オー‐アイ‐イー【OIE】
読み方:おーあいいー
《(フランス)Office International des Épizooties》⇒国際獣疫事務局
国際獣疫事務局
ガチョウ
(Oie から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/23 05:16 UTC 版)
| ガチョウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シナガチョウの成鳥
ヨーロッパ系種ガチョウ(エムデン種)の成鳥
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
| 分類 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||
| 学名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| A. a. domesticus & A. c. domesticus | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 和名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| ガチョウ | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| 英名 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
| Domestic Goose |
ガチョウ(鵞鳥、鵝鳥、家雁、英: Domestic goose、仏: oie)は、カモ目カモ科ガン亜科の鳥。雁の仲間。家禽。白い姿はアヒルに似ているが互いに別の種。
概要
「野生の雁(ガン・かり)を飼いならして家禽化したもので、家禽としてはニワトリに並ぶ歴史を有しており、古代エジプトにおいてすでに家禽化されていた記録がある」
との旨を記しているが、前半はともかく、後半については、今日では古代エジプトで飼養されていたのは本種ではなく、エジプトガンであるとする学者もいる[5]。ガンと姿形は似ているが、体は大きく太っており、飛ぶ力はほとんどない(飛べないのは同じでも進化の観点から飛べない鳥には当たらない)。
粗食に耐えながらも短期間で成長し、肉質が優れ、良質な羽毛を備える。肉は食用に、油は食用や薬として、また日本ではあまり食用に供されることはないが、世界的には卵も広く食用とされる。羽毛は羽根布団やダウンジャケット、バドミントンのシャトル、鵞ペンなどに用いられるが、羽毛の利用はどちらかといえば副次的なものである。
その一方で警戒心が非常に強く、見知らぬ人間や野良猫等他の動物を見かけると金管楽器を鳴らしたような大声で鳴き騒ぎ、対象を追いまわし首を伸ばしてくちばしで攻撃を仕掛けることから、古来より番犬代わりとなることが知られていた。酒造会社バランタインの醸造所を警護するスコッチ・ウォッチが有名。
ガチョウは、日本全国の一部の小学校飼育小屋でも飼われている。
品種
現在飼養されているガチョウはハイイロガンを原種とするヨーロッパ系種と、サカツラガンを原種とする中国系のシナガチョウに大別される。シナガチョウは上くちばしの付け根に瘤のような隆起が見られ、この特徴によりヨーロッパ系種と区別することができる[6][7]。
またヨーロッパ系種はフランスで品種改良が重ねられたツールーズ種(ツールーズグース)と、オランダ、ドイツで品種改良が重ねられたエムデン種(エムデングース)に大別される。特にツールーズ種は肉用としてよりも、肝臓を肥大化させたフォアグラで有名である。ヨーロッパ系種はヨーロッパとアメリカで、シナガチョウはアジア、アフリカ地域で広く一般に飼われている。
- ローマン・グース ‐ イタリア品種。敵が侵入してきたことを知らせ、ローマを救った伝説などが有名。
利用
食用
フォアグラで有名であるが、肉や脂、卵も食用になる。料理法としては、ガチョウのローストなどがある。
- 卵
- 食用卵となる。鶏卵の重量が50-70gに対して143.2±18.6gで約2倍の重量を持つ[8]。ドイツなどでは、鶏卵より高値で取引されていた[9]。ただ、生産性は、鶏の初産日齢145日前後[10]に比べ300日程度かかり、鶏の年間産卵数300個[11]に比べ、季節繁殖性のガチョウは2‐6月にエムデン種で20‐40個となる[6]。
薬用
脂肪を精油したものを、白鵞膏と呼ぶ。白鵞膏は、皮膚を保湿し、腫れ物やしこりを散らす作用があり、主に手足の荒れ、化膿性の腫れ物、でき物の治療に用いる。また、古代エジプトでは、発熱と咳のある患者に、豚の脂肪、小麦、ガチョウの脂を混ぜて夜露にさらしたものを4日間食させた[12]。
毛の利用
除草
アスパラガス、ジャガイモなどの畑、果樹園などで除草のために利用されているが、1950年代以降は除草剤が普及したことにより一般的ではなくなった[14]。
逸話
- スウェーデン
- 「ガチョウを料理する」という慣用句は、「希望や計画を台無しにする」との語意でヨーロッパでは口にされている。1560年、スウェーデンで狂気王と渾名されるエリック14世がある街に侵攻したとき、民衆が愚か者を表わすガチョウを街のあちこちに掲げたことに怒った王は、ガチョウもろとも街を焼いてしまい、民衆の思いを台無しにしたとの故事に基づくともいわれる[15]。
- 中国、明代でのガチョウ肉が腫物に対して悪い物であると考えらえれていた例。
- 洪武18年(1385年)に、徐達が腫物の悪化で歩行困難となったとき、洪武帝から見舞いの品として、蒸したガチョウが贈られた。しかし当時、ガチョウの肉は腫物にとっては毒と考えられており、洪武帝の意を悟った徐達は、使者を前に涙ながらにガチョウを口にし、数日後に容態が急変して死去したという逸話がある[16]。
- 闘ガチョウ
- ロシアでは、伝統的に闘ガチョウが行われる[17]。
フィクション
人間に飼われてきた歴史が長いだけに、世界各国の昔話や伝説、神話に頻繁に主役、脇役として登場する。中でも特にイギリスのマザーグースは有名である。イソップ寓話のガチョウと黄金の卵や、グリム童話の黄金のがちょう(Die goldene Gans)の話も広く一般に知られている。
また一方で創作物や小説にも重要な役を担って登場する。アンデルセンの創作童話マッチ売りの少女では、少女がマッチの炎越しに見る幻影の一つに、ご馳走としてのガチョウのローストがある。
アーサー・コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ青い紅玉では、ガチョウにないはずの(餌袋と訳される)食道の素嚢(そのう)(英語: Crop)がある設定になっており、ドイルがなぜそうしたのか議論になっている。
セルマ・ラーゲルレーヴ作の童話、『ニルスのふしぎな旅』では、雁の群れに「お前、飛べないだろう」とバカにされたガチョウのモルテンが、空を飛び、トムテ(スウェーデンでの妖精ノームの一種)により小人にされた主人公ニルスとともに、その雁の群れと渡りを行う。
派生語
- ガチョウ足行進
- アメリカでは、卵の形からGoose Eggは0の意で用いられる[19]。
- 鳥肌 ‐ 英語で、goose bumps(ガチョウ+隆起もしくは瘤の意)、中国語・日本語で鵞皮(ガチョウの皮)という用語が使われる[20]。
脚注
- ^ “Fact Check: Do Geese Have Teeth? Here’s What “Geese Teeth” Really Are” (英語). IFLScience (2022年2月16日). 2023年10月24日閲覧。
- ^ a b Jackowiak, Hanna (2011年9月). “Functional Morphology of the Tongue in the Domestic Goose ( Anser Anser f. Domestica )” (英語). The Anatomical Record. pp. 1574–1584. doi:10.1002/ar.21447. 2023年10月24日閲覧。
- ^ たまちゃん, Writer: (2019年4月28日). “子供が逃げ出すほど「衝撃的過ぎる」ガチョウの真実の写真が話題に”. 秒刊SUNDAY. 2023年10月24日閲覧。
- ^ Darwin, Charles (1868), The Variation of Animals and Plants under Domestication (1st ed.), London: John Murray
- ^ 川上和人(文)、叶内拓哉(写真)『外来鳥ハンドブック』文一総合出版、2012年5月17日。ISBN 978-4-8299-8103-0。 p.25
- ^ a b 高山 耕二、根元 紘史、溝口 由子、城戸 麻里、冨永 輝、田浦 一成、野村 哲也、中西 良孝「屋外放飼したセイヨウガチョウならびにシナガチョウの産卵能力の比較」『鹿児島大学農学部農場研究報告=Bulletin of the Experimental Farm Faculty of Agriculture,Kagoshima University』第33巻、2015年1月7日、9–12頁。
- ^ 札幌市. “シナガチョウ”. 札幌市. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 山中 良忠, 古川 徳 (1975). “主要鳥卵の各種成分に関する比較研究”. 日本家禽学会誌 12 (3): 114–119. doi:10.2141/jpsa.12.114.
- ^ “ガチョウのたまごはお得!?【たまごのことわざ その79】|たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ”. たまごのソムリエ 小林ゴールドエッグ. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “たまごQ&A/たまごの知識/日本養鶏協会”. www.jpa.or.jp. 2023年6月13日閲覧。
- ^ “にわとりは1年間に何個(なんこ)卵(たまご)を産むか、おしえてください。:農林水産省”. www.maff.go.jp. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 森井 啓二『ホメオパシー マテリアメディカ大全1(Abel-Agar)』エンタプライズ、2008年7月27日、288,291頁。 ISBN 978-4-87291-188-6。
- ^ “Production des oies”. 2021年5月3日閲覧。.
- ^ “Chapitre 12. Désherbage des cultures par les oies”. www.fao.org. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 21世紀研究会・編『食の世界地図』260頁 文藝春秋社
- ^ “明初大將徐達是被皇帝「賜吃鵝肉」害死?一文解密他的真實死因,朱元璋居然被黑超慘-風傳媒” (中国語). www.storm.mg. Storm.mg (2021年10月22日). 2023年6月13日閲覧。
- ^ “闘鶏…ではなく「闘ガチョウ」、ロシア”. www.afpbb.com (2012年3月19日). 2023年6月14日閲覧。
- ^ a b “鵝蛋吃多真的助孕? 營養師:雞蛋CP值較高 - 理財周刊” (英語). www.moneyweekly.com.tw (2020年8月19日). 2023年6月13日閲覧。
- ^ “goose eggの意味・使い方”. eow.alc.co.jp. 2023年6月13日閲覧。
- ^ 「鵞皮」。 エラー: {{Cite Kotobank}}の使用で
|access-date=が指定されていません。
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、ガチョウに関するカテゴリがあります。
関連項目
国際獣疫事務局
(Oie から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/30 13:57 UTC 版)
| 国際獣疫事務局 | |
|---|---|
| 正式名称 | 仏: L'Office international des épizooties 英: International Epizootic Office |
| 日本語名称 | 国際獣疫事務局 |
| 通称 | 仏: Organisation mondiale de la santé animale 西: Organización Mundial de Sanidad Animal 英: World Organization for Animal Health 日: 世界動物保健機関 |
| 略称 | 仏: WOAH, 英: WOAH |
| 組織形態 | 国際機関 |
| 本部所在地 | パリ17区プロニー通り12 北緯48度52分52秒 東経2度18分27秒 / 北緯48.88118度 東経2.307581度座標: 北緯48度52分52秒 東経2度18分27秒 / 北緯48.88118度 東経2.307581度 |
| 事務局長 | モニク・エロワ (2015年5月-) |
| 設立年月日 | 1924年 |
| 加盟国 | 世界182の国と地域(2019年8月時点) 加盟国一覧 |
| ウェブサイト | http://www.oie.int/ |
国際獣疫事務局(こくさいじゅうえきじむきょく、仏: OIE,L'Office international des épizooties, 英: International Epizootic Office)は、1924年に設立された獣疫に関する国際組織である。日本は、1930年1月28日に加盟している[1]。
別名世界動物保健機関(仏: Organisation mondiale de la santé animale, 西: Organización Mundial de Sanidad Animal, 英: World Organization for Animal Health)としても知られている。
これまでOIEが略称であったが、2022年に略称がOIEからWOAHに変更された[2]。なおWOAHは、この別名と類似した名称の組織である世界保健機関(英: WHO,仏: OMS)と密接な協力関係にはあるが、その下部組織であるなどといった直接の組織的関係はなく、従って国際連合機関ではないため、若干の注意を要する。
2019年2月現在の加盟国は182カ国・地域。本部事務局はフランスのパリにある。最低年1回(毎年5月)、パリで全加盟国の政府代表が参集する総会が開催される。
WOAHは、以下を目的とする。
- 世界で発生している動物疾病に関する情報の提供。
- 獣医学的科学情報の収集、および分析と普及。
- 動物疾病の制圧及び根絶に向けての技術的支援と助言。
- 動物及び動物由来製品の国際貿易に関する衛生基準の策定。
- 各国獣医組織の法制度と人的資源の向上。
- 動物由来の食品の安全性確保と科学に基づいたアニマルウェルフェアの向上。
取扱う動物は、哺乳類、鳥類、蜂、魚類、甲殻類、軟体動物などであったが、2008年に両生類、2016年に爬虫類が対象に加わった。
本組織は1920年にベルギーで発生した動物間流行性の疾病である牛疫の世界的流行を発端として設立された。この疾病はインドで最初に発生し、その拡散等の問題に関する国際的な会議が1921年5月にパリで開かれることになった。同会議を経て獣疫に関する国際機関の設立が決定され、設立合意書は1924年1月25日に署名がなされている。
国際的な家畜の安全基準を定めており、それらに基づき、例えば、BSE発生のリスクを減らすアメリカの措置を評価し、2007年5月22日にBSEに関する「準安全国」に認定する、等といった活動を行っている。
拠点
- 本部
フランス パリ17区プロニー通り12( 北緯48度52分52秒 東経2度18分27秒 / 北緯48.88111度 東経2.30750度)[3]ホームページ
- アフリカ地域事務所
マリ Bamako, Parc de Sotuba( 北緯12度39分40.79秒 東経7度55分34.37秒 / 北緯12.6613306度 東経7.9262139度)[3][4]
- アメリカ地域事務所
アルゼンチン Buenos Aires C1063ACD Paseo Colón 315, 5º “D”( 南緯34度36分41秒 西経58度22分10秒 / 南緯34.61139度 西経58.36944度)[3]
- アジア太平洋地域事務所
日本 〒113-8657 東京都文京区弥生1-1-1 東京大学大学院農学生命科学研究科 フードサイエンス棟5階( 北緯35度43分1.5秒 東経139度45分40.4秒 / 北緯35.717083度 東経139.761222度)[3]
- 東ヨーロッパ地域事務所
ブルガリア Sofia 1040 Ministry of Agriculture and Food 55, Hristo Botev Blvd. Office Rooms 309/310/311( 北緯42度41分44.8秒 東経23度18分53.7秒 / 北緯42.695778度 東経23.314917度)[3]
- 中東地域事務所
レバノン Al Kaake Bldg. Jnah Beirut( 北緯33度53分19秒 東経35度29分43秒 / 北緯33.88861度 東経35.49528度)[3]
脚注
- ^ “OIEの概要”. 農林水産省
- ^ “国際獣疫事務局(WOAH)概要 (World Organisation for Animal Health )”. 2024年2月17日閲覧。
- ^ a b c d e f “List of Regional Representations of the OIE (World Organisation for Animal Health)”. 国際獣疫事務局ホームページ. 2014年6月14日閲覧。
- ^ “Regional Representation for Africa”. 2014年6月14日閲覧。
外部リンク
- OIEオフィシャルサイト(英語)
- OIEの概要 - 農林水産省
- 国際獣疫事務局(OIE)概要 - 外務省
- OIE college course a 3-credit college course offered by the Institute for Food Laws and Regulations (ミシガン大学).
- Oieのページへのリンク