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JPH0817970B2 - 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具 - Google Patents
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JPH0817970B2 - 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具 - Google Patents

塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具

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JPH0817970B2
JPH0817970B2 JP10330387A JP10330387A JPH0817970B2 JP H0817970 B2 JPH0817970 B2 JP H0817970B2 JP 10330387 A JP10330387 A JP 10330387A JP 10330387 A JP10330387 A JP 10330387A JP H0817970 B2 JPH0817970 B2 JP H0817970B2
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paint
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英之 加藤
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装ラインにける自動車ボディ回転用治具
に関するものである。
(従来技術およびその問題点) 被塗物としての自動車ボディを塗装する場合、ボディ
に付着しているゴミを除去する準備工程と、ボディに塗
料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥させる乾燥
工程とを有する。
そして、ボディは、通常、搬送台車により搬送されつ
つ上記準備工程、塗装工程および乾燥工程を経ることに
なるが、ボディの姿勢は、各工程において所定の姿勢を
保持したまま行われている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、最近では、自動車ボディの塗装ラインにお
いて、種々の理由からこのボディを回転駆動し得るよう
にしたものが望まれている。このボディを搬送中に回転
させる理由としては、例えば次のような場合がある。
先ず第1の理由として塗装ガンの数を極力少なくする
ことがある。すなわち、例えばボディの上面、左側面、
右側面の3面に塗料を吹付けようとした場合、従来は、
この3面に対して塗料を吹付けられるように、固定型あ
るいは往復動型の塗装ガンが、上記3面に対応したそれ
ぞれの位置に配置されていた。しかしながら、ボディを
回転し得るようにすれば、このボディを回転させること
により塗装ガンに対して臨む面を変更することができ、
したがって塗装ガンはある特定の一方向位置に対しての
み設定すればよいことになる(塗装ガン数の減少)。
第2の理由としては、焼付炉内におけるボディの均一
加熱が行なわれる点にある。すなわち、焼付炉内では、
ボディの各部分が極力均一に加熱されるように、熱風を
循環させるようにしているが、この焼付炉内でボディを
回転させれば、均一加熱という点で一層好ましいものと
なる。
第3の理由としては、新規な塗装方法を行なう点から
の要請である。すなわち、塗装工程においてダレ限界以
上の厚さに塗料を塗布すると共に、次の乾燥工程で被塗
物を水平軸線回りに回転させることにより、同じ塗膜の
厚さであればより一層平滑度が高くなった高品質の塗装
面が得られることになり、このような乾燥方法を行なう
場合にもボディを回転させる必要がある。
このように、自動車ボディを回転駆動させる場合、そ
の前提として、当該自動車ボディを回転可能に支承する
必要がある。このため、自動車ボディに対して回転用治
具を取付けて、この回転用治具に形成されている回転軸
部すなわち自動車ボディの回転中心となる被支承部を、
例えば搬送台車に形成された支承部によって支承するこ
とが考えられている。
この回転用治具を利用して自動車ボディを回転させる
場合、この回転用治具と自動車ボディとの結合をいかに
行うかが問題となる。すなわち、自動車ボディは被塗物
としてかなり大型かつ重量物であるため、回転用治具を
介して自動車ボディをいかにバランスよく支承させ得る
かが問題となる。特に、自動車ボディは重量物であるた
め、自動車ボディ回転の際の回転モーメントに十分対抗
し得るようにすることが望まれる。また、回転用治具と
自動車ボディとの結合に際して、この結合用の特別の加
工を自動車ボディに施すことは、コスト上、工程増加上
等の観点から得策ではない。
したがって、本発明の目的は、自動車ボディに対して
特別の結合用の加工を施すことなく、回転用治具を介し
て自動車ボディを確実かつバランスよく回転させ得るよ
うにした塗装ラインにおける自動車ボディ回転用治具を
提供することにある。
(問題点を解決するための手段、作用) 前述の目的を達成するため、本発明における回転用治
具は、基本的に、搬送台車等に設けられる支承部に支承
されて自動車ボディの回転中心となる回転軸部と、自動
車ボディに対する取付部と、を有している。そして、上
記取付部を、回転軸部を挟んで左右対称位置に一対設け
て、この各取付部には、自動車ボディに形成されている
左右一対の開口部分に挿入される差込ヘッドを有するも
のとして構成してある。
すなわち、自動車ボディには、上述した左右一対の開
口部として、例えば足回り部品としての緩衝器の上端部
が取付けられるサスペンションタワー部の開口、ヘッド
ランプ取付孔、リアコンビネーションランプ取付孔、さ
らにはフレーム(フロアフレーム、フロントフレーム、
リアフレーム等その位置によって名称を使い分けられて
いる場合もある)にあっては、閉断面状にボディ前後方
向に伸びてその前面あるいは後面に開口している。そし
て、これ等の開口は全て、左対称に右一対設けられてい
るが通例である。したがって、左右一対の取付部の各差
込ヘッドを、上記左右一対存在する自動車ボディの開口
に挿入することにより、この差込ヘッドを介して、回転
用治具の回転軸部と自動車ボディとは共に、当該回転軸
部の軸心を中心にして一体回転されることになる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
ここで実施例では、同じ塗膜の厚さであれば得られる
塗装面の平滑度を向上させるため、塗装工程での塗料吹
付けは、塗膜の厚さがダレ限界以上の厚さとなるように
し、また乾燥工程では、ボディを水平軸線回りに回転さ
せるようにしてある。そして、このボディの水平軸線回
りの回転のために、本発明を適用するようにしてある。
上述の点を説明すると、先ず、塗装面の品質を評価す
る1つの基準として、平滑度(平坦度)があり、この平
滑度が大きい程塗装面の凹凸の度合が小さくて、良好な
塗装面となる。この塗装面の平滑度を向上させるには、
塗膜の厚さ、すなわち塗布された塗料の膜厚を大きくす
ればよいことが既に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に流動することにより生じ、1
回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易く
なる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響
であるため、ボディのうち上下方向に伸びる面すなわち
いわゆる縦面において生じ易いものとなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならないボ
ディの水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
上述のような観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい塗料を用いて塗装を行なうようにしてい
た。そして、縦面において塗料の“ダレ”が生じるいわ
ゆる“ダレ限界”は、例えば熱硬化型塗料では塗膜の厚
さで40μm程度が最大であった。より具体的には、熱硬
化型塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付工
程初期、特に焼付工程初期に生じ易く、この時期に“ダ
レ”が生じないように、塗装工程で塗布される塗料の厚
さが決定され、この決定された厚さの最大値すなわちダ
レ限界値が40μm程度となる。したがって、絶対的によ
り一層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、従来の
塗装方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から焼付工
程に至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行なう必
要があった。
しかしながら、前述したダレ限界以上の塗布とその後
のボディの水平回転を行うことによって、ボディに塗布
された塗料に対して作用する重力の方向が、ボディを水
平方向に回転させることによって変更されるため、塗料
は、“ダレ”を生じることなく乾燥されることになる。
これにより、1回当りに塗布する塗料の膜厚を従来よ
りもはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされていた
レベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面を得ること
ができる。
また、従来と同じような塗膜の厚さとした場合でも、
塗料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち
平滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
さらに、同じ平滑度例えば従来の塗装方法で得られる
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くする
ことができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を
低減することができる。
勿論、薄い塗膜でも“ダレ”を生じるような塗料は、
従来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合減
少させることによって得ればよい。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車用ボディWを塗装す
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示し
てある。
先ず、電着塗装によって既知のように下塗りが完了さ
れたボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴミ
が例えばエアブローあるいは真空吸引によって除去され
る。次いで、工程P2において、ボディWに対して塗料
(実施例では熱硬化型塗料)が吹き付けられた後、塗料
の乾燥がセッティング工程P3および焼付工程P4において
なされる。
ゴミの除去 工程P1でのゴミ除去は、第2図に示すように、ボディ
Wを水平軸線lの回りに回転させつつ行うとよい。すな
わち、例えば先ず第2図(a)で示す状態でボディWの
回転を停止させてゴミの除去が行われた後、第2図
(b)の状態へとボディWの姿勢を変換してこの位置で
停止させ、再びゴミ除去がなされる。このようにして、
第2図の(c)、(d)・・・(i)というように、ボ
ディWを間欠回転させつつ、ゴミの除去が行われる。
このように、ボディWを回転させつつゴミの除去を行
うことにより、例えばボディWのルーフパネル内面角部
やサイドシル等の閉断面内に付着しているゴミ、すなわ
ち、ボディWを回転させなければ落下してこないような
ゴミをも完全に除去することが可能になる。
なお、ボディWの回転範囲は、第2図に示すように36
0゜回転としてもよいが、後に説明する乾燥工程でのボ
ディWの回転に合せて、例えば180゜の範囲で回転させ
る(第2図(a)と(e)との範囲)等、適宜のものと
することができる。
塗料の吹き付け、乾燥 先ず、P2での塗料の吹付けは、塗膜の厚さがダレ限界
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている熱硬化型塗料では、“ダレ”を生じな
い塗料の最大厚さすなわちダレ限界値は40μm程度であ
るが、工程P2では、このダレ限界となる40μmよりもは
るかに厚い塗膜となるように(例えば65μm)となるよ
うに塗料が吹付けられる。
このP2の後、すみやかにP3のセッティング工程へ移行
される。このセッティング工程P3では第2図(a)〜
(i)で示すように、ボディWが水平方向にに回転され
る。すなわち、ボディWが水平方向に伸びる回転軸心l
を中心として回転され、実施例では、この回転軸線l
が、ボディWの前後方向に伸びるものとされている。な
お、このセッティング工程P3での温度雰囲気は、実施例
では常温としてあるが、40゜〜60℃等次の焼付工程P4で
の温度雰囲気よりも低い温度の範囲で適宜の温度に設定
し得る。勿論、このセッティング工程P3は、あらかじめ
塗料中の低沸点分を揮発させるためであり、これによ
り、次の焼付工程P4で低沸点分が急激に揮発されること
による塗装面でのピンホール発生が防止される。
焼付工程P4においては、例えば、140℃の温度雰囲気
で、塗料の焼付けが行なわれる。このP4でも、P3のセッ
ティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)に示すよ
うにボディWが水平方向に回転される。
上述したP3、P4でのボディWの水平方向の回転によ
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダレ
が生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従来
の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高い高品
質の塗装面が得られる。
塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、熱硬化型塗料に着目して、塗膜厚さがダレ
限界に与える影響について示すものである。この第3図
では、塗膜厚さとして、40μm、53μm、65μmの3通
りの場合を示してある。このいずれの厚さの場合も、セ
ッティング工程初期と焼付工程初期との両方の時期に、
“ダレ”のピークが生じることが理解される。また、ダ
レ限界は、通常1分間に1〜2mmのダレを生じるときの
値をいうが(目視して2mm/分以上のダレを生じると塗装
面が不良とされる)、このダレ限界以下の範囲で得られ
る最大の塗膜厚さは、従来の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させると
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであ
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限度がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを360
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルキッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で22秒/20℃ b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm) シェーピングエア…2、0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目…100cc/min 第2回目…150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値)(中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域:セッティング(10分)〜焼付
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った なお、塗料が主樹脂と硬化剤とを使用する2液硬化型
である場合はセッティング工程P3のみでダレが生じ、ま
た塗料が液体塗料である場合は焼付工程P4でのみダレが
生じるので、ボディWの回転は、このダレが生じるセッ
ティング工程P3のみあるいは焼付工程P4でのみ行なうよ
うにすればよい。また、粉体塗料の場合は、溶剤を含有
しないので、セッティング工程は不用である。
回転用治具 次に、ボディWを台車Dに対して水平方向に回転可能
に支持させるために用いる治具の具体例について説明す
る。
第5図〜第9図は、自動車ボディWのサスペンション
タワー部に対して取付けるようにした場合の例を示す。
第8図、第9図に示すように、この治具1は、前後一対
の回転軸部2F、2Rと、両回転軸部2Fと2Rとを連結する連
結部3と、を有する。両回転軸部2Fと2Rとは互いに同一
直線上に位置され、このような両回転軸部2Fと2Rと上記
連結部3とは、一部屈曲された連続した棒状のものとし
て構成されている。上記連結部3からは、前後一対のア
ーム部4F、4Rが一体的に延設されている。このアーム部
4Fと4Rは連結部3と直交する方向に伸び、その左右各端
部からは、上方へ伸びる取付部5FR、5FL、5RR、5RLが突
設されている(以下この取付部を総称するときは符号5
を用いることとする)。この各取付部5FR、5FL、5RL、5
RRは、第9図に示すように、形成されている合計4つの
サスペンションタワー部11FR、11FL、11RR、1RLの位置
に対応されている(以下このサスペンションタワー部を
総称するときは符号11を用いることとする)。
上述のように構成された回転用治具は、第5図、第9
図に示すように、自動車ボディWを前後一対の回転軸部
2Fと2Rとの間に配設した状態で、取付部5がサスペンシ
ョンタワー部11に対して固定されている。すなわち、取
付部5FRがサスペンションタワー部11FRに固定され、5FL
が11FLに固定され、5RRが11RRに固定され、5RLが11RLに
固定される。
上記固定状態を詳細に示したものが、第10図である。
この第10図において、サスペンションタワー部11の頂
壁には、既知のように、少なくとも緩衝器ユニットの上
端部が挿入される円形の開口51が形成されると共に、こ
の開口51の周縁において緩衝器ユニット固定用のボルト
孔52が複数形成されている。一方、取付部5は、その先
端に、上記開口51にほぼがたつきなく嵌挿される円形の
差込ヘッド53を有し、その先端部は若干先細とされてい
る。また、この差込ヘッド53の基端部側には上記開口51
の周縁部底面が着座される極力広い面積とされた円板状
の支承部54が形成されている。
このような取付部5には、一対のクランプレバー55
が、それぞれピン56により揺動自在に取付けられてい
る。この各クランプレバー55はその基端部側において長
孔55aが形成され、この長孔55a内には、ピン57が嵌挿さ
れている。このピン57は、取付部5に上下動自在に保持
されたピストン58に一体化され、このピストン58は、ス
プリング59によって上方向に付勢されている。そして、
取付部5の下端部内に配設したエアシリンダ60によっ
て、上記スプリング59に抗してピストン58が下方へ駆動
され得るようになっている。
したがって、各クランプレバー55は、ピストン58すな
わちピン57の上下動に伴って、ピン56を中心にして揺動
されて、その各先端部に形成されたクランプ爪55b同士
が、互いに近接したアンクランプ状態と、拡開した第10
図のクランプ状態とをとり得るようになっている。すな
わち、クランプレバー55がアンクランプ状態では、一対
のクランプ爪55bは開口51内を容易に通り抜け、この状
態からクランプ状態へと変更されると、サスペンション
タワー部11の頂壁が、支承部54とクランプ爪55bとによ
ってしっかりと把持されることになる。なお、スプリン
グ59は、クランプ方向への付勢力を与えていることにな
り、したがって、エアシリンダ60からエア圧が解放され
ても、上記クランプ状態が維持される。なお、上述した
ようなクランプ機構を別途用いない場合は、緩衝器ユニ
ット取付用のボルトを開口52を通して取付部5へ螺合す
ることにより、サスペンションタワー部11と取付部5と
を固定すればよい。
前記治具1は、前述したボディWに対する取付状態に
おいて、その前後の回転軸部2F、2R同士が、ボディWを
挟んでその前後方向に伸びる同一直線上でかつボディW
の左右方向中心に位置される。この同一直線がボディW
の回転軸線lとなるもので、好ましくは、この回転軸線
lがボディWの重心G(第5図参照)を通るようにされ
ている。なお、回転軸線lが重心Gを通ることにより、
ボディWの回転の際に、回転速度の大きな変動が防止さ
れる。これにより、ボディWには、回転変動に伴なう衝
撃が発生するのが防止され、ダレ防止上より好ましいも
のとなる。
なお、前後の治具1F、1Rは、車種(ボディWの種類)
に応じて専用のものがあらかじめ用意される。
台車 ボディWを回転させる機能を備えた台車である。
第5図において、台車Dは基台21を有し、この基台21
に取付けられた車輪22が、路面(レール)23上を走行さ
れる。この基台21は、搬送方向前側から後側(第5図右
側から左側)へ順次、それぞれ上方へ向けて伸びる1本
の前支柱24、2本の中間支柱25、26、および1本の後支
柱27を有し、中間支柱26と後支柱27との間が、前後方向
に大きく間隔のあいた支持空間28とされている。
治具1が取付けられたボディWは、上記支持空間28に
配設され、その前部が回転軸部2Fを利用して支柱27に対
して回転自在に支持される一方、その後部が回転軸部2R
を利用して支柱26に回転自在に支持される。
前後の回転軸部2F、2Rは、上下方向から支柱26、27に
対して係脱自在とされると共に、回転軸部2Fが回転軸線
l方向に不動として係合される。このため、支柱26には
その上端面に開口する切欠き26aが形成される一方(第1
6図〜第18図参照)、支柱27にはその上端面に開口する
切欠き27aが形成されている(第16図、第20図、第21図
参照)。この両切欠き26a、27aは、回転軸部2F、2Rが嵌
合し得る大きさとされている。そして、回転軸部2Fには
フランジ部2aが形成される一方、支柱27には前記切欠き
27aに連通するフランジ部2aに対応した形状の切欠き27b
が形成されている。これにより、回転軸部2Rは、支柱27
の切欠き27a、27bに対して、上下方向から係脱されると
共に、フランジ部2aのストッパ作用によって支柱27に対
して前後方向に不動とされる。なお、ボディWに対する
回転力の付与は、回転軸部2Rを介して行われ、このため
回転軸2R先端部には、後述する接続部2bが形成されてい
る。
基台21からは、下方へ向けてステー29が突設され、こ
のステー29の下端部に、牽引用ワイヤ30が連結されてい
る。このワイヤ30は、エンドレス式とされて、図示を略
すモータにより一方向に駆動され、これにより台車Dが
所定の搬送方向に駆動される。勿論、上記モータは、防
爆の観点上安全な箇所に設置されている。
ボディWの回転は、本実施例では台車Dの移動を利用
して、すなわち台車Dの走行路面23に対する変位を利用
して行われる。この台車Dの変位を回転として取出すた
めの回転取出機構31が、次のようにして構成されてい
る。すなわち、回転取出機構31は、基台21に上下方向に
伸ばして回転自在に支持された回転軸32と、回転軸32の
下端部に固定されたスプロケット33と、スプロケット33
に噛合されたチェーン34と、から構成されている。この
チェーン34は、前記ワイヤ30と並列に、走行路面23に対
して不動状態で配設されている。これにより、台車Dが
ワイヤ30を介して牽引されると、チェーン34が不動であ
るため、このチェーン34に噛合うスプロケット33したが
って回転軸32が回転される。
上記回転軸32の回転を、回転軸部2Rに伝達するための
伝動機構35が、次のようにして構成されている。すなわ
ち、伝動機構35は、前記前支柱24の後面に固定されたケ
ーシング36と、ケーシング36に横方向(前後方向)に伸
ばして回転自在に支持された回転軸37と、この回転軸37
と前記上回転軸32とを連動させる一対のベベルギア38、
39と、前記支柱25に対して回転自在かつ前後方向に摺動
自在に保持された連結軸40と、を有する。この連結軸40
は、回転軸37に対してスプライン結合され(この係合部
を第5図中符号41で示す)、これにより回転軸32が回転
されると、連結軸40も回転されることになる。勿論、回
転軸37と連結軸40とは、回転軸線l上に位置するように
設置されている。
前記連結軸40は、回転軸部2Rに対して、係脱される。
すなわち、第16図〜第18図に示すように、回転軸部2Rの
先端部には、十字形の接続部2bが形成される一方、連結
軸40の端部には、第16図、第19図に示すようにこの接続
部2bががたつきなく嵌合される係合凹所40cを有するボ
ックス部40aが形成されている。したがって、例えば空
気圧式のシリンダ42あるいは手動によってロッド43を介
して連結軸40を摺動させることによって、上記ボックス
部40a(係合凹所40c)と接続部2bとが係脱され、その係
合時に連結軸40と回転軸部2Rとが一体回転可能とされ
る。なお、上記ロッド43は、第10図に示すように、連結
軸40の回転を阻害しないように、ボックス部40aの外周
に形成された環状溝40b内に嵌入されている。
以上のような構成によって、連結軸40を第5図右側へ
変位させた状態で、ボディWを台車Dに対して下降させ
ることにより、前後の各回転軸部2F、2Rが、支柱26、27
によって回転自在かつ前後方向に不動状態で支持され
る。この後、連結軸40(係止凹所40c)が、回転軸部2R
(の接続部2b)に係合される。これにより、台車Dをワ
イヤ30を介して牽引すれば、ボディWが所定の水平軸線
lを中心にして回転されることになる。なお、ボディW
の台車Dからの取外しは、上記した手順とは逆の手順で
行えばよい。
変形例 第11図、第12図は、回転用治具1の差込ヘッドが挿入
される自動車ボディの開口として適切な他の例を示すも
のである。すなわち、第11図は、左右一対のヘッドラン
プ用の開口11を示すものである。また、第12図は、ボデ
ィWの左右一対のリアサイドフレーム13によって形成さ
れる後面へ向かう開口を示すものである。勿論、第11
図、第12図に示す場合は、回転用治具1の差込ヘッドは
図中矢印で示すように、ボディWに対して前方あるいは
後方から接近されることになる。なお、第11図、第12図
に示す開口以外に適切なものとしては、リアコンビネー
ションランプ用の開口がある。
上記第11図、第12図に示すように、差込ヘッドがボデ
ィWの前面あるいは後面に形成されている場合に好適な
回転用治具の具体例について、第13図〜第15図を参照し
て説明する。
先ず、第13図において、ボディW前側用となる回転用
治具1F(1Rについても実質的に同じ)の回転軸部2F基端
部には、これと直交するように伸びる中空状の連結バー
71が固定され、この連結バー71の各端部には、回転軸部
2Fと反対側の面において、取付部72が突設されている。
この取付部72は、回転軸部2Fの軸心(ボディWの回転中
心l)を挟んで左右対称とされている。
各取付部72の先端面には、第14図に示すように、拡縮
式とされた差込ヘッド73が構成されている。この差込ヘ
ッド73は、中央に位置する固定状態のままの四角柱状の
中央ヘッド部74と、この中央ヘッド部74の各側面に対し
て接近、離間し得るように、ガイド溝75に沿って摺動自
在とされた計4つの周辺ヘッド部75と、を備えている。
これにより、差込ヘッド73の実質的な大きさ(外径寸
法)は、各周辺ヘッド部76が共に中央ヘッド部74に着座
するように一方側ストローク端に位置した最小状態と、
各周辺ヘッド76が他方側ストローク端に位置した最大状
態となる。
各周辺ヘッド部76の基端部は、第15図に示すように、
その各基端部が円錐状に集合され、この円錐状集合部77
に対して、円錐状の内孔78aを有するカップリング78が
嵌合されている。また、各周辺ヘッド部76は、それぞ
れ、スプリング79により、上記円錐状集合部77が拡開す
るように付勢されている。したがって、エアシリンダ80
によりカップリング78を摺動させることによって、周辺
ヘッド部76が中央ヘッド部74に対して接近あるいは離間
される。
上記エアシリンダ80は、第13図に示すように、連結バ
ー71内に配設されている。そして、各エアシリンダ80に
対するエアに給排は、エアホース81、回転軸部2Fに相対
回転可能に取付られた回転気密継手82、回転軸部2F内お
よび連結バー71内に配設されたエアホース83を介して行
われる。
前述したような差込ヘッド73は、最小状態で、ヘッド
ランプ取付用開口11あるいはリアコンビネーションラン
プ用開口等へ挿入された後、最大状態とされて、周辺ヘ
ッド部76が該開口の内周縁に強く当接される。なお、こ
の周辺ヘッド部76の外側面の形状は、この開口11等の形
状に合せて設置しておくのが望ましい。
第13図に示すような回転用治具1を利用してボディW
が台車Dに支承された例を、第22図に示してある。な
お、この第22図では、前後の回転用治具1Fと1Rとが互い
に分離されると共に、前側の回転用治具1FからボディW
に対して回転力が付与される関係上、この前側の回転用
治具1Fの回転軸部2Fに対して前述した接続部2bを形成し
てある(第13図参照)。勿論、後側の回転用治具の回転
軸部2Rには、第10図、第20図、第21図に示すフランジ部
2aに相当するものが形成されている。
補足説明 さて次に、本発明に関連した補足的な説明および変形
例について順次説明する。
台車Dの走行、停止に拘らずボディWの回転、停止の
切換えと、回転方向の変更切換えとは、例えばエアモー
タ等の別途専用のアクチュエータを用いればなし得るが
例えば次のようにしても行なうことができる。先ず、第
5図の例において、スプロケット33にその径方向反対側
からそれぞれ噛合する第1、第2の一対のチェーン(チ
ェーン34に相当するもの)を設け、各チェーンをそれぞ
れ、適宜駆動し得るようにすしておく。このような構成
とすれば、次のような駆動態様に応じて、ボディWの回
転制御がなされることになる。
第1チェーン停止かつ第2チェーンをフリー:この場
合は、台車Dの走行に伴なってボディWが一方向に回転
される。
第1チェーンフリーかつ第2チェーン停止:この場合
は、台車Dの走行に伴って上記とは逆方向にボディW
が回転される。
両方のチェーン共にフリー:この場合は、台車Dの走
行に伴なってボディWが回転されない。
第1チェーンを一方向に駆動かつ第2チェーンをフリ
ー:この場合は、台車Dが停止していても、ボディWが
一方向に回転される。
第1チェーンを他方向に駆動かつ第2チェーンをフリ
ー(第1チェーンをフリーかつ第2チェーンを他方向に
駆動でも同じ):この場合は台車Dが停止していても、
ボディWが上記の場合とは逆方向に回転される。
なお、上述したことは、チェーンに代えてラックバー
を用いても同様である。このラックバーを常に固定状態
として配置する場合は(この場合は台車Dの走行がボデ
ィW)の回転の前提となる)、ラックバーを間欠的に配
置したり、あるいはラックバーを配置する位置を左右任
意に設定することにより、台車Dの走行位置に応じてボ
ディWを任意の方向に回転させ得ると共に、任意の位置
でボディWの回転を停止させ得る。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、次のよ
うな種々の効果を奏する。
自動車ボディの回転中心となる回転軸部に対して、自
動車ボディへの取付部が左右対称とされているので、回
転用治具によって自動車ボディをバランスよく支承しつ
つバランスよく回転力を伝達して円滑な回転を得る上で
好ましいものとなる。
自動車ボディの開口に挿入された取付部の差込ヘッド
を介して、回転軸部の回転力が自動車ボディに入力され
るため(差込ヘッドの側面で開口の内面を押す)、この
回転力の伝達が効果的に行われる。
左右一対の差込ヘッドからは、自動車ボディの左右一
対の開口に対して回転力が均等に伝達すなわち分配され
ることになり、自動車ボディに対する回転力が一方の取
付部分に集中してしまうような事態、すなわち自動車ボ
ディの局部的な変形を防止する上でも好ましいものとな
る。
自動車ボディにその機能上当然に形成されている開口
をそのまま利用するので、回転力伝達のための特別の加
工を別途自動車に施す必要がなくなる。
自動車ボディの開口に差込ヘッドを挿入するだけで回
転力の伝達が可能なるので、回転用治具と自動車ボディ
との迅速な結合を図る上でも有利となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す全体工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車の一例を示す側面図。 第6図は台車の走行路下方の状態を示す一部切欠き平面
図。 第7図は第6図のX7−X7線断面図。 第8図は回転用治具の一例を示す側面図。 第9図は第8図の平面図。 第10図は自動車ボディと差込ヘッドとの結合例を示す縦
断面図。 第11図、第12図は差込ヘッドが挿入される自動車ボディ
の開口の他の例を示す斜視図。 第13図は、回転用治具の他の例を示す斜視図。 第14図は第13図に示されている取付部の詳細を示す拡大
斜視図。 第15図は第14図に示す差込ヘッドを拡縮させるための一
例を示す斜視図。 第16図は回転用治具と台車との結合部分を示す側面断面
図。 第17図は第16図のX17−X17線断面図。 第18図は第17図の平面図。 第19図は第16図のX19−X19線断面図。 第20図は第16図のX20−X20線断面図。 第21図は第20図の平面図。 第22図は第13図に示す回転用治具を用いて自動車ボディ
を支承している状態を示す側面図。 P1〜P4:工程 W:自動車ボディ l:回転軸線 D:搬送用台車 1:回転用治具 1F、1R:回転用治具 2F、2R:回転軸部 5FR、5FL、5RR、5RL:取付部 11:開口 13:フレーム(開口) 51:開口 53:差込ヘッド 73:差込ヘッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸田 哲哉 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (56)参考文献 実開 昭60−21361(JP,U) 米国特許2658008(US,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗装ラインにおいて被塗物としての自動車
    ボディを回転させるために用いる回転用治具であって、 自動車ボディの回転中心となる被支承部としての回転軸
    部と、該回転軸部に一体とされた自動車ボディに対する
    取付部とを有し、 前記取付部は、前記回転軸部を挟んで左右対称位置に一
    対設けられると共に、自動車ボディにその機能上あらか
    じめ形成されている左右一対の開口部分に挿入される差
    込ヘッドを備えている、 ことを特徴とする塗装ラインにおける自動車ボディ回転
    用治具。
JP10330387A 1987-04-28 1987-04-28 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具 Expired - Lifetime JPH0817970B2 (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2658008A (en) 1944-01-06 1953-11-03 Carrier Engineering Co Ltd Method of treating vehicle bodies and chassis

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US2658008A (en) 1944-01-06 1953-11-03 Carrier Engineering Co Ltd Method of treating vehicle bodies and chassis

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