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JPH0793426B2 - 静電誘導バッファ構造を有する半導体素子 - Google Patents
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JPH0793426B2 - 静電誘導バッファ構造を有する半導体素子 - Google Patents

静電誘導バッファ構造を有する半導体素子

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JPH0793426B2
JPH0793426B2 JP4114140A JP11414092A JPH0793426B2 JP H0793426 B2 JPH0793426 B2 JP H0793426B2 JP 4114140 A JP4114140 A JP 4114140A JP 11414092 A JP11414092 A JP 11414092A JP H0793426 B2 JPH0793426 B2 JP H0793426B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力用半導体素子に関
し、特にバッファ構造を有する半導体素子においてバッ
ファ層の抵抗を低減化するとともに、アノードからの正
孔の注入率を高め、かつカソード・アノード間に強電界
を印加し得る新しいバッファ構造(以下、静電誘導バッ
ファ構造と称する)を有する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、バッファ層を有する半導体素子は
各種提案されている。例えば、高耐圧のGTO,静電誘
導サイリスタ,IGBT(絶縁ゲートバイポーラトラン
ジスタ),絶縁ゲート静電誘導サイリスタ等において提
案されている通りである。この構造の特徴はアノード
(コレクタ)領域前面に、nバッファ層をnベース層の
高抵抗層との間に積極的に介在させ、ゲート(ベース)
・アノード(コレクタ)間の電界分布の形状を実質的に
三角形の形状から台形の形状にし、強電界が一様にアノ
ード領域近傍まで印加されるようにした点である。この
ことによって、高抵抗層の厚さは低減でき、高耐圧化が
容易となるとともに、高抵抗層中をキャリアは強電界に
よってドリフト走行するため、特に、ターン・オンの特
性が良好となる。
【0003】nバッファ構造を有する静電誘導サイリス
タの構造例は既に特公昭59−31869号に開示され
ている通りである。或いはまた、2500V−300A
級埋込みゲートSIサイリスタの試作例も PROC. OF TH
E 16TH ANNUAL IEEE POWER ELECTRONICS SPECIALISTS C
ONFERENCE (PESC '85)において " LOW-LOSS HIGH SPEED
SWITCHING DEVICE, 2500V-300A STATIC INDUCTION THY
RISTOR "として報告されている。
【0004】図13は上記論文中の試作構造例を模式的
に示した断面構造図である。図13において、1はアノ
ード電極、2はアノード領域、3はnバッファ層、4は
nバッファ短絡層、5は高抵抗層(n B - 層)、6はゲ
ート領域、7はエピタキシャル層、8はカソード領域、
9はカソード電極、10はゲート電極である。n層3が
nバッファ層となっており、n+ 領域4によって、Pア
ノード領域2と電気的に短絡されている。n+ 領域4は
ほぼゲート電極10のアノード面に投影した下側におい
て形成されている。
【0005】ここで、nバッファ層の厚さと不純物密度
の値によってアノード側からの正孔注入量が決定され
る。nバッファ層の不純物密度を高く設定しすぎると、
注入量が低下し、ターン・オン特性,オン電圧に影響を
与える。nバッファ層の不純物密度を低くすると、正孔
注入量は増すが強電界がnバッファ層中に侵入してきて
パンチングスルーを引き起こすことがあるため、あまり
高耐圧化ができないという矛盾を生ずる。そのため、n
バッファ層の厚さをある程度厚く設定することが考えら
れるが、所定の不純物密度で、ある程度厚く設定された
nバッファ層では、オン電圧が上昇する、正孔の注入量
が低減化される、ラッチングアップへ移向する反応が鈍
い(即ち、ターン・オンの応答が低下する)等の問題点
を生じやすい。従って、現状のnバッファ層を有する半
導体素子では薄い方が望ましいにもかかわらずある程度
厚く設定し、高不純物密度に形成して高耐圧を阻止する
ことが望ましいにもかかわらず、正孔の注入量をある程
度確保するために中程度の不純物密度として形成してい
る。
【0006】更にまたnバッファ層は所定の不純物密度
を有する層状の領域としてアノード領域と高抵抗層との
間に介在するため、アノード領域に対して電気的にフロ
ーティング状態のままでは、nバッファ層内に蓄積され
るキャリアとしての電子は、そのライフタイムで決まる
期間、nバッファ層中に存在し続けることになる。この
場合、アノード領域からの正孔の注入を引き起こすが、
電子のライフタイムが長い場合には、その間、正孔注入
が起こるため、余分な正孔が注入される原因ともなる。
従って、nバッファ層はアノード領域と電気的短絡され
ることが望ましい。しかしながら、この短絡率を増す
と、nバッファの効果が薄れ、ラッチングアップを起こ
さなくなったり、或いは正孔の注入量も低減化され、オ
フ特性,テイル特性が改善されたとしても、オン特性が
劣化する原因ともなる。nバッファ層は層状に形成され
るため、横方向の抵抗を低減化する必要も生ずる。更に
また、従来のベース構造を有するバッファ構造では、そ
の構造上オン電圧が高くなりやすいという欠点も存在し
ていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アノ
ード領域からの正孔注入率が高く、かつ抵抗率分布が低
減化され、しかもカソード・アノード間に強電界を印加
でき高耐圧化に向いた、静電誘導バッファ構造を有する
半導体素子を提供することにある。
【0008】更に本発明の目的の一つは、静電誘導バッ
ファ構造を採用することによって、従来のベース層構造
に比べてオン電圧が改善された半導体素子を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によって開示され
る静電誘導(SI)バッファ構造とは静電誘導効果を利
用したバッファ構造である。即ち、ターン・オンの状態
では正孔はSIバッファ層の低不純物密度の領域を主と
して流れ、カソードから注入されてきた電子はSIバッ
ファ層の高不純物密度の領域に蓄積される。この高不純
物密度の領域は電子の拡散長Ln の2倍、即ち、2Ln
以下のピッチにてアノード領域と短絡し、電子のライフ
タイムτn で決まるSIバッファ層内の電子の寿命に対
応させて、電子をアノード電極に吸収する効果を有す
る。SIバッファ層の高不純物密度領域のかわりに、
W,Mo,Co,Pt等の金属層もしくは金属シリサイ
ド層を使用しても良い。
【0010】要は、SIバッファ層の低不純物密度層
は、高不純物密度層もしくは金属層等との間に生ずる拡
散電位によって空乏化されていればよい。そしてSIバ
ッファ層の空乏化された低不純物密度層内の電位はSI
バッファ層の高不純物密度層もしくは金属層等の電位に
より、容量結合的に制御されるように、その厚さと不純
物密度を選定すればよい。オン状態において正孔が流れ
る通路ともなるチャネル領域が形成されるが、このチャ
ネル領域は空乏化されたチャネルであって、静電誘導効
果による電位障壁制御によってその高さが容量結合的に
可変である。上記のチャネル長は短い方が正孔の注入量
が増すため有効であるが、一方においてカソード側から
広がる空乏層が、到達しても高電圧を充分に阻止できる
程度に高いポテンシャル電位構造となっている必要があ
る。強電界を主として阻止する領域はSIバッファ層の
高不純物密度領域もしくは金属層領域であるが、一部低
不純物密度領域まで空乏層が侵入し、低不純物密度領域
のチャネルの電位障壁の高さを低下させる効果も生ず
る。この効果が強くなると、アノードからの正孔注入を
引き起こし、バッファ層の効果を低減化させてしまう。
従って、SIバッファ構造においては、低不純物密度領
域中のチャネル部の電位障壁高さを充分に高く設定し、
カソード・アノード間の強電界を充分に阻止できるこ
と、及び高不純物密度領域もしくは金属層の電位によっ
て電位障壁高さが容量結合的に可変となることが必要で
ある。
【0011】上記に定義され説明したバッファ構造を静
電誘導(Static Induction;SI)バッファ構造と称す
ることになる。
【0012】従って、本発明の構成は以下に示す通りで
ある。即ち、本発明は、アノード領域、カソード領域、
ゲート領域を有する半導体素子において、前記アノード
領域に接するか近傍においてバッファ層を具備するとと
もに、前記バッファ層は一定の間隔で選択的に交互に配
置された高不純物密度領域と低不純物密度領域の部分を
有し、前記低不純物密度領域は前記高不純物密度領域と
の間の拡散電位によって実質的に空乏化されていて、か
つ、前記高不純物密度領域のバッファ層は前記アノード
領域と2Ln 以下のピッチ(Ln は電子の拡散長)で短
絡されていることを特徴とする静電誘導バッファ構造を
有する半導体素子としての構成を有するものである。
【0013】或いはまた、前記バッファ層は前記アノー
ド領域とは反対導電型であることを特徴とする静電誘導
バッファ構造を有する半導体素子としての構成を有する
ものである。
【0014】或いはまた、前記バッファ層の内、高不純
物密度領域は前記アノード領域とは反対導電型であると
ともに、低不純物密度領域は前記アノード領域と同一導
電型であるか真性半導体領域であることを特徴とする静
電誘導バッファ構造を有する半導体素子としての構成を
有するものである。
【0015】或いはまた、アノード領域、カソード領
域、ゲート領域を有する半導体素子において、前記アノ
ード領域に接するか近傍においてバッファ層を具備する
とともに、前記バッファ層は一定の間隔で選択的に交互
に配置された金属層領域と低不純物密度領域の部分を有
し、前記低不純物密度領域は前記金属層との間の拡散電
位によって実質的に空乏化されていて、かつ前記金属層
領域のバッファ層は前記アノード領域と2Ln 以下のピ
ッチ(Ln は電子の拡散長)で短絡されていることを特
徴とする静電誘導バッファ構造を有する半導体素子とし
ての構成を有するものである。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例に適用できる静電誘導
(SI)バッファ構造の模式的断面構造図である。図2
はSIバッファ構造の電位(ポテンシャル)分布の説明
図である。図1,図2において、nバッファ構造は、高
不純物密度のバッファ層11と低不純物密度のバッファ
層12により層状に形成されている。n+ 層11は互い
にメッシュ状,ストライプ状等、或いはn- 層12の穴
の開いた板状等の平面パターン形状を有し、n- 層12
とともに静電誘導(SI)バッファ層を形成している。
1はアノード電極、2はアノード領域、5は高抵抗層
(n B - 層)(基板)である。4はnバッファ短絡層で
あり、2Ln (Ln は電子の拡散長)以下のピッチでア
ノード領域2と高不純物密度のバッファ層11を短絡し
ている。図1,図2において点線はn+ (11)n
- (12)接合によって B - 層(5),n - 層(1
2)中に広がる空乏層の様子を模式的に図示したもので
ある。n+ 層11の幅をWn+,n- 層12の幅をWB
+ 層11もしくはn- 層12の厚さをLB とすると、
- 層12の中の電位障壁の形状を決定する要因は、W
BとLB の寸法と、n+ 層11とn- 層12の不純物密
度及びアノード領域2の不純物密度である。SIバッフ
ァ構造ではこれらのパラメータを設定することによっ
て、n- 層12は実質的に空乏化されている。この低不
純物密度領域12は高不純物密度領域11と同一導電型
として図1においては図示されているが、実質的に空乏
化されるならばp- の反対導電型であってもよく、或い
はまた真性領域(i)の層から形成されていてもよい。
【0017】B の寸法はチャネル長に対応し、WB
チャネル幅に対応する。アノード領域2からの注入され
た正孔は主として、WB ,LB で決まる低不純物密度の
領域12を流れ、一方、カソードから注入された電子は
高不純物密度領域11に蓄積されるとともに、2L
n (Ln は電子の拡散長)以下のピッチで配置されたバ
ッファ短絡領域4を通って、アノード領域2と電気的に
短絡されている。
【0018】 図2を参照して、n+ 層11に蓄積された
電子による電位変化をΔVn とし、ΔVn に伴うn-
中の電位障壁の変化をηΔVn とすると、アノード領域
2からの正孔注入量Δpはn+ 層11に蓄積された電子
がアノード領域2へ注入される量Δnに対する
【0019】
【数1】 程度となる。
【0020】 ここでPA はアノード領域2の不純物密
度、 B はn+ 層11の不純物密度、vP は正孔の注入
速度(拡散もしくはドリフト)、vn は電子の注入速度
(拡散もしくはドリフト)、kはボルツエン定数、Tは
絶対温度、ηは1に近い値である。
【0021】 ΔVn の値は、n+ 層11とPアノード層
2との間の拡散電位をVGAとし、アノード領域2の正孔
が見るn- 層12中の電位障壁高さをVG*A とすると、
【0022】
【数2】 と考えることもできる。
【0023】 従って、SIバッファ層における蓄積電子
に対する正孔注入の電流利得は、η=1とすると、
【0024】
【数3】 である。
【0025】 この値を従来型バッファ構造と比較する
と、従来構造では、VGA=VG*A であるから、
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】 であるからGSI>GC となり、SIバッファ構造は注入
量がはるかに高く、その分だけオン電圧が低下すると云
える。
【0028】 同一寸法LB を有する従来型バッファ構造
と比べ正孔の注入率が高いことが明らかであるが、更に
SIバッファ構造では、n+ 層11がメッシュ状,スト
ライプ状,或いは板状等に形成されているため層状の抵
抗はn+ 層中の抵抗率でほぼ決まる。従って、SIバッ
ファ層の横方向抵抗は極めて小さい。n- 層12中の電
子はドリフト走行によって周囲のn+ 層11に容易に到
達し、かつn+ 層11中の抵抗が低いからである。これ
を従来型バッファ構造と比較すると、nバッファ層は所
定の抵抗率を有するベース構造となっており、チャネル
に相当する領域もない。従って、電子はnバッファ層中
の所定の抵抗率の中を拡散によって流れることになる。
従って、バッファ層全体として見た場合の抵抗はSIバ
ッファ構造の方がはるかに低い。
【0029】 一方、電子のライフタイムが長い場合、電
子はnバッファ層中、特にn+ 層11内に長く留まるこ
とになる。しかし、あまり長時間留まると、その分だけ
余分な正孔注入を引き起こし、ターン・オフ時の蓄積時
間,テイル時間の遅れを生ずる原因となる。従って、あ
る程度の正孔注入量を確保しつつ、n+ 層11に蓄積さ
れた電子を引き出す工夫が必要となる。そのための構造
として、SIバッファ構造では、SIバッファに対して
一定のピッチでアノード領域2と電気的に短絡する構造
を採用している。この短絡のピッチとしては、電子のラ
イフタイムで決まる拡散長Ln を考慮して、2倍のLn
以下とすればよい。これによって、アノード領域2から
の正孔注入量を確保しつつ、適正な時定数で蓄積された
電子をアノード電極1に吸収することができる。
【0030】 従来静電誘導効果を利用したアノードショ
ート構造としてSIアノードショート構造が提案されて
いる。例えば特願昭62−250254号(特開平1−
93169号公報)に開示されている通りである。本願
発明は静電誘導効果をnバッファ構造に利用した構造で
ある。本願発明では静電誘導効果を利用したバッファ層
を具備することから、ゲート・アノード間は、p+ in
+ + 構造及びp+ in- + 構造の組み合わせ構造と
なっている。n- 層(12)がn+ 層(11)によって
充分に空乏化されている場合には、ゲート領域から広が
る空乏層はn+層(11)n- 層(12)からなるSI
バッファ層によって阻止され、充分な強電界を阻止する
ことができる構造となっている。Wn+,LB の寸法はで
きるだけ小さい方が望ましいことはもちろんである。n
+ 層11のかわりに金属層を用いてもよいことは後述さ
れる通りである。この場合はショットキー接合を利用す
ることになる。但し、高耐圧のためにはPN接合と組み
合わせる構造も考えられる。
【0031】 SIバッファ構造において2Ln 以下のピ
ッチにてアノード領域2と短絡する構造を採用する旨の
説明を行なったが、ライフタイム制御を行なうことによ
って、バッファ短絡層4を省略することもできる。即
ち、電子のライフタイム制御を行なってn+ 層(11)
- 層(12)近傍における電子の寿命を所定値に設定
し、ライフタイムが短い場合には短絡層4の効果が薄れ
るからである。この場合には、バッファ短絡層4は積極
的に形成する必要はなく、ライフタイム制御のための手
段を施せばよい。例えば、プロトン照射,電子線照射等
の放射線照射或いは重金属拡散を行なう。
【0032】 上記により、SIバッファ構造の原理,構
造,動作が明らかとなったが、SIバッファ構造は、各
種の半導体素子に適用することができる。例えばSIサ
イリスタ,GTO,埋込みゲートGTO,SCR,AS
CR,IGBT,MOS制御サイリスタ,MOS制御S
Iサイリスタ等においてバッファ構造を設定し、高耐
圧,高電界による高速動作が要求される場合に、従来の
バッファ構造では得られない高注入,高耐圧,高速ター
ン・オン,或いは低抵抗率による高速ターン・オフを実
現することができる。
【0033】 図3は本発明によるSIバッファ構造を埋
込みゲートSIサイリスタに適用した場合の模式的断面
構造図である。2Ln 以下のピッチにてnバッファ短絡
層4が設けられている。SIバッファ層はn+ 層(1
1)とn- 層(12)からなる。n+ 層(11)とn-
層(12)のピッチは埋込みゲート領域6のピッチと対
応させ、ゲートチャネル直下にn+ 層(11)が配置さ
れる構造を採用してもよい。図3において、参照数字は
従来例の図13、及びSIバッファ構造の原理説明の図
1,図2において用いたものと同一の構成要素には同一
の番号を符している。以下の実施例においても同様であ
る。
【0034】 図4は埋込みゲートSIサイリスタにおい
て、ゲート電極10の間隔を狭くした構造において、ゲ
ート電極10の下側のアノード側投影領域においてnバ
ッファ短絡層4を設けた構造である。図3の構造に比べ
て単位セグメント当りのチャネル数が少ないが、その分
微細化されている。nバッファ短絡層4は2Ln 以下に
設定する。
【0035】 図5はnバッファ短絡層4と、n+ 層11
及びn- 層12からなるSIバッファ層の平面パターン
形状の一例である。n+ 層11はnバッファ短絡層4の
部分でアノード電極1と短絡されている。n- 層12の
幅、不純物密度はn+ 層11との拡散電位によって充分
空乏化されるように設定する。
【0036】 図5においてはnバッファ短絡層4はメッ
シュ状に配置されている例を示したが、図6は一定の間
隔lP のピッチにてn+ 短絡部分4が配置される例を示
している。正六角形もしくは正三角形の頂点部分に対応
してn+ 短絡領域4が設けられている。lP の寸法は約
P <2Ln を満足するように配置されていればよい。
【0037】 図7は本発明によるSIバッファ構造をG
TO(ゲートターンオフサイリスタ)に適用した例であ
る。13はPベース層、14は高濃度ベース層である。
nバッファ短絡層4は2Ln 以下のピッチで配置されて
いる。
【0038】 図8は本発明によるSIバッファ構造を埋
込みゲートSIサイリスタに適用した別の例である。構
造的な特徴としては、SIバッファ構造をP+ ゲート6
のアノード側投影部分においてLn 分だけ広く設定する
点である。カソード側から注入された電子の走行時間に
よる広がり分を考慮して、約Ln 分広くSIバッファ構
造を設けている。
【0039】 図9はSIバッファ構造の別の構成例であ
る。図1の構成例と比べて、アノード領域2とバッファ
層(n+ ,n - /p - )との間に薄い介在層n(15)
を設けている。図9の構造における薄い介在層15の役
割は、その不純物密度と厚さによってアノード領域2か
らの正孔の注入量を制御する点にある。n+ 層11及び
- /p- 層12からなるバッファ層は主としてゲート
側から広がる空乏層を阻止し、強電界を阻止する役割を
担い、薄い介在層15の厚さと不純物密度を所定値に設
定することによって、正孔の注入量が制御される。図1
の構造でLB に相当する寸法は実質上図9の構造では薄
い介在層15の厚さに対応している。16は絶縁層であ
る。
【0040】 図9の構造はn+ 層11を拡散で形成後、
nエピタキシャル層を形成することによって薄い介在層
15を形成し、更にpエピタキシャル層を形成すること
によってアノード領域2を形成することによって実現さ
れる。n+ 層11の拡散深さ及び拡散ピッチは高耐圧を
阻止するためには比較的深く形成してもよい。正孔の注
入量は薄い介在層の厚さによって制御されn- /p-
12中に注入された正孔はドリフト走行される構造とな
っていることが望ましい。図9の構造においても、nバ
ッファ短絡層4を2Ln 以下のピッチにて設け、アノー
ド領域2と短絡させている。
【0041】 図10は図9に示したSIバッファ構造を
適用した平面ゲートSIサイリスタの模式的断面構造図
である。各構成要素に対する参照番号は前述の例と同様
である。
【0042】 図11及び図12は、前述の実施例の説明
におけるn+ 層11のかわりに金属層17を用いた構造
例である。金属層としてはW,Mo,Co,Pt等の金
属もしくはこれらのシリサイド等を適用することができ
る。図11においては短絡層4もこれらの金属にて設け
ている。短絡のピッチは2Ln 以下である。図12にお
いてはアノード領域2とSIバッファ層(17,12)
との間に薄い介在層15を設けた例が図示されている。
短絡層4は2Ln 以下のピッチで設けられている。
【0043】 本発明によるSIバッファ構造は、上述の
構造に限られるわけではなく、例えばn- 層中に埋込ま
れたn+ 層を有する構造、或いは、p- 層中にn+ 層が
板状に設けられた構造とすることもできる。
【0044】 更に短絡のピッチを上昇して、n+ 埋込み
層毎に短絡層4を配置することもできる。
【0045】
【発明の効果】本発明によるSIバッファ構造はバッフ
ァ層の横方向に広がる抵抗率を下げることができるた
め、バッファ層内の蓄積電子が速やかにアノード電極に
排出されるためターン・オフの性能が向上する。
【0046】 SIバッファ構造を採用することにより、
正孔の注入が低不純物密度層を介して行なわれるため、
正孔の注入量が上昇し、ターン・オンの性能が向上し、
高速ターン・オン,オン電圧が低減される。
【0047】 高不純物密度層と低不純物密度層が互いに
空乏層でつながった構造となっているため、強電界を阻
止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】SIバッファ構造の模式的断面構造図である。
【図2】SIバッファ構造のポテンシャル分布の説明図
である。
【図3】本発明によるSIバッファ構造を埋込みゲート
SIサイリスタに適用した例である。
【図4】本発明によるSIバッファ構造を微細化埋込み
ゲートSIサイリスタに適用した例である。
【図5】SIバッファ構造(11,12)とnバッファ
短絡層(4)の平面パターン例である。
【図6】nバッファ短絡領域(4)のパターン配置例で
ある。
【図7】本発明によるSIバッファ構造をGTOに適用
した例である。
【図8】本発明によるSIバッファ構造を埋込みゲート
SIサイリスタに適用した別の例である。
【図9】本発明によるSIバッファ構造の別の構成例で
ある。
【図10】図9のSIバッファ構造を適用した平面ゲー
トSIサイリスタの模式的断面構造図である。
【図11】金属層17を用いたSIバッファ構造の例で
ある。
【図12】薄い介在層15を有する図11の構造例であ
る。
【図13】従来のnバッファ層を有する埋込みゲートS
Iサイリスタの構造例である。
【符号の説明】
1 アノード電極 2 アノード領域 3 バッファ層 4 nバッファ短絡層 5 高抵抗層(n B - 層もしくはp B - 層)(基板) 6 ゲート領域 7 エピタキシャル層 8 カソード領域 9 カソード電極 10 ゲート電極 11 高不純物密度のバッファ層 12 低不純物密度のバッファ層 13 ベース層 14 高濃度ベース層 15 薄い介在層 16 絶縁層 17 金属層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/80 H01L 29/74 C 29/78 321 J 29/74 A (56)参考文献 特開 平1−218067(JP,A) 特開 昭52−69281(JP,A) 特開 昭60−198779(JP,A) 実公 昭41−24822(JP,Y1)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アノード領域、カソード領域、ゲート領
    域を有する半導体素子において、前記アノード領域に接
    するか近傍においてバッファ層を具備するとともに、前
    記バッファ層は一定の間隔で選択的に交互に配置された
    高不純物密度領域と低不純物密度領域の部分を有し、前
    記低不純物密度領域は前記高不純物密度領域との間の拡
    散電位によって実質的に空乏化されていて、かつ、前記
    高不純物密度領域のバッファ層は前記アノード領域と2
    n 以下のピッチ(Ln は電子の拡散長)で短絡されて
    いることを特徴とする静電誘導バッファ構造を有する半
    導体素子。
  2. 【請求項2】 前記バッファ層は前記アノード領域とは
    反対導電型であることを特徴とする請求項1記載の静電
    誘導バッファ構造を有する半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記バッファ層の内、高不純物密度領域
    は前記アノード領域とは反対導電型であるとともに、低
    不純物密度領域は前記アノード領域と同一導電型である
    か真性半導体領域であることを特徴とする請求項1記載
    の静電誘導バッファ構造を有する半導体素子。
  4. 【請求項4】 アノード領域、カソード領域、ゲート領
    域を有する半導体素子において、前記アノード領域に接
    するか近傍においてバッファ層を具備するとともに、前
    記バッファ層は一定の間隔で選択的に交互に配置された
    金属層領域と低不純物密度領域の部分を有し、前記低不
    純物密度領域は前記金属層との間の拡散電位によって実
    質的に空乏化されていて、かつ前記金属層領域のバッフ
    ァ層は前記アノード領域と2Ln 以下のピッチ(Ln
    電子の拡散長)で短絡されていることを特徴とする静電
    誘導バッファ構造を有する半導体素子。
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