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JPH086172B2 - 絞り加工性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の形成方法 - Google Patents
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JPH086172B2 - 絞り加工性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の形成方法 - Google Patents

絞り加工性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の形成方法

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JPH086172B2
JPH086172B2 JP62163625A JP16362587A JPH086172B2 JP H086172 B2 JPH086172 B2 JP H086172B2 JP 62163625 A JP62163625 A JP 62163625A JP 16362587 A JP16362587 A JP 16362587A JP H086172 B2 JPH086172 B2 JP H086172B2
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chrome
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博 影近
忠彦 三島
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車部品や家電用部品、容器などに、
耐食性及び加工性に優れた軟質のクロムメッキ皮膜を形
成する方法に関するものである。
〔従来の技術〕
クロムは、その美しい金属光沢と傷のつきにくい硬
さ、高い耐食性及び耐熱性などをもっており、そのため
メッキ用金属として広く使われている。自動車の内外装
部品や銘板、家具や玩具、容器類には光沢と硬さが、又
家電用部品では硬さや耐熱性が利用され、鋼部品や銅或
いは銅合金部材の最上層メッキとしてクロムメッキが至
る所で用いられている。
特に、その硬さ及び平滑なメッキ表面を利用した、摩
擦の少ない皮膜や耐磨耗皮膜は、このメッキ膜の大きな
特徴である。
これらのクロムの有する優れた特質を活用した、メッ
キ皮膜を形成する方法として、従来用いられて来たの
は、電気メッキ法とクロム浸透メッキ法である。クロム
浸透メッキでは、被メッキ部材の表層へ高温でクロムを
拡散浸透させて、表面に部材金属とクロムとの合金層を
形成する。この方法は、処理に時間を要し、コストも高
いので、主として耐熱性の要求される特殊なものに使わ
れる。圧倒的に多用されているのがサージェント浴によ
る電気メッキ法で、この方法ではクロムイオンを含む硫
酸々性水溶液から、陰極にした被メッキ部材表面にクロ
ム金属を電解析出し、皮膜を形成させる。クロムの電気
メッキの欠点の一つに、メッキ層にクラックの生じる現
象がある。これはメッキ皮膜に内部応力が存在し、皮膜
が硬いために生じると考えられているが、実際に電気メ
ッキ皮膜の硬度は、クロム金属そのものの硬度に比し、
2倍以上も大きい。純粋なクロム金属塊のヴィッカース
硬度がHv=130程度であるのに対して、クロムメッキ皮
膜ではHv=300以上で、硬質皮膜ではHv=1,300にも達す
る。この硬さの原因は、電解析出時に生ずる内部応力、
水素の吸蔵、酸化物の混在による不均質構造などと考え
られている。クロムの電気メッキ皮膜は、これらによる
応力や歪を解放するため、クラックが生じるという欠点
をもっている。
又、メッキ皮膜の硬度に大きな相違があるのは、電解
条件の相違に基づくもので、浴温の影響が特に大きく、
例えば耐磨耗性の要求される硬質クロムメッキでは、こ
れを利用し、浴温を低くして大きな硬度を得ている。一
方、その反対にクラックの発生を減ずるには、浴温を上
げ、皮膜を軟らかくする傾向の条件で電解すればよい
が、それにも限界があり、Hv=300が限界となってい
る。光沢クロムメッキは浴温55℃で得られているが、こ
の場合の電解析出効率は12〜15%である。析出効率が低
いもの、クロムの電気メッキの欠点の一つで残りの電解
電流の大半は水素の析出に費やされており、浴温を高め
ると電解析出効率は更に低下する。
又、メッキ浴に添加剤を加え、皮膜を改良しようとの
試みもあり、例えば硅弗酸塩を多量に添加した例では、
メッキ後静的状態ではクラックが認められなかったが、
わずかな荷重がかかるとクラックが発生してしまった
(金属表面技術22,(6),P270,1971参照)。
クロム金属自身は高度の耐食性を有するにも拘わら
ず、クラックが発生すれば、皮膜としての防食能力を期
待することは出来ないので、従来はクロムメッキ層の下
にニッケルメッキ層を作り、クロムメッキ層には光沢と
硬さを期待するという使われ方をして来た。鋼部材の場
合では、ニッケルメッキ層に電着応力が生じるので、こ
れを緩和するため、ニッケル層の下に更に銅メッキを施
し、三層メッキを必要としている。従来では、このよう
にメッキ皮膜としては、クロム金属のもつ、美しい光沢
と硬さとだけが活用され、その耐食性を活かすことは諦
められていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように、従来のクロムメッキでは、電気メッキ
法を用いるので、内部応力をもった硬い皮膜となり、皮
膜にクラックが発生し、クロム金属の有する耐食性を充
分に発揮させることが困難であり、又メッキ後に加工す
ることはさらに困難であった。このため、クロム金属の
有する数々の長所をメッキ皮膜として活用することが出
来ないと共に、加工後にメッキするので複雑な形状のも
のを一つずつ処理しなければならず、均一なメッキ皮膜
が得難いと同時に処理コストも高くなっていた。
これらの問題点を解消するために、この発明はなされ
たもので、イオンプレーティングの限られた条件の下
で、クロムメッキ皮膜を形成させることによって、軟質
でクラックがなく且つ加工性の良い皮膜を得ることを目
的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、この発明に係る方法は、真空容器内の圧力を1
×10-4Torr以下にし、蒸着源と被メッキ物との間のバイ
アス電圧を200Vから1,500Vの範囲内で、前記被メッキ物
の表面にイオンプレーティングにより硬度120〜180Hv
で、かつ膜厚2〜7μmのクロム皮膜を形成することを
特徴とする絞り加工性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の
形成方法。
イオンプレーティングによる方法では、被メッキ材
(以下基板と称す)を真空容器の中に置き、その下方に
メッキ材料をるつぼに入れて置く。このるつぼ内の材料
を、エレクトロビーム或いはレーザ、プラズマガンなど
の適当な加熱源によって加熱し蒸発させる。この蒸発ガ
スをプラズマの中を通過させると、一部のガスは電離し
て電荷を持つ(イオン化)。るつぼと基板との間にるつ
ぼを正極として、バイアス電圧をかけておくと、このイ
オンは負極である基板に引きつけられ、その表面に衝突
する。ここでイオンは放電し、イオン化していない原子
と共に堆積して、皮膜を形成して行く。
イオンプレーティング法は、薄い皮膜(μm以下)の
厚さをコントロールするのに適し、又水溶液の電気メッ
キでは電析不能のアルミニウムやチタンなどの金属或い
は合金のメッキに適した方法である。このため、従来電
気メッキ法で処理される、10数μmを要する耐食メッキ
膜の処理法としては考えにくい技術であった。
発明者は薄膜メッキの研究を行っていたが、クロム金
属に関しては、電気メッキ法で形成された皮膜に較べ、
イオンプレーティング法で形成された皮膜が、かなり軟
質であることを見出した。
これをきっかけに、更に、軟質でクラックなど表面欠
陥のないクロムメッキ皮膜の得られる条件を求めて検討
を行った結果、次のことが明らかとなった。
まず電気メッキと異なり、イオンプレーティングと同
様に水素の発生や、クロム酸化物の存在しない真空蒸着
(イオンプレーティング法において蒸発元素をイオン化
しない方法)でも同じ結果が予想されたが、真空蒸着法
では、皮膜の軟化は見られたが、その程度は充分ではな
かった。したがって、イオンプレーティング法を用いな
ければならないことがはっきりした。次にイオン化率
(プラズマ中でイオン化されるクロム原子の百分率で
{バイアス電流/蒸着速度と当量の電流}×100)につ
いて検討したところ、イオン化率が高い程、皮膜が軟化
する傾向はみられるが、低くしても充分にその効果が認
められた。このことから、イオン化されたクロムが重要
で、これが軟質の皮膜形成に関与していることが判っ
た。このイオンを加速するバイアス電圧について調べる
と、一定の大きさ以上が必要であり、下限は200Vであっ
た。上限は軟化に関しては存在しないが、1,500V以上に
なるとメッキ面が粗れることから1,500V以下で処理する
ことが望ましい。又、真空度についてみると、予想され
たように、真空度は高い程良い皮膜が得られるが、1×
10-4Torrあれば充分である。
更に、これらの検討された条件下で得られた皮膜はか
なり薄い皮膜であっても、ピンホールなどの欠陥のない
ものであることが同時に判明した。
以上の知見に基づいてこの発明はなされたものであ
り、本発明では被メッキ物に硬度120〜180Hvのクロムメ
ッキ皮膜を形成するものである。下限の硬度120Hvは純
粋なクロム金属の硬度と同程度としたものであり、又硬
度180Hvを超えた場合には真空蒸着膜と同程度となり、
本発明の目的を達成することが出来ない。以下に具体例
を用いて、その軟質クロムメッキ皮膜のメッキ形成方法
と得られた皮膜の性能について述べる。
〔実施例〕
第1図は、この発明を確かめるために用いたイオンプ
レーティングの装置の概要を示す断面図で、1はメッキ
しようとする基板、2は蒸着材を入れるるつぼ、3は蒸
着材であるクロム金属、4は装置の本体である真空容
器、5はプラズマでる。
(実施例1) 基板1には、0.6mmの厚さの軟鋼板を用いた。るつぼ
2にクロム金属3を入れ、真空容器4の内部を5×10-5
Torrの真空にした後、基板1とるつぼ2との間に200Vの
バイアス電圧をかけた状態で、クロム金属3にエレクト
ロンビームを照射し発生させた。蒸発したクロム原子
は、プラズマ5を通過する時に一部がイオン化され、電
界で加速され、基板上にクロム原子と共に蒸着し、2μ
m〜7μmの皮膜を形成した。プラズマはDCアークによ
り発生させた。
実施例2及び実施例3、比較例1〜3はプレーティン
グ条件を変えたもので、比較例では範囲外の条件を含ん
でいる。これらのイオンプレーティング条件を第1表に
示す。
比較例1では真空度が低く、比較例2ではバイアス電
圧が低い。又、比較例3では蒸発原子をイオン化してい
ないので、イオンプレーティングではなく、真空蒸着の
条件となっている。
このようにして形成されたクロムメッキ層について、
硬度、絞り加工性、ピンホール及びクラックの発生を調
べた。硬度はビッカース硬度試験で調べ、絞り加工性は
ポンチ径33mm、ダイスとクリアランス0.85mmのカップ絞
り器を用い、10mm/minの速度で絞り、割れの反省を調べ
た。ピンホール及びクラックは、押し曲げたメッキ面を
顕微鏡で400倍に拡大して観察した。これらの調査結果
を電気メッキクロム層と併せて第2表に示す。なお、電
気メッキクロム層は、サージェント浴を用いて、実施例
と同じ鋼板の上に電着したもので、厚さは5μmであっ
た。
実施例では3例共に硬度は低く、絞り加工性も良好
で、2μmという薄い皮膜でも皮膜欠陥は皆無であっ
た。これに対して、真空度の低い比較例1、バイアス電
圧の低い比較例2、真空蒸着の比較例3では、皮膜硬度
の軟化は認められるが、絞り加工に耐えられる程充分で
はない。又イオンプレーティングの条件のうち、蒸着速
度やイオン化方式には制限がなく、真空度とバイアス電
圧を前記した範囲内にすればよい。なお、イオン化率は
高い方がよいが、0.5%の低い率でも充分である。
第2図に、この発明によって得られたクロム皮膜の硬
度と他の方法の皮膜硬度及び純粋なクロム金属の硬度の
比較を示す。
前にも述べたように、電気メッキクロム皮膜は最も硬
く、真空蒸着膜では、電気メッキ膜より軟らかいが、そ
の程度では不充分であり、この発明による皮膜では、純
粋なクロム金属塊とほぼ硬度のものが得られた。
〔発明の効果〕
この発明によれば、純粋なクロム金属と同じ硬さの、
軟らかいクロムメッキ皮膜が得られ、その皮膜は欠陥も
なく、クラックが発生しないので、クロム金属の有する
耐食性も含めその特性を充分に発揮させることが出来
る。このため、薄い皮膜でも充分な防錆能力を発揮出
来、又、ニッケルメッキなどの下地メッキは不要にな
り、処理コストの低下をもたらす。更にこの軟らかい皮
膜は、絞り加工にも耐えられるものなので、可撓性材料
の表面コーティングとして使用出来るだけでなく、メッ
キ後の加工を可能とするので、部品製造工程の簡略化と
共に、メッキ処理の高能率化が図れる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明を実施したイオンプレーティングの装
置の概要を示す断面図、第2図はこの発明によるクロム
メッキ層と他のクロムとの硬度の比較図である。 1……基板、2……るつぼ、3……クロム金属、4……
真空容器、5……プラズマ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内の圧力を1×10-4Torr以下に
    し、蒸着源と被メッキ物との間のバイアス電圧を200Vか
    ら1,500Vの範囲内で、前記被メッキ物の表面にイオンプ
    レーティングにより硬度120〜180Hvで、かつ膜厚2〜7
    μmのクロム皮膜を形成することを特徴とする絞り加工
    性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の形成方法。
JP62163625A 1987-06-30 1987-06-30 絞り加工性に優れた軟質クロムメッキ皮膜の形成方法 Expired - Lifetime JPH086172B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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