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JPH0832713B2 - 光学活性イリジウム錯体、その製造方法、およびその用途 - Google Patents
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JPH0832713B2 - 光学活性イリジウム錯体、その製造方法、およびその用途 - Google Patents

光学活性イリジウム錯体、その製造方法、およびその用途

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JPH0832713B2
JPH0832713B2 JP62117227A JP11722787A JPH0832713B2 JP H0832713 B2 JPH0832713 B2 JP H0832713B2 JP 62117227 A JP62117227 A JP 62117227A JP 11722787 A JP11722787 A JP 11722787A JP H0832713 B2 JPH0832713 B2 JP H0832713B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術の分野〕 この発明は、不斉第2級アミン配位子とジエン配位子
を有する光学活性カチオン性イリジウム(I)錯体、こ
れらの製造方法および均質、対掌体選択性触媒としての
これらの用途に関する。
〔先行技術〕
ジー・ザツシノビツチらは、「ジヤーナル・オブ・オ
ルガノメタリツク・ケミストリー」222、323−329頁(1
981年)において、1,5−シクロオクタジエン配位子とイ
ミンN原子において光学活性α−フエニルエチルまたは
3−ピナンメチルで置換されている2−ピリジナルジミ
ン配位子を有するカチオン性イリジウム(I)錯体につ
いて記述している。これらの錯体は、プロキラルケトン
とイソプロパノールとのトランスフアー水素化における
対掌体均質触媒として作用する。この反応において高収
量が得られるが、光学収量(対掌体過剰量)は比較的に
低い。
エツチ・ブルナーらは、「Chem.Ber.」、117、1330〜
1354頁(1984年)において、プロキラルケトンの対掌体
選択性ヒドロシリル化用均質触媒として、シクロオクタ
−1,5−ジエン配位子と不斉α−(第2級アミノメチ
ル)−ピリジン配位子を有するカチオン性ロジウム
(I)錯体について記述している。
〔発明の構成〕
この発明は、次式I: (式中のR1とR′はHであり、Aは式II,IIaまたはIIb: で表わされる基であり、あるいはR1とR′は結合を表わ
し、Aは式IIc: で表わされる基であり、ここにR2は−Hまたは−CH3
あり、X は無機酸または有機酸のアニオンであり、Y
とZは各々エチレンであり、あるいはYとZはともに6
〜10個の炭素原子を有する開鎖または環式ジエンを表わ
し、そのジエン基は1個または2個の炭素原子を介して
結合されており;Rは少くとも1個のキラル炭素原子を有
する炭化水素基であるか、または少くとも1個のヘテロ
原子と少くとも1個のキラル炭素原子を有する炭化水素
基であり、あるいはAは式II、IIaまたはIIbの基であ
り、Rはフエニル、ナフチル、2−メチルフエン−1−
イルまたは2,6−ジメチルフエン−1−イルで表わされ
る光学活性イリジウム錯体およびジアステレオマーの混
合物に関する。
光学活性とは少くとも1個のキラル炭素原子が、主と
してS原子配列またはR原子配列を有することを意味す
る。
一塩基の無機または有機酸のアニオンとしてのX
は、例えば、F 、Cl 、Br 、I 、ClO4 、NO3
、BrO3 、HSO4 、H2PO3 、H2PO4 、BF4 、B
(フエニル) 、PF6 、SbF6 、AsF6 、SbCl6
SbCl5F 、HCOO 、CH3COO 、CCl3COO 、CF3COO 、C
H3SO3 、CCl3SO3 、CF3SO3 、フエニル−SO3 また
はp−トルイル−SO3 である。好ましい態様におい
て、X はBF4 、ClC4 、CF3SO3 またはPF6 であ
る。
YとZは、好ましくは各々エチレンであり、あるいは
YとZはともに好ましくは6〜8個の炭素原子を有する
ジエンであり、そのジエン基は特に2個の炭素原子を介
して結合されている。好ましい態様において、YとZは
ともに1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエンま
たは1,5−ヘキサジエンである。
イリジウム錯体の好ましいサブグループは、式Iにお
いて、Rが式III: (式中、R3、R4およびR5は、少くとも1個のキラル炭素
原子を含有しない場合、互いに相違し、かつ水素原子、
C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、5〜7個の環炭素
原子を有し、かつ置換されていないか、またはC1−C4
ルキルまたはフエニルで置換され、5〜7個の環炭素原
子およびアルキレン基中の1個または2個の炭素原子を
有するシクロアルキルアルキル、フエニル、ナフチル、
ベンジルまたはβ−フエニルエチルであり;あるいはR4
とR5はともに、少くとも1個のキラル炭素原子を有す
る、C1−C4アルキル置換またはフエニル置換線状C4−も
しくはC5−アルキレン、C3−もしくはC4−オキサアルキ
レンまたはC3−ジオキサアルキレン。)で表わされる基
である式Iのそれらよりなる。好ましい態様において、
式IIIにおけるR3は水素原子である。
C1−C4アルキルとC1−C4アルコキシ基は、メチル、エ
チル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ
ブチル、t−ブチル、および対応するアルコキシ基であ
る。アルキル基としてのR3、R4とR5は、好ましくはメチ
ルまたはエチルであり、アルコキシ基としてのR3,R4
よびR5は、好ましくはメトキシである。シクロアルキル
基としてのR3からR5は、好ましくはシクロペンチル、シ
クロヘプチル、および特にシクロヘキシルである。シク
ロアルキルアルキル基としてのR2からR4は、好ましくは
シクロヘキシルメチルである。R3とR4はともに、C3−C4
オキサアルキレンとしては、好ましくは2−オキサブチ
レンまたは2−もしくは3−オキサペンチレンであり、
C3−ジオキサアルキレンとしては、好ましくは2,4−ジ
オキサペンチレンである。R3からR5の置換基としてのC1
−C4アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピルまたはブチルである。好ましい置換基は、メチ
ルとフエニルである。
式Iのイリジウム錯体の好ましいサブグループは、式
Iの式IIIにおいて、R3がHであり、R4がC1−C4アルキ
ル、C1−C4アルコキシまたはフエニルであり、R5がフエ
ニル、ベンジルまたはナフチルであつてR3とR4は両方と
もにフエニルではないのであり;あるいはR3とR5は各々
Hであり、R4が式: に相当するか、または−CR3R4R5基が次式: に相当するものであり;あるいはR3がHであり、R4とR5
がともにC1−C4−アルキルで2−位置に置換されている
ペンタメチレンまたはC1−C4アルキルまたはフエニルで
1−および/または3−位置に置換されている2,4−ジ
オキサペンチレンであるものよりなる。
好ましいイリジウム錯体の他の一つの態様は、式III
の基が次の基: (式中R6はメチルまたはフエニルであり、R7はメチルま
たはフエニルであり、R8およびR9はメチルであるか、あ
るいはR8がHでR9がフエニル。)に相当するものよりな
る。
式Iの錯体であつて、式I中R1とR′がボンドであ
り、Aが式IIcの基であつて、式中のR2がメチルであ
り、Rが次の基: (式中、R7がフエニルであり、R10がフエニルまたはナ
フチルであり、R11がHであるか、あるいはR10とR11
フエニル。)に相当するものが特に好ましい。
他の一つの好ましいサブグループは、式Iのイリジウ
ム錯体であつて、式I中R1とR′がボンドであり、Aが
式IIcの基であつて式中のR2がHであり、Rが2−メチ
ルシクロヘクス−1−イル、2−フエニルシクロヘクス
−1−イル、 (式中R7はフエニルであり、R12とR13は−CH3である
か、またはR12がHであつてR13がフエニル。)であるも
のよりなる。
好ましい態様において、式Iのイリジウム錯体は、式
中のR1とR′がHであり、Aが式IIの基であり、Rが次
の基: (式中R10とR11はフエニルであり、あるいはR10はフエ
ニルまたはナフチルであつてR11はHであり、あるいはR
10はメチルでありR11はフエニル。)であるものであ
る。
式I中のR1とR′が各々Hであり、Aが式IIaの基で
ある、式Iの好ましいイリジウム錯体は、式中のRがフ
エニル、2−メチルフエン−1−イルまたは2,6−ジメ
チルフエン−1−イルであるものである。
他の好ましい式Iのイリジウム錯体は、式中のX
BF4 であり、YとZがともに1,5−シクロオクタジエン
であるものである。
式Iのイリジウム錯体は、〔(アセトニトリル)
(YZ)〕IrXを、式IV: (式中、Y、Z、X、A、R、R1およびR′は、クレー
ム1において定義した意味を有する。)で表わされる光
学活性第2級アミンと反応させることにより、それ自体
公知の方法、「Inorganica Chemica Acta」73(198
3)、270−279頁参照、により得ることができる。アセ
トニトリル錯体の製造についても、同様に記述されてい
る。アセトニトリル錯体の製造に用いられる錯体〔IrCl
(YZ)〕は、例えば、ジクロロテトラキス(アルケ
ン)ジイリジウム(I)(アルケン:例えばシクロオク
テン)とエチレンまたはジエンYZとを反応させることに
より得られる。
この反応は、一般に、不活性溶媒中において酸素と水
分の不存在下に−10〜30℃の温度で行われる。好適な不
活性溶媒の例として、ベンゼン、トルエン、キシレン、
石油エーテル、ヘキサン、シクロヘキサンおよびメチル
シクロヘキサンのような炭化水素;および例えば、ジエ
チルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン
およびジオキサンのようなエーテル、ならびに例えばク
ロロホルム、メチレンクロライドおよびクロロベンゼン
などのハロゲン化炭化水素が挙げられる。
一塩基の無機または有機酸との式Iとの塩を得るため
に、式Iの塩は、反応後直後に、あるいは単離と精製お
よび極性溶媒(例えば、水が添加されるか、また添加さ
れないアルコール、エーテルまたはケトン)への再溶解
後、アルカリ金属塩M X′ と反応させ、次いで単離
することができる。X′ は、一塩基の無機または有機
酸のX とは異なるアニオンであり、M は、ナトリウ
ムが好ましい。この発明のイリジウム錯体は、結晶性で
あつて、過により単離され、再結晶化により精製する
ことができる。式IVの光学活性第2級アミンのうちのあ
るものは、公知であるか、または市販されており、ある
いは公知の方法で製造することができる。式IVにおい
て、Aが式IIcの基であり、R1およびR′がボンドであ
る式IVのアミンは、対応するアミンの接触的水素化、例
えば によつて、簡単に得られる。
式Vのピリジンアルジミンは、公知であり、または置
換されていないか、またはメチル置換2−ピリジンアル
デヒドとアミンRNH2とを反応させることにより、それ自
体公知の方法で得ることができる。有利には、アミンRN
H2の純粋な立体異性体が用いられ、その結果式Vの純粋
な立体異性体が得られる。しかしながら、ラセミ化合物
を用い、次いで得られた式Vのラセミ化合物を公知の方
法で分解することも可能である。
アミンRNH2の立体異性体は、公知であつて、そのうち
には市販されるか、または公知の方法によつて製造する
ことができるものもある。このようなアミンの例とし
て、(R)−2−アミノブタン、(R)−1−フエニル
エチルアミン、(S)−1−フエニルエチルアミン、
(R)−1−(α−ナフチルエチル)−アミン、(S)
−2−アミノ−3−フエニルプロパン、(R)−1,2−
ジフエニルエチルアミン、(S)−アラニノール、
(S)−フエニルアラニノール、(4S,5S)−5−アミ
ノ−2,2−ジメチル−4−フエニル−1,3−ジオキサン、
(S)−2−アミノ−1−メトキシ−3−フエニル−プ
ロパン、(R)−ボルニルアミン、(R)−3−アミノ
メチルピナン、(+)−デヒドロアビエチルアミン、
(2R,4S,5S)−(+)−5−アミノ−2,4−ジフエニル
−1,3−ジオキサン「Chem.Ber.」113、710−721頁(198
0年)、(1S,2R)−(−)−2−メチルシクロヘキシル
アミン「Chem.Ber.」117、2076−2098頁、(1984年)お
よび(1S,2S)−(+)−2−フエニルシクロヘキシル
アミン「Chem.Ber.」117、2076−2098頁、(1984年)が
挙げられる。
式IV中、Aが式IIaの基であり、R1およびR′がHで
ある式IVの光学活性第2級アミンは、同様に触媒とし
て、例えばPtO2を用いる接触的水素化により、式Vのイ
ミンから得られる。
式IVおいて、Aが式II、IIaまたはIIbの基であり、R1
およびR′がHである式IVの光学活性第2級アミンは、
下記の方法によつて得られる(Z′は−COOCH2C6H5であ
り、*はS原子配列が優勢であるか、あるいはR原子配
列が優勢であることを表わし、アミンRNH2中のR基は、
キラル炭素原子を全く含まないか、あるいは少くとも1
個の炭素原子を含有する): 2−ピペリジン−、2−ピロリジン−および2−インド
リンカルボン酸、およびそれらの立体異性体は公知であ
る。好適なアミンR−NH2の例として、アニリン、1−
アミノ−3−メチルベンゼン、1−アミノ−2,6−ジメ
チルベンゼン、α−ナフチルアミン、(R)−1−フエ
ニルエチルアミン、(S)−1−フエニルエチルアミン
および(R)−1,2−ジフエニルエチルアミンが挙げら
れる。
更に、この発明は、特にプロキラルケトンと第2級ア
ルコールとのトランスフアー水素化用の、対掌体選択性
均質触媒としての、この発明のイリジウム錯体の用途に
関する。特に、好適な第2級アルコールは、イソプロパ
ノールである。この反応は、有利には、昇温下、例えば
40〜120℃で、酸素の不存在下に行われる。使用される
第2級アルコールは、有利には、溶媒として用いられ
る。触媒の使用量は、好ましくは反応体積に対して10-2
ないし10-5モル/lである。反応は、好ましくは、塩基、
特にNaOHの存在下に行われる。
以下の実施例により、この発明はさらに詳しく説明さ
れる。対掌体過剰量(ee)は、モシヤー「J.Org.Che
m.」34、2543頁、(1969年)に準拠して測定される。
〔実施例1〜9〕 ビス−(アセトニトリル)−(シクロオクタ−1,5−
ジエン)イリジウムテトラフルオロボレート0.469g(1.
0ミリモル)を、アルゴン保護ガス下、ジクロロメタン1
5ml中に溶解した。ジクロロメタン5mlとN置換2−(ア
ミノメチル)−6−メチルピリジン(N,N配位子)1.0ミ
リモルの溶液を、室温で攪拌しながら滴加した。1時間
後、反応混合物を約600Paの圧力下、蒸発させてその体
積を約1/3にした。生成物が自発的に結晶化しないなら
ば、ジエチルエーテル60mlを添加すると、生成物は3時
間にわたり固体沈でん物として得られる。微粉状生成物
をアルゴン雰囲気下、吸引過し、ジエチルエーテルで
3回洗浄し、0.1Paの圧力下約16時間乾燥した。収率は
理論値の80%であつた。得られた錯体の色と元素分析値
を表−1に示す。
〔実施例10−19〕 実施例1−9と同様に、表−2に詳記したN−置換2
−(アミノメチル)ピリジンを、ビス−(セトニトリ
ル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウムテトラ
フルオロボレートと反応させた。同様に操作後、表−2
に示す錯体が得られた。
〔実施例20−26〕 実施例1〜9と同様に、表−3に詳記したN−置換2
−(アミノメチル)−ピペリジンを、ビス−(アセトニ
トリル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウムテ
トラフルオロボレートと反応させた。同様に操作後、表
−3に示す錯体を得た。
〔実施例27−30〕 実施例1−9と同様に、表−4に示したN−置換2−
(アミノメチル)−ピロリジンを、ビス−(アセトニト
リル)−(シクロオクタ−1,5−ジエン)イリジウムテ
トラフルオロボレートと反応させた。同様に操作後、表
−4に示す錯体を得た。
〔実施例31−33〕 実施例1−9と同様に、表−5に示すN,N配位子を、
ビス−(アセトニトリル)(シクロオクタ−1,5−ジエ
ン)イリジウムテトラフルオロボレートと反応させた。
同様に操作後、表−5に示す錯体を得た。
〔実施例34〕 ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテン)−ジイ
リジウム(I)0.337g(0.376ミリモル)を、アルゴン
保護ガス下、ベンゼン26mlに溶解した。1,5−ヘキサジ
エン2.6mlを、10℃で滴加した。混合物を1時間攪拌
後、ベンゼン2ml中のジアミン溶液を滴加した。反応混
合物を室温で1時間攪拌し、次いでセライトを用いて
過した。ヘキサン120mlを添加すると、生成物はベージ
ユ粉末として沈でんした。それを別し、ヘキサンで数
回洗浄し、0.1Paの圧力下、18時間乾燥した。
色:ベージユ 微量分析(分子式:C20H26N2ClIr): C H N Cl 計算値 46.01 5.02 5.37 6.79 実測値 40.61 4.74 4.1 7.58 生成物は、ジ−μ−クロロテトラキス(シクロオクテ
ン)ジイリジウム(I)を約20%含有した。
〔実施例35(用途実施例)〕 実施例2で得られた錯体6.42mgを、酸素の不存在下
(アルゴン雰囲気下)、イソプロパノール39.5mlに溶解
した。この溶液を60℃で1時間攪拌後、0.1N水酸化ナト
リウム溶液0.42mlを添加した。60℃で更に1時間攪拌を
継続し、次いでイソプロパノール39.5mlおよびブチロフ
エノン1.55gの溶液を、酸素の不存在下に添加した。基
質対触媒のモル比は、したがつて〔S〕/〔Cat.〕=10
00であり、触媒濃度は、1.33・10-4モル/lである。
60℃に3時間保持後、1−フエニル−1−ブタノール
の収率を、ガスクロマトグラフイー(OV101,120℃、恒
温)で測定したところ理論値の90.9%であつた。
モシヤー(Mosher)により対掌体含有量を測定するた
めに、反応混合物(約0.5ml)の試料から溶媒を実質上
除去し、光学的に純粋なα−メトキシ−α−トリフルオ
ロメチルフエニルアセチルクロリド50μlと乾燥ピリジ
ン0.25mlを0℃で添加した。15分後、混合物を30分間70
℃に加熱して冷却し、その後10%くえん酸溶液3mlを添
加し、ジアステレオマーエステルをエーテルで抽出し
た。
(S)−1−フエニルブタノールの対掌体過剰量(e
e)54.2%が、ガスクロマトグラフイー(毛細管カラムC
W20,190℃)によつて求められた。
〔実施例36(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例2の錯体を、イソブチロフ
エノンの接触的対掌体選択性トランスフアー水素化に用
いた。
1時間45分後、1−フエニル−2−メチルプロパノー
ルの収率は95.3%で、対掌体過剰量eeは(S)の57.3%
であつた。
〔実施例37(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例1の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触的対掌体選択性、トランスフアー水素化に用い
た。
12時間45分後、1−フエニルブタノールの収率は、9
0.4%であり、対掌体過剰量eeは(R)の60.4%であつ
た。
〔実施例38(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例12の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。ただし、濃度条件は、〔S〕/〔cat.〕=100およ
び〔cat.〕=2・10-3モル/lであつた。
18時間後、1−フエニルブタノールの収率は78.8%で
あり、対掌体過剰量eeは、(S)の55.3%であつた。
〔実施例39(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例23の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。ただし、濃度条件は、〔S〕/〔cat.〕=1000およ
び〔cat.〕=1.33・10-4モル/lであつた。
20時間後、1−フエニルブタノールの収率は88.8%で
あり、対掌体過剰量eeは、(R)の60.1%であつた。
〔実施例40(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例25の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。ただし、濃度条件は、〔S〕/〔cat.〕=1000およ
び〔cat.〕=1.33・10-4モル/lであつた。
20時間後、1−フエニルブタノールの収率は45.3%で
あり、対掌体過剰量eeは(S)の54.1%であつた。
〔実施例41(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例20の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。ただし、濃度条件は、〔S〕/〔cat.〕=1000およ
び〔cat.〕=1.33・10-1モル/lであつた。
20時間30分後、1−フエニルブタノールの収率は31.2
%であり、対掌体過剰量eeは(R)の49.3%であつた。
〔実施例42(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例27の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。
20時間後、1−フエニルブタノールの収率は39.0%で
あり、対掌体過剰量eeは(R)の29.2%であつた。
〔実施例43(用途実施例)〕 実施例35と同様に、実施例32の錯体を、ブチロフエノ
ンの接触、対掌体選択性トランスフアー水素化に用い
た。ただし濃度条件は、〔S〕/〔cat.〕=1000および
〔cat.〕=1.33・10-4モル/lであつた。
2時間後、1−フエニルブタノールの収率は、95.0%
であり、対掌体過剰量(ee)は(S)の60.4%であつ
た。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式I: (式中、R1およびR′はHであり、Aは式II,IIaまたは
    IIb: で表わされる基であり; あるいはR1およびR′は結合を表わし、Aは式IIc: で表わされる基であり、ここにR2は−Hまたは−CH3
    あり、X は無機酸または有機酸のアニオンであり、Y
    とZは各々エチレンであり、あるいはYとZはいっしょ
    になって6〜10個の炭素原子を有する開鎖または環式ジ
    エンを表わし、そのジエン基は1個または2個の炭素原
    子を介して結合されており、Rが式III: (式中、R3、R4およびR5は、これらが少くとも1個のキ
    ラル炭素原子を含有しない場合、互いに相違し、かつ水
    素原子、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、5から7
    個の環炭素原子を有し、かつ置換されていないか、また
    はC1−C4アルキルまたはフェニルで置換されているシク
    ロアルキル、置換されていないか、またはC1−C4アルキ
    ルまたはフェニルで置換され、5から7個の環炭素原子
    およびアルキレン基中の1個または2個の炭素原子を有
    するシクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、ベ
    ンジルまたはβ−フェニルエチルであり;あるいはR4
    R5はいっしょになって、少くとも1個のキラル炭素原子
    を有する、C1−C4アルキル置換またはフェニル置換線状
    C4−もしくはC5−アルキレン、C3−もしくはC4−オキサ
    アルキレンまたはC3−ジオキサアルキレン。)で表わさ
    れる基であり; あるいは、R1およびR′は結合を表わし、Aは式II、II
    aまたはIIbで表わされる基であり、Rはフェニル、ナフ
    チル、2−メチルフエン−1−イルまたは2,6−ジメチ
    ルフエン−1−イルである。) により表わされる光学活性イリジウム錯体およびそのジ
    アステレオマー類の混合物。
  2. 【請求項2】式Iにおいて、X がBF4 、ClO4 、CF3
    SO3 またはPF6 である特許請求の範囲第1項記載の式
    Iのイリジウム錯体。
  3. 【請求項3】式Iにおいて、YとZがいっしょになって
    1,5−シクロオクタジエン、ノルボルナジエンまたは1,5
    −ヘキサジエンである特許請求の範囲第1項記載の式I
    のイリジウム錯体。
  4. 【請求項4】式Iにおいて、式III中のR3がHである特
    許請求の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  5. 【請求項5】式IIIにおいて、R3がHであり、R4がC1−C
    4アルキル、C1−C4アルコキシまたはフェニルであり、R
    5がフェニル、ベンジルまたはナフチルであってR3とR4
    は両方ともにはフェニルではないものであり;あるいは
    R3とR5は各々Hであり、R4が式: に相当するか、または−CR3R4R5基が式: に相当するものであり;あるいはR3がHであり、R4とR5
    がいっしょになってC1−C4−アルキルによって2−位置
    において置換されているペンタメチレンまたはC1−C4
    ルキルまたはフェニルによって1−および/または3−
    位置において置換されている2,4−ジオキサペンチレン
    である特許請求の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯
    体。
  6. 【請求項6】式IIIの基が次の基: (式中R6はメチルまたはフェニルであり、R7はメチルま
    たはフェニルであり、R8とR9はメチルであるか、あるい
    はR8がHでありR9がフェニル。)に相当する特許請求の
    範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  7. 【請求項7】式I中R1とR′が結合であり、Aが式IIc
    の基であって、式中R2がメチルであり、Rが次の基: (式中、R7がフェニルであり、R10がフェニルまたはナ
    フチルであり、R11がHであるか、あるいはR10とR11
    フェニル。)に相当する特許請求の範囲第1項記載の式
    Iのイリジウム錯体。
  8. 【請求項8】式I中R1とR′が結合であり、Aが式IIc
    の基であって式IIc中R2がHであり、Rが2−メチルシ
    クロヘキシ−1−イル、2−フェニルシクロヘキシ−1
    −イル、 (式中R7はフェニルであり、R12とR13は−CH3である
    か、またはR12がHであってR13がフェニル。)である特
    許請求の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  9. 【請求項9】式I中、R1とR′がHであり、Aが式IIの
    基であり、Rが次の基: (式中R10とR11はフェニルであり、あるいはR10はフェ
    ニルまたはナフチルであってR11はHであり、あるいはR
    10はメチルであってR11はフェニル。)である特許請求
    の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  10. 【請求項10】式I中、R1とR′がHであり、Aが式II
    aの基であり、Rがフェニル、2−メチルフエン−1−
    イルまたは2,6−ジメチルフエン−1−イルである特許
    請求の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  11. 【請求項11】式Iにおいて、X がBF4 であり、Y
    とZがいっしょになって1,5−シクロオクタジエンであ
    る特許請求の範囲第1項記載の式Iのイリジウム錯体。
  12. 【請求項12】次式I: (式中、R1およびR′はHであり、Aが式II,IIaまたは
    IIb: で表わされる基であり; あるいはR1およびR′は結合を表わし、Aは式IIc: で表わされる基であり、ここにR2は−Hまたは−CH3
    あり、X は無機酸または有機酸のアニオンであり、Y
    とZは各々エチレンであり、あるいはYとZはいっしょ
    になって6〜10個の炭素原子を有する開鎖または環式ジ
    エンを表わし、そのジエン基は1個または2個の炭素原
    子を介して結合されており、Rが式III: (式中、R3、R4およびR5は、これらが少くとも1個のキ
    ラル炭素原子を含有しない場合、互いに相違し、かつ水
    素原子、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、5から7
    個の環炭素原子を有し、かつ置換されていないか、また
    はC1−C4アルキルまたはフェニルで置換されているシク
    ロアルキル、置換されていないか、またはC1−C4アルキ
    ルまたはフェニルで置換され、5から7個の環炭素原子
    およびアルキレン基中の1個または2個の炭素原子を有
    するシクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、ベ
    ンジルまたはβ−フェニルエチルであり;あるいはR4
    R5はいっしょになって、少くとも1個のキラル炭素原子
    を有する、C1−C4アルキル置換またはフェニル置換線状
    C4−もしくはC5−アルキレン、C3−もしくはC4−オキサ
    アルキレンまたはC3−ジオキサアルキレン。)で表わさ
    れる基であり; あるいは、R1およびR′は結合を表わし、Aは式II、II
    aまたはIIbで表わされる基であり、Rはフェニル、ナフ
    チル、2−メチルフエン−1−イルまたは2,6−ジメチ
    ルフエン−1−イルである。) により表わされる光学活性イリジウム錯体およびそのジ
    アステレオマー類の混合物からなるプロキラルケトンと
    第2級アルコールとのトランスファー水素化用の対掌体
    選択性均質触媒。
  13. 【請求項13】〔(アセトニトリル)(YZ)Ir〕+X-
    を、式IV: で表わされるアミンと反応させる次式I: (式中、R1およびR′はHであり、Aは式II,IIaまたは
    IIb: で表わされる基であり; あるいはR1およびR′は結合を表わし、Aは式IIc: で表わされる基であり、ここにR2は−Hまたは−CH3
    あり、X は無機酸または有機酸のアニオンであり、Y
    とZは各々エチレンであり、あるいはYとZはいっしょ
    になって6〜10個の炭素原子を有する開鎖または環式ジ
    エンを表わし、そのジエン基は1個または2個の炭素原
    子を介して結合されており、Rが式III: (式中、R3、R4およびR5は、これらが少くとも1個のキ
    ラル炭素原子を含有しない場合、互いに相違し、かつ水
    素原子、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、5から7
    個の環炭素原子を有し、かつ置換されていないか、また
    はC1−C4アルキルまたはフェニルで置換されているシク
    ロアルキル、置換されていないか、またはC1−C4アルキ
    ルまたはフェニルで置換され、5から7個の環炭素原子
    およびアルキレン基中の1個または2個の炭素原子を有
    するシクロアルキルアルキル、フェニル、ナフチル、ベ
    ンジルまたはβ−フェニルエチルであり;あるいはR4
    R5はいっしょになって、少くとも1個のキラル炭素原子
    を有する、C1−C4アルキル置換またはフェニル置換線状
    C4−もしくはC5−アルキレン、C3−もしくはC4−オキサ
    アルキレンまたはC3−ジオキサアルキレン。)で表わさ
    れる基であり; あるいは、R1およびR′は結合を表わし、Aは式II、II
    aまたはIIbで表わされる基であり、Rはフェニル、ナフ
    チル、2−メチルフエン−1−イルまたは2,6−ジメチ
    ルフエン−1−イルである。) により表わされる光学活性イリジウム錯体およびそのジ
    アステレオマー類の混合物の製造方法。
JP62117227A 1986-05-16 1987-05-15 光学活性イリジウム錯体、その製造方法、およびその用途 Expired - Lifetime JPH0832713B2 (ja)

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