ボリュステネスのビオン
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/15 16:42 UTC 版)
ボリュステネスのビオン(古代ギリシア語: Βίων Βορυσθενίτης, Bion of Borysthenes, 紀元前325年頃 - 紀元前250年頃)は、古代ギリシアの哲学者。奴隷として売られた後、解放され、アテナイに移り、そこで学べるだけの哲学の学派を学んだ。キュニコス派的なスタイルの著書『非難』では、人間の愚かさを風刺したばかりか、神をも攻撃した。
生涯
ビオンはボリュステネス川(Borysthenes。現ドニエプル川)の河口に近い、黒海沿岸北部のオルビア(Olbia、イタリアのオルビアとは別の街)の出身。紀元前325年頃に生まれ、紀元前250年に亡くなったとされるが、正確な日付はわからない。ストラボンは紀元前275年生まれのエラトステネスの同時代人と言う[1]。
ディオゲネス・ラエルティオスによると、庇護者であったマケドニア王国の王アンティゴノス2世ゴナタスに出自を聞かれ、ビオン自身は次のように語ったと言う。自分の父親は解放奴隷で塩魚を売買していた。母親は売春婦だった。父親の犯した罪のために家族全員奴隷として売られた。ビオンはある修辞学者に買われ、その遺産を譲られた。パトロンの蔵書を焼き払い、アテナイに行き、哲学者となった[2]。
彼はほとんどの哲学の学派を受け入れた。最初はアカデメイア派で、クセノクラテスの弟子だった。それから(おそらくテーバイのクラテスについて)キュニコス派になり、さらにキレネ派の哲学者テオドロスについた。テオドロスの無神論はビオンに多大な影響を与えた。最終的には、逍遥学派(ペリパトス派)のテオプラストスの弟子となった[3]。当時のソフィストのように、ビオンはギリシアからマケドニアにかけて旅をし、庇護者であったアンティゴノス2世の宮廷の文学サークルに入った。その後は、ロドス島で哲学を教え、エウボイア島のカルキスで亡くなった。
哲学
ビオンはかなり頭の切れが良かったようだが、誰にでも何にでも攻撃した。基本的には人気作家で、『非難』では人間の愚かさを風刺した。貧困と哲学を賞賛する一方で、神々・音楽家・幾何学者・占星術師・金持ちを攻撃し、祈りの有効性を否定した。ビオンは犯罪を慎むために欲望を抑えたソクラテスを軽蔑し、神の存在を信じなかった。ビオンの教義の多くは、3世紀のキュニコス派の哲学者テレス(Teles)や、ディオゲネス・ラエルティオス、ストバイオス(Stobaeus)によって伝えられている。
ビオンの影響は、たとえばメニッポスの風刺などに引き継がれた。
ホラティウスの『書簡集』には、ビオンの風刺と痛烈な機智が紹介されている[4]。
- ケチは富を所有しているのではなく、富に所有されている。
- 不信心はだまされやすさの反対。
- 強欲は悪徳の中心。
- 良き奴隷は実は自由、悪い自由人は実は奴隷。
キケロの『トゥスクルム談義』にもビオンの次の言葉が残されている[5]
- 悲しい時、髪をひちきぎっても無駄である。悲しみはハゲで癒されないから。
脚注
参考文献
- Kindstrand, J., (1976) Bion of Borysthenes: A Collection of the Fragments with Introduction and Commentary. Acta Universitatis Upsaliensis. ISBN 9-15540-486-3
「Bion of Borysthenes」の例文・使い方・用例・文例
- Microsoftがβ版をランチするのは「NetShow streaming server」で動画や音声をオンデマンドで提供する。
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 an admiral of the fleet 海軍元帥.
- 篏入的 r 音 《英音の India office /ndiərfɪs/の /r/の音》.
- =《口語》 These kind of stamps are rare. この種の[こういう]切手は珍しい.
- (英国の)運輸省. the Ministry of Education(, Science and Culture) (日本の)文部省.
- は of の誤植です.
- を off と誤植する.
- あいまい母音 《about, sofa などの /ə/》.
- 副詞的小詞 《on, in, out, over, off など》.
- 迂言的属格 《語尾変化によらず前置詞によって示す属格; たとえば Caesar's の代わりの of Caesar など》.
- çon of garlic [humor]. それにはガーリック[ユーモア]がちょっぴり必要だ.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Speaker of the House of Commons 下院議長.
- 《主に米国で用いられる》 = 《主に英国で用いられる》 the Committee of Ways and Means 歳入委員会.
- 初めて読んだ英文小説は“The Vicar of Wakefield”
- (違法罪―a sin of commission―に対する)怠惰罪
- 『each』、『every』、『either』、『neither』、『none』が分配的、つまり集団の中の1つのものを指すのに対し、『which of the men』の『which』は分離的である
- 『hot off the press(最新情報)』は『hot(最新の)』の拡張感覚を示している
- 『Each made a list of the books that had influenced him』における制限節は、リストに載った本を制限節で定義された特定の本だけに制限する
- 臨床的鬱病を治療するのに用いられる三環系抗鬱薬(商品名ImavateとTofranil)
- 『sunshine-roof』は『sunroof(サンルーフ)』に対する英国の用語である
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