FirstClass
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 16:08 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動| 開発元 | SoftArc / Centrinity/ OpenText FirstClass Division |
|---|---|
| 最新版 | クライアント: |
| 対応OS | マルチプラットフォーム (サーバー・クライアント) |
| 種別 | グループウェア |
| ライセンス | プロプライエタリ |
| 公式サイト | FirstClass |
FirstClassはWindows、Macintosh、Linuxで利用できるサーバー・クライアント型のグループウェアで、電子メール、オンライン会議室、ボイス/FAXサービス、BBSを備えている。FirstClassは、大学や小・中・高等学校で高いシェアを持っている。アメリカではトップ10の大きさに入る教育委員会のうちの4つ(ラスベガスのクラーク・カウンティ学校学区、フロリダのブロワード・カウンティ学校区、ヒルズブラー・カウンティ公立学校区、シカゴ公立学校区[2])が利用している。
現在FirstClassはOpen Text社のFirstClass部門が扱っている。クライアント・サーバーどちらもWindows、Mac OS X、Linux上で実行できる。Open Text社によると、FirstClassは3,000以上の団体で利用されており、世界中で900万人のユーザーがいる。[2]
初期の歴史
FirstClassはもともと、SoftArc社の製品である。SoftArc社は、カナダ・トロントのダウンタウンにあったノーテル社のリサーチ部門である、ベル・ノーザン研究所のメンバーであった3人により創設された。兄弟二人とその友人から成るその3人は、Meridian Mailシステムの初期の開発者であり、その開発で成功を収めた彼らは自らをトロント・アイデア・グループと呼称した。経営が軌道に乗ると彼らは退職し、コンサルティング会社としてSoftArc社を設立する。
FirstClassは、スカボロー教育委員会(現トロント教育委員会の一部)で働く家族や友人の要望に応えて開発された。トロント・アイデア・グループは、LAN接続もモデム接続も可能で、GUIを採用し、個人的な電子メールや公のディスカッションエリア(会議室)を利用できる、安価なMacintoshベースの電子メールシステムを探すように頼まれる。掲示板はモデム接続と会議室の条件は満たしていたが、一般的にLAN接続には対応していなかった上に、キャラクターベースであった。MacのGUIベースで、LAN対応の電子メールシステムはたくさんあったが、他のMacの電子メールシステムはモデム対応に乏しく会議室機能を持つものが少なかった。
チームが見つけ出した唯一の製品はTeleFinderで、条件を満たすところまであと一歩だった。しかし、LAN接続するためには、機能拡張し、AppleTalkデータをある種の仮想モデムポートにリダイレクトしなければならないという短所があった。GUIを改良することもできたので、契約を交わしTeleFinderシステムをセットアップしても良かったのだが、チームはより良い新製品を開発することを申し出た。その提案が受け入れられ、1989年にEduNetの取り組みが始まり、1990年に利用が開始された。[1].
FCP(FirstClass Protocol)
FirastClassのオペレーションの鍵となったのは、基礎を成すFCP (FirstClass Protocol)だった。FCPは、トランスポート層の通信プロトコルで、FirstClassにおけるすべての通信で使用される。このプロトコルは、ファイル転送のみならず、すべての動作に対してエラーの無い通信を保証する。FCPは異なる複数の物理層で実行できた。初めはモデムとAppleTalkに対応し、後にNovellのIPXやTCP/IPに対応した。サーバーとクライアントはこれらのどのリンクを通してでも通信できたので、自宅からでもオフィスからでも場所を選ばず、同じサーバーへのアクセスが可能になった。
FCPは、様々なパケットサイズを異なるネットワークプロトコルに合わせる、スライディングウィンドウをベースとした通信を行っていた。後のバージョンで、TCP/IPといったエラーフリーのリンク上で実行する際には、FCP独自のエラー訂正システムを使わないようにすることができるようになった。また、FCPにはBlowfishをベースとする暗号化システムがオプションで実装されていた。これらの機能を使わないようにした場合、FCPは当時主流だった2400bpsのモデムでも良いパフォーマンスを発揮した。
さらにすべてのFCPパケットは、TCP/IPにおけるポート識別と同様の「タスクナンバー」識別名を備えていた。これによりFCPは、それぞれのクライアントとサーバー間でいくつもの仮想リンクを構成することを可能にした。サーバーはマルチスレッドのカーネルを実装し、クライアントに要求されたすべてのタスクに対して新しいスレッドを開いた。ユーザーはメールを読んだり作成したりしながらも、ファイルのアップロードとダウンロードを同時に行うことができた。
BBSの時代
製品名をより一般的なFirstClassに変更した頃から、トロント・アイデア・グループはトロント地区のMacのBBSでFirstClassのデモを行い始めた。[3][4]
カナダ アップル社のマーク・ウィンドリムは、このFirstClassをMagic (the Macintosh Awareness Group in Canada) にセットアップした。カナダのMacユーザーはこの話を聞きつけアカウントを作成し、すぐさまFirstClassはMac愛好家たちの地域最大のBBSとなった。 [5][6]
FirstClassクライアントソフトウェアがマルチスレッドに対応していたため、ユーザーは複数のメールを一度に開きながら、ファイルのアップロードやダウンロードをバックグラウンドで実行することができた。多くのシステムでは、ユーザーはアップロードやダウンロードを一つのファイルごとに行う必要があったが、FirstClassのユーザーは自由にアップロードや書き込みができる完全なモデムチャンネルを手に入れることができた。[2] 1回線で少数のユーザーから始まったMagicは、やがて6000ユーザー、50回線の規模にまで達した。[3]
SoftArc社は、FirstClassへの関心が高まっていることを活かす方法として、BBS管理者に低価格で提供をすることにした。この頃、いくつかのFirstClass BBSシステムは急成長し、AOLの競争相手になると期待されていたバージニアのDigitalNation、バークレー・マッキントッシュ・ユーザーズグループのPlanet BMUG、オレゴン州バンド市のBBS、シリコンバレーのメトロ新聞グループが管理していたVirtual Valleyサービスも含めて、何千ものユーザーに広がった。[要出典]
後にFirstClassソフトウェアには、サーバーを一堂にリンクさせることによって、個々のFirstClassサイトを結び、会議室やメールといったコンテンツを共有できるゲートウェイ機能が組み込まれた。このことは最初はダイアルアップ接続を経由して成し遂げられたことだが、後にインターネット接続を利用して各サイトがリンクされるようになった。アップル社のスコット・コンバースは、OneNetとして知られる世界で最初の、そしておそらく最も広大な、FirstClassをベースとしたネットワークを形成した。[7]
しかし、1994年までにはインターネットが中心になり、1995年くらいにはMacとPCのほとんどすべてのBBSシステムは崩壊してしまった。[8]
企業内電子メールとコラボレーション
90年代の半ばまでに、FirstClassは小規模から中規模対応の内部電子メールシステムに発展したが[4]、そのBBSシステムへの注目は続いていた。[9] Windows用のFirstClassクライアントは、Windows NTをベースとしたサーバーのリリースと共に開発された。
1990年代で、FirstClassはグループウェアの市場で競争力を持つまでに発展した。ある程度成功を収め、1997年にはユーザー数でMicrosoft Exchangeを上回った[要出典]。
FirstClassは2000年までに、インターネット機能とスクリプトによる管理方法を追加したが、Lotus、Microsoftは共にこれらの機能をすでに持っていたため、FirstClassはスクリプトによる管理を行う市場でシェアを獲得できなかった[要出典]。Macの市場シェアも1990年代後半にかけ、主要顧客を失いつつ同様に落ち込んだ。[5] FirstClassシステムの導入を検討していた団体の間でも、(2001年にバージョン6をリリースするまで)しっかりとしたカレンダー機能がFirstClassに無かったので、明らかな不足点となっていた。それでも、2004年にはInternational Data Corporationにより、FirstClassは、統合されたコラボレーション環境における世界の注目ベンダーの一つとして認められた。(トップベンダーではない。).[10]
この頃、FirstClassはサーバーと統合されたボイスメールの機能を追加した。この機能は一般にユニファイドメッセージとして知られ、ユーザーは音声メールやFAX、電子メールを各自のメールボックスで受信できるようになった。
2007年、バージョン9のリリースにおいてユーザーインターフェースのデザインを再構築し、コンプライアンス要求に対応するため、サーバー機能としてポリシーにより自動実行されるアーカイブサービスを追加した。また、Unicodeへの完全対応を行った。[6]
批評
FirstClassはいくつかの領域において批評されている。
- 何年もの間FirstClassは、あまり標準的ではない時代遅れのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を提供していた。これは最近のバージョン(特に9.X)で改善されたが、まだ一部に改善が必要な要素も残っていると言われている。
- ユーザーが個人レベルで電子メールやその他のコンテンツを自分のPCに保存する際、十分な方法が無い。このことは、FirstClassから他のシステムに乗り換える際のデータの移行時に問題となってくる。FirstClassは様々な標準フォーマット(RTF、HTML等)を利用したアーカイブシステムの開発を試み、最終的には、人間が読みとることができ検索も可能なものになった。しかし、他のグループウェアシステムやメールクライアントへのインポートの際に手間がかかってしまう。このように、FirstClassには標準的ではない面もある。
- モバイルデバイスへの対応が遅く、同期や電子メールの機能などは数年遅れていた。しかし、最近のリリースではActiveSyncやSyncMLへの対応を行い、カレンダー、タスク、コンタクトなどの同期ができるようになった。モバイル機器では、通常、FirstClassインターネットサービスを経由して標準のIMAPを利用して取り込むこともできる。2009年の7月にリリースした iPhoneクライアント や、Blackberryでも同様のことが可能である。
- シングルスレッドのサーバー設計は、サーバーマシンのCPUを100%利用してしまう[要出典]などの弊害をもたらし、時代遅れであるとの批判を受けていた。しかし、他の機能も含めたこれらの設計により、コンテキストスイッチが発生しにくいため、FirstClassはその他のグループウェアよりスケーラビリティに優れている。従って、他のシステムではマルチサーバークラスタリングが必要になるような、何万人もの同時アクセスやローディングにも、FirstClassの場合は一つのサーバーで対応できる。2009年の暮れにリリース予定のFirstClass Ver.10では、サーバーは64bit、およびマルチスレッドに対応している。しかしながら、FirstClass Ver.10は高性能なハードウェアが必要な点と[要出典]、32bitのサーバOSに対して互換性を持たない点が批判の対象となっている。
ツール
FirstClassアプリケーションサービス(以前はRAD、Rapid Application Developmentと呼ばれていたもの)により、サードパーティの開発者がFirstClass用のツールやアプリケーションを作成することができる。
会社の歴史
1997年、SoftArc社はバンクーバーの企業から逆買収を行い、Centrinityとしてトロント証券取引所に上場した。[7] 2002年9月に、Open Text社が1シェアにつき1.26カナダドル、つまり1900万カナダドルでCentrinityを買収した。[8] Open Text社は合併を繰り返しながら、オンラインコラボレーション製品の統合ツールを開発していた。そして、FirstClassの教育関係での強力なバックグラウンドが、彼らの他の製品の提供力と合致したのである。当時、彼らはFirstClassと"LiveLink"インターネット情報集約エンジンの統合計画を発表したが[9]、実現されなかった。LiveLinkのアーキテクチャとの兼ね合いで現実的ではなかったと噂されている。
Linux用クライアント
一般にLinux用クライアントの未来には懸念の声もあるが、FirstClassのLinux用のバージョン9.124クライアントは、Macintosh版とWindows版がリリースされて1週間後の、2009年3月26日に一般向けのリリースが始まった。
OpenText社は、Linux用クライアントは英語版のみ提供している。一方Macintosh用とWindows用クライアントは、カナダ英語、イギリス英語に加え、10カ国語にローカライズされている。
日本における販売代理店の変遷
参照
- ^ “OpenText™ FirstClass Client Release Notes 16.115 (PDF)” (英語). 2019年5月3日閲覧。
- ^ a b Maganini, Rich; M. Stevenson and B. Edwards (2007年10月18日). “Chicago Public Schools Selects Open Text’s FirstClass Software for District-Wide Email, Collaboration, Social Networking”. 2008年2月18日閲覧。
- ^ http://www.tranquileye.com/magic/magic_stuff/OneNet_Member_Network.html
- ^ http://biforbusinesspeople.blogspot.com/2008/11/10-questions-with-mark-windrim.html
- ^ http://www.tranquileye.com/magic/magic_stuff/OneNet_Member_Network.html
- ^ http://biforbusinesspeople.blogspot.com/2008/11/10-questions-with-mark-windrim.html
- ^ Scott Converse. “How the OneNet Started”. OneNet.. 2008年8月22日閲覧。
- ^ Statistics Generated by the BBS List
- ^ Nicholas Baran, Businesses Turn to BBSes, Byte, September 1994
- ^ Mark Levitt and Robert P. Mahowald (2004年7月). “Worldwide Integrated Collaborative Environments 2003. Vendor Analysis: How to Keep Moving When Surrounded by ICE (PDF)”. International Data Corporation. 2008年8月22日閲覧。
外部リンク
- 公式サイト
- FirstClass and Supporting Hardware ― Free-Netを運用するためのシステムの一部であった、1996年当時のFirstClassの画面ショットを複数掲載。
FIRSTCLASS
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| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 日本 161-0034 東京都新宿区上落合3-8-25 FLAMP1007 |
| 業種 | サービス業 |
| 代表者 | 吉井一志 / 小林嶺 |
| 資本金 | 500万円 |
| 外部リンク | https://first-class.ne.jp/ |
FIRSTCLASS(ファーストクラス)は株式会社アンダーグルーヴが運営する、出張・宅配専門のブランド品買取サービス。少数精鋭で運営し、HermèsやCHANELといった高級ブランド品の買取に特化したサービスを謳っている[1]。
概要
2018年より東京で出張買取サービスが開始され、翌年1月より全国を対象とした宅配買取サービスを開始[2]。
主な取り扱いは、バーキンやケリーといったバッグをはじめ、時計、財布、アクセサリー、貴金属など[1]。ブランド品に関する情報発信などにも力を入れており、アンケートによる調査などを行い結果を公開している[3]。
沿革
- 2018年9月 - 東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県を中心に出張買取サービスを開始[2]
- 2019年1月 - 全国を対象とした宅配買取サービスを開始[2]
- 2022年2月 - LINE査定を開始[2]
出典
- ^ a b “出張買取FIRSTCLASS(ファーストクラス)”. first-class.ne.jp. 2024年8月23日閲覧。
- ^ a b c d “株式会社アンダーグルーヴ - 中古品リユースサービス「FIRST CLASS(ファーストクラス)」やWEBメディア事業を行なっている会社”. undergroove.co.jp. 2024年8月23日閲覧。
- ^ “腕時計を所有している割合は94%!普段使いしている割合は75%!男性500名にアンケート調査”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2024年3月5日). 2024年8月23日閲覧。
ファーストクラス
(FirstClass から転送)
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ファーストクラス(英: first class)とは、旅客機の最上級客席のことである。
概要
由来
多くの航空用語の例と同じく、元は客船で使われていた用語で、同じく最上級客室のことを指していた。世界の鉄道においても、ファーストクラスカー[注釈 1](一等車)、セカンドクラスカー[注釈 2](二等車)、サードクラスカー[注釈 3](三等車)と分けられていた。日本の旧日本国有鉄道では、1960年まで3等級制、その後1969年まで2等級制を採っていた。現在、主要な国の鉄道では、2等級制が多い。
航空においては、1920年代以降に旅客機による旅行が本格化し、旅客機の収容人数が増えて機内客室がクラス分けされた際に、この名がつけられた。基本的により広い床占有面積を持つシートの提供と、より充実したサービスの提供が行われる。
1950年代前後からのダグラス DC-4Bやブリストル・ブリタニアなどの近代的大型機材の本格導入により、搭乗客数が30人以上となった。これに伴って、ファーストクラスに代表される航空機における複数の座席クラスの提供が本格化した。
また、1940年代までのように単一クラスの提供であった時代は、短距離ならば現在におけるビジネスクラスと同じレベルのサービスと食事が、遠距離ならば、当時航空運賃が非常に高いことも相まって現在のファーストクラスとほぼ同じレベルのサービスが提供されていた。1954年に日本航空が開始した東京-サンフランシスコの定期路線は、21座席全てがファーストクラスとして設定されていた[1]。
変遷
以前は、機内に専用のラウンジを設けたりする一方、座席そのものはエコノミークラスを単に大型化しフットレストを追加した程度のものであった。時代が下るにつれ、座席のリクライニング角度をより深く、占有スペースの大型化やシートピッチの拡大も進められた。1996年には、全日本空輸やエールフランス航空が床面に対して完全に平行になるフルフラットシートを登場させ、間もなくブリティッシュ・エアウェイズにより隣席の無いソロ配置のシートが導入され、次第に1-2-1の横4席配列が主流になった。近年では、競争激化と技術の更新を背景に、競合の多い路線ではほぼ5年-10年程度で新型座席に変更されており、天井までの仕切りと扉を備えた個室型の座席の導入も進んでいる上、日本航空のA350-1000のように、ごく一部の航空会社では1-1-1の横3席配列を導入するケースも登場した。
近年では、ビジネスクラスの競争によるハード・ソフト両面のサービスの向上と、顧客企業の出張コスト削減によるファーストクラスの利用客の減少などにより、ビジネスクラスのサービスの向上と同時にファーストクラスを廃止したり、設定路線を縮小する航空会社も増えている。また、ヴァージン・アトランティック航空のように、「ファーストクラス並みのサービス内容を持つビジネスクラスを提供する」という主張から、はじめからファーストクラスを設定しない航空会社もある。さらに、ファーストクラスを残す選択肢を選んだ会社も、ビジネスクラスの設置スペース拡張やビジネスクラス以上の豪華な仕様にした事もあり、ファーストクラスの座席数は少なめとなる場合が多く、全日本空輸がホノルル行き専用に運用しているエアバスA380では、総2階建てであるがファーストクラスの設定は8名のみと、500人オーバーの定員を鑑みるとかなり少ない設定となっている。
なお、ビジネスクラスやエコノミークラス普通運賃を頻繁に利用する収益性が高い乗客に対しては、マイレージサービスの特典などとして、ファーストクラスの座席を提供する航空会社もある。
域内国際線や国内線の場合
区域内の短距離国際線や国内線の上級客室を「ファーストクラス」という名称で提供している航空会社も多いが、飛行時間が短い事から、シートの大きさやサービス内容が中長距離国際線のビジネスクラスと同程度という場合も多い。
例として、ヴァージン・アトランティック航空系列のヴァージン・アメリカ(2018年4月にアラスカ航空と統合して消滅)も、アメリカ国内線に(親会社の長距離国際線では設置していない)ファーストクラスを設定しており、無料の機内食や130センチを超える前後幅の本革シート、無償の預かり手荷物などのサービスを提供しているが、この座席間隔の数値は親会社のビジネスクラス「アッパークラス」の中距離線のそれに近い。
一方の欧州では域内短距離国際線や国内線でも上級客室が「ファーストクラス」でなく「ビジネスクラス」としている場合が多い。また、この場合「ビジネスクラス」の座席はエコノミークラスのそれと比べて座席間隔が広い程度の違いしかなく、更に3列座席の真ん中の座席を封鎖することで2列座席として使用するなど、座席の機能を利用して簡易的な差異に留める場合が殆どである。
日本において、日本航空が日本国内の8路線(東京/羽田 - 大阪/伊丹線、札幌/新千歳線、福岡線、沖縄/那覇線、広島線、石垣線、大阪/伊丹 - 沖縄/那覇線)に導入している「国内線ファーストクラス」は、日本航空の国内線クラスの3クラスで最上級である。(ただし、羽田-石垣線は期間限定運行)専用カウンターや専用保安検査場、空港ラウンジや預かり手荷物の重量制限の割増、有名レストランや料亭と提携した機内食が提供されるほか、日本の航空会社の国内線として最大の130センチを超える前後幅を持つ本革シートを装備している。2011年よりJRで採用が始まっている「グランクラス」においても、類似したコンセプトの大型シートが導入されている。いずれも、国内線の従来の上級シート(スーパーシートやグリーン車など)より優れるものの、やはり国際線で言えば米国国内線などと同じく中短距離用ビジネスクラスの座席に近いものである。なお、かつてのスーパーシートでは、座席の予約コードが「F」となっている場合があり、旧日本エアシステムが合併まで導入していた3クラス制でも、スーパーシートが最上級客室として扱われていた。
パーソナルテレビは、短距離路線では設置していない会社が多い。
運賃・利用客層
主に国際線の旅客機に設定されており、基本的に、日本 - 東南アジア往復で30万 - 100万円、ヨーロッパ、北部アフリカ方面あるいは北米往復で100万円 - 280万円前後、南米や南部アフリカ方面往復で120万円 - 380万円前後と、エコノミークラスの数倍から20倍程度、ビジネスクラスの2倍から5倍程度の運賃を徴収する[注釈 4]。
日本での利用客層は天皇・皇后以外の内廷皇族と各宮家[注釈 5]、閣僚、衆議院議員・参議院議員、大手企業の役員、会社経営者、学者、宗教指導者、芸能人、プロスポーツ選手と言った人々が大半であり、欧米諸国であれば「ジェット族」と呼ばれるビジネスジェットを保有するセレブリティが主である。コラムニストの尾藤克之は航空会社を退職した元CAが間違ったファーストクラス像をつくり出していると指摘した[2]。
基本サービス
(航空会社、路線により異なる)
地上
- マイレージポイントの割増
- 空港からホテルなどへの無料送迎
- 多くの航空会社は、空港と都心部の間のハイヤーによる無償送迎を提供している。
- 事前の座席指定
- 専用チェックインカウンターの使用
- 専用出入国審査場あるいは優先通関レーンの使用
- チェックインカウンター手続時間締切の優遇
- 受託手荷物の重量制限緩和
- 到着時に優先で受託手荷物を受け取れる荷札
- 出発地・到着地空港の専用空港ラウンジの使用
- 専用ラウンジ内のビジネスセンターやバスルームの無償提供。
- 機内への最優先搭乗および到着地での最優先降機
- 到着時のゲートまでのカートによる出迎え
航空会社によって多種多様なサービスが用意されるが、空港内での待ち時間を充実、もしくは短縮するサービスを提供する航空会社が多い。
機内
ビジネスクラス利用の顧客に対する優遇サービス的な側面も持つため、ビジネスクラスのサービスの個々の質を更に上げたものを提供しているケースが多い。
- 機体前部に設けられた専用コンパートメント
- 150 - 210センチメートルのピッチを持ち、床に対し水平(フルフラット)になる専用リクライニングシート。エティハド航空 エアバスA380の「レジデンス」では座席の他に専用のベッドが別に設けられている。
- 床下も専用のカーペットが使用される。
- 羽毛布団や座席の凹凸を少なくする就寝用のシーツ、ナイトガウンの貸与
- 有名化粧品ブランドの特別に選ばれたアメニティセット
- 15 - 23インチのサイズを持つパーソナルTV、内部プログラムのうち、映画や音楽は好きな時間に進めたり巻き戻しも可能
- 専門の訓練を受けた客室乗務員によるサービス(客室乗務員1人当たりの乗客担当人数の数が少ない)
- アラカルトで選べる機内食。高級ワインやシャンパンなどの酒の提供。一部の航空会社では数十種類のラインナップがある専用のメニューから好きな物を事前にリクエスト出来るケースも有る。
- 機内食は料理協会や高級ホテルの料理人を監修として招いている事が多い。
- 日米などの国内線では、普通席並びに中間クラスでは提供されない、機内食ならびにシャンパンなどのアルコール飲料が無料で提供される。
- 専用の機内トイレ。エミレーツ航空とエティハド航空のA380型機には専用の機内トイレ内に専用のシャワーブースが有る。
- シートピッチ、モニターの一例
- 中国国際航空「ファーストクラス」シート(全路線)が、150 cm/モニター9インチ[3]
- ユナイテッド航空「ユナイテッド・ファースト・スイート」シート(長距離路線)が、1927nbsp;cm/モニター19インチ[4]
- カタール航空「ファーストクラス」シート(長距離路線)が、200 cm/モニター15インチ[5]
- シンガポール航空「シンガポール航空スイート」シート(長距離路線、エアバスA380型機)が、205 cm/モニター23インチ[6]
- スイス インターナショナル エアラインズ「ファースト・クラス」シート(長距離路線)が211 cm/モニター19インチ[7]
- 日本航空「JALスイート」シート(長距離路線)が、211 cm/モニター19インチ[8]
日本航空やカタール航空、エールフランスなどのファーストクラスは、シートと通路の間に胸の高さ程度の仕切りがあり「ソロ仕様」と呼ばれる。また、エミレーツ航空のエアバスA340-500型機、B777型機、A380型機や、シンガポール航空のA380型機やエティハド航空などの一部の航空会社のファーストクラスは、シートと通路の間に扉と身長程度の仕切りがあり、個室に近い空間である。
ファーストクラスが設定されている航空会社(目安)
- (路線によっては設定していない)
- (以下に示すのは国際線のみ)
- 記号なし:全機にファーストクラスあり
- ★:一部機体のみファーストクラスあり
- アジア
-
日本航空(JAL)
- 「ファーストクラス」
- (A350-1000)
- 「JAL SUITE」
- (B777-300ER)
-
全日本空輸(ANA)
- 「THE Suite」
- (★B777-300ER)
- 「ANA FIRST SQUARE」
- (★B777-300ER)
- 「ファーストクラス」
- (A380-800)
-
大韓航空(KAL)
- 「コスモ・スイート 2.0」
- (B747-8I, ★B777-300ER)
- 「コスモ・スイート」
- (A380-800, ★B777-300ER)
-
スターラックス航空(SJX)
- 「ファーストクラス」
- (A350-900)
-
中国国際航空(CCA)
- 「フォービドゥン・パビリオン・ファーストクラス」
- (B747-400, B747-8I, ★B777-300ER)
-
中国東方航空(CES)
- 「ファーストクラス」
- (A350-900, B777-300ER, B787-9)
-
中国南方航空(CSN)
- 「ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
-
厦門航空(CXA)
- 「ファーストクラス」
- (B787-8)
-
上海航空(CSH)
- 「ファーストクラス」
- (B787-9)
-
キャセイパシフィック航空(CPA)
- 「ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
-
シンガポール航空(SIA)
- 「スイートクラス」
- (A380-800)
- 「ファーストクラス」
- (B777-300ER)
-
ガルーダ・インドネシア航空(GIA)
- 「ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
-
タイ国際航空(THA)
- 「ロイヤル・ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
-
エア・インディア(AIC)
- 「マハラジャ・クラス」
- (B777-300ER)
- 中東
-
エミレーツ航空(UAE)
- 「ファーストクラス」
- (★A380-800, ★B777-300ER)
-
エティハド航空(ETD)
- 「ダイヤモンド・ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
-
「ファースト・アパートメント
&ザ・レジデンス」 - (A380-800)
- 「ファースト・スイート」
- (A321LR, ★B787-9)
-
クウェート航空(KAC)
- 「ファーストクラス」
- (B777-300ER)
-
オマーン・エア(OMA)
- 「ファーストクラス」
- (★B787-9)
-
カタール航空(QTR)
- 「ファーストクラス」
- (A380-800, ★B777-300ER)
-
サウディア(SVA)
- 「ファーストクラス」
- (★B777-300ER)
- ヨーロッパ
-
エールフランス航空(AFR)
- 「ラ・プルミエール」
- (★B777-300ER)
-
ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW)
- 「ファーストクラス」
- (A380-800, ★B777-200ER, B777-300ER, B787-9, B787-10)
-
ルフトハンザドイツ航空(DLH)
- 「ルフトハンザ・アレグリス・ファーストクラス」
- (★A350-900)
- 「ファーストクラス」
- (A340-600, A380-800, B747-8I)
-
スイス インターナショナル エアラインズ(SWR)
- 「スイス・ファーストクラス」
- (A330-300, A340-300, A350-900, B777-300ER)
- 南北アメリカ
-
アメリカン航空(AAL)
- 「フラグシップ・ファースト」
- (★B777-300ER)
- オセアニア
-
カンタス航空(QFA)
- 「ファーストクラス」
- (A380-800)
- アフリカ
-
TAAGアンゴラ航空(DTA)
- 「ファーストクラス」
- (B777-300ER)
-
エール・コートジボワール(VRE)
- 「ファーストクラス」
- (A330-900neo)
-
エールフランスの「ラ・プルミエール」
-
カタール航空のファーストクラス
-
エミレーツ航空の「プライベート・スイート」
-
日本航空の「JALファーストクラス」
-
キャセイパシフィック航空のファーストクラス
-
シンガポール航空のファーストクラス
(終了済み)
脚注
注釈
出典
- ^ “ビジネス特集 65年でどう進化?ビジネス・ファーストの旅 | NHKニュース”. www3.nhk.or.jp (2019年7月26日). 2019年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月27日閲覧。
- ^ “ファーストクラスをことさらにヨイショする日本の不思議 | オトナンサー”. otonanswer.jp (2021年11月13日). 2021年12月16日閲覧。
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関連項目
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