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JPH0811066B2 - 組換えdnaが生産するヒト子宮プラスミノ−ゲンアクチベ−タ− - Google Patents
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JPH0811066B2 - 組換えdnaが生産するヒト子宮プラスミノ−ゲンアクチベ−タ− - Google Patents

組換えdnaが生産するヒト子宮プラスミノ−ゲンアクチベ−タ−

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JPH0811066B2
JPH0811066B2 JP61195124A JP19512486A JPH0811066B2 JP H0811066 B2 JPH0811066 B2 JP H0811066B2 JP 61195124 A JP61195124 A JP 61195124A JP 19512486 A JP19512486 A JP 19512486A JP H0811066 B2 JPH0811066 B2 JP H0811066B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は治療用蛋白質の生産のための組換えDNA技術
の応用に関し、詳しくは修飾されたヒト組織プラスミノ
ーゲンアクチベーター(mTPA)の生産のための組換えDN
A技術の応用に関する。
(従来技術) リジケン(Rijken)ら;Biochim.Biophys.Acta,580,14
0(1979)は、ヒト子宮組織からのヒト組織プラスミノ
ーゲンアクチベーター(uTPA)の部分精製を報告してい
る。このアクチベーターは、単鎖チモーゲン酵素であ
り、血液中のプラスミンで活性化されて、フイブリン血
栓を溶解する2−鎖型に活性化される。従つて、TPAは
種々の血管病、特に心臓内もしくはその周辺での血栓の
結果として起る心筋梗塞および深部静脈血栓に苦しむ患
者の血栓を溶解する治療用組成物として有用である。
癌細胞ライン(Bowes melanoma)細胞からmRNAをDNA
組換え技術を用いて取り出し、このmRNAをcDNAがコード
するBowesTPAの生産に使用することは、ゴデル(Goedde
l)らがヨーロツパ特許出願第0093619号に記載してい
る。
(発明の構成) 一般に、本発明は活性ヒトTPAをコードし、天然のTPA
−コードDNA分子とは、天然DNA分子のN−結合炭水化物
認識配列Asn-X-(SerまたはThr)をコードするAsn,Ser
またはThrコドンの1つの代りに、別のアミノ酸をコー
ドするコドンに置きかえて、TPAの炭水化物認識配列の
部分でTPAに炭水化物部分が結合するのを防止した点で
異なる。
好ましい態様においては、炭水化物認識配列はTPAの
カルボキシ末端に最も近い炭水化物認識配列であるか、
またはそのような修飾配列は2ケ所存在し、すなわち、
TPAのアミノ末端に最も近い配列および中間の配列であ
る。好ましくは、修飾された炭水化物認識配列におい
て、非Asnコドン例えばグルタミンコドンでAsnコドンが
置き換えられる。
本発明の組換えDNA分子は、複製可能な発現ベクター
により運ばれ、このベクターは宿主哺乳類細胞に感染さ
せたとき、活性ヒトTPAをコードするDNA配列を発現さ
せ、宿主細胞中で発現される前記活性ヒトTPAは、天然
ヒトTPAのTPA−結合N−結合炭水化物部分の1つまたは
それ以上を欠失したものである。本発明の修飾されたTP
Aは薬学的に受容しうる担体物質と一緒に混ぜて血栓溶
解治療用組成物に製造できる。
本発明のmTPAは哺乳動物細胞培養液から、どのTPAに
も応用できる方法で、先ず疎水性アフイニテイークロマ
トグラフイー、次いでmTPAを抗TPA抗体に結合させるア
フイニテイークロマトグラフイーを施す工程で精製でき
る。
本発明を好ましい態様に基づき、以下に詳述する。
ヒト子宮TPA cDNAの合成 本発明のDNA分子はuTPA cDNAの部位特異的突然変異化
(ミユータジエネシス)により造成した。そのヒト子宮
TPAをコードするcDNAは、次の工程により製造およびク
ローン化した: 1)ヒト子宮組織から全mRNAを単離する; 2)この全mRNAからuTPA mRNAを豊富化する; 3)TPA mRNAからcDNAを合成し、3′cDNA配列および
5′cDNA配列を得る; 4)5′および3′cDNA配列を結合して、中間プラスミ
ドベクター中に完全cDNA配列を得る。
uTPA mRNAの単離 ヒト子宮組織からのmRNAは次のようにして単離した。
約30gのヒト子宮組織を、4Mグアニジンチオシアネー
ト、1M2−メルカプトエタノール、50mM酢酸ナトリウム
(pH5.0)および1mM EDTAを含有するグアニジンチオシ
アネート溶液40ml中で、組織ホモジナイザーを用いて破
砕した。次にホモジネート1ml当り1gのCsClを加え、ホ
モジネートを3000rpmで10分間遠心分離した。上澄を、5
0ml遠心管中の50mM酢酸ナトリウム(pH5.0)、1mM EDT
A、および1.592gCsCl/ml溶媒を含有するCsClクツシヨン
15ml上に重層し、45,000rpmで20℃にて24時間遠心分離
した。RNAを含有する白色バンドを回収し、このCsCl溶
液を水で3倍に希釈し、RNAを沈澱させるために−20℃
で2倍量のエタノールを加えた。沈澱を遠心で回収し
た。溶解および沈澱を繰返してCsClの混在を十分に取り
除いた。約11mgの精製RNAが回収された。
精製RNAを高塩濃度緩衝液(10mMトリス(pH8.0)、0.
5M NaClおよび0.2%ドデシル硫酸ナトリウム)中にオリ
ゴ−dT セルロース1mlを含むアフイニテイーカラムに
通してから、エタノール沈澱で濃縮して、0.1MトリスHC
l(pH7.5)300μl、1mM EDTA、1%ドデシル硫酸ナト
リウムおよび50%ホルムアミドをSW41チユーブ中に得
た。チユーブを15℃で35,000rpm、16時間遠心分離し
た。フラクシヨンに別けて回収し、各フラクシヨンのRN
Aのサイズを、3H標識した4S、18Sおよび28Sの標準マー
カーにより決定した。
TPA mRNAを含むフラクシヨンを、ノーザンブロテイン
グ(Northern blotting)分析で32p標識プローブを使つ
て同定し、これらのフラクシヨンをまとめてプールし
た。mRNAを回収するため、グラジエントに等量の0.4M N
aOAc、pH5を加えて希釈し、希釈後のグラジエント溶液
に2.5倍量のエタノールを加えて沈澱させた。溶解と沈
澱の操作を繰返して、回収されたRNA中に少しでも残存
するホルムアミドを除去した。
uTPA cDNAの3′配列の製造 uTPA cDNAの第一ストランドは次のようにして、単離
されたmRNAから製造した。RNAを50mMトリスHCl、pH8.
3、50mM KCl、8mM MgCl2、各々1mMのdATP、dCTP、dGTP
およびdTTP、25μg/mlオリゴ−dT12-18、50μ/mlアクチ
ノマイシンD、30mM 2−メルカプトエタノール、0.5mCi
/ml〔α32P〕dCTP、50単位のRNasinおよび40単位のAMV
逆転写酵素とともに全量50μl中で37℃で1時間インキ
ユベートした。反応は20mM EDTAの添加により終了させ
た。次に反応混合物を、10mMトリス−HCl(pH8.0)、1m
M EDTA、および0.1%ドデシル硫酸ナトリウムで平衡化
し、そして50μgE.coli tRNAで予備クロマトグラフイー
を行なつたセフアデツクスG-100カラムに付した。
m-RNA-cDNAハイブリツドを含むフラクシヨンをプール
し、エタノールを添加して沈澱させた。回収したハイブ
リツドを37℃で数時間0.5N NaOHで処理し、氷酢酸で中
和してからエタノールで沈澱させた。
ヌクレオチドトリホスフエートを、次のようにして高
塩濃度−エタノール沈澱で除去した。DNAを最初に20〜5
0μlの水に溶解し、等量の4M酢酸アンモニウムを添加
した。2倍量のエタノールを加え−70℃で一夜放置し
た。溶液の温度を室温にもどし、遠心分離でDNAペレツ
トを得た。この操作をさらに2回繰返し、次いでペレツ
トを70%エタノールで1回洗うことにより、TPA遺伝子
の3′末端の大部分に相当する精製cDNA第1ストランド
を得た。
cDNA第1ストランドを、50mM HEPES緩衝液(pH6.
9)、10mM MgCl2、2mM DTT、70mM KCl、各々0.5mMのdAT
P、dCTP、dGTP、dTTPを含有する全量100μl中で、cDNA
第2ストランドの合成に使用した。この混合物にDNAポ
リメラーゼ−クレノウフラグメント20単位を15℃で20時
間加えた。DNAを、1:1(v/v)のフエノールとクロロホ
ルムの混合物で抽出し、エタノールで沈澱させた。
この二重鎖cDNAをS1ヌクレアーゼで処理してヘアピン
構造を除去するため、全量100μl中に30mM NaOAc(pH
4.4)、0.3M NaCl、4.5mM ZnCl、および50単位のS1ヌク
レアーゼを含む液中で室温に30分間置いた。反応を止め
るため、EDTAおよび1MトリスHCl(pH8.0)を加え、夫々
最終濃度を10mMおよび0.1Mとした。DNAを前記のとおり
フエノール−クロロホルム抽出および高塩濃度でのエタ
ノール沈澱の繰返しにより精製した。
精製した二重鎖cDNA配列を次のようにしてクローン化
した。先ず二重鎖cDNAに、60mMカコジル酸−0.14Mトリ
ス(pH7.6)、1mMジチオスレイトール、0.1mM dCTP、お
よび0.2μCi/μlの〔3H〕dCTPを含む100μl反応液中
で、オリゴ−dCのテールを付けた。10mMCoCl2を最終濃
度1mMとなるよう加え、50単位のターミナルデオキシト
ラスフエラーゼを15℃で10分間加えた。反応を止めるた
めに、EDTAを10mM、ドデシル硫酸ナトリウムを0.1%加
え、水で2倍に希釈した。次に反応混合物をアガロース
のゲル電気泳動に付し、500bpまたはそれ以上の長さのc
DNAをゲルから回収した。
このオリゴ−dCテールを付したcDNAを、予めPstIで直
線化しオリゴ−dGテールを付したpBR322DNAにアニール
させるため、全量0.5ml中に15mMトリスHCl(pH7.5)、1
50mM NaCl、および1mM EDTAを含む液中で65℃、10分
間、次に42℃で2時間処理した。アニールされたDNA
は、予めCaCl2で処理して凍結保存しておいたE.coli(M
C1061)細胞を形質転換するために用いた。細胞とDNAの
混合物を氷上で20分放置し、37℃で7分間の熱シヨツク
を与え、続いて20倍量のL−ブロスとともに37℃で45分
間インキユベートし、そして15μg/mlのテトラサイクリ
ンを含有するL−プレート上にプレーテイングした。
組換えクローンをニトロセルロースフイルターに移
し、一セツトのフイルターはテトラサイクリンプレート
上に置いて生存クローンを保存した。レプリカ組換えク
ローンを含む二つ目のセツトのフイルターは、クロラム
フエニコールプレート上に置いて37℃で一夜プラスミド
の増幅を行なつた。フイルターを処理してDNAを露出さ
せた。フイルターのプレハイブリダイゼーシヨンは、50
%ホルムアミド、3XSSC、5Xデンハート液、0.1%ドデシ
ル硫酸ナトリウム、および100μg/mlのE.coli tRNAを含
む液中で、42℃、2時間またはそれ以上の時間行なつ
た。このプレハイブリダイゼーシヨン溶液にTPA cDNA配
列を有する32P−標識プローブを加え、フイルター上のD
NAとハイブリダイズさせた(42℃、18時間以上)。フイ
ルターを次に3XSSCで4時間、65℃の0.1%SDSで30分間
洗浄し、そして再度3XSSCで室温で30分間洗浄した。フ
イルターを空気乾燥し、増感スクリーンを使用してコダ
ツクXAR-5X線フイルムに−70℃で16時間露出した。
次に10個の候補の陽性クローンを単離し、サブクロー
ン化し、前記の方法で再度スクリーニングした。繰返し
て陽性シグナルを示すクローンのみにつき、制限エンド
ヌクレアーゼ開裂による解析をした。pUPA327と名命し
たクローンは、最も大きいcDNA挿入物(2.15kb)を含ん
でいた。
uTPA cDNAの5′配列の製造 最大長のcDNAクローンにもuTPAの全コード配列は含ま
れていなかつたため、失なわれた5′配列を単離するた
めに次の方法を用いた。サイズの選択を行なわない点を
除いては上記同様にmRNAを単離した。続いて、次に示す
プライマー伸長法によつて、第一cDNAストランドを合成
した。100μl中に80%ホルムアミド、10mM PIPES緩衝
液(pH6.4)、0.4M NaCl、0.25μgの72bpフラグメン
ト、および70μgのmRNAを含む反応混合液中で、TPA cD
NA(ヌクレオチド552-624)の72bp PstIフラグメント
を、上記mRNAにアニールさせた。混合液を85℃、5分間
加熱および50℃で20時間インキユベートして、ハイブリ
ツド形成を行なつた。DNA-RNAハイブリツドの回収は、
緩衝液を水で3倍に希釈し、−20℃で一夜エタノール沈
澱させて行なつた。mRNAの溶解および沈澱操作を再度繰
返して夾雑成分を除いた。第一ストランドcDNA合成の条
件は、オリゴ−dTを省略した以外は3′配列に使用した
条件と同じである。
第二ストランドcDNAの合成は、DNAポリメラーゼI−
クレノウフラグメントのプライマー(ヌクレオチド1-1
5)として合成ペンタデカマー(CTG TGA AGC AAT CAT)
を用いて行なつた。100μl中に50mM HEPES緩衝液(pH
6.9)、10mM MgCl2、および70mMKClを含む中で、500ng
のペンタデカマーを第一ストランドcDNAとアニールさせ
るため、65℃で5分間、65℃から43℃で15分間、43℃で
15分間処理し、混合物を使用するまでに氷上に保存し
た。二重鎖cDNAは、3′配列について前記したのと実質
上同様にして合成およびクローン化した。
プレートにまいて、スクリーニングおよびサブクロー
ニングした後、pUPA432と命名したクローンを同定し
た。このクローンは失なわれていた5′コード配列を含
み、クローンpUPA372と60bpの重複部を有していた。
全長uTPA cDNAの製造 全長のヒト子宮TPA遺伝子をコードするcDNAクローン
を製造するに先立つて、遺伝子の5′および3′部分を
配列決定した。このために、クローンpUPA432(5′コ
ード配列)およびpUPA372(3′コード配列)を、マキ
サム−ギルバート化学デグラデーシヨン法およびサンガ
ーのジデオキシヌクレオチド・チエインターミネーシヨ
ン法を組合せて分析した。得られたヌクレオチド配列を
第1図に示す。
遺伝子の配列を決定した後、第2図に説明するように
して、完全cDNA遺伝子を製造した。プラスミドpUPA432
(5′配列)を、先ずBglIおよびBglIIの組合せで消化
した。ポリアクリルアミドゲルから400bpのBglI-BglII
フラグメントを単離し、さらにHaeIIIで部分的に消化し
た。得られたBglII-HaeIIIフラグメント(ヌクレオチド
117-387)をポリアクリルアミドゲル上の電気泳動で精
製した。フラグメントPstI-NarI(ヌクレオチド321-44
8)はPstIおよびNarIの消化の組合せおよび、続いての
ゲル電気泳動で単離した。このフラグメントをさらにHa
eIIIで消化して61bpのHaeIII-NarIフラグメントを生じ
させた。BglII-HaeIIIフラグメントおよびHaeIII-NarI
フラグメントの両者を、BamHIおよびNarI消化の組合せ
で直線化したpBR322中にクローン化した。得られたクロ
ーン(pUPA-BglII/NarIと命名した)から、BglII-NarI
フラグメント(ヌクレオチド117-448)、およびこれよ
り大きいBglII-SalIフラグメントが単離された。
プラスミドpUPA372をBglIIで消化し、DNAポリメラー
ゼIでブラント末端を形成し、SalIリンカーを加え、次
いでE.coli中にクローニングしてpUPA372-SalIを生じさ
せることにより、該プラスミドpUPA372のヌクレオチド2
091のBglII部位をSalI部位に変換した。続いてpUPA372-
SalIをNarIおよびSalIの二重消化で開裂させて、NarI-S
alIフラグメント(ヌクレオチド448-2091)を得た。
次に、pUPA432からG-Cテールを除去してSalI部位を導
入することにより、子宮TPA cDNAのリーダー配列に遺伝
子工学処理を加えた。このSalI部位の導入は、PstI消化
物からcDNAを単離し、5′非翻訳領域でSfaN1で開裂
し、DNAポリメラーゼIでブラント末端を形成し、SalI
リンカーを加え、SalIおよびBglIIの組合せで消化し、B
amHIとSalIでの二重消化で直線化したpBR322ベクター中
へクローニングすることにより行なつた。
この遺伝子工学処理された子宮TPAリーダーを、XhoII
およびSalI消化の組合せで、ベクターから切り取つた。
このSalI-BglIIフラグメント(ヌクレオチド7-117)
を、BglII-NarI、NarI-SalIおよびBglII-SalIの各フラ
グメントを上記のように連結して形成されたSalI-BglII
フラグメント(ヌクレオチド117-2091)にスプライスし
た。SalI部位を両端に持つ全長子宮TPA遺伝子を、次い
でpUC9ベクターのSalI部位にクローン化した。第2図参
照。このpUC9-uTPAプラスミドを、ひき続いてmTPAをコ
ードする組換えDNAの製造に使用した。
mTPA DNAの製造 第5図において、天然ヒトuTPAは、その分子の三つの
アスパラギン残基、120,187および451位置でN−グリコ
シル化されている(これらの位置はリーダー配列のカル
ボキシ末端の隣りのアミノ末端グリシン残基から数えた
ものであり、第1図の114,181および445位置に夫々相当
する。第1図においては、第三リーダー開裂部位にすぐ
続く位置を1位としている。)。N−結合グリコシル化
の認識配列は、Asn-X-(SerまたはThr)である。これら
の位置の1つもしくはそれ以上でのグリコシル化を防止
するため、本発明者らは、uTPA cDNAのグリコシル化認
識配列中のアスパラギンをコードするAACまたはAATコド
ンをCAAコドン(グルタミンをコードする)に置き換え
る方法を採つた。後に詳述するとおり、これらのミユー
タント部位(第5図のA、BおよびC)は、次のミスマ
ツチ・プライマーを用いて、インビトロ部位特異的ミユ
ータジエネシスにより造成した: (a)ミュータント位置Aに対しては、 TCGGTGACTGTTCTTTGAAGTAAATGTTGT (b)ミユータント位置Bに対しては、 CAACGCGCTGCTTTGCCAGTTGGTGCA (c)ミュータント位置Cに対しては、 GTAGGCTGACCCTTGCCCAAAGTAGCA ミユータントA単鎖DNAをテンプレートとして用い、
ミユータントAB,AC、およびABCも夫々製造した。最後
に、ミユータントBおよびCを再結合してミユータント
BCを得た。こうして可能な7種類の全ての非もしくは部
分グリコシル化ヒトTPAミユータントを製造した。ミユ
ータントのA,B,Cの記号は、ミユータントが記号部位でA
snコドンの代りにGlnコドンを有することを意味し、他
の点では天然のDNAと同一である:従つてミユータントA
Bは部位AおよびBでGlnコドンを有する。Glnを用いた
のは、単なる便宜上であり、他の非Asnコドンを同様に
使用できる。また、Asnコドンを置き代える代りに、こ
のAsnコドンから2つ下流のSerもしくはThrコドンを他
のコドン、例えばGlnで置き代えて同様の結果を得るこ
とができる。
部位特異的ミユータジエネシス インビトロ部位特異的ミユータジエネシスは、最初に
スミスら、Gene,8,81-87,99−106(1979)により報告さ
れた方法を変形して次のようにして行なつた。
前記のミスマツチ化オリゴヌクレオチドプライマー
を、慣用法により、アプライド・バイオシステムズ(Ap
plied Biosystems)自動合成装置を用いて合成した。
第3図で説明するとおり、ヒト子宮TPAをコードするD
NA(前記)をフアージM13mp18〔フアルマシア(Pharmac
ia)またはニユーイングランド・バイオラブス(New En
gland Biolabs)から入手可能〕中にクローニングし
た。プラスミドpUC9 uTPAをSalIで消化し、uTPA遺伝子
を含むフラグメントを単離し、SalIで切断しておいたM1
3-mp18ベクターの二−ストランド体中に挿入した。次に
uTPAの有意ストランド(sense strand)を含むシングル
ストランドのフアージDNAを単離して、オリゴヌクレオ
チドにより行なわれるミユータジエネシスのテンプレー
トとして使用した。各ミスマツチ化オリゴヌクレオチド
プライマーを65℃で10分間、次いで室温で10分間、20mM
トリス−HCl、pH7.5、10mM MgCl2、50mM NaCl、1mMジチ
オスレイトール、0.2pMのシングルストランド化M13-mp1
8-TPA DNA、および20pMの5′リン酸ミスマツチ化オリ
ゴヌクレオチドを含有する反応液中で処理して、テンプ
レートにアニールさせた。次に、30mMトリス−HCl、pH
7.5、10mM MgCl2、2mMメルカプトエタノール、各1mMのd
ATP,dCTP,dGTP,dTTPおよび1mMのATPを含む等容量の緩衝
液PEをアニーリング反応混合物に添加した。5-10単位の
DNAポリメラーゼ−クレノウフラグメントおよび3-5単位
のT4リガーゼを添加し、16℃で一夜インキユベートして
プライマーの伸長を行なつた。
反応混合物を希釈し、コンピテントなJM105細胞の形
質転換に使用した。フアージのプラツクに関し、その場
(in situ)でのミユータジエニツク・オリゴヌクレオ
チド・プラツク・ハイブリダイゼーシヨン法で、32P−
標識ミスマツチ化プライマーを用いて、所望のミユータ
ントをスクリーニンした。この方法は、所望のミユータ
ントはプライマーと完全に相補性であるが、天然型DNA
は1もしくはそれ以上のミスマツチ部分を含むことに基
づくものである。即ち、適当なハイブリツド形成条件下
では、ミスマツチ化プライマーがミユータントとハイブ
リツドを形成する程度は、天然型とハイブリツドを形成
するよりも大である。このハイブリツド形成能の相違
が、所望のミユータントの選択を可能とする。
候補ミユータントを単離し、制限エンドヌクレアーゼ
消化およびDNA配列決定により同定する。所望のミユー
タントuTPA遺伝子を、適当なM13mp18-TPAミユータント
の複製型のSalI消化によつて単離した。
第4B図に示すとおり、単離された各ミユータントuTPA
遺伝子を、プラスミドpCLH3axのXhoIクローニング部位
へ挿入した(プラスミドpCLH3axは、pBR322配列、マウ
スメタロチオネイン遺伝子の5′調節配列を含む2000塩
基対およびSV40の3′調節配列を含む237塩基対を伴うX
hoIクローニング部位を有する)。プラスミドpCLH3ax
は、プラスミドpCL28から第4A図に示すようにして製造
した:出発プラスミドpCL28をHindIIIで切断し、メタロ
チオネイン遺伝子の方向を変えるようにして再び連結し
た;この新たなプラスミドをBglIIおよびBamHIで切断
し、SV40の237塩基対polyA領域を挿入した;最後にBglI
I部位をXhoIリンカーの付加によつてXhoI部位に変換し
た。得られたプラスミドをXhoIで切断して、単離した各
mTPA遺伝子を挿入した。各ミユータントDNAを含む各造
成物をpCT〔ミユータント〕と命名する。ここで〔ミユ
ータント〕は、夫々のmTPAがグリコシル化の防止のため
に修飾された部位を示す。例えば、部位Aの修飾を含む
造成物はpCTAと命名される。
造成の最終工程は、哺乳動物宿主細胞の感染をひき起
すウシパピローマウイルス(BPV)をコードする配列の
付加である。プラスミドpB2-2を酵素BamHIおよびSalIで
消化して、BPVゲノムを含む7.9kbフラグメントを生じさ
せた。このフラグメントを、予め同じ二種の酵素で消化
したpCT〔ミユータント〕中へ連結した。この最終造成
物(pCAT〔ミユータント〕)は、5′メタロチオネイン
調節シグナル部分、修飾uTPA遺伝子、SV40の3′シグナ
ル部分(ポリA付加部位とともに)、および完全BPVゲ
ノムを含む。これらpCAT〔ミユータント〕発現ベクター
を、次いで哺乳動物宿主細胞に感染させて発現させ、修
飾されたuTPA蛋白質を単離するために使用した。
哺乳類細胞の感染(トランスフエクシヨン) ウイグラー(Wigler)ら、Cell,11,223(1977)の感
染技術の変法を用いて、次のようにして、pCAT〔ミユー
タント〕プラスミドDNAをマウスC127細胞中に導入し
た。
pCAT〔ミユータント〕DNAの5-20μgを、10μgの担
体サケ精子DNAを含有する240mM CaCl20.5ml中へ添加し
た。この溶液を、等量の2XHBS(280mM NaCl、20mM Hepe
sおよび1.5mMリン酸ナトリウム;pH7.1)中へ泡立てなが
ら加えた。室温で30分間リン酸カルシウム沈澱を形成さ
せ、5×105個のC127細胞を感染の24時間前にプレーテ
イングした。リン酸カルシウム沈澱が生じている間に、
細胞増殖培地を交換した。リン酸カルシウム沈澱を細胞
に加えて、37℃で6-8時間インキユベートした。DNAを除
去し、細胞をリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)、pH7中の
20%グリセロールに室温で1-2分間暴露した。細胞をPBS
で洗浄し、10%仔牛血清(MAバイオロジカルズ)、ペニ
シリン/ストレプトマイシン、および10mMグルタミン
(GIBCO)を含むダルベツコの修正培地10mlを添加し
た。培地を24時間後およびその後各3〜4間毎に交換し
た。14〜21日後にフオーカスが検出され、21日後にクロ
ーニングリング法(cloning ring method)で単離され
た。このフオーカスを分析のため増殖させた。
感染細胞を、慣用手段で培養し、慣用手段でmTPAを連
続的に培養培地から収穫した。pCAT〔ミユータント〕を
含む形質転換C127細胞は、mTPAを高率に生産した。BPV
ベクター(これはDNAコピー数の増大を果たす)中での
強力なメタロチオネインプロモーターが調節するmTPAの
生産およびBPVによる形質転換細胞の連続増殖特性は、
相まつてmTPAの大量生産の最適系を提供する。
培養培地からのmTPAの抽出および精製 形質転換哺乳類細胞により生産された活性修飾TPA
は、宿主細胞培養培地から回収した。細胞抽出物もしく
は培養培地からの活性mTPAの精製は、一般に1)疎水性
アフイニテイークロマトグラフイー、そして2)抗体ア
フイニテイークロマトグラフイーの工程を含む。この方
法は野性型のTPAや、他の修飾型TPAにも応用できる。詳
細にはこれらの工程は以下のように行なう。
疎水性アフイニテイークロマトグラフイー この工程は、宿主細胞培養培地中のmTPAを、例えばト
リスアクリルブルー(LKB)、マクロソルブブルー、ま
たはCMアフイゲルブルー(BioRad)のようなmTPAに結合
できるが培養培地中の他の何種かの蛋白質には結合しな
い染料との複合体にする工程を有する。(アフイゲルブ
ルーは、ヒトのノイロブラストーマラインから単離され
たプラスミノーゲンアクチベーターの本発明とは別の精
製において、(NH4)2SO4沈澱およびp−アミノベンズア
ミジン−セフアロースクロマトグラフイーとの組合わせ
で使用されている;Biochim.Biophys.Acta,704,450-460,
1980。) 培地を過して澄明化し、次いで希釈又は濃縮するこ
となく使用した。リン酸緩衝化生理食塩水、0.01%ツイ
ーン、pH7.1で平衡化したトリスアクリルブルーマトリ
ツクス(LKB)を50ml/l加えた。上澄をトリスアクリル
ブルーマトリツクスに加え(20ml/mg TPA)(バツチ式
結合)、溶液を4℃で2時間、おだやかに攪拌した。マ
トリツクスを次に20mMリン酸緩衝液、pH7.4、0.15M NaC
l、および0.01%ツイーン80で洗つた。このTPA−含有物
質を次に負荷率(load factor)50%でゲル過カラム
に注入し、線速度85cm/時間でゲル過を行つた。トリ
スアクリルブルーマトリツクスから0.5Mアルギニン、0.
02Mリン酸緩衝液、0.15M NaCl、0.01%ツイーン、pH7.4
で溶出させた。TPAの回収率は、一般的に90-95%であつ
た。
上記のとおり、この工程でトリスアクリルブルー以外
のマトリツクスを使用してもよい。その一例は、CMアフ
イゲルブルー(Bio Rad)であり、これはmTPAを同様に
良好に結合し、トリスアクリルブルーと同様のパターン
でmTPAを溶出する。
アフイニテイークロマトグラフイー 精製を高度に達成する次の工程は、固体支持体カラム
上に固定化した抗TPA抗体を使用するアフイニテイーク
ロマトグラフイーである。慣用手段で作られたポリクロ
ーナルまたはモノクローナル抗TPA抗体のどちらでも使
用できる。
好ましいアフイニテイークロマトグラフイー工程は次
のように行なわれる。トリスアクリルブルーマトリツク
スから溶出した材料を、該溶出液中に含まれる全てのmT
PA活性を結合できるモノクローナル抗TPA抗体セフアロ
ースマトリツクス中に、4℃で非常にゆつくりと通過さ
せる。適当な抗体は、スコツトランドのバイオスコツト
社(Bioscott,Ltd)またはアメリカン・ダイアグノステ
イカ(American Diagnostica)から市販されている。こ
の抗体をCNBr活性化セフアロースに、5mg抗体/ml樹脂の
量で結合させる。抗体マトリツクスを0.1Mトリス、pH8.
0および0.01%ツイーン80で予め平衡化し、0.5M NaCl、
0.01%ツイーン80、0.1Mトリス、pH8.0で洗浄し、そし
て3.0M KSCN、0.01%ツイーン80、0.1Mトリス、pH8.0で
溶出する。溶出は線速度60cm/時間で行ない、70-80%よ
り高い回収率が得られる。次にこの濃縮されたmTPAを0.
3MトリスHCl、pH8.0、0.25M NaCl、および0.01%ツイー
ン80に対して透析する。
抗体/セフアロースカラムから回収された精製mTPAは
SDS PAGE電気泳動によれば5%以下の夾雑成分を有す
る。還元条件で、多少の2−鎖TPA(活性型;単鎖が好
ましい型である)が観察された。精製工程で使用する緩
衝液にアプロチニンを添加することによつて、2−鎖型
を防止することができる。
子宮TPA cDNAおよび修飾uTPAの性状決定 上記のとおり、第1図には子宮TPA cDNAのヌクレオチ
ド配列を、該cDNAによつてコードされると逆算された子
宮TPAのアミノ酸配列とともに示す。暫定的プレプロ配
列(tentative preprosequence)はアミノ酸−38から−
1に相当する。第1図中でアミノ酸+1、−3および−
6の前の各縦線は、開裂部位を示す。グリコシル化可能
部位は、Asn残基のCHOで示されているが;215番の部位は
実際はグリコシル化されない。プラスミン開裂部位(単
鎖uTPAが2−鎖uTPAに変換される部位)は矢印で示され
る。セリンプロテアーゼの活性中心の保存された配列に
は、下線が施されている。第1図はまた、子宮TPA cDNA
と本発明で種々のアスパラギンコドンをグルタミンコド
ンで置き代えた組換えDNA分子との、ヌクレオチド配列
の相違を示す。これらの特定のアスパラギンコドンを除
去することにより、コードするTPA分子のN−結合グリ
コシル化の程度を低めることができる。
部分的もしくは非−グリコシル化がmTPAの半減期に及
ぼす影響を、半減期の測定及びそれらの半減期と完全グ
リコシル化uTPAの公知半減期との比較により調べた。半
減期測定は、ウサギを使用し、TPA注射後の各種時間に
血液サンプルを採取し、存在するTPAの活性及び量を夫
々フイブリンプレートおよびELISA検定で調べることに
より行なつた。この比較の例として、以下にミユータン
トAおよびBCの分析結果を示す。
ミユータントA TPAおよびミユータントBC TPAの分析 インビボにおけるuTPAの半減期に対して、グリコシル
化が影響を及ぼすか否か調べるため、ウサギを動物モデ
ルとして試験を行なつた〔コレン(Collen)等、J.Phar
m.Exp.Ther.,231:146-152,1984〕。
ニユージーランド白色家兎(4-5ポンド)に、耳の周
辺の静脈から、50-200μgの修飾TPAまたは天然タイプT
PAの50-200μg量を注入した。このウサギの大動脈から
1mlの血液サンプルを、直接3.8mlクエン酸ナトリウム中
へ、0時間目および注射後30秒、1分、2分、3分、4
分、5分、7分、10分、15分、20分の設定時間後に採取
した。サンプルを遠心分離して細胞を含まないプラズマ
を得、これを検定まで凍結保存した。各野性型TPAおよ
び修飾TPA毎に少なくとも3匹のウサギに注射を行なつ
た。データをプロツトすると、試験された各TPAは2-3分
の同様な半減期を示した。しかしながら、長時間(20
分)にわたつてカーブを分析すると、修飾TPAのあるも
のは、野性型TPAに比べてプラズマ中の濃度が高いこと
が判明した。したがつて、初期の急速な消失速度は、試
験された全てのTPAについて近似していたが、20分目ま
での消失速度は修飾TPAのあるものの方が低かつた。そ
の例を第6図に示す。表1は、ミユータントAおよびBC
が野性型TPAより有意に遅い消失速度を持つことを示唆
する結果をまとめたものである。
次の実験は、ELISAアツセイで検出された血液中の修
飾TPAが生物学的に活性であることを確認するために行
つた。TPA活性は、125I−フイブリンを用いたフイブリ
ンクロツト溶解アツセイおよび間接的アミド基質溶解ア
ツセイ(amidolyticassay)で決定した。結果を表1お
よび第6図に示すが、それによれば、ミユータントAお
よびBCは野性型子宮TPAに比べてアツセイ法の如何にか
かわらず、長い消失時間を示した。
上記の実験は、修飾TPAがプラズマ中で生物学的活性
を保持していることを示している。ミユータントのフイ
ブリン溶解活性の更に別の試験は生体外および生体中で
のクロツトの溶解によつて行なつた。修飾TPAは最初に
生体外での125I−フイブリンクロツトに対する試験を行
つた。フイブリンクロツトは、10mM CaCl2を含有する正
常ヒトプール血漿0.5ml中の1.5μCiの125Iフイブリン
(IBRIN,アメルシヤム)および10μlのトロンボプラス
チンの混合物から作つた。クロツトは実験期間中3mlの
プラズマ中に保持した。放出される放射活性のベースラ
インの安定化のために37℃30分間予備インキユベーシヨ
ンした後、同量の野性型またはミユータントTPAを0.1〜
2μg蛋白量で、該125I−フイブリンクロツトに添加
し、インキユベーシヨンを37℃で継続した。TPA添加後
の種々の時間に、サンプル50μlを取り出し、溶液中の
放射活性のカウントを行つた。時間tにおけるパーセン
トクロツト溶解の計算は、時間tにおける溶液中のカウ
ント量を添加もしくは放出放射活性カウント総量(100
%ソリユブル)で割つて計算した。第7図に、野性型TP
A、ミユータントAのTPA、ミユータントBCのTPAを比較
した、インビトロのクロツト溶解の結果を示す。第7図
のグラフに見られるとおり、各特定の量について、修飾
TPAのフイブリン溶解活性は、野性型TPAの活性と同程度
であつた。
次に修飾TPAの、インビボにおけるフイブリンクロツ
トに対するフイブリン溶解活性を試験した。兎プラズマ
を使用したとき、インビボのクロツト溶解試験の感度向
上が認められたので、インビボのクロツト溶解実験のた
めに同一の0.5又は1ml125I−フイブリンクロツトを作成
した。このクロツトを、12ゲージ針を用いて重さ4ポン
ドのニユージーランド白色兎の頸静脈に投与した。耳周
辺の静脈からTPAを投与し、頸動脈中のカテーテルを通
してプラズマサンプルを30秒ないし3時間の間の各時間
に抜き取つた。TPA注入の各種パラメーターをテストし
た後、TPAを45μgの大量投与に引き続いて、0.25mg/時
間の速度で110分間の連続注入を行なうことが、兎での
野性型およびミユータントAのフイブリン溶解活性の比
較に最適と判明した。第8図に示す如く、ミユータント
AのTPAを注射された三匹の兎のフイブリン溶解活性
は、同量の野性型TPAを注射した兎よりも大きいことが
観察された。さらに、注入の間において、ミユータント
A蛋白質を含むプラズマサンプル中のアミドリシス活性
の方が野性型TPAの場合より大きいばかりでなく、注入
終了後の40〜60分後に血液中に存在するアミドリシス活
性もミユータントA TPAの方が野性型TPAを投与した兎の
プラズマサンプル中のものより大きかつた(第9図)。
これらのインビボクロツト溶解試験の結果は、明らか
にミユータントAの長い生物学的半減期を示しており、
連続注入の期間にプラズマ中のTPAの蓄積の増加につな
がるものである。ミユータントBCについても同様の結果
が観察された。インビトロおよびインビボの両方の生物
学的アツセイから、二種のTPAミユータントAおよびBC
は、測定法の如何にかかわらず常により長い排出時間を
有し、その生物学的活性を保持すると決論される。上記
のとおり、循環血液中からの完全グリコシル化TPAの肝
臓による排出は非常に速く、生物学的半減期は約2分で
ある(Thromb.Haemostas.46,658,1981)。従つて、TPA
は通常は注射では投与されず、大量を3時間かけて注入
することにより投与される。mTPAの長い半減期は、クロ
ツト溶解達成に必要な量を少なくするから、注入による
ことなく注射による治療を可能とする。
用途 本発明のmTPAは血栓治療の必要あるヒト患者、例えば
術後患者、最近血栓による心筋硬塞をおこした患者およ
び深部静脈血栓症になやむ患者の血栓を溶解する治療目
的に使用される。mTPAは薬学的に受容される担体物質、
例えば塩溶液と混合して、経口、静注等で投与したり、
障害を受けた動脈又は心臓に注射して投与される。以下
に例示的実施例を示す。
実施例1 大量投与による血栓の緊急的治療のため、5〜10mgの
凍結乾燥mTPAを生理食塩水と混合し、mTPAの大量を静脈
から患者に投与するための注射器の筒内に入れた。
実施例2 冠状動脈血栓の早急な溶解を目指す注入投与のため、
約100mg/時間の凍結乾燥mTPAを約1時間かけて静脈から
注入し、その後更に約3時間かけて約50mg/時間の静脈
注入を行つた。
実施例3 冠状動脈血栓の早急な溶解を目指す注入投与のため、
実施例2の処方によつたが、但し、注入の前に生理食塩
水中の約10mgの大量mTPAを静脈注射した。
実施例4 深部静脈血栓症のおだやかな溶解を目指す注入治療の
ため、生理食塩水に溶解した凍結乾燥mTPAを約15mg/時
間の割合で約12ないし24時間かけて静脈注入した。
他の態様も特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
第1図A〜Cは、隣接領域を含む、天然ヒト子宮TPA遺
伝子の塩基配列を、本発明の組換えDNA分子中のコドン
の置き代え部分の例とともに示す一連の塩基配列図であ
り、 第2図AおよびBは、完全uTPA cDNA配列の製造法を示
す一連の工程図であり、 第3図は、mTPAをコードする組換えDNA分子の製造法を
示す工程図であり、 第4図AおよびBは、本発明の哺乳類発現ベクターの製
造法を示す一連の工程図であり、 第5図は、N−グリコシル化部位およびジスルフイド結
合部位ならびに本発明におけるグリコシル化ミユータン
トの部位を記入したヒト子宮TPAの模式図であり、 第6図は、uTPAおよびmTPAミユータントAの生体内にお
ける半減期を求めるためのグラフであり、 第7図は、uTPAおよびmTPAミユータントAおよびBCの生
体外における血栓溶解試験データを示すグラフであり、 第8図は、uTPAおよびmTPAミユータントAおよびBCの生
体内消失速度を調べるための血栓溶解試験データを示す
グラフであり、 第9図は、uTPAおよびmTPAミユータントAおよびBCの生
体内消失速度を調べるための間接アミド基質溶解試験デ
ータを示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 38/00 38/46 C07H 21/04 B C12N 5/10 9/64 Z // A61K 35/50 7431−4C (C12N 9/64 C12R 1:91) A61K 37/00 37/54 (72)発明者 ヴァームリ・ビー・レッディ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01701, フレイミンガム,トゥー・ジョン・マック ィン・サークル (番地なし) (72)発明者 ジェフリー・エフ・レモント アメリカ合衆国マサチューセッツ州02165, ウェスト・ニュートン,フェアウェイ・ド ライブ 165 (72)発明者 ウィリアム・ダッコウスキ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01721, アシュランド,オレゴン・ストリート 73 (72)発明者 リチャード・ダグラス アメリカ合衆国マサチューセッツ州01772, サウスボロ,エッジウッド・ロード 46 (72)発明者 エドワード・エス・コウル アメリカ合衆国マサチューセッツ州01756, メンドン,セミタリー・ストリート 11 (72)発明者 リチャード・ディー・パーセル・ジュニア アメリカ合衆国マサチューセッツ州02158, ニュートン,メイプル・アベニュー 17 (72)発明者 デービッド・タイーユイ・ロウ アメリカ合衆国マサチューセッツ州01752, マールボロ,ウェスタービュー・ドライブ 12 (56)参考文献 Biochemistry,23(1984) p.6191〜6195

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然のヒトTPAとは異なる修飾された活性
    あるヒトTPAであって、天然ヒトTPAの複数のN−グリコ
    シル化部位の少なくとも一つはグリコシル化されておら
    ず、少なくとも一つはグリコシル化されており、該グリ
    コシル化されていないグリコシル化部位のAsn-X-(ここ
    で、XはSerまたはThrを表す)の少なくとも一つのアミ
    ノ酸残基は他のアミノ酸残基に置換されている点で天然
    のヒトTPAとは異なる、修飾された活性あるヒトTPA。
  2. 【請求項2】天然ヒトTPAのカルボキシ末端付近のグリ
    コシル化部位はグリコシル化されているが、アミノ末端
    付近および中央付近のグリコシル化部位の少なくとも一
    つはグリコシル化されていない点で天然のヒトTPAとは
    異なる、特許請求の範囲第1項記載の修飾された活性あ
    るヒトTPA。
  3. 【請求項3】天然ヒトTPAのアミノ末端付近および中央
    付近のグリコシル化部位はグリコシル化されているが、
    カルボキシ末端付近のグリコシル化部位はグリコシル化
    されていない点で天然のヒトTPAとは異なる、特許請求
    の範囲第1項記載の修飾された活性あるヒトTPA。
  4. 【請求項4】天然のヒトTPAとは異なる修飾された活性
    あるヒトTPAであって、天然のヒトTPAの複数のN−グリ
    コシル化部位の少なくとも一つはグリコシル化されてお
    らず、少なくとも一つはグリコシル化されており、該グ
    リコシル化されていないグリコシル化部位のAsn-X-(こ
    こでXはSerまたはThrを表す)の少なくとも一つのアミ
    ノ酸残基は他のアミノ酸残基に置換されている点で天然
    のヒトTPAとは異なる、修飾された活性あるヒトTPAを製
    造する方法であって、 a)天然ヒトTPAのDNA分子のN−結合炭水化物認識配列
    Asn-X-(ここで、XはSerまたはThrを表す)をコードす
    るAsn、SerまたはThrコドンの全部ではないが少なくと
    も一つを、別のアミノ酸をコードするコドンに置き換え
    て、TPAの前記炭水化物認識配列の該当位置に炭水化物
    成分が結合することを防止した点で天然のTPAをコード
    するDNA分子と異なる、活性なヒトTPAをコードする組換
    えDNA分子を含む発現ベクターで哺乳類細胞を形質転換
    し、 b)該哺乳類細胞を、前記DNA配列が発現されて前記TPA
    を生じる条件下に培地中で培養し、そして c)前記細胞または培地からTPAを単離する、 ことよりなる方法。
  5. 【請求項5】培地からTPAを単離する工程が、該培地に
    疎水性アフィニティークロマトグラフィーを施してTPA
    の比活性を高めた組成物を得、次いで該組成物にアフィ
    ニティークロマトグラフィーを施して該TPAを抗TPA抗体
    に結合させることを含む特許請求の範囲第4項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】天然のヒトTPAとは異なる修飾された活性
    あるヒトTPAであって、該修飾TPAは天然ヒトTPAの複数
    のN−グリコシル化部位の少なくとも一つはグリコシル
    化されておらず、少なくとも一つはグリコシル化されて
    おり、該グリコシル化されていないグリコシル化部位の
    Asn-X-(ここで、XはSerまたはThrを表す)の少なくと
    も一つのアミノ酸残基は他のアミノ酸残基に置換されて
    いる点で天然のヒトTPAとは異なる、修飾された活性あ
    るヒトTPAを薬学的に受容される担体物質とともに含ん
    でなる血栓溶解治療剤。
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