サンソン家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 20:30 UTC 版)
サンソン家(Famille Sanson)は、フランスの死刑執行人を200年以上にわたって輩出してきた家系である。
軍人であったシャルル・サンソン・ド・ロンヴァルが処刑人ピエール・ジュアンヌの娘マルグリッドと結婚してその職を継いだ事に始まる。特に4代目のシャルル=アンリ・サンソンはギロチンの導入とフランス革命期に大量かつ著名な人物らの処刑を行った事で知られている。処刑人職の世襲は後に6代目アンリ=クレマン・サンソンが放蕩と借金苦の末にギロチンを質入れする不祥事により罷免されるまで続いた。アンリは後に一族の歴史を記した『サンソン家回顧録』を著している。
フランスでは現代においても処刑人の名前といえばサンソンと言われるほど有名だが、家系は既に断絶していると言われている。
姓の「Sanson」は「sans son(音が無い)」と同音であることから、サンソン家の紋章は「割れた(音の出ない)鐘を二匹の犬が脇で眺めている」という図柄を用いている。
家系図
ピエール・ジュアンヌ |
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マルグリット・ジュアンヌ |
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初代 シャルル・サンソン・ド・ロンヴァル |
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ジャンヌ=ルネ・デュピュ |
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2代 シャルル・サンソン |
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アンヌ=マルト・デュピュ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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アンヌ=ルネ |
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ニコラ=シャルル・ガブリエル・サンソン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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マドレーヌ・トロンソン |
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3代 シャルル=ジャン・バチスト・サンソン |
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ジャンヌ=ガブリエル・ベルジュ |
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ルイ=シャルル=マルタン |
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ルイ=シル=シャルマーニュ |
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ピエール=シャンクス |
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ジョゼフ=クロード |
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ニコラ=シャルル=ガブリエル |
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マリー=ジョゼフ |
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ジャン=バチスト=ピエール |
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ガブリエル | ||||||||||||||||||||||||||||||||
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マドレーヌ=クロード=ガブリエル |
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4代 シャルル=アンリ・サンソン |
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マリー=アンヌ・ジュジェ |
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5代 アンリ・サンソン |
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マリー=ルイーズ・ダミド |
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ガブリエル | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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6代 アンリ=クレマン・サンソン |
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ヴィルジニ=エミリ・ルフェピュール |
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マリ=ガブリエル |
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アデライド |
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ニコラ=ユージェーヌ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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息子(氏名不詳) |
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マリー=エミリー |
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ジャン=ニコラ・ジュエンヌ |
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テレーズ=クレマンチーヌ=アントワネット | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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関連項目
サンソン家
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 03:44 UTC 版)
シャルル=アンリ・サンソン (Charles-Henri Sanson) 声 - 栗原類 演-古屋敬多 本作品の主人公で、実在の人物である。美麗な容貌の持ち主で髪は暗色の直毛。命を重んじる純粋な性格ゆえに、社会から偏見を受ける処刑人である「ムッシュ・ド・パリ」の一族に生まれた運命に苦悩する人物として描かれている。 子供のころには、処刑人になるための修業として解剖をさせられるが、耐えられずに嘔吐した経験がある。処刑人就任当初は未熟さを露呈するも、実務経験を重ねるごとに苦悩しつつも粛々と職務を遂行するようになる。やがて祖母と父が屋敷を去ると一族の長としての自覚が芽生え、初体験を済ませた以降は一転してプレイボーイとなった。おしゃれな美青年。 第2部「Rouge」では、父の様な厳格な執行人として描かれるも、罪人の恩赦まで考慮するなど必ずしも無慈悲ではない一面も残している。 マリー=ジョセフ・サンソン 演-中島美嘉 シャルルの異母妹。第2部「Rouge」においては主人公を務める。長じてベルサイユの処刑人である「プレヴォテ・ド・ロテル」となる。金髪碧眼で周囲を魅惑する美しい容姿。胆力の劣るシャルルとは対照的に勝ち気で、幼いころから独自に解剖や処刑技術を学び、処刑人になることを希望していた。独学していたことをシャルルに知られてからは、兄からも教えを得ている。口癖は「最悪」で、男言葉で話す上に口が悪い。 6歳のころに、ダミアンへの刑務中であったシャルルへ、女性にはタブーであった処刑台へ上がってまで助言したため帰宅後には祖母から折檻されたが、屈しなかったため、左胸に家紋の焼き印を入れられる。そこで唯一の理解者であったシャルルに救われ、処刑人になるが、神や王を敬うシャルルとは違い、「女は従順であれ」という社会にあって何者からも自由であることを希求し、己の望むことを実現するために人の心を弄んだり、手段を選ばない面があるなど、根本的な思想の違いからシャルルとは道を違えていく。そしてマリーが自由過ぎることを懸念し、統制下に置こうとするシャルルから逃れるため、ニコラ叔父の息子である従兄弟のジャン・ルイと形ばかりの結婚をし、シャルルから独立する。 処刑することに対しては積極的で、技量、天稟は申し分ないが、処刑を己の享楽のように捉え、罪人を弄ぶごとく刑を執行することもある。 斬新な理想を抱いていた初恋の人アランを、理不尽で傲慢な貴族によって失ってからは、貴族を憎み閉塞感に満ちた社会へ挑むようになる。 史実サンソン家の家系図に名前が記録されており、三代目ジャン・バチストの次女マリー=ジョセフは実在した。しかしそちらは平凡な人物であり、女処刑人としての彼女というキャラクターは、ほぼオリジナルのフィクションである。 シャルル=ジャン・バチスト・サンソン(Charles-Jean Baptiste Sanson) 声 - 磯部勉 シャルルの父親で実在の人物。サンソン家3代目当主。処刑人の跡取り息子としては心が繊細なシャルルを疎んじる人物として描かれる。脳梗塞で引退する。 「非情で冷徹」に刑務を遂行していると思われていたが、そのジャン・バチストの秘密の部屋は「贖罪の礼拝堂」であり、己と同じ弱さを秘めていたことを、シャルルは家督を継承して初めて知ることとなる。 アンヌ=マルト・デュビュ・サンソン 演-浅野ゆう子 ジャン・バチストやニコラ=シャルルの母で、シャルルの祖母。「ラ・グンランドゥ・マルト(偉大なるおばあさま)」と呼ばれ、サンソン一族を率いる冷徹で豪胆な女傑として描かれる。 マリー=ジョセフを折檻した際に反撃されて顔を傷つけられてからは威厳を失い、出入りしていた職人と再婚してサンソン家から出てゆく。 ニコラ=シャルル・ガブリエル・サンソン(Nicolas-Charles Gabriel Sanson) ジャン・バチストの弟で、シャルルの叔父。ベルサイユ宮廷直属処刑人である「プレヴォテ・ド・ロテル」兼ランスの処刑人を務める。パリでの八つ裂きの刑に際し、未熟な甥シャルルを助力するよう母に請われ、この機に「ムッシュ・ド・パリ」の座を奪おうと画策し取り仕切るも、見込みの甘さからシャルルやマリー=ジョセフにおくれをとり、刑の後に辞職し、修道僧となる。 アンドレ・ルグリ 演-前山剛久 刑場では助手も務めるサンソン家の使用人の1人で、ニコラの幼馴染。八つ裂き刑で陣頭指揮を執るニコラの指示で、必要な資材を用意する。のちにマリー=ジョセフ専属の従者となる。 ジャン・ルイ ニコラ=シャルルの息子で、シャルルとマリー=ジョセフの従兄弟。ニコラからは「足が弱いため屋敷から出られない」と表現されたものの、実際は「底なし沼」と称されるほどの大食らいで動けないほどの肥満というのが実態。マリー=ジョセフと結婚し、彼女を慕っている。また、後にマリー=ジョセフの主導によりゼロという子供を設ける。 マリー=アンヌ・サンソン 農家から嫁入りしたシャルルの妻。アンリ・サンソンとガブリエルの母。 アンリ・サンソン(Henri Sanson) シャルルとアンヌの長男。5歳で刑場での父の刑務を見学させられるも凄惨さに失神しており、また、死人の解剖による医術の学習や、サンソン邸で入院中の患者から言われた一言から、かつてのシャルルと同様に、家業への嫌悪感を募らせていた。しかし父と叔父の協同による新技術による救命手術をきっかけに、家業への嫌悪感は誇りへと変わり、ついには幼くして罪人に対する慈悲の心すら抱くようになる。 ルイ=シャルル・マルタン・サンソン(Louis-Charles Martin Sanson) シャルルの異母弟でマリー=ジョセフの同母兄。シャルルからの依頼で麻酔薬「ダチュラ」を入手し、手術に用いた。切開部の縫合など優れた医術を兄からも認められている。 ガブリエル・サンソン(Gabriel Sanson) シャルルとアンヌの次男。アンリの弟。 ゼロ(Zero) マリー=ジョセフとジャン・ルイの子供。乳児のころからオリビエによって作成された鉄仮面を装着している。
※この「サンソン家」の解説は、「イノサン」の解説の一部です。
「サンソン家」を含む「イノサン」の記事については、「イノサン」の概要を参照ください。
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