nitrate
「nitrate」の意味・「nitrate」とは
「nitrate」は化学用語で、窒素と酸素から成るイオンまたはその塩を指す。具体的には、窒素原子が3つの酸素原子と結合し、全体でマイナス1の電荷を持つイオンである。また、このイオンが他の陽イオンと結合した化合物も「nitrate」と呼ばれる。例えば、硝酸ナトリウムや硝酸カリウムなどがそれに該当する。「nitrate」の発音・読み方
「nitrate」の発音は、IPA表記では /ˈnaɪ.treɪt/ となる。IPAのカタカナ読みでは「ナイトレイト」となり、日本人が発音するカタカナ英語では「ナイトレート」が近い。この単語は発音によって意味や品詞が変わるものではない。「nitrate」の定義を英語で解説
「Nitrate」 is a term in chemistry that refers to an ion or its salt composed of nitrogen and oxygen. Specifically, it is an ion in which a nitrogen atom is bonded to three oxygen atoms and carries a negative charge of one. Also, compounds in which this ion is bonded to other cations are called "nitrates". For example, sodium nitrate and potassium nitrate fall into this category.「nitrate」の類語
「nitrate」の類語としては、「nitrite」が挙げられる。これは「nitrate」と同じく窒素と酸素から成るイオンまたはその塩を指すが、窒素原子が2つの酸素原子と結合する点で異なる。「nitrate」に関連する用語・表現
「nitrate」に関連する用語としては、「nitrification」がある。これはアンモニアやアンモニウムイオンが硝酸塩に変換される生物化学的な過程を指す。また、「denitrification」も関連用語で、これは硝酸塩が窒素ガスに還元される過程を示す。「nitrate」の例文
以下に「nitrate」を用いた例文を10個示す。 1. English: The water sample was found to contain high levels of nitrate. (日本語訳:その水のサンプルからは高濃度の硝酸塩が検出された。) 2. English: Nitrate pollution in groundwater is a serious issue. (日本語訳:地下水の硝酸塩汚染は深刻な問題である。) 3. English: Sodium nitrate is used as a food preservative. (日本語訳:硝酸ナトリウムは食品の防腐剤として使用される。) 4. English: The nitrate levels in the soil were measured. (日本語訳:土壌の硝酸塩濃度が測定された。) 5. English: The nitrate ion has a charge of minus one. (日本語訳:硝酸イオンはマイナス1の電荷を持つ。) 6. English: Potassium nitrate is a key ingredient in gunpowder. (日本語訳:硝酸カリウムは火薬の主要な成分である。) 7. English: Nitrification is the process by which ammonia is converted to nitrate. (日本語訳:硝化はアンモニアが硝酸塩に変換される過程である。) 8. English: Nitrate is a common form of nitrogen in fertilizers. (日本語訳:硝酸塩は肥料における一般的な窒素の形態である。) 9. English: Nitrate is soluble in water. (日本語訳:硝酸塩は水に溶ける。) 10. English: Nitrate is a major contributor to water pollution. (日本語訳:硝酸塩は水質汚染の主要な原因である。)硝酸塩
硝酸塩
(Nitrate から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 23:57 UTC 版)
無機化学において、硝酸塩(しょうさんえん、英: nitrate)は、1個の窒素原子と3個の酸素原子からなる硝酸イオン NO3− を持つ塩である。食物、特に野菜から得られる硝酸塩は消化器で亜硝酸塩に変換され、魚に多い2級アミンと反応し、ラットなどの小動物実験では発がん性をもつニトロソアミンを生成するという(硝酸態窒素、亜硝酸塩も参照のこと)。しかし人間が対象の臨床試験や医学論文などでは発がんに関わるという有意なデータが出ておらず、国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)が合同で運営する、添加物、汚染物質について科学的データに基づくリスク評価を行っているFAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、硝酸塩の摂取と発がんリスクとの間に関連があるという証拠にはならないという見解を発表した。
有機化学では、硝酸とアルコールが脱水縮合してできたNO3基を持つ化合物(例:硝酸メチル)は硝酸塩とは呼ばず、硝酸エステルと呼ぶ。英語では硝酸塩も硝酸エステルも nitrate である。
性質
硝酸イオンは化学式 NO3− によって表される分子イオンで、分子量は62.00である。硝酸の共役塩基であり、1個の窒素原子と、それをとりまく3個の等価な酸素原子が平面三角形を構成している。N−O結合距離はほぼ125pmである。全体として1価の負電荷を帯びており、各酸素原子はそれぞれ −2/3、窒素原子は +1 の形式電荷を持つ。共鳴構造の例として取り上げられるように、負電荷は3個の酸素原子上に等しく分散している。
ほとんどすべての硝酸塩は標準状態において水に溶ける。これはハロゲン化物 MX の場合、電離によりそれぞれ単原子イオン M+、X− を生じ、回転による自由度を失うのに伴いエントロピーが減少するため比較的電離しにくく、陽イオンの種類によっては溶解度が小さいのに対し、硝酸塩MNO3では電離したときの自由度の減少が小さく、電離しやすいためである[1]。
水棲生物への影響
地面に近接する淡水域および三角江では硝酸塩濃度の上昇が起こることがあり、これは魚の死の原因となる。硝酸塩はアンモニアや亜硝酸塩よりは毒性が低い[2]ものの、濃度が30ppmに達すると成長の阻害や免疫系の阻害を起こすことがあり、水棲生物に悪影響を及ぼす。たいていの場合、硝酸塩濃度の上昇は、主に農地あるいは過剰な硝酸塩肥料が残留する地域からの表面流出によって起こる。高濃度の硝酸塩は藻類の増殖をも引き起こす。カリウムやリン酸塩、硝酸塩などの栄養素が増加すると富栄養化の原因となる。これは低酸素状態の原因ともなり、生態系においてある種の生物がほかのものより圧倒的に増殖する現象の引き金となる。これらのことから、硝酸塩は全蒸発残留物を構成する成分のひとつに含まれ、水質を表す指標として広く用いられる。
硝酸塩は水の浄化の際の副生物であり、動物やヒトの排泄物が分解されたあとに生成する。水質は水源によって影響を受ける。腐敗物は地上の水源や帯水層を経て水源の近辺へ流入する。このため、雨水以外を主な水源とする湖などは、そのような過程による硝酸塩濃度の増加が起こることがある。
主な硝酸塩
硝酸塩鉱物
鉱物学において、硝酸塩からなる鉱物を硝酸塩鉱物(しょうさんえんこうぶつ、英: nitrate mineral)という。硝石(KNO3)、チリ硝石(NaNO3)などがある。
一般的に、日本では湿度が高い事から硝酸塩鉱物は存在しないと考えられていたが、一部では産出記録が存在する(チリ硝石の項を参照)。
脚注
- ^ 篠田耕三『溶液と溶解度 : 機能性溶液・組織体溶液』(第3版)丸善、1991年。ISBN 4-621-03600-9。
- ^ Romano, N.; Zeng, C. (2007). "Acute toxicity of sodium nitrate, potassium nitrate and potassium chloride and their effects on the hemolymph composition and gill structure of early juvenile blue swimmer crabs (Portunus pelagicus, Linneaus 1758) (Decapoda, Brachyura, Portunidae)." Environmental Toxicology and Chemistry 26: 1955−1962.
関連項目
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