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JPH0832302B2 - 油中水型分散物及びかかる分散物の製造方法 - Google Patents
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JPH0832302B2 - 油中水型分散物及びかかる分散物の製造方法 - Google Patents

油中水型分散物及びかかる分散物の製造方法

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JPH0832302B2
JPH0832302B2 JP2124316A JP12431690A JPH0832302B2 JP H0832302 B2 JPH0832302 B2 JP H0832302B2 JP 2124316 A JP2124316 A JP 2124316A JP 12431690 A JP12431690 A JP 12431690A JP H0832302 B2 JPH0832302 B2 JP H0832302B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、脂肪連続相及びゲル化水性分散相を含む分
散物、並びにかかる分散物を製造する方法に関する。本
発明は特に、例えば5乃至30重量%の脂肪とゲル化水性
分散相とを含むスプレッドのような、脂肪含量の著しく
低い油中水型分散物の製造に関する。
欧州特許出願番号第0,237,120号には、35重量%未満
の脂肪と比較的高い粘度のゲル化性水性相とを含むスプ
レッドが記載されている。これらのスプレッドは、水性
相と脂肪相とを60℃又は70℃で混合し、こうして得られ
るエマルジョンを2基の冷却したCユニット、又は2基
の冷却したAユニットとそれに続く高剪断ミキサー、に
通してさらに処理することによって製造される。欧州特
許出願番号第0,237,120号には、さらに実質量のι−又
はκ−カラギーナンを含む非常に低脂肪のスプレッドが
記載されている。
今回我々は、(i)実質量のアミノ酸含有物質と(i
i)ゲル化し得る量の1種以上の可逆ゲル形成可能なゲ
ル化性多糖類との組合わせを含有する水性連続相組成物
をゲル凝結温度よりも低い温度にゲル構造が生じるに十
分な長時間冷却し、該水性連続相組成物を剪断に付して
小さなゲル化水性粒滴に転化させると共に脂肪連続相分
散物を形成させることによって、非常に優れた特性を有
する安定な油中水型分散物が製造できることを発見し
た。
従って、本発明の一つの態様は、脂肪連続相及びゲル
化性分散相を含む分散物の製造方法にして、 (i) 200ppmを超えるアミノ酸含有物質、及び (ii) 臨界濃度を超える濃度の、1種以上の可逆ゲル
形成可能なゲル化性多糖類 (水に基づいて計算)を含有する水性連続相組成物を該
水性連続相組成物のゲル凝結温度よりも高い温度から該
ゲル凝結温度よりも低い温度に冷却し、水性連続相組成
物が小さなゲル化水性粒滴に転化するような剪断条件に
水性連続相組成物を付し、その後温度をゲル融点よりも
低く維持しながら脂肪連続相分散物を形成させることを
特徴とする方法である。
ここでいう可逆ゲルとは、加熱すると融解し、続いて
冷却すると再びゲルを生じるような水性ゲルを意味す
る。可逆ゲル形成可能なゲル化性多糖類の例としては、
寒天、カラギーナン、ファーセルラン、ゲラン(gella
n)などが挙げられる。
本明細書中でいうゲル凝結温度とは、ゆっくりと冷却
した際に整然としたゲル構造が生じる温度を意味する。
水性組成物のゲル凝結温度は、組成物をゲル融点よりも
高い温度に加熱し、それを多数の試料に分けて静止条件
下で1℃づつ異なる温度に平衡化し、平衡化した後約1m
mの直径の鋼製ボールを各試料に載せることによって決
定する。最も高い温度で平衡化させた試料から順にそれ
ぞれの平衡化温度に従って試料を並べた場合、ゲル凝結
温度は鋼製ボールが沈まなくなる最初の試料の平衡化温
度である。
ゲルの融点は以下の手順で適切に測定できる。ガラス
製試験管に試料を注いで5℃で完全に凝結させる。次に
プログラム可能な水浴に連結した水ジャケット中に試験
管を置く。約1mmの直径の鋼製ボールを試料の表面上に
置き、表面張力の効果を最小限に抑えるためにボールを
僅かに押し下げる。25℃、又は低い温度で融解するゲル
の場合はこれより低い温度で、1時間平衡化して、次に
毎分0.05℃づつ徐々に加熱する操作に付す。ゲル融点は
ボールが試料中を沈降し始める温度である。ボールの移
動は移動式顕微鏡で観察できる。
低脂肪油中水型分散物の従前の工業的製造プロセスに
おいては、脂肪連続相エマルジョンが形成した後でゲル
化する場合がほとんどであり、実質量のアミノ酸含有物
質が存在すると水中油型エマルジョンの形成が促進され
るので脂肪を連続相とする分散物の製造は困難もしくは
不可能となる。後者の問題は、欧州特許出願番号第0,23
7,120号に記載されているように非常に粘性の高い水性
相系を使用するか、もしくは不安定化するような量のタ
ンパク質を水性相中に存在させないようにする(欧州特
許出願番号第0,279,499号)ことによって克服されてい
る。
本発明の方法は、非常に脂肪含量の低い油中水型分散
物を簡単に製造できるという利点を有する。さらに、こ
の分散物は貯蔵した状態でも安定であり、かなりの量の
アミノ酸残基が存在するので口中で容易に不安定化す
る。
水性相中に存在するゲル構造は分散物を安定化し、か
かる構造が存在しない場合に自然に起きる水性連続相系
の形成を妨げる。温度が高くなるとゲル構造は徐々に剛
性を失い、アミノ酸含有物質の不安定化効果は益々大き
くなる。従って、口中温度では、本発明の脂肪連続相分
散物は不安定化し、水性連続相系に転相してその香味を
放出する。
本発明の方法で使用する水性連続相組成物中にはゲル
構造が存在するので、十分な構造をもつ脂肪連続相系が
形成されて、その系が水性連続相組成物に再び転相する
のを防止する。従前の加工処理法ではゲル構造は脂肪連
続相エマルジョンが形成した後に初めて生じるので、再
転相の危険性(特に実質量のアミノ酸含有物質が存在す
る場合)は本発明の方法におけるよりも格段に高い。
本発明のまた別の利点は、最終的分散物中の水性相の
液滴粒度分布を制御することが可能になるという点であ
る。水性相の液滴粒度分布は油中水型分散物の口当り、
外観、及び安定性に関して非常に重要である。水性分散
相からの香味成分の放出性も上記水性相の液滴粒度分布
によって大きく左右される。
本発明の方法の利点は脂肪含量の非常に低い分散物の
製造において特に認められる。従って好ましい実施態様
においては、本発明は5乃至30重量%の脂肪連続相及び
70乃至95重量%のゲル化水性分散相を含む分散物の製造
方法に関する。本発明の方法で、実質的に脂肪を25重量
%未満しか含有しない安定分散物の製造が可能となる。
このように脂肪含量の低い分散物をベースとする食品
は低カロリー含量であるので特に望ましい。従って、本
発明の非常に好ましい実施態様は、8乃至27重量%の脂
肪連続相及び92乃至73重量%のゲル化水性分散相を含む
食用分散物の製造方法に関するものである。
本発明の方法においてはゲル化プロセスが完了する前
に脂肪連続相分散物が形成されるのが通例であるので、
本発明の方法で形成されるゲル化粒滴を視覚化するのは
一般に難しい。例えば顕微鏡のような手段でゲル粒滴を
視覚化しようとする際に通常必要とされるように、静止
条件下でゲル融点未満に維持した時に生じるゲル化粒滴
は、ゲル化プロセスが完了しない限り、架橋によって凝
集する傾向がある。
本明細書中では特記しない限り「脂肪」という語は一
般的意味での食用脂肪状物質を意味し、例えば大豆油、
ヒマワリ油、パーム油、ココナット油、魚油、ラード、
及び獣脂のような本質的にトリグリセリドから成る天然
又は合成の樹脂(これらは部分的又は完全に水添されて
いてもよく、また他の方法で改質されていてもよい)の
みならず、例えばワックス類(例えばホホバ油及び水添
ホホバ油など)及び以下でより詳細に説明するポリオー
ル脂肪酸ポリエステルのようなトリグリセリドに類似し
た特性を有する非毒性脂肪状物質(非消化性であっても
よい)を含めたものである。脂肪という用語と油という
用語は交換して用いてもよい用語である。
本明細書において、「ポリオール」という用語は少な
くとも4つの遊離水酸基を含む脂肪族又は芳香族化合物
を意味する。かかるポリオールとしては特に、糖(即
ち、単糖類、二糖類、及び多糖類)、対応する糖アルコ
ール、及び少なくとも4つの水酸基を有するこれらの誘
導体を含めた糖ポリオールの群が含まれる。糖ポリオー
ルの例としては、グルコース、マンノース、ガラクトー
ス、キシロース、フルクトース、ソルボース、タガトー
ス、リブロース、キシルロース、マルトース、ラクトー
ス、セロビオース、ラフィノース、スクロース、エリト
リトール、マンニトール、ラクチトール、ソルビトー
ル、キシリトール、α−メチルグルコシドが挙げられ
る。一般的に用いられしかも好ましい糖ポリオールはス
クロースである。
本明細書中において、「ポリオール脂肪酸ポリエステ
ル」という用語は、平均してポリオール水酸基の70%よ
り多くが脂肪酸でエステル化されているようなポリエス
テル又はこれらの混合物を指す。本明細書中において、
「非消化性」という用語は、当該物質の少なくとも約70
%より多くは人体では消化されないことを意味する。
我々は、非常に低含量のスプレッドの製造に本発明の
方法を大変有効に用いることができることを発見した。
本発明の方法で製造されるスプレッドは、脂肪含量がた
とえ約20重量%と低くても、約40重量%の脂肪を含む市
販のスプレッドとほぼ類似した口当りを有する。さら
に、このスプレッドは貯蔵しても安定で塗布時に水を失
わいことが判明した。
本発明の方法においては、ゲル化をもたらす架橋機構
が機能し始めるような時間、水性連続相組成物を十分低
い温度に維持しておくことが非常に重要である。ゲル構
造を得るためには、水性連続相組成物を、脂肪連続相分
散物の形成に先立って少なくとも20秒間ゲル凝結温度よ
りも低い温度に維持するのが一般に推奨される。より好
ましくは、水性連続相組成物を、脂肪連続相分散物の形
成に先立って少なくとも30秒間、ゲル凝結温度よりも少
なくとも5℃低い温度に維持する。
本発明の方法においては、好ましくは脂肪連続相分散
物の形成前に用いる冷却処理法及び滞留時間は、静止条
件下で剪断貯蔵弾性率が50Paより大、好ましくは70Paよ
り大のゲルが形成するようなものである。
以下の方法を用いて剪断弾性率を適切に決定すること
ができる。
ボーリン(Bohlin)VORレオメーター又は同等の装置
に30mmのプレートと角度5度のコーンを取付ける。試料
をそのゲル融点よりも少なくとも10℃高い温度に加熱
し、その後この方法で用いる開始温度にする。試験用液
体試料をコーンとプレートの間に配置し、プレート端の
間隙を1mmに調整する。シリコーンオイルをプレートの
端に塗って試料が乾燥するのを防ぐ。
試料を開始温度で平衡化し、振動数(f)を1Hzに、
歪を7.2度にセットする。この方法で用いる冷却処理法
を付し、連続的正弦波振動に維持して適当な時間間隔で
歪コンプライアンスを記録する。このようにして剪断貯
蔵弾性率(G′)を以下の関係式から計算できる。
G′=(σ21゜/γ21゜)cos δ (式中、 σ21゜=σ21/sin(ωt+δ) γ21゜=γ21/sin ωt であり、σは剪断端応力、γは剪断歪、δは位相角であ
る。) さらに詳細な情報は、フェリー(Ferry,J.D.)著「ビ
スコエラスティック・プロパティーズ・オブ・ポリマー
ズ(Viscoelastic Properties of Polymers、J.Wiley
& Sons Inc.から出版)」第1章、4−16頁に記載され
ている。
水性連続相組成物の小さなゲル化水性粒滴への転化
は、公知の幾つかの装置を用いることによって適切に成
し遂げられる。好ましい装置の例は、ボーテータ[(Vo
tator登録商標)Aユニット]、晶出器(Cユニッ
ト)、スタチック・ミキサー、ウルトラ・トゥラックス
(Ultra Turax、登録商標)ミキサーなどである。この
転化は好ましくは水性連続相組成物を冷却及び/又は剪
断に付すことのできる1つ又はそれ以上の装置を用いて
行う。好ましくはこれらの装置の少なくとも1つは、該
組成物を剪断に付すための回転手段を供えたものであ
る。
加工処理を容易にするため、また非常に安定な分散物
を得るために、脂肪連続相分散物の形成に先立ってゲル
化粒滴を比較的小さな粒度のものにしておくことが推奨
される。従って、本発明の好ましい実施態様において
は、水性連続相組成物は脂肪連続相分散物の形成に先立
って150ミクロン未満の容積加重平均直径を有する小さ
なゲル化水性粒滴に転化される。
脂肪連続相分散物を形成する適切な経路は二つある。
その一つは、水性連続相組成物が5乃至27重量%の分散
脂肪を含み、この脂肪含有水性連続相組成物をゲル化水
性粒滴に転化した後で水性連続相組成物を脂肪連続相分
散物に転相させる方法である。本明細書中において「転
相」という語は、脂肪分散相を含有する水連続相系で油
中水型分散物に転換することを指す。本発明におけるこ
のような水連続相系は分散した脂肪の液滴を含有する多
数の小さなゲル化水性粒滴から成るものであってよい。
本発明の方法における水性連続相組成物の油中水型分散
物への転相は通常瞬間的に起こる事象ではないと解され
る。実際、脂肪含有水性連続相組成物の油中水型分散物
への転相は、過渡的二連続相系の形成、もしくは脂肪と
水の両者がそれぞれ部分的に連続相を成す過渡的な系の
形成を伴うことがある。
第二の経路は、小さなゲル化粒滴に転化させた後の水
性連続相組成物を別の脂肪連続相の流れと合流させて脂
肪連続相分散物を形成させる方法である。最終的分散物
の水性連続相組成物がゲル化水性粒滴に転化した後で脂
肪を加えるという点で、この方法は第一の経路とは異な
る。水性連続相組成物は既にある程度の分散脂肪を含有
しているかもしれないが、最終的分散物に存在する脂肪
の大部分はゲル化水性粒滴の形成後に別の脂肪連続相の
流れによって添加するのが好ましい。水性連続相と脂肪
連続相の流れとの合流は、水性連続相系(この系はさら
に最終的油中水型分散物に転相する必要がある)ではな
くて脂肪連続相系が生じるように行うのが好ましい。本
発明の方法におけるように、脂肪と合流させるゲル化粒
滴が十分に組織化されている場合、脂肪はゲル化粒滴の
周囲で容易に加工できて脂肪連続相分散物を形成する。
上記の二つの経路においては共に、ゲル化粒滴の形成
後に、油中水型分散物を形成させるための工程をさらに
必要とし、脂肪含有ゲル化粒滴を転相するためもしくは
ゲル化粒滴と脂肪の流れとを完全に混合するために好ま
しくは剪断を適用する。かかる剪断条件はゲル化粒滴の
平均粒度を減少させるので、脂肪連続相分散物形成前の
ゲル化粒滴の大きさが最終製品において目標とするよう
な大きさである必要はない。このように、混合する前の
ゲル化粒滴は比較的大きくてもよいが、一般には150ミ
クロン未満の大きさである。本発明の好ましい実施態様
においては、転相もしくは合流時よりも脂肪連続相分散
物の形成前にゲル化粒滴の大きさを調節する方が便利な
ので、脂肪連続相分散物の形成前のゲル化粒滴は比較的
小さい。従って、脂肪連続相分散物形成前のゲル化粒滴
は容積加重平均直径が100ミクロン未満、より好ましく
は70ミクロン未満であるのが有利である。
本発明のもう一つの態様は、30重量%未満の脂肪連続
相と70重量%以上の水性分散相とを含む食用分散物にし
て、該水性分散相が(a)1種以上の可逆ゲル形成可能
なゲル化性多糖類にして該ゲル化性多糖類の臨界濃度の
1乃至6倍の濃度のもの、及び(b)200ppmを超えるア
ミノ酸含有物質を含有する分散物、である 本発明のスプレッドは非常に安定である。即ち、本発
明のスプレッドはたとえ温度変化を繰返しても、水分の
滲出も油の滲出も呈さず、しかも塗布時に水分を失わな
い。さらに本発明のスプレッドは先行技術に記載された
同様の脂肪含量のスプレッドよりも格段と良好な口当り
を示す。このように向上した口当りは、融解ゲル構造と
結び付いたかなりの量のアミノ酸含有物質(特にタンパ
ク質)の存在に由来すると考えられる。ゲル構造は貯蔵
時に通常経験する低温域で製品の構造を安定化する。温
度が高くなると、即30℃を超える温度では、ゲル構造は
次第に消失していき、アミノ酸含有物質の不安定化効果
によって水性連続相系への転相が助長される。このよう
な転相は水性分散相中に存在する香味成分の放出には欠
かせないものである。
NMR法で容積加重平均液滴粒度を測定した場合、本発
明の分散物は比較的幅広い液滴直径分布を示すという特
性を持つことが判明した。液滴直径分布は、粒度分布の
分析に通常用いられている対数正規分布を活用したNMR
法[ジャーナル・オブ・コロイド・アンド・インターフ
ェイス・サイエンス(J.Colloid and Interface Scienc
e)40巻(1972年)206頁、及び93巻(1983年)521頁、
参照]で適切に測定できる。従前の加工処理法で製造し
た同一組成の分散物とは対照的に、本発明で製造される
分散物は幅広い液滴直径分布を示すが、これはσの実験
値が通常0.9ミクロンを超えることに現れている。
従って本発明のもう一つの態様は、30重量%未満の脂
肪連続相と70重量%以上の水性分散相とを含む食用分散
物にして、水性相液滴直径分布に関するσが0.9ミクロ
ンを超え、かつ水性分散相が1種以上の可逆ゲル形成可
能なゲル化性多糖類該をゲル化性多糖類の臨界濃度の1
乃至6倍の濃度で含むことを特徴とする分散物に関す
る。パラメーターσについて得られる高い実験値は、本
発明の分散物中に存在する水性相の液滴分布が双峰性で
あるということを示唆しているのかも知れない。本発明
の非常に好ましい実施態様においては、σは1.1ミクロ
ンを超える。
分散物中に存在するゲル化性多糖類は好ましくはκ−
カラギーナン、ι−カラギーナン、寒天、ファーセルラ
ン、ゲラン、及びこれらの混合物から成る群から選択す
る。最も好ましくは、ゲル化性多糖類はκ−カラギーナ
ン、ι−カラギーナン、またはこれらの混合物である。
また別の好ましい実施態様においては、分散物の水性
相は45℃未満、より好ましくは40℃未満の転移温度中点
値を持つカラギーナンゲル構造を含む。所望の転移温度
中点値は水性相の陽イオン濃度及び組成を調節すること
によって得ることができる。欧州特許出願番号第0,271,
131号には、水性相の陽イオン組成に伴なってカラギー
ナンゲルの転移温度が如何に変化するかが記載されてい
る。秩序正しい状態から無秩序な状態への転移の中点温
度は、Faraday Discuss.Chem.Soc.(1974)57,230−237
頁に記載されているような施光性の測定によって適切に
決定できる。本発明の分散物に低温融解性ゲル構造を使
用すると、口中で分散物が直ちに不安定化するという利
点が生ずる。低温融解性ゲル構造を含有するスプレッド
は従って非常に好ましい口当りを示す。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、水性相
は300ppmを超えるアミノ酸残基を含有する。本発明で用
いるアミノ酸含有物質という用語は、変性タンパク質、
ジペプチド、オリゴペプチド、並びに遊離のアミノ酸基
だけでなく、未変性タンパク質も包含するものである。
非常に好ましい実施態様においては、本発明の分散物は
水性相に基づいて計算して500ppmより多いアミノ酸含有
物質を含む。
本発明の分散物中に存在するアミノ酸含有物質は、好
ましくは1種又はそれ以上のタンパク質である。本発明
の分散物中に都合よく混入し得るタンパク質の例は、ゼ
ラチン、乳タンパク質(例えば、脱脂乳タンパク質、ホ
エイタンパク質、カゼイン)、並びに大豆タンパク質で
ある。
本発明の分散物はゲル化性多糖類に加えて、可逆ゲル
形成可能な多糖類以外のゲル化性成分(例えばゼラチ
ン、アルギン酸塩、ペクチン、ホエイタンパク質、デン
プン誘導体、大豆タンパク質、牛血清タンパク質、又は
微晶質セルロースなど)を含有していてもよい。好まし
くは、本発明の分散物は可逆ゲル形成可能なゲル化性多
糖類以外のゲル化性成分を該ゲル化性成分の臨界濃度の
2倍未満、好ましくは1倍未満の濃度で含有する。
本発明の分散物にはさらに乳化剤、増粘剤、着色料、
香味料などの成分を含有させることもできる。本発明の
分散物に適切に使用し得る増粘剤の例としては、ローカ
ストビーンガム、グアーガム、キサンタンガム、及び1
価陽イオンのアルギン酸塩などが挙げられる。
ゲル化剤の臨界濃度はそのゲル化剤がゲルを生じ始め
る濃度である。本発明の分散物の水性相中におけるゲル
化性多糖類の臨界濃度は、スプレッド中に混入させる水
性相と同一組成の(ただし、可逆ゲル形成可能な多糖類
以外の、スプレッド中に任意に混入することのできるゲ
ル化性成分が存在しないこと、並びに臨界濃度を決定す
るために変化させなくてはならない水分含量及びゲル化
剤濃度は除く)水性系中で決定する。
所定の組成物中におけるゲル化剤(又はゲル化剤混合
物)の臨界濃度は、Br.Polymer J.17(1985),164頁に
記載されているように、様々な濃度のゲル化剤(又はゲ
ル化剤混合物)を含有する一連の試料に対する剪断弾性
率の測定から計算できる。複数のゲル化剤の組合わせの
臨界濃度を決定する場合は、かかるゲル化剤混合物の臨
界濃度を上記の手順と同様の方法で決定する。ゲル化剤
混合物の組成を一定に保っておいて、かかる混合物の重
量濃度をあたかも単一のゲル化剤のように変化させる 本発明の好ましい実施態様においては、水性相は可逆
ゲル形成可能なゲル化性多糖類をそれらの臨界濃度の1.
2乃至5倍、さらに好ましくは1.5乃至4.5倍の濃度で含
有する。
本発明の方法によって、高粘度の水性相組成物を使用
しなくても分散物の製造が可能となる。従って、比較的
低粘度の水性相を含む分散物を製造することができる。
かかる分散物は高粘度水性相を有する分散物よりも口当
りが濃厚でなく、そのうえ口中で容易に不安定化する。
従って、好ましい実施態様においては、ゲル化水性相の
5℃及び剪断速度毎秒17090における粘度は30mPa.s未
満、さらに好ましくは25mPa.s未満である。粘度は、欧
州特許出願番号第0,237,120号第3頁に記載の方法で、
直径7cmの標準コーンを用い、フェランチ・シャーレイ
・ビスコメーター(Ferranti Shirley Viscometer、登
録商標)中で適切に測定し得る。
ゲル化水性相の液滴の大きさは、分散物の外観、口当
り、及びレオロジーを大きく左右する。本発明の分散物
におけるこれらのゲル化液滴は50ミクロン未満、好まし
くは30ミクロン未満の数平均液滴粒度を有する。
本発明を以下の実施例によってさらに詳しく説明す
る。
比較例1 以下の組成の油相と水性相を混合することによって得
た水性連続相エマルジョンから、20重量%の脂肪連続相
と80重量%のゲル化水性分散相とを含有するスプレッド
を製造した。
油相(エマルジョンに基づく重量%) パーム油とパーム核油との(2:3)エステル交換混合物
3.58 スリップ融点38℃に硬化した大豆油 5.38 ヒマワリ油 11.06 ハイモノ4404(Hymono 4404、モノグリセリド) 0.15 ボレック Z(Bolec Z、レシチン) 0.1 20.27 水性相(エマルジョンに基づく重量%) κ−カラギーナン(0.07重量%のタンパク質含む)1.2 塩化ナトリウム 1.44 水 74.0 乳酸でpHを4.9に調整 上記の二つの相を45℃で混合して得た水性連続相エマ
ルジョンを1基のスクレープト・サーフェス(scraped
surface)熱交換器[この場合、エチレングリコールで
冷却したボーテータ(Aユニットとも呼ばれる)]及び
1基の冷却晶出器(Cユニット)に通し、その後生成物
をタブに充填した。水性連続相エマルジョンの脂肪連続
相分散物への転相は、冷却Cユニット中で得られた。各
ユニットにおける正確な加工処理条件を以下に挙げる。
このようにして得られた脂肪連続相スプレッドは容易
に塗布でき、かつ塗布しても水分を失わなかった。5
℃、10℃、15℃、及び20℃における製品の導電率はそれ
ぞれ28、120、230、及び170マイクロジーメンス/cmであ
り、製品が脂肪連続相及び水性分散相を含んでいること
を示していた。容積加重平均直径をパルスNMR法で決定
したところ6ミクロンであり、σは1.1ミクロンであっ
た。コーン針入計で決定した5℃における製品の硬さは
210g/cm2であった。
実施例1 水性相がさらに水の重量に基づいて0.1重量%のゼラ
チンを含有していたことを除いては、比較例1を繰返し
た。正確な加工処理条件は以下の通りであった。
このようにして得られた脂肪連続相スプレッドは容易
に塗布でき、かつ塗布しても水分を失わなかった。5
℃、10℃、15℃、及び20℃における製品の導電率はそれ
ぞれ230、210、300、及び300マイクロジーメンス/cmで
あり、製品が脂肪連続相及び水性分散相を含んでいるこ
とを示していた。容積加重平均直径をパルスNMR法で決
定したところ17ミクロンであり、σは1.2ミクロンであ
った。コーン針入計で決定した5℃と10℃における製品
の硬さはそれぞれ255と230g/cm2であった。
比較例1の製品と比較すると、この製品の方が口中で
より容易に崩壊した。さらに、口中での水性連続相エマ
ルジョンへの転相は比較例1の製品のものよりもかなり
速やかであって、比較例1の製品の方がロウのような口
当りが強かった。
ゼラチンの代りに他のタンパク質、例えば乳タンパク
質又は大豆タンパク質を同じような濃度で使用しても、
同様の結果が得られた。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5〜30重量%の脂肪連続相と70〜95重量%
    のゲル化水性分散相からなる分散物の製造方法にして、
    (i)変性もしくは未変性のタンパク質、ジペプチド、
    オリゴペプチド及び遊離アミノ酸からなる群から選択さ
    れる物質を水を基準にして200ppmを超える濃度で含有す
    るとともに(ii)1種以上の可逆ゲル形成可能なゲル化
    性多糖類を当該ゲル化性多糖類の臨界濃度を超える濃度
    で含有する水性連続相組成物を、その水性連続相組成物
    のゲル凝結温度よりも高い温度から上記ゲル凝結温度よ
    りも低い温度に冷却し、剪断処理に付して水性連続相組
    成物を容積加重平均直径100ミクロン未満のゲル化水性
    粒滴に転化させ、しかる後に、ゲル融点よりも低い温度
    に維持しながら脂肪連続相分散物を形成させることを特
    徴とする方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法において、前記水性連
    続相組成物が5〜27重量%の分散脂肪を含み、この脂肪
    含有水性連続相組成物をゲル化粒滴に転化した後、この
    水性連続相組成物を脂肪連続相分散物に転相させること
    を特徴とする方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の方法において、前記水性連
    続相組成物をゲル化水性粒滴に転化した後、別の脂肪連
    続相の流れと合流させて脂肪連続相分散物を形成させる
    ことを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載
    の方法において、前記ゲル化水性分散相の液滴直径分布
    のσ値が0.9ミクロンを超えることを特徴とする方法。
  5. 【請求項5】30重量%未満の脂肪連続相と70重量%以上
    のゲル化水性分散相とからなる食用分散物にして、当該
    ゲル化水性分散相が、(a)1種以上の可逆ゲル形成可
    能なゲル化性多糖類を当該ゲル化性多糖類の臨界濃度の
    1.5〜4.5倍の濃度で含有するとともに、(b)変性もし
    くは未変性のタンパク質、ジペプチド、オリゴペプチド
    及び遊離アミノ酸からなる群から選択される物質を水を
    基準にして500ppmを超える濃度で含有することを特徴と
    する分散物。
  6. 【請求項6】請求項5記載の分散物において、前記ゲル
    化水性分散相の液滴直径分布のσ値が0.9ミクロンを超
    えることを特徴とする分散物。
  7. 【請求項7】請求項5又は請求項6記載の分散物におい
    て、前記ゲル化性多糖類がκ−カラギーナン、ι−カラ
    ギーナン、寒天、ファーセルラン、ゲラン及びこれらの
    混合物からなる群から選択されることを特徴とする分散
    物。
  8. 【請求項8】請求項5乃至請求項7のいずれか1項記載
    の分散物において、前記ゲル化水性相の5℃及び剪断速
    度毎秒17090における粘度が30mPa・sであることを特徴
    とする分散物。
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