3月19日に阪神甲子園球場で開幕する「第98回選抜高等学校野球大会」に、山口県の高川学園が42年ぶり2度目の出場を決めた。秋季中国地区大会決勝で先発4番の岸本京悟(けいご)外野手(2年)は鳥取県倉吉市出身、夢を追いかけ同校に進学した。朗報に、中学時代に所属した「倉吉ボーイズ」の関係者は喜びに包まれた。
30日に大阪市内で開かれた選考委員会で決まった。中国地区(2枠)は、秋季大会優勝の崇徳(広島)と準優勝の高川学園が出場する。
高川学園はこれまで、春夏合わせて4回の甲子園出場を誇り、センバツは1984年(第56回)以来、42年ぶりとなる。
昨夏の甲子園のマウンドを経験したエースの木下瑛二投手(2年)を中心に守備力が高いチーム。中国大会も木下投手が全4試合に先発し、広陵(広島)や山口県1位の下関国際に勝利している。
打線も強力で、準々決勝の鳥取城北戦では二ケタ得点を挙げた。
決勝で4番を打ったのが岸本京悟選手(左・左)。倉吉市立河北中を卒業し、同校で寮生活をしながら甲子園を目指した。
岸本選手は中学生の時、県中部唯一の硬式野球チーム「倉吉ボーイズ」に入部し、練習に励み、遠征で関西などの強豪チームと対戦してきた。
美田晋吾代表(42)は「入った時からあいさつもでき、スイングもしっかり振れていた」と振り返る。平日夜の自主練習、けが予防のヨガも休むことなく通ってきた。
浦木純二監督(54)は「おっとりしていたが、それがいいところ。まじめに練習し、ずっと中心選手だった」と、野球に取り組む姿勢に感心したことを覚えている。
小学2年から地域のスポーツ少年団で野球を始め、中学で硬式に。目標は甲子園。「小学生の頃から、県外の強い高校に行きたいと話していた」と父の健一郎さん(47)。球場までの送り迎えなど、家族でサポートした。
中学2年時、初めて高川学園の関係者に声を掛けられる。それからは同校への進学を意識するようになる。
全面人工芝の野球場を備えるなど、練習環境も整っていた。健一郎さんは「監督や先輩らの指導のおかげ。(京悟は)恵まれていたのだと思う」と話す。
倉吉への帰省は年末年始だけだが、「この正月に見ると、体がしまっていた」と息子の成長を喜ぶ。
センバツ出場が決まった30日、倉吉ボーイズの関係者は喜びに沸いた。
美田代表は「これまでの努力が報われた。周りの人への感謝を忘れずにプレーしてほしい」、浦木監督も「ここからが大事。けがをせず、バッティングでチームに貢献してくれたらうれしい」とエールを送る。2人は甲子園での初戦に駆け付ける考えだ。
健一郎さんは「ベンチに入ることができたら、悔いのないよう、やってくれれば」と期待を込める。
倉吉ボーイズの卒団式では、一人一人が監督やコーチ、父母らを前にスピーチする。岸本選手はこう言った。「お世話になったご恩は、甲子園で返す」
◆高川学園高校
中高一貫の私立学校。旧称は多々良学園。硬式野球部は1984年春の選抜で甲子園に初出場。夏は2016年、21年、25年と3回出場している。OBには高木豊氏(横浜)のほか、昨年のドラフト1位で阪神に入団した立石正広氏(創価大)らがいる。サッカー、バレーボールも全国大会常連校。山口県防府市。
大阪桐蔭・小川投手も倉吉市出身
鳥取中央リトルシニアから進学
近畿地区でセンバツ出場を決めた大阪桐蔭の小川蒼介投手(2年)も倉吉市出身。鳥取中央リトルシニアに所属し、鴨川中卒業後、強豪の大阪桐蔭に進学した。
昨年11月の秋季近畿地区大会準決勝の神戸国際大付戦に先発し、5回を投げた。伸びのあるストレートが持ち味で、有望選手が多い同校で着実に力を付けた。
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【ネットオリジナル】硬式野球「ボーイズリーグ」で白球を追う。小中学生から入部、夢は甲子園。県外の強豪校に進学する選手も。「成長のお手伝い」と倉吉監督
(2025年12月8日配信)
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