FCS-2-2x
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 11:11 UTC 版)
「やまゆき」装備のFCS-2-21A 「はたかぜ」装備のFCS-2-21C 射撃指揮装置2型-21は砲の管制に特化したタイプであり、「Lowタイプ」と呼ばれる。 基本的には、試作機をもとにレドームを廃して追尾レーダー部のみを独立させた構成であるが、最大の変更点として、安定化方式の改正がある。従来の国産FCSは、68式、72式、FCS-2試作機と、いずれもスタビライザで機械的に水平面を作る方式であったが、本機では、照準線(LOS)を電子的にスタビライズする方式に変更された。これはアメリカ製のMk.56 砲射撃指揮装置では用いられており、国産機では経験・実績がなかったものの、試作を経ることなく実現の目処がついた。レドームが廃されたこともあり、光学照準器は別体ではなく、方位盤の右側面に装備する形式とされた。また新たな試みとして、テレビ画像による目標自動追尾方式(TV追尾)が採用された。 追尾レーダーのアンテナとしては、52DD用のFCS-2-21Aでは試作機と同様のカセグレン式が踏襲されたが、52DE用に開発されたFCS-2-21Bでは、艦が対空捜索レーダーをもたないこともあって捜索機能の付与が求められたことから、パッシブ・フェーズドアレイ(PESA)方式に変更された。水平方向の走査は方位盤の旋回により行う一方、俯仰方向の走査は電子的にレーダービームを指向して行うという1次元フェーズドアレイ方式とされた。なおFCS-2-21では、レーダー送信管はマグネトロンとされた。 射撃指揮装置2型-22は-21の改良型で、追尾可能な俯角が-21の82度から100度に拡張され、天頂までの追尾が可能となった。なおFCS-2-22Aでは、アンテナ部は-21Bと同様にPESAとされている。 射撃指揮装置2型-23には、シースパローミサイルの管制機能が付加された。 搭載艦艇 護衛艦「いしかり」(52DE) - FCS-2-21B はつゆき型護衛艦(52DD - 57DD)- FCS-2-21A ゆうばり型護衛艦(54DE) - FCS-2-21B 護衛艦「むらくも」(42DD)- FCS-2-21E(試作機から換装) 護衛艦「あまつかぜ」(35DDG)- FCS-2-21D(後日装備) 護衛艦「さわかぜ」(53DDG)- FCS-2-21C はたかぜ型護衛艦56DDG - FCS-2-21C 58DDG - FCS-2-22B あさぎり型護衛艦58,59DD - FCS-2-22A 60,61DD - FCS-2-23 あぶくま型護衛艦(61DE - 01DE)- FCS-2-22C - 22E 訓練支援艦「くろべ」(61ATS) - FCS-2-22D こんごう型護衛艦(63DDG - 05DDG) - FCS-2-21G - 21H 練習艦「かしま」(04TV) - FCS-2-21F 掃海母艦「ぶんご」(07MST) - FCS-2-22F 訓練支援艦「てんりゅう」(09ATS) - FCS-2-22G
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