アロキサン
分子式: | C4H2N2O4 |
その他の名称: | アロキサン、メソキサリル尿素、メソキサリルカルバミド、Alloxan、Mesoxalylurea、Mesoxalylcarbamide、2,4,5,6(1H,3H)-Pyrimidinetetrone、2,4,5,6-Tetraoxohexahydropyrimidine、5-オキソバルビツル酸、5-Oxobarbituric acid、ピリミジンテトラオン、Pyrimidinetetrone、2,4,5,6-ピリミジンテトラオン、Pyrimidine-2,4,5,6(1H,3H)-tetrone、Hexahydropyrimidine-2,4,5,6-tetraone、2,4,5,6-Pyrimidinetetrone |
体系名: | ピリミジン-2,4,5,6(1H,3H)-テトラオン、2,4,5,6(1H,3H)-ピリミジンテトラオン、2,4,5,6-テトラオキソヘキサヒドロピリミジン、ヘキサヒドロピリミジン-2,4,5,6-テトラオン |
アロキサン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 07:23 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動アロキサン[1] | |
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1,3-Diazinane-2,4,5,6-tetrone |
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別称
Mesoxalylurea
5-Oxobarbituric acid |
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識別情報 | |
CAS登録番号 | 50-71-5 |
PubChem | 5781 |
ChemSpider | 5577 |
UNII | 6SW5YHA5NG |
MeSH | Alloxan |
ChEMBL | CHEMBL1096009 |
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特性 | |
化学式 | C4H2N2O4 |
モル質量 | 142.07 g/mol |
融点 | 256 °C(分解) |
水への溶解度 | 易溶 |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | MSDS |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
アロキサン(alloxan)は、ピリミジンの酸化誘導体である。水溶液中では水和物として存在する。2,4,5,6-テトラオキシピリミジン(2,4,5,6-tetraoxypyrimidine)、2,4,5,6-ピリミジンテトロン(2,4,5,6-pyrimidinetetrone)とも。
歴史
アロキサンはBrugnatelliによって1818年に初めて単離され、WöhlerとLiebigにより1838年に命名された。Allantoin(アラントイン)とOxalsäure(シュウ酸)が名称の由来である。
合成
アロキサンは硝酸による尿酸の酸化で合成され、一水和物は三酸化クロムによるバルビツール酸の酸化により得られる[2]。
生物学的効果
アロキサンは毒性をもつグルコース類縁体である。齧歯動物や他の動物に投与すると膵臓のインスリン合成細胞(β細胞)を選択的に破壊する。これはヒトの1型糖尿病に特徴が似ており、これらの動物でインスリン依存型糖尿病(いわゆるアロキサン糖尿病)が引き起こされている。アロキサンがGLUT2グルコース輸送体によってβ細胞に選択的に蓄積されるのが原因である。アロキサンは細胞内のチオールの存在により、その還元体であるジアルル酸との間でサイクル反応を起こし、活性酸素種(ROS)を生成する。アロキサンのβ細胞毒性作用は酸化還元反応によって生成したフリーラジカルによって始められる[3]。
出典
- ^ Merck Index, 11th Edition, 281.
- ^ Alloxan monohydrate Submitted by A. V. Holmgren and Wilhelm Wenner1. Checked by T. L. Cairns and R. W. Upson. Organic Syntheses, Coll. Vol. 4, p.23 (1963); Vol. 32, p.6 (1952).Link[リンク切れ]
- ^ 桜井光一, 三浦俊明, 小木曾健人「活性酸素による生体障害に関する研究(第1報) : アロキサン糖尿病発症に対する種々ハイドロキシル・ラジカル消去剤の防御作用(生物学及び生化学)」『藥學雜誌』第106巻第11号、日本薬学会、1986年、 1034-1039頁、 doi:10.1248/yakushi1947.106.11_1034、 ISSN 0031-6903、 NAID 110003648566。
固有名詞の分類
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