわち、プライマーがPCRにより、増幅させて
くるヌクレオチドの大きさは推定できる。それによる
と、プライマー(a)と(b)では、439塩基の長さの
ヌクレオチドが増幅されてくるはずである。表1に示し
た数値は、上記方法で増幅されてきたヌクレオチドの長
さを測定した結果で、単位はキロ塩基対である。同表か
らわかるように、各プライマーの組合せとも、推定され
たヌクレオチドの長さと一致しており、これらが、tdh
遺伝子の標的としている領域を正しく増幅してきている
ことを示している。
(実施例2) 実施例1で得られた結果が、腸炎ビブリオ菌に対し選択
的なものかどうか確かめるため、臨床検査において腸炎
ビブリオ菌以外で検査対象となり得る菌種について比較
検討した。
方法は、実施例1に示したものと同じであるが、(1
3),(14),(15)の株については嫌気的条件下、37
℃で一晩培養を行い、PCR法に適用しうる試料を調製し
てきた。検体の調製において培養した菌は、表2の縦の
見出しに示した16菌株である。また、ヒト胎盤由来DNA
は1μg/mlの濃度のものを調製し、これも同様にPCRを
行わせた。
結果を表2に示す。表1と同様、欄内の数値の単位はキ
ロ塩基対である。一部の菌種においてPCR反応の副次的
産物とみられる。増幅されたヌクレオチド断片が検出さ
れたが、どれもtdh遺伝子の配列から推定されるヌクレ
オチド断片の長さとは異なっている。腸炎ビブリオ菌と
同じtdh遺伝子をこれらの菌種が持っていれば実施例1
の結果と同じ長さのヌクレオチド断片が検出されるはず
である。従って、これら菌種由来の増幅されたヌクレオ
チドは腸炎ビブリオ菌のtdh遺伝子を認識して生成され
たものではないことが明かであり、腸炎ビブリオ菌とは
容易に区別し、検出できることがわかる。なお、本発明
の実施例に用いているアガロース電気泳動を前述の泳動
条件で行えば、100塩基対以下の範囲であれば5から10
塩基対、100から500塩基対の範囲であれば10から20塩基
対のヌクレオチドの長さの違いを区別することができ
る。また、アクリルアミドなどをゲルに用いることでヌ
クレオチドの長さの測定の精度を向上させれば、選択的
検出における信頼度はさらに高まるものと考えられる。
[発明の効果] 本発明では、PCR法を用いたことで、腸炎ビブリオ菌の
検出において、遺伝子増幅作用による高い検出感度と、
2つあるいは、それ以上のプライマーで反応が規定され
ることによる高い選択性を得ることができる。また、高
い検出感度のため多量の検体を必要とせず、検体の前処
理が簡便で済む。しかも、反応時間が短く、検出も簡単
な機材だけで行え、操作も容易なため同定までの時間を
大幅に短縮できる。以下の実施例に示すが、反応時間が
4時間、検出にかかる操作が30分である。また、検出に
アガロースゲル電気泳動と臭化エチジウムによる核酸染
色法をもちいることで、プライマー等に標識せずに検出
が行え、しかも、核酸の長さが確認できるので結果の信
頼性が高いものとなる。
腸炎ビブリオ菌は、一般に感染性食中毒の原因菌として
知られ、事実この菌による健康障害のほとんどは、下
痢、腹痛等を主徴とする胃腸炎である。この病原因子と
して最も注目されているのは耐熱性溶血毒(thermostab
le direct hemolysin;TDH)である。従って、プライマ
ーが標的とするヌクレオチド配列にtdh遺伝子をもちい
ることで食中毒原因菌としての腸炎ビブリオ菌を選択的
に検出することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】検体中に存在する腸炎ビブリオ菌(Vibrio
    parahaemolyticus)を選択的に検出するため、腸炎ビ
    ブリオ菌の耐熱性溶血毒遺伝子(tdh遺伝子)をコード
    するヌクレオチド配列を標的とし、そのヌクレオチド配
    列と相補的となるように化学合成されたオリゴヌクレオ
    チドであって、 合成ヌクレオチドが以下の配列群、 (5′)d−GGTAATGTGTATATCCAAC(3′) ……(a) (5′)d−CTACGTCAAAGTCGCACTAG(3′)……(b) または対応する相補的配列から選ばれた配列からなるこ
    とを特徴とするオリゴヌクレオチド。
  2. 【請求項2】請求項第1項に記載されたオリゴヌクレオ
    チドの配列のうち増幅されるべきヌクレオチド配列の両
    端を規定する2つのオリゴヌクレオチドを鎖長反応のプ
    ライマーとして機能させ、標的ヌクレオチド配列を選択
    的に増幅させることを特徴とする腸炎ビブリオ菌の検出
    方法であって、 (a)検体中の1本鎖状態の標的ヌクレオチド配列に前
    記プライマーをハイブリダイズさせ4種のヌクレオチド
    の重合反応により鎖長反応を行わせ、 (b)得られた2本鎖ヌクレオチド配列を1本鎖に分離
    した場合その相補鎖は更なる鎖長反応の鋳型として機能
    し、 (c)前記プライマーによる鎖長反応、鎖長生成物の鋳
    型からの分離、そして更なるプライマーによるハイブリ
    ダイゼーションを繰り返すことにより特定のヌクレオチ
    ド配列を増幅させ、 (d)前記検体中に認識されるべきヌクレオチド配列を
    持つ核酸が存在しているか否かを判定することで腸炎ビ
    ブリオ菌の検出を行う方法。
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