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JPH0790172B2 - 触媒系及びこの触媒系の使用下におけるエチレンの塩化による1,2−ジクロロエタンの製法 - Google Patents
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JPH0790172B2 - 触媒系及びこの触媒系の使用下におけるエチレンの塩化による1,2−ジクロロエタンの製法 - Google Patents

触媒系及びこの触媒系の使用下におけるエチレンの塩化による1,2−ジクロロエタンの製法

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JPH0790172B2
JPH0790172B2 JP3115582A JP11558291A JPH0790172B2 JP H0790172 B2 JPH0790172 B2 JP H0790172B2 JP 3115582 A JP3115582 A JP 3115582A JP 11558291 A JP11558291 A JP 11558291A JP H0790172 B2 JPH0790172 B2 JP H0790172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、場合によって副産物生成を減ら
すための阻止剤の存在下で、エチレンと塩素との反応に
より1,2−ジクロロエタンを製造するための触媒系並
びにこの触媒系の使用下における1,2−ジクロロエタ
ンの製法に関するものである。 【0002】溶剤及び反応溶媒としての1,2−ジクロ
ロエタン中でエチレンと塩素とを反応させることによっ
て1,2−ジクロロエタン(EDC)を製造する方法は
公知である。塩素のエチレン分子への付加反応を促進す
るための触媒として、周期表の第3、ないし第6主族及
び第1、第4及び第6副族の元素の他に特に無水塩化鉄
(III)が用いられる、後者は入手し易く、値段も安
いからである(CA−A 689991,DE−C 6
40827,DE−B 1768367)。この反応で
生じる主な副産物は、エチレンの競争的塩酸化による塩
化エチルと、生成したEDCのエチレン誘導性置換の結
果としての1,1,2−トリクロロエタンである;後者
の場合塩酸が発生する。 【0003】エチレン塩酸化は、置換阻止剤としての酸
素の存在下で行われることもよくある(US−A 26
01322,DE−A 1568583)。 【0004】工業的には塩素のエチレンへの付加は、E
DCの大気圧下沸点に近い反応温度で行われ、その際発
生した反応熱は反応生成物及び場合によってはその他の
起源の粗EDCの蒸留、及び精留による精製に利用さ
れ、或いはウルマン(Ullman)の工業化学百科
(Encyclopadie der techni
schen Chemie)9巻、427ページ(19
75)に記載されているように、より低い30ないし6
0℃という温度でも行なわれる。しかしながら後者の場
合、反応温度レベルは非常に低く保たれるから、放出さ
れる反応エントロピーは有益には利用されず、その代わ
りに反応媒質をポンプによって熱交換器を経て冷水又は
空気中に放出しなければならない(DE−A 1905
517)。 【0005】低温で製造された粗、触媒含有EDCは、
普通は反応器から液状で流出し、触媒を除去する目的で
酸性の水素で洗い、次いでアルカリ性水溶液で洗って粗
生成物を中和する。水層を傾瀉、除去することによって
相分離を行い、その後に残ったを飽和した粗EDCを
公知の、但しコストのかかる方法で蒸留により処理す
る。 【0006】DE−A 2427045によると、エチ
レンを、温度100ないし130℃、液相で反応を実施
できるような高圧下で、触媒として塩化鉄(III)を
用いて塩素化し、生成物を循環する反応媒質と共により
低圧のゾーンに導入し、そこで生成粗EDCは、塩素と
エチレンとの反応の際に発生した反応熱によって気化
し、高沸点の不純物は反応ゾーンに戻るという方法で精
製される。この結果反応回路には高沸点物質が蓄積す
る。反応器の底から触媒含有液状循環生成物を回分式に
取り出すことによって確かにこの蓄積を所望限度内に保
つことができる:しかしながら触媒の不足分を補うため
に時々塩化鉄(III)の適量を反応媒質に添加しなけ
ればならない。その上、反応器の底の排液の除去も難し
い問題を提起する。さらに、高い反応温度で触媒として
塩化鉄(III)を使用すると、若干の不都合が起こ
る。塩化鉄(III)は温度上昇につれて生成したED
Cの分解を促進し、タール状、無晶形の、炭素に富む沈
殿が分離し(J.Soc.Chem.Ind.69巻
(1950)289ページ)、その結果、温度上昇と共
に増加する副産物生成に加えて、特にエチレン収量が著
しく低下する。それに加えて、塩化鉄(III)は痕跡
量の水の存在下では、反応器及び装置の構造物に一般的
に用いられる工業材料を腐食し、その際腐食的侵食速度
は温度上昇につれて過大に大きくなることがごく普通で
ある。塩化鉄(III)の腐食作用は、好ましくない副
反応のために実質上常に存在する塩化水素によって増強
する、なぜならばこれによって強い腐食性をもった水素
テトラクロロフェレート錯化合物が形成され、この化合
物は非常に容易に攻撃性プロトンを遊離するからであ
る。この理由により、金属塩触媒を使わずに、例えばヒ
ドロキシル基含有芳香族化合物のような有機触媒の添加
によってエチレンと塩素との反応を完全に選択的に行う
ことが所望である(DE−B 1902843)。しか
しこれは短時間のみ成功する、なぜならば特に高温度で
は時間と共に芳香族環の塩素化が起こり、他方塩素化度
の上昇につれてこのような有機溶媒の触媒活性は急激に
減少するからである。 【0007】EP−A 82342(例えばアンモニ
ア、アミンなどの窒素塩基、またはこれら塩基の塩の存
在下における塩化鉄(III)触媒)或いはEP−A
111203(アルカリ又はアルカリ土類金属−テトラ
クロロフェレート触媒)の方法によると、特に、90な
いし120℃という中位の温度領域では、EDC製造時
に触媒として用いる塩化鉄(III)に起因する(塩化
鉄(III)をそこに記載の添加剤と共に装填した場
合)在来の工業的材料で作られた反応器の腐食は著しく
減少する。その上これらの添加剤は副産物の生成に関し
ても有益であり、これらの副産物は減少する。しかしな
がら、エチレン塩素化時に遊離するエントロピーの経済
的利用に欠かせない高い反応温度では、この腐食阻止効
果及び反応選択性促進効果は著しく抑制される、なぜな
らば塩化アンモニウム又は有機アミン塩酸或いはアルカ
リ−又はアルカリ土類金属塩化物を塩化鉄(III)に
添加することによって形成されるアンモニウム−、或い
はアルカリ−、又はアルカリ土類金属テトラクロロフェ
レートは熱に不安定で、高められた温度ではだんだん元
の成分に分解し、その結果極めて腐食性に強い水素テト
ラクロロフェレートが再び増加し、それに加えて、今で
は別に存在し、分離する、ほとんど不活性の塩化アンモ
ニウム、及びアルカリ−及びアルカリ土類金属塩化物が
生じる。アンモニウム−或いはアミンヒドラテトラクロ
ロフェレート錯化合物の場合は、アンモニウムイオンが
ブレンステッド酸−高温度ではアミン塩基を形成しなが
ら高腐食性のプロトンを遊離する−でもあるという事実
によってこれはなお増強される。 【0008】EP−A 113287は、140ないし
180℃の温度で塩化鉄(III)の存在下で、エチレ
ン塩素化時に遊離する反応熱の約85%を蒸気発生のた
めに利用する方法を開示している。この場合、反応ゾー
ンを去るEDCはさらに処理される前か反応ゾーンにも
どる前に、水との熱交換によって冷却される。純粋の塩
化鉄(III)のマイナスの腐食挙動は別としても、こ
の場合多くの副産物が生ずる。だが遊離した反応エント
ロピーを蒸気発生のために或いは熱担持媒質の加熱のた
めに利用することは確かに技術的には正しい方法であ
る、なぜならばこれによってよりフレキシブルになり、
また日常的できごとにおいて、或いは全般的にあらわれ
る“アンバランス”状態においてさえ、エチレン塩素化
の反応エントロピーを最適に回収できるからである。 【0009】EP−A 75742による方法では、エ
チレンの塩素化から生ずる反応混合物を2つの分流に分
け、そのうち1つは熱交換器を経て導かれ、その後循環
に戻り、第2の分流は減圧下で精留塔に導入される;精
留塔は上記の熱交換器によって加熱されている。この方
法では上で論じたフレキシビリティが与えられない。そ
こで間に合う放出反応熱が不足したり、“バランスのと
れたプロセス”を超えてEDC反応が高まったために、
“バランスのとれたプロセス”から逸脱するような場合
には、反応系に一体となっている高沸点成分塔を蒸気で
付加的に加熱したり、反対の場合には過剰の反応エント
ロピーをトリム冷却器を経て冷水又は空気中に取り去っ
たりしなければならない。“バランスのとれたプロセ
ス”からの逸脱がおこるのは、例えば一時的塩等不足の
ためにエチレンの塩素化を抑制しなければならない場
合、又は外部からの塩化水素の供給過剰によってエチレ
ンのオキシクロリネーションがより速く進み、又は通常
の直接塩素化過程においけ塩化ビニルモノマーの生産が
低いためにオキシクロリネーションもより緩徐に進むよ
うな場合である。 【0010】そこで、エチレンの塩素化の際のあらゆる
工業的に重要な温度領域、すなわち0℃から300℃ま
で、において、最適の選択性及び収量、並びに最小の腐
食を保証する、1,2−ジクロロエタン製造のための触
媒系を開発することが目的である。 【0011】もう一つの目的は、エチレン塩素化による
簡単で経済的なEDC製造法であって、部分的条件によ
って、遊離した反応エントロピーの少なくとも一部を生
成した分解的性質をもつEDCを純粋に得るために利用
するか、又は遊離した反応エントロピーのほとんど全部
を工業的に有用な圧力をもつ蒸気の発生のために利用す
るかが可能となる製造法にこの触媒系を応用することで
ある。この製法においては、その触媒系は反応媒質中に
残らなければならず、生成したEDCには熱分解オーブ
ンに入いる前に高沸点不純物がほんの少しでもあっては
いけない。 【0012】本発明は、溶剤中で、場合によっては副産
物生成を減らすための阻止剤の存在下で、エチレンと塩
素とを反応させることによって1,2−ジクロロエタン
を製造するための、下記の式で表されるフェノラート塩
素錯化合物から成る触媒系に関するものである; 【0013】 Me+n〔Z+mClm ・L〕n 式中nは1ないし3の整数であり、mは1ないし6の整
数であり、Clは塩化物アニオンを意味し、Me+ は水
素プロトン、アンモニウム及び/又はナトリウム、カリ
ウム、カルシウムまたはセリウムの金属カチオンを意味
し、Z+ 鉄、ビスマスまたはアルミニウムの金属カチ
オンを意味し、Lは下記の式のフェノラートアニオンで
あり; 【0014】 【化2】 【0015】ここでXは0ないし4個の塩素原子を意味
し、Rは水素原子、及び/又はヒドロキシル基、及び/
又はハロゲン、及び/又はC原子1ないし6個の直鎖−
又は枝分かれアルキル−又はクロロアルキル基、及び/
又はC原子1ないし6個の直鎖−又は枝分かれアルコキ
シ−又はクロロアルコキシ基である。 【0016】本発明による触媒系は、成分Me+n
n 、すなわち塩酸ガス及び/又はナトリウム、カリウ
ム、カルシウムまたはセリウムの塩化物を、成分Z+m
m すなわち鉄、ビスマスまたはアルミニウムの元素
と、並びに上記の一般式で表されるフェノール性化合物
と混合することによって作られる。 【0017】混合は、ほぼ等モル量のZ+mCln とフェ
ノール性化合物とを、0.9〜1.1:1の当量変動巾
で、好適には1,2−ジクロロエタン中の溶液又は懸濁
液として行われる。Me+nCln とフェノール性化合物
との間では、当量で0.5〜1.5:1の変動巾を示
し、好適にはやはり0.9〜1.1:1である。 【0018】Z+mClm 、Me+nCln 及びフェノール
性化合物からの本発明による触媒系Me+n〔Z+mClm
・L〕n の製法は、個々の反応段階で、混合によって、
場合によっては還流下で何時間も加熱することによって
行うこともできるし、現場で、エチレン塩素化反応器の
反応ゾーンで反応媒質にその混合物を添加後行うことも
できる。 【0019】塩素化されたフェノール性リガンドの場
合、環塩素化はEDC溶液中で触媒系の残りの成分と混
合する前に別に行われてもよ、別個の触媒バッチミキ
サー中で行うこともできる。環塩素化は、現場でエチレ
ン塩素化反応器の反応ゾーン中で個々の触媒成分の混合
物の添加後行われるのが好適である。 【0020】主として塩化ナトリウム又は塩化カルシウ
ムが使用される。また、塩化セリウム(III)が好適
に用いられる。フエノラート/塩素錯化合物の中心原子
Zを与える塩化金属は好適には塩化アルミニウム、塩
ビスマス(III)、塩化鉄(III)である。塩化鉄
(III)が特に好適に使用される。フェノール性化合
物として特に適しているのはフェノール;オルトー、メ
ター、パラークレゾール;オルトー、メター、パラ−ク
ロロフェノール;2−sec−ブチルフェノール、ピロ
カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン、グアヤコー
ル、ピロガロール、オキシヒドロキノン、ロログル
ン及び3,5−ジ−tert.−ブチルヒドロキノンで
ある。特に好適な触媒は、水素−メタークレソレート−
トリクロロフェレート、ナトリウム−オルトークレソレ
ート−トリクロロフェレート、カルシウム−ビス−パラ
−クレソレート−トリクロロアルミン酸塩及びセリウム
−トリス−オルト−クレソレート−トリクロロアルミン
酸塩であり、これらは場合によっては1個又は数個の塩
素による環塩素化が行われる。 【0021】本発明はさらに、回路を循環する、2炭素
原子をもつ塩素化炭化水素基ら成る液体媒質を含む反応
ゾーンにおいて、その媒質の蒸発温度以下の温度で、反
応ゾーンを支配する圧力下で、場合によっては副反応を
回避するための阻止剤としての酸素の存在下で、エチレ
ンと塩素とを反応させることによる1,2−ジクロロエ
タンの製法であって、 a)反応媒質に溶解又は懸濁した触媒系Me+n〔Z+m
m ・L〕n の濃度は、Z+mClm として計算して、反
応媒質量に対して0.01ないし1.0重量%であり、
その触媒系は消費されたエチレン及び塩素の補充下で循
環し、その際 b)反応温度0ないし300℃、反応空間における反応
媒質の沸騰を阻止する程度の圧力下で、エチレン塩素化
の際に遊離する反応エントロピーを一部又は全部利用し
て1,2−ジクロロエタン蒸気を生成せしめ、ガス状の
1,2−ジクロロエタンを反応ゾーンから圧力をより低
くしたゾーンに誘導し、この蒸気は精留塔の底に導か
れ、 c)反応温度0ないし120℃では、塔の頂部の蒸気を
水又は空気で冷やして凝縮せしめ、反応温度120ない
し300℃では蒸気の凝縮熱を、精留塔の蒸気と熱交換
器媒質との熱交換によって利用し、 d)生成産物に対する還流量の重量比として表される最
小還流比を、低温法の場合は2:1重量部分、高温法の
場合は1:1重量部分に維持しながら、低温法の場合
は、凝縮した蒸気は多かれ少なかれ強く冷やされ、高温
法の場合は沸点又は凝縮温度に対して最高5℃だけ冷や
され、その後反応空間に戻り、 e)生成した1,2−ジクロロエタンは液状で精留塔の
底部から取り出される。 【0022】エチレンを塩素化するための反応器として
適しているのは、例えばDE−A2427045に記載
された管状(Schlaufen)反応器、又はDE−
B1768367に記載の、また添付の図1によるルー
プ型(Schleifen)反応器、又は添付の図2に
記載の塔型反応器である。塩素化は、2個の炭素原子を
もつ塩素化炭化水素から成る、循環する液体媒質中で行
われる。反応媒質として1,2−ジクロロエタンを用い
るのが好適である。循環する反応媒質の速度は好適には
0.1ないし5m/sの間の数値である。反応器中の液
体反応媒質の循環は、例えばポンプによって及び/又は
熱サイフォン−或いは空気揚水ポンプの原理によって促
進される。 【0023】反応器にエチレンと塩素とを装填する。そ
の際エチレン対塩素のモル比は1:1と1.005:1
との間にあるのが好ましい。反応空間のガス速度は、エ
チレンガス流に関して0.01ないし1m/sであるの
が好ましい。 【0024】反応媒質中に溶解又は懸濁される触媒系M
+n〔Z+mClm ・L〕n の濃度はZ+mClm として計
算して、各場合の反応媒質量に対して0.01ないし
1.0重量%、より好適には0.2ないし0.7重量%
である。好適実施例においては、この触媒系を個々の成
分の形で反応媒質に溶解又は懸濁させる、その際個々の
成分を0.9〜1.1:1のモル比で混合するのが好ま
しい。特に好適な触媒は水素−メタクレソレート−トリ
クロロフェレート、ナトリウム−オルト−クレソレート
−トリクロロフェレート、カルシウム−ビス−パラ−ク
レソレート−トリクロロアルミン酸塩及びセリウム−ト
リス−オルト−クレソレートェトリクロロアルミン酸塩
で、これらは場合によっては環の、または数個所が塩素
化されていてもよい。 【0025】特にナトリウム−オルトクレソレート−ト
リクロロフェレートが、反応媒質に対して0.3ないし
0.5重量%濃度で、触媒系として好適に用いられる。
これは、NaCl,FeCl3 及びo−クレゾールの、
上記の当量範囲の等モル混合物の添加後、現場で形成さ
れるのが好適である。この触媒系は反応媒質と共に、消
費されたエチレン及び塩素の補充の下に循環する。 【0026】副反応を抑制するために、場合によっては
阻止剤として酸素又は空気を挿入することができる。こ
の場合の濃度は、酸素として計算して、塩素ガス量に対
して0.01ないし10容量%、好適には0.8ないし
1.5容量%である。 【0027】反応体混合物の平均滞留時間は正常条件
(0℃、1013mbar)において、空の反応−、混
合−及び循環空間に対して0.2ないし2分である。反
応空間における反応体の反応時間は好適には1.5ない
し60秒である。 【0028】塩素化反応は、反応温度0ないし300
℃、反応空間おける反応媒質の沸騰を阻止する程度の圧
力下で行われる。低温処理の場合は、反応温度は0ない
し120℃、好適には40ないし80℃で、反応空間の
圧力は好適には1ないし5バールabs.(106 ない
し5×106 dyn/cm)である。高温処理の場合は
反応温度は120ないし300℃、好適には140ない
し170℃で、反応空間の圧力は好適には5ないし10
バールabs.(5×106 ないし107 ×dyn/c
m)である。 【0029】1,2−ジクロロエタンは反応ゾーンから
圧力のより低いゾーンに引き出され、そこで生ずる蒸気
は精留塔に導入される。精留塔は好適には充填塔又は棚
段塔である。理論的タナ段数は好適には1ないし5であ
る。低温法エチレン塩素化の場合は、精留塔の頂部の蒸
気は、凝縮器中で水又は空気との間接的熱交換によって
凝縮される。塔上部の圧力は好適には0.2ないし0.
9バールabs.(0.2×106 ないし0.9×10
6 dyn/cm)である。 【0030】凝縮物の一部は液体還流物として精留塔に
導入され、残りは多かれ少なかれ強く、好適には沸点に
比して約5ないし50℃低い温度に冷やされ、循環する
反応媒質に加えられ、反応空間に戻る。低温法では、生
成産物に対する還流量の重量比として表される最小還流
比は、好適には2:1重量比である。精留塔の頂部の生
成物の非凝縮部分は、空気中に放出されるか、燃焼装置
に送られる。精留塔の底部から1,2−ジクロロエタン
が取り出される。残っている熱は、循環装置にある熱交
換器を経て冷水又は空気中に放出される。高温エチレン
塩素化法では、精留塔の頂部の蒸気は熱交換器で凝縮さ
れる。塔上部の圧は好適には4.5ないし8.3バール
abs.である。熱交換媒質として考えられるのは任意
の熱担体、例えば鉱油である;これはその時に吸収した
熱を他の場所に与え、それによって冷やされて再び熱交
換器に戻る。精留塔の蒸気と適した圧力をもった熱水と
の熱交換によって、蒸気の凝縮熱を圧力2.25ないし
6.0バールabs.の飽和蒸気の生成のために利用す
るのが好適である。 【0031】凝縮物の一部を液体還流として精留塔に導
き、残りを循環する反応媒質に加えて反応空間に戻す、
その際反応空間に戻る蒸気凝縮物の温度は、沸点又は凝
縮温度に比して最高5℃だけ低くなければならない。高
温法では、最低還流比は、生成産物に対する還流量の重
量比として表して、1:1重量部分であることが好まし
い。精留塔の頂部の生成物の非凝縮部分は空気中か燃焼
装置に送られる。精留塔の底部から、生成した1,2−
ジクロロエタンを取り出す。 【0032】本発明による方法では、低温法において
は、エチレン塩素化の際に放出される反応エントロピー
の少なくとも40%を、エチレン塩素化の反応産物の減
圧によるガス状1,2−ジクロロエタン製造に利用する
ことができる。 【0033】本発明による高温法では、エチレン塩素化
の際に放出される反応エントロピー全部の回収が可能で
ある。その反応熱は全部、反応産物の減圧によるガス状
1,2−ジクロロエタンの生成のために利用され、蒸気
の凝縮熱として熱交換によって回収され得る。 【0034】本発明による低温エチレン塩素化法及びそ
の装置は図1及び実施例5に例を挙げて説明される。図
2及び実施例6には、本発明による高温エチレン塩素化
法及びその装置が例を挙げて説明される。 【0035】先行技術の方法に比べて本発明の方法は多
くの利点を有する:反応空間から反応産物をガス状で取
り出すため、触媒を追加したり触媒を粗生成物から除去
したりする必要がない。EDCに汚染された洗浄水の環
境保護的に義務づけられた前処置(例えば蒸気ストリッ
ピングによる塩素化炭化水素の除去)の必要がなくなる
のもこのためである。 【0036】この方法では副産物の生成が非常に少な
く、高収量が得られる(高い選択性)。 【0037】本発明による触媒系は実質上無腐食性で、
そのため新種の工業材料は必要なく、その上反応装置は
簡単で、あまり大きくないから、高温法でも装置のコス
トは低い。低温法で生ずるEDCは付加的精製段階なし
にすでに分離した性質(Spaltqualitat)
を示すから、生成したEDCを蒸留精製するためのエネ
ルギーが節約できる。 【0038】エチレン塩素化の反応エントロピーは、技
術的にも経済的にも興味深い蒸気圧をもった飽和蒸気の
形でほとんど定量的に回収される;高温法では、生成し
たEDCの蒸留精製のためにはさらに少ないエネルギー
需要ですむ、これは、低沸点物がないからである。本発
明による方法では、塩化ビニル製造工程の範囲内におけ
るエネルギー利用及びエネルギー節約において各場合の
支配的境界条件に応じてエチレンの直接塩素化とオキシ
クロリネーションとの間に最大限のフレキシビリティー
がある。 【0039】驚くべきことに、本発明の触媒系は、選択
性に関しても腐食性に関してもこれまでに公知のすべて
の触媒混合物より明らかに優れていることがわかった。
その際この優秀性は高い反応温度で特に非常にはっきり
とあらわれた。例えば高温法でも、塩化エチレンはほと
んど生成せず、1,1,2−トリクロロエタンも、例え
ばDE−A 3148450或いはEP−PS 111
203が示したよりずっと少なかった。本発明による触
媒系が低温法でも高温法でも、匹敵する先行技術の触媒
混合物に比べてはるかに腐食性が小さかったという事実
に基づくと、本発明による触媒系は熱に対して非常に安
定であるに違いないことがわかる。下記の実施例は、本
発明をさらに詳しく説明する。 【0040】実施例実施例 1 種々の触媒混合物で、84℃(EDCの沸点)及び21
2℃(ヘキサクロロブタジェンの沸点)で腐食試験を行
った。このために、その都度40×20×2mmの大き
さのV4A−特殊鋼片を液体EDC又はヘキサクロロブ
タジェンに浸した。その液体には、それぞれ、5000
ppm(重量)の塩化鉄(III)、又は塩化アンモニ
ウムと塩化鉄(III)との等モル混合物、又は塩化ナ
トリウムと塩化鉄(III)との等モル混合物又はオル
ト−クレゾールと塩化鉄(III)との等モル混合物、
又は塩化ナトリウム、オルト−クレゾール及び塩化鉄
(III)との等モル混合物が塩化鉄(III)として
計算して5000ppm(重量)濃度で、溶解又は懸濁
した形で含まれていた。乾燥塩酸ガスを導入しながらそ
れぞれ24時間還流煮沸した後、腐食率を金属片の示差
的秤量によって重量分析した。結果を1表にまとめる。 【0041】 【表1】 【0042】この結果は、腐食挙動に関して本発明によ
る触媒系が先行技術に対して優れていることを明らかに
している。例えば2mg/mm2 の腐食率が、例えば約
0.25mm/aの腐食損失に相当する。<1mm/a
の腐食損失は概して、耐用年数に関しては工業材料的に
何ら問題がないと言われている。それに対してテトラク
ロロ鉄酸アンモニウム或いは−ナトリウムの触媒系で
は、212℃における腐食損失は>1mm/aで、この
場合耐用年数に関して工業材料的問題がおこることを示
している。これらの結果は、本発明による触媒錯化合物
H−FeCl3 −o−クレソレートそれだけを見ればな
おさら驚異的である。専門家は、高められた温度ではこ
の錯化合物のプロトン分解も増加し、したがって腐食率
も増加することをこれまでよく知っていたはずである。
しかしその反対のことがおこったのである、それについ
ては実験結果が明らかに証明している。 【0043】実施例 2 触媒系NaFeCl3 −o−クレソレートの製法:無水
塩化鉄(III)5g(31mmol)をガラスコルベ
ン中でEDC500cm3 に溶解或いは懸濁し、食塩
1.8g(31mmol)及びo−クレゾール3.3g
(31mmol)を加えた。その後還流煮沸した。形成
された塩化水素は、ガラスコルベンに通っている小さい
窒素流によって導出され、水中に吸収された。15時間
後、塩化水素0.7Lが遊離することが、洗浄水の滴定
によって明らかになった、すなわち錯化合物 【0044】 【化3】 【0045】その後塩化水素発生がやむまで約50ない
し60℃で塩素ガスを導入した。塩酸3Lが遊離した、
すなわち錯化合物の環塩素化は完全に行われた: 【0046】 【化4】 【0047】実施例 3 直立のガラス製反応塔(内径50mm.高さ300m
m)に2mmラッシヒリングを充填し、温度84℃の恒
温水を循環させた二重マントで覆った。塩素とエチレン
との反応は発熱反応であるにもかかわらず、放射にる熱
損失(表面積と熱放射との不都合な関係)を防ぐために
この付加的加熱が必要であった、これによってEDCは
反応器から蒸留により除かれた。計量型ポンプによっ
て、反応液体は40L/hの量が、速度0.6cm/s
でガラスラッシヒリング充填反応器を循環した。循環す
る反応媒質中に塩素40Nl/h及び酸素250Ncm
3/hを導入し、他方エチレン40.2Nl/hを反応
器中にあるガラスフリットを経て下から反応器中に吹き
込んだ。 【0048】反応器には各場合にEDC500cm3
充填され、そこには、実施例2で作った種々の触媒系、
濃度0.5重量%(各触媒錯化合物の中心原子である金
属塩化物として計算して)が溶解又は懸濁されている。
蒸留で取り出されたEDCは水冷却器中で凝縮され、集
められた。得られたEDC175g/hを凝縮ディバイ
ダによって分取し、一方過剰の凝縮物は反応ゾーンに戻
された。排ガス流−実質的には酸素、過剰のエチレン及
び、不活性化の目的で凝縮器の後に2Nl/hの量が加
えられた窒素−から、さらにEDC部分がコールドトラ
ップの方法で分離された。合一した精製EDCガスクロ
マトグラフィーにかけてその純度を調べた。コールドト
ラップから得た排ガスもガスクロマトグラフィーにかけ
て低沸点副産物及び塩素の存在を調べた。すべての実験
で塩素は見いだされなかった、すなわち変換は常に定量
的であった。 【0049】下記の触媒系を調べた; A)等モル量の塩化鉄(III)とm−クレゾールとを
加えることによって製造したHFeCl3 −m−クレソ
レート B)等モル量のNaCl,FeCl3 及びo−クレゾー
ルを加えることによって製造したNaCl3 −o−クレ
ソレート C)同当量のCaCl3 と、FeCl3 とp−クレゾー
ルとの等モル混合物とを加えることによって製造したC
a〔FeCl3 −p−クレソレート〕2 D)等モル量のNaCl、FeCl4 及びフェノールを
加えることによって製造したNaFeCl4 −フェノラ
ート E)等モル量のNaCl、BiCl3及びレゾルシンを
加えることによって製造したNaBiCl3 −レゾルシ
ネート F)同当量のCeCl3 と、AlCl3 とo−クレゾー
ルとの等モル混合物とを加えることによって製造したC
e〔AlCl3 −o−クレソレート〕3 G)FeCl3 と反応時に発生したHClを加えること
によって製造したHFeCl4 H)等モル量のNH4 ClとFeCl3 とを加えること
によって製造したNH4 FeCl4 I)等モル量のKClとFeCl3 とを加えることによ
って製造したKFeCl4 結果を2表にまとめる。実験
期間はそれぞれ24時間であった。 【0050】 【表2】 【0051】実験AからFまでの結果は、選択性に関し
て本発明の触媒系が先行技術のそれら(実験GからIま
で)に比べて優れていることをはっきり示している。特
に塩化エチルが生成しないことが重要である、というの
は塩化エチルは公知のようにEDC熱分解の際にブタジ
ェンを形成するからである。 【0052】実施例 4 実施例3と同様に処理した。下記の触媒系は実験容器中
で混合することによって現場で製造され、その濃度はF
eCl3 として計算して0.4重量%であった。 A)1Mol FeCl3 及び0.9Mol o−クレ
ゾール B)1Mol FeCl3 及び1.1Mol o−クレ
ゾール C)1Mol FeCl3 及び0.5Mol o−クレ
ゾール D)1Mol FeCl3 及び2Mol o−クレゾー
ル E)1.5Mol NaCl,1Mol FeCl3
び0.9Mlo−クレゾール F)0.5Mol NaCl,1Mol FeCl3
び1.1Mlo−クレゾール 結果を3表に列挙する。 【0053】 【表3】 【0054】これらの結果から、選択性に関してはo−
クレゾールに対するFeCl3 のモル比が0.9〜1.
1:1の変動範囲にあることが重要であり、アルカリ−
又はアルカリ土類金属の含量は、FeCl3 に対する当
量に関係なく、あまり重要でないことがわかる。とはい
え、アルカリ−及びアルカリ土類金属の当量はできるだ
け守らなければならない、なぜならば当量を超えた量
は、不活性物質として腐食の問題をおこすからである。 【0055】実施例 5 微生物1によると、循環ポンプ(P1)により、EDC
は50m3 /hの速度で、導管(5)、空のループ型反
応器(R)、ポンプタンク(V)及び水冷却器(K1)
を経て循環する。循環系には導管(4)から、等モル量
のFeCl3 、NaCl、及びo−クレゾールが、Fe
Cl3 として計算して、循環EDC量に対して0.5重
量%供給された。 【0056】温度70℃で、圧力3バールabs.で塩
素をエチレンと反応させた;その場合導管(1)から4
5.1Nm3 /hエチレン、導管(2)から45Nm3
/hの気化した液体塩素、そして導管(3)から500
Nl/hの酸素が供給された。反応装置の直径は100
mmで、反応管の長さは16000mmであった。発生
した反応熱の一部はEDCの蒸気生成のために、圧力約
0.67バールabs.のポンプタンク(V)に導か
れ、残りの反応熱は、反応器(R)の反応温度を70℃
に保つために、冷却器(Kl)に導かれ冷却水に吸収さ
れた。反応部分における圧力は、圧力調製器(PC)に
より3バールabs.に一定に保持された。EDC25
0kg/hは温度70℃で気化して導管(6)を経て精
留塔(F)の底部に入る;精留塔には1/2インチ
(1.27cm)のセラミックリングから成る高さ20
00mmの詰め物が充填された。ポンプタンク(V)の
レベルによって、精留塔(F)底部の生成物は導管
(7)を通って流れる。精留塔の頂部に出現する650
kg/h量の蒸気は導管(8)を経て凝縮器(K2)に
行き、凝縮された。そこで生じた凝縮物の導管(9)を
経てコレクタ(S)に流入し、そこからポンプ(P2)
によって導管(10)及び(11)を経て、流量調節器
(フローコントローラ)(FC)によって400kg/
h量に一定に保たれて、還流液として塔(F)に与えら
れる、一方コレクタ(S)のレベルによって、残りの蒸
留物(約51.5kg/h)は導管(12)を経て調節
され、ポンプで循環系(5)に送られた。 【0057】精留塔(F)の底部から生成EDCが19
8.5kg/hの流量に調製されて導管(19)を経て
取り出された。 【0058】非凝縮性成分、本質的にはエチレン、酸素
及び、コレクタ(S)のガス出口コネクタ(図には示さ
れていない)に供給される窒素は、PCによって圧力
0.66バールabs.に調節されて導管(13)を経
て、駆動溶媒としてEDCを利用する液体環状ポンプ
(P3)に入る。このポンプは、ガス導管(13)にお
いて測定される約0.66バールabs.という必要な
減圧を作り出す。排ガスは導管(14)を経て、(1
8)から空気中に放出されるか又は燃焼装置に送られ
る。 【0059】新鮮なEDCを導管(20)を経て供給す
ることもできる。少量のガスを含む使用ずみのEDCは
導管(15)を経て、水で冷却したタンク(B)に入
り、そのタンクから導管(17)を経て排ガス導管(1
4)に排出される。 【0060】 生成したEDCは下記の性質をもっていた: 塩化エチル <1ppm(重量) 1,1,2−トリクロロエタン 120ppm(重量) 1,2−ジクロロエタン 99.98ppm(重
量) 【0061】このEDCはさらに精製することなく直接
分解炉に入れて、塩化ビニルと塩酸に変換でき、その際
本発明によって製造したこのEDCの適当量を使用した
これまでの運転試験が証明したように、分解動態又は副
産物−又はコークス形成が悪影響を及ぼすことはなかっ
た。4カ月間の実験の後でさえ、精製したEDCの品質
の低下も触媒損失もなかった。反応器循環における高沸
点物の蓄積も認められなかった。 【0062】実施例 6 図2による反応器(R)は、詰物を充填した直立の塔
(直径200mm、長さ4000mm)から成る。ポン
プ(P1)によってEDCは50m3 /hで導管(2
3)及び熱交換器(H)を経て循環する。熱交換器は蒸
気で加熱され、EDCとの共沸蒸留によって全装置から
水分を除去することができる。この循環流にはFeCl
3 、NaCl及びm−クレゾールが等モル量であり、F
eCl3 として計算して0.5重量%の濃度で溶解又は
懸濁していた。導管(1)から45.2Nm3 /hエチ
レン、導管(2)から液体塩素として45Nm/h塩
素、導管(27)から400Nl/h酸素が供給され
た。エチレンと塩素との反応は165℃、圧力7.3バ
ールabs.で行われ、その際発生する反応熱は全部E
DC蒸気生成のために利用された。圧力約7.1バール
abs.で1345kg/hのEDCが蒸発して導管
(6)を通って精留塔(F)の底部に行く。精留塔
(F)には1/2インチのセラミックリングから成る高
さ2000mmの詰物が充填してある。1545kg/
hのEDC蒸気は温度約162℃じ導管(8)を通って
蒸気発生器(WT)に流入し、そこで、蒸気は凝縮され
導管(29)によってレベルコントロールされて、流量
計(FQ)で測定して200kg/h量の、150°の
ボイラー給水が、しかるべく圧力4.9バールabs.
の飽和蒸気に変換され、それは、相分離後、蒸気ドラム
(DT)で圧力調節されて、導管(32)を経て蒸気排
出ネットに放出される。(26)には不活性化の目的で
窒素が与えられた。凝縮した蒸気は導管(28)を経て
分離器(A1)に流れ、そこからポンプ(P2)によっ
て導管(24)を通り、(FC)によって一定に調節さ
れ、還流液として200kg/hの流量で導管(25)
から塔(F)に入り、或いは導管(22)によってレベ
ルコントロールされてポンプで循環系に送られる。非凝
縮性排ガスは導管(30)を通って冷却器(K)に導か
れ、そこで沈下する凝縮物は(もしあるならば)分離器
(A2)に集まり、導管(31)を経て分離器(A1)
に戻る。排ガスは(21)で圧力7.05バールab
s.に調節されて戸外へ放出されるか燃焼装置に導入さ
れる。 【0063】分析器(AR)を用いて、排ガス中の塩素
を分析した。塔(F)の底部の生成産物は、反応塔のレ
ベルによって調節されて導管(7)を経て反応系に導出
された。分析器(AR)では塩素は検出されなかった、
すなわち塩素は定量的に変換された。 【0064】生成EDC198.5kg/hが、レベル
コントロールされて導管(19)から取り出された。生
成したEDCは下記の組成をもっていた: 【0065】 塩化エチル <1ppm(重量) 1,1,2−トリクロロエタン 3100ppm(重量) 1,2−ジクロロエタン 99.68ppm(重量) 1,1,2−トリクロロエタン含量が比較的高いため、
粗EDCを、塩化ビニルと塩化水素とに熱分解する前に
公知の方法でこの高沸点物から分離しなければならなか
った。 【0066】3カ月間の実験後でさえも触媒の不活性化
或いは触媒の減少はあらわれなかった、すなわち本発明
による触媒系は熱に対して安定であった。 【0067】以下、本発明の好適な実施態様を例示す
る。 1.触媒系が水素−メタクリレート−トリクロロフェレ
ート(鉄酸塩)、ナトリウム−オルト−クレソレート−
トリクロロフェレート、カルシウム−ビス−パラ−クレ
ソレート−トリクロロフェレート又はセリウム−トリス
−オルト−クレソレート−トリクロロフェレートから成
ることを特徴とする請求項1記載の触媒系。 【0068】2.化合物Z+mClm 、及びMe+n
n 、及びフェノール製化合物Lの同当量を混合するこ
とによって触媒系を製造し、その際Z+mClm とフェノ
ール性化合物Lとの間の当量は各場合に0.9〜1.
1:1の変動巾を示し、Me+nCln とフェノール性化
合物Lとの間の当量は各場合に0.5〜1.5:1の変
動巾を示すことを特徴とする請求項1記載の触媒系。 【0069】3.Me+nCln とフェノール性化合物L
との間の当量が各場合に0.9〜1.1:1の変動巾を
示すことを特徴とする請求項1又は前項2記載の触媒
系。 【0070】4.塩化水素とメタ−クレゾールと塩化鉄
(III)との混合によって製造することを特徴とする
請求項1、前項1、前項2又は前項3記載の触媒系。 【0071】5.塩化ナトリウムとオルト−クレゾール
と塩化鉄(III)との混合によって製造することを特
徴とする請求項1、前項1、前項2又は前項3記載の触
媒系。 【0072】6.塩化カルシウムとパラ−クレゾールと
塩化アルミニウムとの混合によって製造することを特徴
とする請求項1、前項1、前項2又は前項3記載の触媒
系。 【0073】7.反応温度が40ないし80℃であり、
反応空間の圧力が1ないし5バールabs.(106
いし5×106 dyn/cm2 )であり、精留塔頂部の
圧力0.2ないし0.9バールabs.の蒸気は水及び
空気との間接的熱交換によって凝縮され、反応空間に還
流した蒸気凝縮物は沸点に対し約5ないし50℃だけ低
い温度を示すことを特徴とする請求項2記載の方法。 【0074】8.反応温度が140ないし170℃であ
り、反応空間の圧力が5ないし10バールabs.であ
り、精留塔頂部の圧力4.5ないし8.3バールab
s.の蒸気が熱水との間接的交換によって、圧力2.2
5ないし6.0バールabs.の飽和蒸気を生成しがら
凝縮することを特徴とする請求項2記載の方法。 【0075】9.反応媒質として1,2−ジクロロエタ
ンが速度0.1ないし5m/sで循環することを特徴と
する請求項2、前項7、8記載の方法。 【0076】10.塩素に対するエチレンのモル比が
1:1と1.005:1との間にあり、反応空間のガス
速度がエチレンガス流に関して0.01ないし1m/s
であることを特徴とする請求項2、前項7、前項8又は
前項9記載の方法。 【0077】11.反応体混合物の滞留時間が、正常条
件下(0℃、1013mbar)で、空の反応−、混合
−、及び循環空間に関して0.2ないし2分であり、反
応空間における反応体の反応時間が1.5ないし60秒
であることを特徴とする請求項2、前項7、前項8、前
項9又は10項記載の方法。 【0078】12.阻止剤としての酸素又は空気が、酸
素として計算して、塩素ガス量に対して0.01ないし
10容量%添加されることを特徴とする請求項2、前項
7、前項8、前項9、前項10又は前項11記載の方
法。
【図面の簡単な説明】 【図1】低温エチレン塩素化法及びその装置 【図2】高温エチレン塩素化法及びその装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヘルマン・クラウス ドイツ連邦共和国 マルクトル、アダルベ ルト・シュティフター・シュトラーセ 1 アー (72)発明者 ゲルハルト・デュマー ドイツ連邦共和国 ブルクハウゼン、イマ ーヌエール・カント・シュトラーセ 65 (72)発明者 クラウス・ペーター・モール ドイツ連邦共和国 ブルクハウゼン、イマ ーヌエール・カント・シュトラーセ 44

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 溶剤中で、場合によっては副産物生成を
    減らすための阻止剤の存在下でエチレンと塩素とを反応
    させることによって1,2−ジクロロエタンを製造する
    ための触媒系であって、下記の式で表されるフェノラー
    ト塩素錯化合物から成り、 Me+n〔Z+mClm ・L〕n 式中nは1ないし3の整数であり、 mは1ないし6の整数であり、 Clは塩化物アニオンを意味し、 Me+ は水素プロトン、アンモニウム及び/又はナトリ
    ウム、カリウム、カルシウムまたはセリウムの金属カチ
    オンを意味し、 Z+ は鉄、ビスマスまたはアルミニウムの金属カチオン
    を意味し、Lは下記の式のフェノラートアニオンであ
    り、 【化1】 式中Xは0ないし4の塩素原子を意味し、 Rは水素原子、及び/又はヒドロキシル基、及び/又は
    ハロゲン、及び/又は1−6個のC原子を含む直鎖状又
    は枝分かれアルキル−又は塩化アルキル基、及び/又は
    直鎖状又は枝分かれ配列の1−6個のC原子を含むアル
    コキシ−又は塩化アルコキシ基である触媒系。 【請求項2】 2個の炭素原子を有する塩素化炭化水素
    から成る循環する液体反応媒質を含む反応ゾーンにおい
    て、その媒質の気化温度以下の温度で、反応ゾーンを支
    配する圧力下で、場合によっては副反応を回避するため
    の阻止剤 としての酸素の存在下で、上記請求項に記載の
    触媒系の存在下でエチレンと塩素とを反応させることに
    よって1,2−ジクロロエタンを製造する方法であっ
    て、 a)反応媒質に溶解又は懸濁した触媒系Me +n 〔Z +m
    m ・L〕 n の濃度が、Z +m Cl m として計算して、反
    応媒質量に対して0.01ないし1.0重量%であり、
    消費されたエチレン及び塩素の補充下でその触媒系は循
    環し、その際 b)反応温度0ないし300℃、反応空間中の反応媒質
    の沸騰を阻止する圧力下で、エチレン塩素化の際に発生
    する反応エントロピーの一部又は全部を1,2−ジクロ
    ロエタン蒸気の生成のために利用し、蒸気状の1,2−
    ジクロロエタンを反応ゾーンからより低圧のゾーンに誘
    導し、この蒸気は精留塔の底部に導かれ、 c)反応温度0ないし120℃で、塔頂部の蒸気を水素
    又は空気による冷却によって凝縮し、反応温度120な
    いし300℃の蒸気の反応熱を精留塔の蒸気と熱交換器
    媒質との熱交換によって利用し、 d)生成産物に対する還流物の重量比として表される最
    小還流比、すなわち低温法の場合は2:1重量部分、高
    温法の場合は1:1重量部分を保持しながら、凝縮蒸気
    を低温法では多かれ少なかれ強く冷却し、高温法では沸
    点又は凝縮温度より最大5℃だけ冷やして、反応空間に
    還流させ、 e)精留塔の底部から、生成した1,2−ジクロロエタ
    ンを液体状で取り出すことを特徴とする製法。 【請求項】1】 溶剤中で、場合によっては副産物生成
    を減らすための阻止剤の存在下でエチレンと塩素とを反
    応させることによって1,2−ジクロロエタンを製造す
    るための触媒系であって、下記の式で表されるフェノラ
    ート塩素錯化合物から成り、 Me+n〔Z+mClm ・L〕n 式中nは1ないし3の整数であり、 mは1ないし6の整数であり、 Clは塩化物アニオンを意味し、 Me+ は水素プロトン、アンモニウム及び/又はナトリ
    ウム、カリウム、カルシウムまたはセリウムの金属カチ
    オンを意味し、 Z+ 鉄、ビスマスまたはアルミニウムの金属カチオン
    を意味し、Lは下記の式のフェノラートアニオンであ
    り、 【化1】 式中Xは0ないし4の塩素原子を意味し、 Rは水素原子、及び/又はヒドロキシル基、及び/又は
    ハロゲン、及び/又は1−6個のC原子を含む直鎖状又
    は枝分かれアルキル−又は塩化アルキル基、及び/又は
    直鎖状又は枝分かれ配列の1−6個のC原子を含むアル
    コキシ−又は塩化アルコキシ基である触媒系。
JP3115582A 1990-04-19 1991-04-19 触媒系及びこの触媒系の使用下におけるエチレンの塩化による1,2−ジクロロエタンの製法 Expired - Lifetime JPH0790172B2 (ja)

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