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JPH081807B2 - 電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板を用いた燃料電池 - Google Patents
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JPH081807B2 - 電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板を用いた燃料電池 - Google Patents

電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板を用いた燃料電池

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JPH081807B2
JPH081807B2 JP4296826A JP29682692A JPH081807B2 JP H081807 B2 JPH081807 B2 JP H081807B2 JP 4296826 A JP4296826 A JP 4296826A JP 29682692 A JP29682692 A JP 29682692A JP H081807 B2 JPH081807 B2 JP H081807B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池
用の電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板
を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、炭酸リチウム
及び炭酸カリウム等の混合炭酸塩を電解質として650
℃付近の温度で作動させる。混合炭酸塩は作動温度で溶
融して粘度の低い液体となる。従って、電解質保持材に
上記電解質を保持した電解質板を用いて燃料電池が構成
される。
【0003】電解質保持材は溶融炭酸塩に最も安定なリ
チウムアルミネート(LiAlO2)粉末を原料として
ペイパー状の電解質基板に成形して用いられる。リチウ
ムアルミネートの成形方法には一般にドクターブレード
法が採用され、リチウムアルミネート粉末にトリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン及びトリクロロエタン
等の混合溶媒を加えて混練し、スラリー状にして成形さ
れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、リチウ
ムアルミネート粉末を原料として溶媒にテトラクロロエ
チレン、トリクロロエチレンを用い、バインダーとして
ポリビニルブチラールを適用して電解質保持基板を作製
してきた。ところが、原料のロットの違いや製造月日の
違いあるいは保管日数の違いにより基板の細孔分布や気
孔率に差があることが判った。
【0005】その原因について種々検討したところ、リ
チウムアルミネート粉末の表面が親水性であるために保
管中や運搬中に徐々に吸湿して変質したり、粒子同志が
凝集したりして、粉末の物性が著しく変化し、電解質基
板の製造、特に電解質基板の細孔制御を行う上で障害と
なることが判明した。また、従来使用されていたトリク
ロロエチレン、テトラクロロエチレン及びトリクロロエ
タン等の塩素系有機溶剤は地球環境問題の観点から今後
その使用が厳しく規制されることが予想される。
【0006】従って、溶融炭酸塩型燃料電池を開発する
ためには塩素系有機溶媒以外の溶媒による電解質基板の
製造法を確立する必要がある。そして、一般の非塩素系
有機溶媒は引火しやすく爆発の危険があるため、水溶液
系溶媒を用いることが望ましい。そこで、リチウムアル
ミネート粉末を分散するための溶媒として水溶液系溶媒
を用いて電解質基板を作製したところ、スラリーを調製
する工程においてpHが12以上まで上がり、混練を継
続するとスラリー粘度がしだいに増加して最終的にはセ
メント状に固まり製板化ができなくなった。これらの原
因はリチウムアルミネートの加水分解や水和反応に起因
していることが判明した。
【0007】水和反応が起こるとスラリー粘度が高くな
り、成形性が悪くなる。また、乾燥に長時間を要するば
かりでなく、結晶相が変化して亀裂の発生原因となる。
従来、リチウムアルミネートを保持材としてアルカリ金
属炭酸塩電解質を加えて作製する電解質板において、リ
チウムアルミネート粉末の変質や吸湿による物性の変化
に対しては全く考慮されていなかった。例えば、特開昭
59−217956号公報、特開昭61−193347
号公報にはアルミン酸リチウムとエタノール及びポリビ
ニルブチラールなどの混合スラリーをシート状に成形す
る方法が提案され、特開昭60−72172号公報、特
開昭60−81772号公報、及び特開平1−2065
68号公報には水溶液系抄紙法による成形法が提案され
ているが、リチウムアルミネート粉末の変質に対する対
策は開示されていない。
【0008】本発明は、リチウムアルミネートを電解質
保持材とし、これにアルカリ金属炭酸塩電解質を加えて
成る燃料電池用電解質板の品質管理を容易にし、信頼性
の高い電解質板を経済的に製造する方法を提供すること
を目的としている。また、本発明は、リチウムアルミネ
ートを電解質保持材とする溶融炭酸塩型燃料電池の電解
質保持基板を水溶液系で容易かつ高品質に製作して燃料
電池の信頼性をさらに向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、リチウムアルミネ−ト粉末に表
面安定化層を形成する。該表面安定化層は疎水性に形成
することが最も有効である。この結果、保管中や運搬中
におけるリチウムアルミネートの変質を防ぎ品質の良い
電解質板が作製できる。また、水溶液系溶媒における加
水分解や水和反応を抑制し、スラリーの流動性を改善し
て電解質基板の成形が容易になる。表面安定化層は第一
層を疎水性に形成し、その上に親水性の第二層を形成す
ることにより、スラリー中でのリチウムアルミネートの
分散性が改善される。特に水溶液系スラリーにおいてそ
の効果が顕著となる。
【0010】表面安定化層はリチウムアルミネート粉末
の表面を水との接触角80度以上の疎水性材料により被
覆して形成する。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂、メタクリル酸/アク
リル酸共重合体のいずれか及び/又はそれらの2種以上
の複合体によって被覆されたもの、又はパラフィン系
油、ナフテン系油及びグリス状油等によって被覆され疎
水性に改質されたもの、ケロシンやステアリン酸等の疎
水性剤によって被覆されたものである。また、各種カッ
プリング剤によりリチウムアルミネート粉末表面に保護
膜を形成するのも有効であり、保護膜を形成してさらに
前述の樹脂及び/又は各種油脂により被覆すればより強
固な表面安定化層が形成され好ましい。
【0011】また、リチウムアルミネートの表面官能基
を利用して高温高圧下でアルコール類で処理して表面を
エステル化することにより撥水性層が形成できる。アル
コール類としてはエタノール、ブタノール等が良い。ま
た、エステル化した脂肪酸なども有効であることが認め
られる。しかしながら、リチウムアルミネート表面が疎
水性に改質されると水溶液系スラリーでは分散性が低下
することがある。このような場合には疎水性層にさらに
親水性層を付加することにより分散性が改善される。親
水化剤としては水溶性高分子剤、例えばメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサ
イド、ポリエチレングリコール等が好適である。また、
スラリー中に界面活性剤を添加しても分散性が改善され
る。すなわち、疎水性材料で被覆したリチウムアルミネ
ート粉末をさらに水との接触角が70度以下の親水性材
料で覆うことにより目的が達成される。
【0012】表面安定化層を形成したリチウムアルミネ
ート粉末に溶媒及び結合剤等を添加して混合し、スラリ
ーを調製してシート状に成形する方法において、溶媒は
水又は有機溶媒、例えばイソブチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、シクロヘキサノール、1−ブタノー
ル、2−ブタノール、トルエン、メタノール、トリクロ
ロエチレン、トリクロロエタン等から選ばれた一種又は
二種以上の混合溶媒が適用できる。結合剤としてはカル
ボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニールブチラール、ポリビニールアセタール
等の一種又は二種以上の混合結合剤が適用できる。また
可塑剤としてグリセリン、フタール酸エステル、ジプロ
ピルグリコール等を少量添加すると成形性が良くなる。
【0013】表面安定化層を形成したリチウムアルミネ
ート粉末に溶媒及び結合剤を添加して混練し、スラリー
を調製する工程において80℃以下、好ましくは50℃
以下の温度で混練するのが良い。80℃以上の温度領域
では表面安定化層が破壊されリチウムアルミネートが変
質することがある。スラリー中の気泡は真空ポンプ等で
減圧して脱気する必要がある。減圧脱気した原料スラリ
ーをテープキャステング法又はスリット成形法等により
厚さ0.2〜1mm程度のシート状に成形して乾燥し電
解質基板とする。
【0014】
【作用】リチウムアルミネ−ト粉末に表面安定化層を形
成することにより保管中や運搬中におけるリチウムアル
ミネートの変質や二次凝集を防ぎ粉末の品質管理を容易
にし、電解質基板の細孔分布や気孔率の変動を少なくし
て信頼性の優れた燃料電池が構成できる。また、水溶液
系におけるリチウムアルミネートの加水分解や水和反応
を抑制し、スラリーの流動性を改善して電解質基板の製
造を容易にする。
【0015】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。 実施例1.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gにエポキシ樹脂10gとアセト
ン60mlを加えてニーダにより3時間混練した後、真
空乾燥してリチウムアルミネート粉末の表面に疎水性層
を形成した。 実施例2.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gをキシレン200mlに分散し
て還流管付フラスコに入れ、メタクリル酸メチル、酢酸
ビニル10g及びアゾビスイソブチロニトリル2gを加
えて約70℃に加熱しながら3時間攪拌し、約5時間静
置して上澄液を分離したあと真空乾燥してリチウムアル
ミネートの表面をアクリル酸共重合体によって被覆し、
リチウムアルミネート粉末の表面に疎水性層を形成し
た。 実施例3.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)150gにn−ブタノール50mlを加
えオートクレーブにいれて昇温し、280℃、50kg
/cm2 の圧力で30分間保持した。その結果、リチウ
ムアルミネート表面がエステル化して疎水性層が形成さ
れた。 実施例4.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gに1wt%1.1.1.3.
3.3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール300ml
を加えて約3時間攪拌し、約5時間静置して上澄液を分
離したあと真空乾燥してリチウムアルミネートの表面に
疎水性層を形成した。 実施例5.γーリチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gにステアリン酸10gを加えて
振動ミルにより3時間混合したあと、80℃で約4時間
加熱処理してリチウムアルミネートの表面に疎水性層を
形成した。 実施例6.γーリチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gにナフテン系鉱油(サンセンオ
イル#480)60mlを加えてニーダにより3時間混
練し、リチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成し
た。 比較例1.実施例1〜6で用いたγ−リチウムアルミネ
ート粉末(比表面積:23m2 /g)を未処理のまま使
用した。 実験例1 実施例1〜6で作製したリチウムアルミネートの表面に
疎水性層を形成した粉末及び比較例1のリチウムアルミ
ネート粉末について水溶液中での安定性を調べるため浸
漬熱量を測定した。試料を120℃で3時間乾燥したあ
と10-3Torrで真空脱気して供試試料とした。浸漬
熱量の測定結果を第1表に示す。
【0016】上記実施例の試料の浸漬熱量は比較例1の
試料に比べいずれも小さな値であり水和反応等が抑制さ
れていることが認められる。
【0017】
【表1】
【0018】実験例2 実施例1〜6により疎水性層を形成したリチウムアルミ
ネート粉末及び比較例1のリチウムアルミネート粉末に
ついて水溶液中での安定性を把握するためpHの測定を
した。粉末試料20gを蒸留水200mlの中にいれ1
時間攪拌した後pHを測定した。測定結果を第2表に示
す。
【0019】実施例1〜6の試料は比較例1の試料に比
べいずれも低いpH値であり、リチウムアルミネートの
加水分解反応が抑制されていることが示唆される。
【0020】
【表2】
【0021】実施例7〜12 実施例1〜6で作製した表面に疎水性層を形成した6種
のリチウムアルミネート粉末各20gにポリエチレング
リコール5mlを加え、ニーダで約2時間混練して実施
例1〜6のリチウムアルミネート粉末の疎水性層の表面
に更に親水性層を形成した6種の試料を作製した。これ
らの各試料及び比較例1のリチウムアルミネート粉末2
0gについてそれぞれ3wt%ポリエチレンオキサイド
水溶液50mlを加えてボールミルで24時間混練して
スラリーを調製し、その時の粘度を測定した。測定結果
を第3表に示す。
【0022】実施例7〜12の試料は比較例1の試料に
比べいずれも粘度が低く、製板化に際して問題がないこ
とがわかる。
【0023】
【表3】
【0024】実施例13.γ−リチウムアルミネート粉
末(比表面積:23m2 /g)100gにエポキシ樹脂
10gとアセトン60mlを加えてニーダにより3時間
混練した後、真空乾燥してリチウムアルミネートの表面
に疎水性層を形成した。次に、ポリエチレングリコール
10mlを加えてニーダで約2時間混練して疎水性層の
表面に親水性層を形成した。この試料20gに蒸留水1
00mlを加えてボールミルで15時間混練し、その後
120℃で5時間乾燥したあとX線解析をした。測定結
果を第1図に示す。第1図の測定結果は、リチウムアル
ミネートの結晶相は出発原料と同じくγ−LiAlO2
であり変質しなかったことを示している。 比較例2.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)20gに蒸留水100ml加えて実施例
13と同様にボールミルで15時間混練し、その後12
0℃で5時間乾燥したあとX線解析をした。測定結果を
第2図に示す。第2図の測定結果は、リチウムアルミネ
ートの結晶相は出発原料と異なりLiAlO2(OH)
7 ・xH2Oに変質したことを示している。 実施例14.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面
積:23m2 /g)100gをキシレン200mlに分
散して還流管付フラスコに入れ、メタクリル酸メチル、
酢酸ビニル10g及びアゾビスイソブチロニトリル2g
を加えて約70℃に加熱しながら3時間攪拌したあと冷
却し、約5時間静置して上澄液を分離したあと真空乾燥
してリチウムアルミネートの表面をアクリル酸共重合体
によって被覆し、疎水性層を形成した。
【0025】これにポリビニールブチラール30g、メ
タノール94ml、n−ブタノール142ml及びブチ
ルフェノルグリコール酸ブチル10mlを加えてボール
ミルで15時間室温で混練してスラリーを調製した。こ
のスラリーを真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャ
ステング法で厚さ0.4mm、幅200mmに製板化し
て電解質基板を作製した。この電解質基板を空気中に常
温で保管し、保管開始1日後と90日後のものをそれぞ
れ650℃で3時間焼成した後、水銀圧入法で細孔分布
を測定した。その結果を第3図に示す。第3図は、1日
後と90日後の細孔分布がほとんど変化しないことを示
している。 比較例3 γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2
g)100gを実施例14と同様にしてにポリビニール
ブチラール30g、メタノール94ml、n−ブタノー
ル142ml及びブチルフェノルグリコール酸ブチル1
0mlを加えてボールミルで15時間室温で混練してス
ラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱
気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅
200mmに製板化して電解質基板を作製した。この電
解質基板を空気中に常温で保管し、保管開始1日後と9
0日後のものをそれぞれ650℃で3時間焼成した後、
水銀圧入法で細孔分布を測定した。その結果を第4図に
示す。第4図は、1日後と90日後で細孔分布が著しく
変化したことを示している。 実施例15.実施例14で作成した電解質基板(セルN
o.1)及び比較例3で作成した電解質基板(セルN
o.2)を120mm角にそれぞれ2枚切り出し、炭酸
塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:62)21
gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi−Al電極
をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO−Ag電極
を用い、電極有効面積100cm2 の単セルを構成し
た。これらの単セルを電池試験装置にセットして締め付
け荷重4kg/cm2 をかけ、アノ−ドには18%CO
2−16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ−ドに
は70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しながら5
20℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に含浸さ
せセル内部で電解質板を形成した。
【0026】さらに、650℃まで昇温して負荷電流密
度150mA/cm2 における電池電圧の経時変化を調
べた。試験結果を第4表に示す。実施例15のセル(セ
ルNo.1)は、比較例のセル(セルNo.2)に比し
て性能が安定していることがわかる。
【0027】
【表4】
【0028】実施例16.γ−リチウムアルミネート粉
末(比表面積:23m2 /g)100gにエポキシ樹脂
10gとアセトン60mlを加えてニーダにより3時間
混練した後、真空乾燥してリチウムアルミネートの表面
に疎水性層を形成した。次に、ポリエチレングリコール
10mlを加えてニーダで約2時間混練して疎水性層の
表面に親水性層を形成した。
【0029】このようにして得られたリチウムアルミネ
ート粉末に2.0wt%ポリエチレンオキサイド水溶液
200mlとグリセリン10mlを加えてボールミルで
15時間混練してスラリーを調製した。このスラリーを
真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャステング法で
厚さ0.4mm、幅200mmに製板化して電解質基板
を作製した。
【0030】この電解質基板を120mm角に2枚切り
出し、炭酸塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:
62)21gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi
−Al電極をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO
−Ag電極を用い、電極有効面積100cm2 の単セル
を構成した。この単セルを電池試験装置にセットして締
め付け荷重4kg/cm2 をかけ、アノ−ドには18%
CO2 −16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ
−ドには70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しな
がら520℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に
含浸させセル内部で電解質板を形成した。 比較例4.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:
23m2 /g)100gに2.0wt%ポリエチレンオ
キサイド水溶液200ml、蒸留水80ml及びグリセ
リン10mlを加えてボールミルで15時間混練してス
ラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱
気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅
200mmに製板化して電解質基板を作製した。
【0031】この電解質基板を120mm角に2枚切り
出し、炭酸塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:
62)21gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi
−Al電極をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO
−Ag電極を用い、電極有効面積100cm2 の単セル
を構成した。この単セルを電池試験装置にセットして締
め付け荷重4kg/cm2 をかけアノ−ドには18%C
2 −16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ−
ドには70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しなが
ら520℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に含
浸させセル内部で電解質板を形成した。
【0032】上記実施例16の電解質板及び比較例4の
電解質板をさらに650℃まで昇温して負荷電流密度1
50mA/cm2 における電池電圧の経時変化を調べ
た。試験結果を第5表に示す。実施例16の電解質板を
用いたセルは、比較例4の電解質板を用いたセルに比し
て性能が安定していることがわかる。
【0033】
【表5】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、リチウムアルミネ−ト
粉末に表面安定化層を形成することにより、保管中や運
搬中におけるリチウムアルミネートの変質を防ぎ、品質
の良い電解質基板板が作製でき、燃料電池の信頼性が向
上できる。さらに、本発明によれば、リチウムアルミネ
−ト粉末に表面安定化層を形成することにより、水溶液
系におけるリチウムアルミネートの水和反応や加水分解
反応を抑制することができるので、リチウムアルミネー
トを分散するための溶媒として従来の塩素系有機溶媒に
代えて水溶液系溶媒を用いることが可能となり、環境汚
染の問題に十分対処できるようになると共に作業の安全
をも確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 エポキシ樹脂により表面安定化層を形成した
リチウムアルミネート粉末の水溶液系スラリー(乾燥
品)のX線回折結果を示す図である。
【図2】 未処理リチウムアルミネート粉末の水溶液系
スラリー(乾燥品)のX線回折結果を示す図である。
【図3】 アクリル酸共重合体により表面安定化層を形
成したリチウムアルミネートを用いた電解質基板の細孔
分布の経時変化を示す図である。
【図4】 未処理リチウムアルミネート粉末用いた電解
質基板の細孔分布の経時変化を示す図である。
【符号の説明】
1 γ−LiAlO2 の回折線 2 LiAlO2(OH)7・xH2Oの回折線 3 1日後の細孔分布 4 90日後の細孔分布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩本 一男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 岩瀬 嘉男 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 竹内 将人 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 西村 成興 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−24165(JP,A)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムアルミネートを電解質保持材と
    して持つ電解質基板において、該リチウムアルミネート
    を水との接触角80度以上の疎水性材料により形成した
    表面安定化層を持つものとしたことを特徴とする電解質
    基板。
  2. 【請求項2】 上記表面安定化層がエポキシ樹脂、フェ
    ノール樹脂、アクリル樹脂又はフッ素樹脂のいずれか及
    び/又はそれらの混合体によって形成された被覆層であ
    ることを特徴とする請求項1記載の電解質基板。
  3. 【請求項3】 上記表面安定化層はパラフィン系油、ナ
    フテン系油又はグリス状油等によって表面が被覆され表
    面層が疎水性に改質されたものであることを特徴とする
    請求項1記載の電解質基板。
  4. 【請求項4】 リチウムアルミネート表面がカップリン
    グ剤により疎水性に改質されたことを特徴とする請求項
    1記載の電解質基板。
  5. 【請求項5】 リチウムアルミネート表面がステアリン
    酸により疎水性に改質されたことを特徴とする請求項1
    記載の電解質基板。
  6. 【請求項6】 リチウムアルミネート表面を第1級アル
    コール及び/又は第2級アルコールと反応させエステル
    化することにより疎水性に改質したことを特徴とする請
    求項記載の電解質基板。
  7. 【請求項7】 疎水性層が2層若しくは2層以上の多層
    に形成されることを特徴とする請求項2〜6のいずれか
    1つに記載の電解質基板。
  8. 【請求項8】 上記表面安定化層が疎水性層の表面に親
    水性層を形成したことを特徴する請求項1記載の電解質
    基板。
  9. 【請求項9】 疎水性層の表面に水との接触角が70度
    以下の材料で親水性層を形成することを特徴する請求項
    8記載の電解質基板。
  10. 【請求項10】 親水性層をメチルセルロース、カルボ
    キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
    ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリ
    エチレングリコール等の水溶性高分子剤により形成する
    ことを特徴する請求項8又は9記載の電解質基板。
  11. 【請求項11】 親水性層が界面活性剤の吸着により形
    成されることを特徴する請求項8又は9記載の電解質基
    板。
  12. 【請求項12】 水との接触角80度以上の疎水性材料
    により表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉
    末に、溶媒、結合剤及び可塑剤を加えて混合してスラリ
    ーを調製し、シート状に成形したことを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1つに記載の電解質基板。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1つに記載
    の電解質基板にアルカリ金属炭酸塩電解質を加えたこと
    を特徴とする電解質板。
  14. 【請求項14】 請求項13の電解質板を用いたことを
    特徴とする燃料電池。
  15. 【請求項15】 水との接触角80度以上の疎水性材料
    により表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉
    末に、溶媒、結合剤及び可塑剤を加えて混合してスラリ
    ーを調製し、シート状に成形することを特徴とする請求
    項1〜11のいずれか1つに記載の電解質基板を製造す
    る方法。
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