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CloudFlareとは? わかりやすく解説

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Cloudflare

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/01 07:32 UTC 版)

Cloudflare
市場情報 NASDAQ: NET
設立 2009年7月 (2009-07)
本社 アメリカ合衆国
カリフォルニア州サンフランシスコ
創業者 マシュー・プリンス
リー・ホロウェイ
ミチェル・ザトリン
業種 クラウドコンピューティング
サービス ウェブサイトパフォーマンス
セキュリティサービス
従業員数 4,263人
ウェブサイト www.cloudflare.com/ja-jp/
Cloudflareが発行するEV証明書の例。画像はFirefoxで表示したもの。

Cloudflare, Inc.(クラウドフレア)は、コンテンツデリバリネットワーク(CDN)やインターネットセキュリティサービス、DDoS防御、分散型ドメイン名サーバシステムを提供するアメリカ合衆国の企業で、同社が提供するCDNは閲覧者とホスティングプロバイダー間でリバースプロキシとして動作する。DNSの変更でウェブサイトやモバイルアプリケーションに対応するネットワークの保護、速度向上や改善を実現している。本社はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコにあり、オフィスを米国(オースティンシャンペーンニューヨークサンノゼシアトルワシントンD.C.)、トロントリスボンミュンヘンパリ北京シンガポールシドニー東京に持つ[1][2][3]

歴史

Cloudflareは、プロジェクト・ハニーポットでともに活動していたマシュー・プリンス、リー・ホロウェイ、ミチェル・ザトリンにより2009年に設立された。2010年9月に開催されたTechCrunch DisruptカンファレンスでサービスとしてのCloudflareがスタートし、2011年6月にLulzSecのWebサイトにセキュリティソリューションを提供したことによりメディアの注目を集めた。2012年6月には、HostPapaをはじめとする複数のWebホスティングプロバイダーとパートナー契約を結び、Railgunテクノロジーが実装された。2014年2月、当時としては史上最大のDDoS攻撃を軽減することに成功した。攻撃対象となった顧客名は明かされていないが、規模は最大で毎秒400ギガビットにのぼった。2014年11月には別の大規模DDoS攻撃を報告。攻撃対象は独立系メディアサイトで、攻撃の規模は毎秒500ギガビットにのぼった。[4]

資金調達

2009年11月、CloudflareはシリーズAラウンドで、Pelion Venture PartnersとVenrockから210万ドルを調達した。2011年7月のシリーズBラウンドでは、New Enterprise Associates、Pelion Venture Partners、Venrockから2,000万ドルを調達。2012年12月のシリーズCラウンドでは、New Enterprise Associates、Pelion Venture Partners、Venrock、Union Square Ventures、Greenspring Associatesから5,000万ドルを調達した。2014年12月、Fidelity Investmentsが主導し、Google Capital、Microsoft、Qualcomm、Baiduが参加したシリーズDラウンドでは、1億1,000万ドルの調達に成功した。[5]

M&A

2014年6月、Webユーザー向けセキュリティサービスの拡張のため、ライアン・ラッキーが設立したCryptoSealを買収した。2014年2月、マルウェア検出、自動マルウェア削除、会社の評判やブラックリストのモニタリングといったサービスを提供するStopTheHackerを買収。2016年12月、Cloudflareのアプリプラットフォームをアップグレードし、Cloudflareを実装しているサイトでサードパーティアプリをドラッグアンドドロップによりインストールできるようにするため、Eagerを買収した。[6] 2020年1月、元Microsoft(マイクロソフト)の役員たちが作ったブラウザー隔離サービスのS2 Systemsを買収したことを発表した。

サービス

DDoS攻撃対策

Cloudflareは、すべての顧客を対象に「アンダーアタックモード」の設定を提供する。同社によると、この設定では「JavaScriptチャレンジ」と呼ばれる[7]、JavaScript計算課題を提示し、課題が解けたらWebサイトにアクセスできるようにすることで、レイヤー7に対する高度な攻撃を軽減できる。Cloudflareは毎秒300ギガビットを超えるDDoS攻撃からSpamhausを防御。Akamaiのチーフアーキテクトによれば、これは「公表されているDDoS攻撃のうち、インターネット史上最大の攻撃」であったという。また、NTPリフレクション攻撃による、ピーク時で毎秒400ギガビットを超える攻撃も、何度となく緩和している[8]。Webアプリケーションファイアウォール有料プランを利用する顧客は全員、Webアプリケーションファイアウォールサービスを利用できる。このファイアウォールでは、OWASP ModSecurity Core Rule SetとCloudflare独自のルールセット、人気Webアプリケーションのルールセットが併用されている[9]

DNS

Cloudflareは、エニーキャストネットワークを備えるすべてのクライアントに、ドメインネームサーバー(DNS)を無料で提供する。W3cookによれば、CloudflareのDNSサービスは現在、マネージドDNSドメインの35%以上を占める。SolveDNSによれば、CloudflareのDNS検索速度は常に世界最高クラスであり、2016年4月には8.66ミリ秒を記録している[10]

1.1.1.1

2018年4月1日、1.1.1.1(1.0.0.1)のサービスを開始した。これは無料のDNSサービスである。アクセスログを保管せず(ノーログポリシー)、DNS over HTTPSDNS over TLSなどに対応することでセキュリティやプライバシーを高めたサービスとして登場。2020年4月1日、一般向けに「1.1.1.1 for Families」をリリースした。「1.1.1.1 for Families」はDNSのレベルでアダルトコンテンツやマルウェアをブロックすることで、安全にインターネットを使えるようにすることが目的。

リバースプロキシ

Cloudflareの主な機能は、Webトラフィックのリバースプロキシとしての機能である。SPDYやHTTP/2HTTP/3QUICといった新しいWebプロトコルに対応し、さらにHTTP/2サーバープッシュへのサポートも提供する。また、CloudflareはWebSocketプロキシにも対応している[11]

コンテンツ配信ネットワーク

Cloudflareのネットワークは、世界中のあらゆるネットワークのインターネットエクスチェンジポイントに対し、接続の数が最も多い。Cloudflareはエッジロケーションにコンテンツをキャッシュしてコンテンツ配信ネットワーク(CDN)として機能させる。Cloudflareから直接配信されキャッシュに保存されコンテンツを使い、すべての要求に対してCloudflareによるリバースプロキシを実行する[12]

レジストラ

レジストラサービスを2018年9月から行なっている[13]。Cloudflareが提供する他のサービス同様、プライバシー保護やセキュリティ機能が充実している[13]

メールセキュリティ

2021年9月27日発表。カスタムメールアドレスの作成や受信メールルーティングの管理、送信メールのメールスプーフィングやフィッシングの防止を提供する[14]

Cloudflare Email Routing

メールルーティングツール。メールホスティングサービスを選ばず、任意のものに対して提供される。

Email Security DNS Wizard

Sender Policy Framework(SPF)やDomainKeys Identified Mail(DKIM)にて、フィッシングやスパムからの防御を提供する。

顧客

Uber、OkCupid、IBM、Hubspot、Fitbitといった人気サイトをはじめとする2,700万のWebサイトにDNS、CDN、DDoS、WAF、Bot managementサービスを提供している[15]

日本法人

2020年7月に日本法人のCloudflare Japan株式会社を開設、オフィスは東京都中央区に所在する[16]

障害と事案

侵入事案 (2012年)

2012年6月、ハッカー集団UGNaziがCloudflareのCEOであるマシュー・プリンスのアカウントを乗っ取り、4chanへのアクセスを自集団のTwitter(現・X)へとリダイレクトさせるという事案が発生した[17]。攻撃はAT&Tへのソーシャル・エンジニアリングと、2要素認証の脆弱性を突いて行われたと述べられている[17]

データ漏えい (2016-2017年)

通称「Cloudbleed英語版」と呼ばれる不具合により、パスワードや認証トークンを含む機密情報が外部へ漏えいした[18]

大規模障害 (2025年)

2025年11月18日、データベースの設定ミスにより、世界規模の障害が発生した[19]ChatGPTXSpotifyZoomMicrosoft TeamsCanvaVisaなど広範囲に影響を与え、Cloudflareは謝罪を表明した[20][21]。翌月12月5日にもCloudflareの障害により世界規模で問題が発生し、再びインターネットに混乱を生じさせた[22]

評価

2015年2月、TechCrunchが開催する第8回Crunchies賞で「Best Enterprise Startup」(最優秀スタートアップ賞)を受賞。 2年間ウォール・ストリート・ジャーナル紙の「Most Innovative Network & Internet Technology Company」(最も革新的なネットワーク企業・IT企業)に選ばれた。 2012年、世界経済フォーラムの「テクノロジー・パイオニア」の1社に選出。 Fast Companyが選ぶ世界の最も革新的な企業10社にランクイン。 2016年、フォーブス誌の「Cloud 100」(クラウド上のビッグデータを活用する企業世界ベスト100)で11位にランクイン[23]

メールアドレス一つで無料での登録が可能で、AkamaiAWSなどの他の大手CDNサービスと異なり本人確認が不要なことや違法サイトへの対策が緩い事から、ヒズボラターリバーンのようなテロ組織[24][25]、「漫画村」のような海賊版サイトもこぞってCloudflareのCDNサービスを利用している。このため権利者から度々訴訟を起こされている。日本では2018年8月には講談社集英社小学館KADOKAWAの出版大手4社が海賊版サイトへのCDNサービス停止を求めて裁判を起こしており、2019年6月に著作権侵害が行われていると裁判所が判断した場合には国内サーバーでのキャッシュを停止する事を条件とした和解が成立している[26]

しかしその2年後の2022年1月には、国内サーバーでのキャッシュの停止などを再三求めても「必要な措置を取った」と回答するだけで依然としてCloudflareが利用されるなど、海賊版対策に非協力的であったとして前述の大手出版4社から損害賠償を求め提訴されている[27][28]。前述の和解条件であるキャッシュの停止には事前の警告と裁判所の処分命令が必要であり、仮にキャッシュを停止されてもドメインをわずかに変更するだけで海賊版サイトはすぐに復活していた。一例では警告を受ける度にドメインとホスティング事業者を転々とした後、裁判所の命令が下りキャッシュ停止処分となったわずか10時間で別のドメインを使いCloudflareによるサービスが再開されていた[29]

他の大手CDNでは契約時に本人確認をしているほか、Akamaiでは違法なコンテンツの申告があった場合は一度コンテンツを削除し後から削除申請の正当性を確認しているが[30]、Cloudflareは一貫して裁判所による命令を要求しており、処分までに時間がかかる上に日本の裁判ではドメインでウェブサイトを特定しているため、前述の通りドメインを変更されるだけで処分が事実上無効となっていた[29][30]。出版社や文化庁は対応を要求しているが、Cloudflare側は応じていない[30]

2025年11月19日、東京地裁は2022年の出版4社からの訴訟の判決としてCloudflareに約5億円の賠償を命じた。前述の海賊版対策への非協力的な態度が著作権侵害行為を容易にしたと認め、「著作権侵害のほう助行為に当たる」との判断を示した[31][32]

脚注

出典

  1. ^ “CloudFlare Reveals $50 Million "Secret" Funding -- From One Year Ago - Kara Swisher - Security - AllThingsD”, AllThingsD, https://allthingsd.com/20131217/cloudflare-reveals-50-million-secret-funding-from-one-year-ago/ 
  2. ^ "Cloudflare beefs up app platform plans with startup acquisition". Bizjournals.com. Retrieved 2017-02-28.
  3. ^ Cloudflare Announces First Office in Canada to Further Support Canadian Customers, Innovation, and Growth” (英語). www.businesswire.com (2021年4月19日). 2021年6月23日閲覧。
  4. ^ The Largest Cyber Attack In History Has Been Hitting Hong Kong Sites. Forbes.
  5. ^ CloudFlare Hints IPO Could Be Coming, But Not This Year. www.techcrunch.com.
  6. ^ Cloudflare acquires app platform Eager, will sunset service in Q1 2017. VentureBeat.
  7. ^ 2020年1月〜7月のボット攻撃の動向”. The Cloudflare Blog (2020年10月19日). 2022年2月7日閲覧。
  8. ^ Biggest DDoS ever aimed at Cloudflare’s content delivery network. Ars Technica.
  9. ^ "Cloudflare Web Application Firewall Review". Fanatic Entrepreneur.
  10. ^ "April 2016 DNS Speed Comparison Report". www.solvedns.com.
  11. ^ "CloudFlare figured out how to make the Web one second faster". ZDNet.
  12. ^ "Internet Exchange Report". Hurricane Electric.
  13. ^ a b TechCrunch – Startup and Technology News” (英語). TechCrunch. 2022年1月11日閲覧。
  14. ^ Nast, Condé (2021年9月29日). “メールのセキュリティ分野に参入したCloudflareが、本当に目指していること”. WIRED.jp. 2022年1月29日閲覧。
  15. ^ "Cloudbleed: Big web brands leaked crypto keys, personal secrets thanks to Cloudflare bug". "The Register."
  16. ^ About Us”. Cloudflare. 2023年9月25日閲覧。
  17. ^ a b Maclean's (2012年6月14日). “The 4chan breach: How hackers got a password through voicemail” (英語). Macleans.ca. 2025年12月9日閲覧。
  18. ^ Molina, Brett. “Cloudfare bug: Yes, you should change your passwords” (英語). USA TODAY. 2025年12月9日閲覧。
  19. ^ Xが使えない18日の大規模障害、原因はデータベース設定ミス。Cloudflareが謝罪”. PC Watch (2025年11月19日). 2025年12月9日閲覧。
  20. ^ XやチャットGPTが一時ダウン、クラウドフレアが障害について謝罪”. BBCニュース (2025年11月19日). 2025年11月20日閲覧。
  21. ^ 「2019年以来で最悪の障害」──クラウドフレアのCEOが原因と経緯を説明”. ITmedia NEWS. 2025年11月20日閲覧。
  22. ^ Wearden, Graeme (2025年12月5日). “Cloudflare admits ‘we have let the Internet down again’ after outage hits major web services – as it happened” (英語). the Guardian. ISSN 0261-3077. https://www.theguardian.com/business/live/2025/dec/05/uk-house-prices-affordability-stock-markets-us-inflation-ftse-pound-business-live-news-updates 2025年12月9日閲覧。 
  23. ^ "Forbes Cloud 100". Forbes.
  24. ^ IP and website location : Check host - online website monitoring”. check-host.net. 2025年4月21日閲覧。
  25. ^ IP and website location : Check host - online website monitoring”. check-host.net. 2025年4月21日閲覧。
  26. ^ KADOKAWAなど4社、Cloudflareと和解成立 海賊版サイト対策で連携”. ITmedia NEWS. 2022年2月22日閲覧。
  27. ^ 海賊版サイトの漫画、読み手は合法? 違法? 出版大手の危機感とは”. 朝日新聞デジタル (2022年1月30日). 2025年4月21日閲覧。
  28. ^ 集英社など出版4社、米Cloudflare提訴を正式発表 「通信インフラを担う企業としてふさわしいのか」問う──海賊版サイト問題で”. ITmedia NEWS. 2022年2月22日閲覧。
  29. ^ a b 平井佑希 (2022年1月24日). “海賊版サイトに対する アクションの現状と課題 (CDNと検索エンジン)”. インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会(第6回). 総務省. 2022年6月9日閲覧。
  30. ^ a b c インターネット上の海賊版サイト対策に関する 現状とりまとめ骨子”. インターネット上の海賊版サイトへのアクセス抑止方策に関する検討会(第8回)配布資料. 総務省. pp. 36-40 (2022年5月31日). 2022年6月6日閲覧。
  31. ^ “海賊版サイト巡り米Cloudflareに賠償命令 著作権侵害ほう助認定”. 日本経済新聞. (2025年11月19日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD14CEF0U5A111C2000000/ 2025年11月19日閲覧。 
  32. ^ “米クラウドフレアに5億円賠償命令 漫画海賊版の著作権侵害をほう助”. 毎日新聞. (2025年11月19日). https://mainichi.jp/articles/20251118/k00/00m/040/183000c 2025年11月19日閲覧。 

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