コバルト-60
英語表記:cobalt-60
コバルト-60はコバルト(原子番号27、原子量58.93の鉄族に属する金属元素)の人工放射性核種の一つである。製法はコバルトを中性子照射することにより容易に得られ、原子力発電所では、炉内構造物の金属と中性子の核反応により生成される。
一般的には、様々な分野でガンマ(γ)線源として使用され、厚さや密度を計る工業用測定器、食品の殺菌、がんの放射線治療、及び植物の品種改良などに広く利用されている。価格も比較的安く、半減期は5.27年で長期の使用に耐える。
福井県では、発電所周辺の環境試料からわずかながら検出されているが、これは過去に発電所からの放出によって出されたものが一部の限定された範囲の海底土でわずかながら検出されている。
コバルト-60
コバルト60
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 07:53 UTC 版)
コバルト60 | |
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コバルト60を収める容器
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概要 | |
名称、記号 | コバルト60,60Co |
中性子 | 33 |
陽子 | 27 |
核種情報 | |
半減期 | 5.27年 |
崩壊生成物 | 60Ni |
コバルト60は、コバルトの同位体の一種である。放射性同位体であり、半減期は5.27年である[1]。医療用、工業用のガンマ線源として利用される。
生成
コバルト59(安定核種の59Co)の原子核が1個の中性子を捕獲することにより、コバルト60の原子核となる[1]。
ガンマ線源として利用されるコバルト60は、コバルト59に原子炉で中性子を照射することにより人工的に生産される[1]。主な生産国はカナダである[2]。
原子力発電所や艦艇用原子炉運転の副産物としても生成され、冷却水の漏洩や排出が発生した時に外部で検出される可能性がある。
崩壊
コバルト60は、ベータ崩壊をしてニッケル60になる[3]。このとき放出されるベータ線のエネルギーは0.318 MeVである[3]。そして、崩壊生成物のニッケル60がガンマ崩壊をして1.17 MeVと1.33 MeVの2本のガンマ線を放出する[3]。
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