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WISPIT 1とは? わかりやすく解説

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WISPIT 1

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/16 15:38 UTC 版)

WISPIT 1
2022年11月19日に撮影されたWISPIT 1系のSPHERE英語版/IRDISによる近赤外線画像。左上にWISPIT 1の連星コロナグラフの背後)が位置している。2つの惑星は下段の拡大画像で強調表示されている。
クレジット: R. F. van Capelleveenら
星座 とも座[注 1]
見かけの等級 (mv) 13.146[1][2]
分類 前主系列星
位置
元期:J2000[1]
赤経 (RA, α)  07h 51m 11.6851739232s[1]
赤緯 (Dec, δ) −50° 08′ 15.883981188″[1]
固有運動 (μ) 赤経: -19.824 ミリ秒/[1]
赤緯: 14.021 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 4.3652 ± 0.0137ミリ秒[1]
(誤差0.3%)
距離 747 ± 2 光年[注 2]
(229.1 ± 0.7 パーセク[注 2]
軌道要素と性質
惑星の数 2
物理的性質
スペクトル分類 A: K4V[3]
B: M5.5V[3]
表面温度 A: 4670+990
−540
K[3]
B: 2900+560
−280
K[3]
年齢 A: 1560+410
−370
万年[3]
他のカタログでの名称
TIC 2687641002MASS J07511168-5008158WISE J075111.66-500815.8[1]
Template (ノート 解説) ■Project

WISPIT 1 とは、非常に離れた軌道を公転する2つの巨大な太陽系外惑星を持っていることが知られている若い連星系である。この惑星系は、Wide Separation Planets In Time(WISPIT)が最初に発見した惑星系であり、VLT/SPHERE英語版を用いて近赤外線領域で観測を行い、2つの周連星惑星直接撮像法を用いて観測するとともに、WISPIT 1が連星であることを明らかにした[3]。WISPIT 1は太陽と類似した主星を持つ連星系の周囲を公転する複数惑星系として初めて直接撮像法で発見されたものである[4]

特徴

WISPIT 1は、観測ではわずかに分離しただけの近接連星であり、VLT/SPHEREによって撮影された画像では2つの恒星は1つの点として見え、はるかに暗い伴星がその点からわずかに隆起したように見える程度である。2022年11月19日、2023年12月3日、2024年11月30日に実施されたWide Separation Planets In Time(WISPIT)による観測では、主星に対する伴星の動きが無視できるほど小さいことが示され、伴星が背後にある関連のない恒星ではなく、重力によって結合された伴星であることが確認された。伴星の軌道を導くために、1つの点として見えているWISPIT 1を2つの独立した光源モデルに当てはめる手法が用いられた。これにより、伴星は主星から少なくとも 10.5 au 離れており、伴星の公転周期ケプラー軌道英語版を想定すると34年となることが判明した[3]

主系列星の年齢はリチウム存在比に基づいて決定される。リチウム存在比は、リチウム燃焼過程に起因する前主系列星の年齢を示す重要な指標である。主系列星のリチウム枯渇の進化モデルから、WISPIT 1の年齢は 1560+410
−370
万年 であることが判明している[3]。測定された年齢は、WISPIT 1の近くに存在する暗い赤色矮星 2MASS J07485619-4656229 の年齢ともほぼ同じである。同様の固有運動を示すもう一つの近くの恒星は 2MASS J07512310-5008109 で、この恒星は自転が高速であるという点から年齢が若いと考えられる。これは、これらの恒星が共通の起源を持つことを示唆している[3]

惑星系

WISPIT 1には、軌道長半径が 338 au と 840 au という非常に主星から離れた軌道を公転する2つの巨大ガス惑星を持っている。これらの惑星は、VLT/SPHEREによる2年間の観測で共通の固有運動を示しており、背後にある関連のない天体ではなくWISPIT 1の惑星であることが確認されている。惑星の発見時に使用された観測データでは軌道運動が検出されなかったため、公転周期はまだ決定できていない[3]

2つの惑星の質量は、観測された等級色指数を理論的な等年齢線と比較することで、惑星の年齢が主星と同じであると仮定して推定できる。推定された質量は重水素燃焼限界以下であり、褐色矮星ではなく惑星であることを裏付けている。惑星 WISPIT 1b は、直接撮像された他の巨大ガス惑星と似た色をしており、推定質量は 10.4+0.7
−0.8
 MJ
である。もう1つの惑星である WISPIT 1c は、発見時にHバンドとKsバンドの両方で撮影された最も暗い惑星の1つである。WISPIT 1cの質量はおそらく 5.3+0.8
−0.6
 MJ
であるが、van Capelleveenらは使用する等年齢線によって推定質量が著しく異なることを指摘しており、報告された質量は研究で使用された2つのモデル間を補間して求められたものである[3]

WISPIT 1の惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b 10.4+0.7
−0.8
 MJ
338
c 5.3+0.8
−0.6
 MJ
840

脚注

注釈

  1. ^ このウェブサイト赤経赤緯[1]から導出
  2. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

  1. ^ a b c d e f g h i “WISPIT 1”, SIMBAD, Centre de données astronomiques de Strasbourg, 2026年2月16日閲覧
  2. ^ Zacharias, N.; Finch, C. T.; Girard, T. M.; Henden, A.; Bartlett, J. L.; Monet, D. G.; Zacharias, M. I. (2013-01-14). “The fourth US Naval Observatory CCD Astrograph Catalog (UCAC4)”. アストロノミカルジャーナル 145 (2): 44. arXiv:1212.6182. Bibcode2013AJ....145...44Z. doi:10.1088/0004-6256/145/2/44. ISSN 0004-6256. 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l van Capelleveen, Richelle F. et al. (December 2025). “WIde Separation Planets In Time (WISPIT): Two directly imaged exoplanets around the Sun-like stellar binary WISPIT 1”. Astronomy and Astrophysics 704. arXiv:2508.18456. Bibcode2025A&A...704A.221V. doi:10.1051/0004-6361/202556584. 
  4. ^ van Capelleveen, Richelle; Ginski, Christian; Mamajek, Erik; Snellen, Ignas; Kenworthy, Matthew; van der Marel, Nienke; Landman, Rico; Stolker, Tomas; Zhang, Yapeng (27 May 2025). WiSPIT 1: The first directly imaged multi-planet system around a solar-type binary. Netherlands Astronomy Conference 2025.

関連項目




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