教育と子どもたち
世界には、教育を受けられない子どもたちが2億5,800万人いると言われています
世界では2億5,800万人の子どもたちが、 学校へ通えません
世界では、6~17歳の子どものうち2億5,800万人は学校に通っていません(出典:UNESCO 2019)。これは、この世代の子どもの6人に1人にあたる人数です。子どもたちを取り巻く教育環境は年々改善傾向が見られます。しかし、新型コロナウイルスによって、2022年1月時点では推定6億1,600万人の子どもたちが部分的・全面的休校の影響を受けています。(出典:UNICEF 2022)。
学校が近くになかったり、あったとしても先生がいなかったり、様々な理由で教育の機会が奪われています。また、家計が苦しいために、保護者が子どもの勉強より労働を優先させてしまい、家事や水汲みなどで学校に行かせてもらえないこともあります。
ほかにも、女の子であることを理由に教育を受けることが許されなかったり、紛争や災害によって教育の機会が奪われている子どもたちがいます。
抱える問題と子どもたちを取り巻く現状
Problems and Current Situation
教育は未来を切り開く鍵
教育の持つ効果は計り知れません。子どもは教育を受ける期間が1年延びるごとに、彼らが大人になってからの収入は約10%増加し、また、国の若者による学校教育履修期間の平均が1年長くなるごとに、その国の貧困率は9%低下すると言われています。
特に女の子への教育は、5歳未満児死亡率の低下や、出生率の低下などにも効果をもたらすと言われており、また、教育を受けた母親から生まれた子どもたちは、相対的に学校に通う可能性が高くなるということも報告されています(出典:UNICEF 2016)。
すべての人に質の高い教育を-国際社会の決意
教育は子どもの権利条約で保障された基本的な権利です。
この権利を保障するために、国際社会は1990年に「万人のための教育」を世界共通の目標として掲げています。すべての人に基礎教育として幼稚園・保育園や小学校、中学校などで、生きていくために必要な知識や能力を身に付けるための教育を提供することを約束しました。その後2000年には、「ダカール行動枠組み」と「ミレニアム開発目標(MDGs)」の2つを目標として定め、その実現に向け様々な取り組みを行ってきました。
2015年からは「持続可能な開発目標(SDGs)」の中にも、教育分野の目標として、「すべての人が公平に受けられる質の高い教育の完全普及」が明記されており、教育はすべての開発目標の達成に欠かせない要素として認識されています。
教育を受け、夢をかなえた子どもたち
Children Whose Dreams Come True Through Education
プロの陸上選手として活躍するデルビンさん(エルサルバドル)
獲得したトロフィーやメダルの数は忘れても、ワールド・ビジョンがしてくれたことは一生忘れません
医師となったジョンさん(ケニア)
経済的な理由から進学をあきらめていましたが、ワールド・ビジョンが必要な奨学金を得られるよう働きかけてくれ、勉強を続けることができたのです
小学校の先生になったレザミさん(フィリピン)
ワールド・ビジョンが村に来てくれて、すべてが変わりました。学用品などを支給してくれ、私にも可能性があるということを教えてくれました
世界の問題と子どもたち
World Problems and Children
貧 困
世界では6人に1人が極度の貧困状態で生活しています
教 育
世界では2億5,800万人の子どもたちが、学校へ通えません
水衛生
世界で10人に1人が安全な水を利用できません
紛争・難民
世界の戦争で、真っ先に犠牲になるのは子どもたちです
人身取引(人身売買)
世界には2,100万人の人身取引被害者がいると言われています。
児童労働
10人に1人の子どもが、働くことを強いられています