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EGDTとは? わかりやすく解説

早期目標指向療法

(EGDT から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/17 22:49 UTC 版)

早期目標指向療法
治療法
シノニム 早期目標志向型治療、EGDT
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早期目標指向療法(そうきもくひょうしこうりょうほう、Early goal-directed therapy: EGDT)とは、合併症死亡率のリスクが高い患者の周術期血行動態の集中的なモニタリングと積極的な管理を駆使する、集中治療医学分野のプロトコルである。エマニュエル・リバース英語版によって導入され、2001年のThe New England Journal of Medicine誌に掲載された[1]。2014年時点で相次いで、大規模なランダム化比較試験で長期死亡率で改善が見られなかったことが示され、賛否両論がある[2][3]

適応

EGDTは、当初、重度の敗血症敗血症性ショックの治療法として報告された[1]。このアプローチには、手術前の酸素供給と酸素需要の増加のバランスをとるために、心臓の前負荷後負荷、および心収縮力の調整を行う[1]。心臓手術では、EGDTは手術後に開始すると効果的であることが証明されている。 EGDTと臨床現場即時検査(point of care)の組み合わせにより、先天性心疾患の手術を受けた患者の死亡率が顕著に低下したという報告がある[4]。 さらに、EGDTと電子カルテと組み合わせて使用した場合、合併症と死亡率の低下との関連がしめされている[5]

プロトコール(敗血症の場合)

低血圧および/または血中乳酸値が4 mmol/Lを超える場合、初期治療には30 ml/kgの晶質液の最小量輸液の試験投与が含まれる[6]。コストと死亡率において、利点の違いが無いことを考えると、敗血症に対しては晶質液が膠質液よりも推奨される[6]。大量の晶質液が必要な場合は、アルブミン製剤を検討してもよい。

輸液蘇生ないしは、輸液の試験投与に対して、輸液反応性がある、ということには以下の所見が含まれる[6]

敗血症性ショックに対して輸液蘇生を行っても低血圧が続く、および/または乳酸値が4 mmol/L(36 mg/dl)以上の場合、輸液蘇生の最初の6時間の目標は次のとおりである。

  • 8-12 mmHgのCVPを達成する。機械換気、腹圧の増加、および心室コンプライアンスの障害があると、12-15 mmHgのより高いCVP目標を必要とする場合がある[6]
  • 上大静脈酸素飽和度 (ScvO2) > 70%または混合静脈血酸素飽和度 (SvO2) > 65%を達成する。 最初の輸液蘇生で適切な酸素飽和度を達成できない場合、追加のオプションには、ドブタミン持続静脈注射(最大20μg/kg/min)またはヘマトクリット≥30%となるように濃厚赤血球液を輸血することがふくまれる[7]
  • 平均動脈圧 ≥ 65mmHgを維持する[6]アテローム性動脈硬化や未治療の高血圧を合併していた場合は、より高い血圧が目標として必要となることがある。
  • 尿量 ≥ 0.5 mL/kg/hを維持する[6]

批判

EGDTは、通常のケアと比較して、結果を改善するようには見えないが、かかる費用は大きいとする意見がある[8]。2014/2015年に発表された3つの試験は、EGDTを放棄すべきだとしている[8]

出典

  1. ^ a b c Emanuel Rivers英語版; Nguyen, B; Havstad, S; Ressler, J; Muzzin, A; Knoblich, B; Peterson, E; Tomlanovich, M (November 2001). “Early goal-directed therapy in the treatment of severe sepsis and septic shock”. The New England Journal of Medicine 345 (19): 1368–77. doi:10.1056/NEJMoa010307. PMID 117941694 
  2. ^ Controversial 敗血症の初期蘇生においてEGDTプロトコールは有効か?(田中竜馬) | 2014年 | 記事一覧 | 医学界新聞 | 医学書院”. www.igaku-shoin.co.jp. 2024年10月23日閲覧。
  3. ^ Gordon, AC; Russell, JA (2005). “Goal directed therapy: How long can we wait?”. Critical Care 9 (6): 647–8. doi:10.1186/cc3951. PMC 1414039. PMID 16356258. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1414039/. 
  4. ^ Rossi, AF; Khan, DM; Hannan, R; Bolivar, J; Zaidenweber, M; Burke, R (January 2005). “Goal-directed medical therapy and point-of-care testing improve outcomes after congenital heart surgery”. Intensive Care Medicine 31 (1): 98–104. doi:10.1007/s00134-004-2504-1. PMID 156508634 
  5. ^ Rossi, AF; Khan, D (June 2004). “Point of care testing: Improving pediatric outcomes”. Clinical Biochemistry 37 (6): 456–61. doi:10.1016/j.clinbiochem.2004.04.004. PMID 15183294. 
  6. ^ a b c d e f Surviving Sepsis Campaign Guidelines Committee including The Pediatric Subgroup; Dellinger, R.P.; Levy, M.M.; Rhodes, A.; Annane, D.; Gerlach, H.; Opal, S.M.; Sevransky, J.E. et al. (2013). “Surviving Sepsis Campaign: International guidelines for management of severe sepsis and septic shock: 2012”. Critical Care Medicine 41 (2): 580–637. doi:10.1097/CCM.0b013e31827e83af. PMID 23353941. http://www.sccm.org/Documents/SSC-Guidelines.pdf 2014年11月26日閲覧。4 
  7. ^ Emergency Medicine Shock Research Network (EMShockNet), Investigators; Jones, AE; Shapiro, NI; Trzeciak, S; Arnold, RC; Claremont, HA; Kline, JA (February 24, 2010). “Lactate clearance vs central venous oxygen saturation as goals of early sepsis therapy: A randomized clinical trial”. JAMA 303 (8): 739–46. doi:10.1001/jama.2010.158. PMC 2918907. PMID 20179283. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2918907/4 
  8. ^ a b PRISM, Investigators.; Rowan, KM; Angus, DC; Bailey, M; Barnato, AE; Bellomo, R; Canter, RR; Coats, TJ et al. (8 June 2017). “Early, Goal-Directed Therapy for Septic Shock - A Patient-Level Meta-Analysis.”. The New England Journal of Medicine 376 (23): 2223–2234. doi:10.1056/nejmoa1701380. PMID 28320242. http://discovery.ucl.ac.uk/1563650/1/nejmoa1701380.pdf. 

EGDT

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/28 15:20 UTC 版)

敗血症」の記事における「EGDT」の解説

初期蘇生循環管理 (early goal-direct therapy) の略。敗血症では適切な抗菌薬1時間以内投与することを推奨している。これは1時間投与が遅れると 7.6% ずつ予後悪化するとされているからである。この場合広域抗菌薬使用する。そして速やかに大量輸液を行う。目標値としては 中心静脈圧を 8〜12 mmHg となる輸液管理および 平均血圧 > 65 mmHg、尿量 > 0.5 mL/kg/h、中心静脈酸素飽和度 あるいは 混合静脈血酸素飽和度 > 70% を目指す通常最初6時間で 6〜10 Lの輸液が必要となる。人工呼吸器管理をしている場合胸腔内圧高くなるので 中心静脈圧1215 mmHg目標とする。中心静脈圧保って平均血圧65 mmHg下回るのならば昇圧剤投与開始する。ノルアドレナリンやドパミン用いられる場合が多い。平均血圧90 mmHg 以上となった場合硝酸薬ニトログリセリン)を併用する平均血圧保てれば中心静脈酸素飽和度あるいは混合静脈血酸素飽和度確認しヘマトクリット値30% 以下ならば輸血行い、それでも 30% 以上を保てなければドブタミンを使用する。 なおEGDTを行う場合大量輸液によって肺の酸素化障害される場合多く人工呼吸器管理となることが多い。急性障害 (ALI) に基づいて呼吸管理する場合が多い。

※この「EGDT」の解説は、「敗血症」の解説の一部です。
「EGDT」を含む「敗血症」の記事については、「敗血症」の概要を参照ください。

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