Deprecated: The each() function is deprecated. This message will be suppressed on further calls in /home/zhenxiangba/zhenxiangba.com/public_html/phproxy-improved-master/index.php on line 456
GiveWellとは - わかりやすく解説 Weblio辞書
[go: Go Back, main page]

GiveWellとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > GiveWellの意味・解説 

GiveWell

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/19 15:52 UTC 版)

GiveWell
GiveWell
設立 2007年
設立者 ホールデン・カルノフスキー、イーライ・ハッセンフェルド
種類 非営利組織501(c)(3)
目的 最もコスト効果の高い慈善団体の調査・推薦
所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ
重要人物 イーライ・ハッセンフェルド(エグゼクティブ・ディレクター)
ウェブサイト www.givewell.org
テンプレートを表示

GiveWell(ギブウェル)は、アメリカ合衆国を拠点とする独立した非営利の慈善団体評価機関である。法人名は「The Clear Fund」(クリアファンド)といい、米国では501(c)(3)の免税公益法人として認定されており、オランダでは公益法人(Public Benefit Organization)として、英国ではGiveWell UKとして登録されている[1]

GiveWellの使命は、寄付一ドルあたりでできる限り多くの人命を救い、あるいは生活を改善できる慈善団体を推薦することである。同団体は、調査・評価の全過程を無償で一般公開しており、毎年更新される「トップチャリティ」リストを発表している[2]

GiveWellによれば、これまでに150,000人以上の寄付者を支援し、推薦先団体へ計26億ドル以上を誘導したとされる。同団体のコスト効果分析にもとづく推計では、これらの寄付により340,000人以上の死亡を回避したとされている[3]

歴史

設立

2006年、ホールデン・カルノフスキー とイーライ・ハッセンフェルドはともに投資運用会社ブリッジウォーター・アソシエイツに勤務しており、同社の同僚たちとともにどの慈善団体に寄付すべきかを検討する非公式のグループを立ち上げた[4]。2007年、このグループのうちカルノフスキーとハッセンフェルドの2名がブリッジウォーターを退職し、同僚から集めた30万ドルの資金を元手に、GiveWellをフルタイムの事業として立ち上げた[5]

設立当初、カルノフスキーとハッセンフェルドは、慈善団体が管理費・人件費・記録管理といった間接費(オーバーヘッド)に積極的に投資すべきだという立場を主張した。これは、寄付金のうち直接活動に充てられる割合を重視する当時の一般的な評価基準に反するものであった。また、GiveWellが掲げる意思決定の透明性——詳細な根拠の公開や、自らの「失敗事例」を記録するページの設置——は、ブリッジウォーターの組織文化に由来するとされている[6]

ソックパペット問題(2007年)

2007年12月、GiveWellはメディアに取り上げられて注目を集めたが、カルノフスキーとハッセンフェルドが、オンラインフォーラムやブログで架空名義(ソックパペット)でGiveWellを宣伝していたことが露見した[7]

GiveWellの理事会は、カルノフスキーを事務局長から降格させ、両名それぞれに5,000ドルの制裁金を科した[8]。2009年、理事会の条件をカルノフスキーとハッセンフェルドが満たしたと認められ、両名は共同事務局長として復帰した[9]

ウィリアム・アンド・フローラ・ヒューレット財団との関係

GiveWellは2008年以降、ウィリアム・アンド・フローラ・ヒューレット財団のノンプロフィット・マーケットプレイス・イニシアティブ(非営利市場活性化構想)が主要な資金提供者であったが、2014年3月、ヒューレット財団はNMIを終了すると発表した。財団が委託した2010年の調査によれば、寄付者がパフォーマンス指標にもとづいて慈善団体を選ぶ割合はわずか3%にとどまっており、2012年の追跡調査でも改善は見られなかったことが終了の理由とされた[10]

グッド・ベンチャーズおよびオープン・フィランソロピーとの関係

2011年、フェイスブック共同創業者のダスティン・モスコヴィッツとその妻カーリー・ツナが設立した慈善財団グッド・ベンチャーズがGiveWellと連携を開始し、GiveWellの研究を参照した形で大規模な寄付を実施するようになった[11]。この協力関係から「GiveWell Labs」(後に「オープン・フィランソロピー・プロジェクト」と改称)が誕生し、GiveWellがこれまで主眼を置いていたグローバルヘルス以外の分野——刑事司法改革、人工知能安全性、バイオセキュリティなど——にも調査対象を広げた[12]

2017年、オープン・フィランソロピーはGiveWellから独立した別法人となった。これに伴い、カルノフスキーは共同事務局長を退き、ハッセンフェルドが単独の事務局長に就任した[13]。2025年11月、オープン・フィランソロピーは「コエフィシェント・ギビング(Coefficient Giving)」へと改称した[14]

近年の動向

2025年、GiveWellはUSAIDへの予算削減への対応として緊急対応基金を設置し、3,900万ドルを失われた援助プログラムへ拠出した[15]。2024年(メトリクス年:2024年2月〜2025年1月)には30,000人以上の寄付者から4億1,500万ドルを調達し、55の助成金を34団体へ交付した。GiveWellの推計によれば、これらの助成を通じて約3,400万人に支援が届いた[16]

評価手法

GiveWellは、大量の慈善団体を短時間で簡易的にレビューし、その中から有望なプログラムに対してより深い調査を実施するというファネル方式(漏斗型)のプロセスを採用している[17]。トップチャリティとして推薦するための基準は以下の4つである[18]

  • 有効性のエビデンス:対象プログラムが人々の生活改善に有効であることを示す、無作為化比較試験(RCT)などの厳密な独立研究が存在すること。
  • コスト効果:寄付一ドルあたりで救える命の数や得られる経済的恩恵など、具体的な指標で測定できること。
  • 追加資金の活用余地:団体が追加の寄付を生産的に活用できる能力を有していること。
  • 透明性:GiveWellが団体の活動・財務・計画を深く理解できるだけの情報開示が行われていること。

GiveWellは、無作為化比較試験(RCT)を因果関係の証明に関する「ゴールドスタンダード」として重視し、コクラン・ライブラリのメタ分析やアブドゥル・ラティフ・ジャミール貧困行動ラボ(J-PAL)の研究なども参照する[19]。評価の全過程と推論の根拠は一般に公開されており、GiveWellが認識した自らの調査上の誤りを掲載するページ(「Our Mistakes」)も設けられている[20]

トップチャリティ

GiveWellは毎年、コスト効果と証拠の質にもとづいて「トップチャリティ」リストを更新・発表している。推薦先は開発途上国における健康改善・貧困削減に取り組む団体が中心であり、これらは「先進国で同様の支援を行うよりも、途上国での支援の方が一ドルあたりの効果が大きい」というGiveWellの判断にもとづいている[21]

2026年3月時点のトップチャリティは以下の4団体のプログラムである[22]

  • マラリア・コンソーシアム(Malaria Consortium)の季節性マラリア化学的予防投与プログラム
  • アゲインスト・マラリア・ファウンデーション(Against Malaria Foundation)の長期残効型殺虫剤処理蚊帳配布プログラム
  • ヘレン・ケラー・インターナショナル(Helen Keller International)のビタミンA補給プログラム
  • ニュー・インセンティブス(New Incentives)の乳幼児ワクチン接種促進のための条件付き現金給付プログラム(ナイジェリア北部)

GiveWellは1人の命を救うコストを平均して5,000ドル前後と推計している[23]

寄付基金

GiveWellは寄付者向けに複数の給付基金を設けており、受け取った寄付のうちGiveWellの運営費を除く100%が手数料なしで各団体へ拠出される[24]

  • トップチャリティ基金(Top Charities Fund):4つのトップチャリティの中で最も優先度が高い資金ニーズへ四半期ごとに配分される。エビデンスへの信頼度が高い寄付者向けの選択肢。
  • 全助成基金(All Grants Fund):GiveWellのコスト効果基準を満たすすべての助成機会に配分される。トップチャリティ基金よりもリスクがあるが、より高いコスト効果が得られる可能性がある。
  • 非制限基金(Unrestricted Fund):GiveWellのあらゆる優先事項——助成活動および組織運営を含む——に充当される。

批判

哲学者でキングス・カレッジ・ロンドン教授のレイフ・ウェナーは、2024年にWired誌に掲載した論考「効果的利他主義の死(The Deaths of Effective Altruism)」において、GiveWellが推薦する慈善団体の活動がもたらすリスクや悪影響についての情報を読者に十分に伝えていないと批判した[25]。これに対してGiveWellは、調査においてすでに悪影響や意図せぬ結果の可能性を検討しており、推薦判断にその要素を組み込んでいると反論している[26]

また、設立直後の2007年にカーノフスキーとハッセンフェルドがオンラインフォーラムにてソックパペットで自己宣伝したことは、GiveWellが掲げる透明性・誠実性という理念と矛盾するとして批判を受けた[27]

効果的利他主義との関係

GiveWellは効果的利他主義(EA: Effective Altruism)運動の中核的組織のひとつとして広く位置づけられている。2013年にGiveWellはサンフランシスコへオフィスを移転したが、これはシリコンバレーで効果的利他主義の理念への支持が強まっていたことを背景としている[28]。また、非営利キャリア支援組織80,000アワーズはGiveWellを「世界有数の慈善団体評価機関」と評している[29]

関連項目

脚注

  1. ^ GiveWell: Charity Reviews and Research”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  2. ^ GiveWell: Charity Reviews and Research”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  3. ^ GiveWell: Charity Reviews and Research”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  4. ^ Our Story”. GiveWell (2018年2月). 2026年3月19日閲覧。
  5. ^ Our Story”. GiveWell (2018年2月). 2026年3月19日閲覧。
  6. ^ Our Story”. GiveWell (2018年2月). 2026年3月19日閲覧。
  7. ^ Full account of GiveWell staff's inappropriate online promotion in December 2007”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  8. ^ GiveWell in turmoil after 'horrible lapse of judgement' by founders”. Alliance Magazine. 2026年3月19日閲覧。
  9. ^ After Controversy, Charity-Evaluation Group Rethinks Its Own Operations”. The Chronicle of Philanthropy. 2026年3月19日閲覧。
  10. ^ Thoughts on the end of Hewlett's Nonprofit Marketplace Initiative”. The GiveWell Blog (2014年8月5日). 2026年3月19日閲覧。
  11. ^ Our History”. Coefficient Giving. 2026年3月19日閲覧。
  12. ^ The Relationship Between GiveWell and Coefficient Giving”. GiveWell (2025年12月). 2026年3月19日閲覧。
  13. ^ The Relationship Between GiveWell and Coefficient Giving”. GiveWell (2025年12月). 2026年3月19日閲覧。
  14. ^ Our History”. Coefficient Giving. 2026年3月19日閲覧。
  15. ^ Help us respond to an uncertain future for global health”. The GiveWell Blog (2025年11月24日). 2026年3月19日閲覧。
  16. ^ GiveWell's 2024 Metrics and Impact”. The GiveWell Blog (2025年8月13日). 2026年3月19日閲覧。
  17. ^ Process for Identifying Top Charities”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  18. ^ Our Criteria”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  19. ^ Research on Programs”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  20. ^ Our Mistakes”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  21. ^ Our Top Charities”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  22. ^ Our Top Charities”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  23. ^ Our Top Charities”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  24. ^ GiveWell: Charity Reviews and Research”. GiveWell. 2026年3月19日閲覧。
  25. ^ Linkpost: Leif Wenar's "The Deaths of Effective Altruism"”. EA Forum (2024年3月27日). 2026年3月19日閲覧。
  26. ^ Linkpost: Leif Wenar's "The Deaths of Effective Altruism"”. EA Forum (2024年3月27日). 2026年3月19日閲覧。
  27. ^ When the Giving Gets Tough”. Fast Company. 2026年3月19日閲覧。
  28. ^ Our Story”. GiveWell (2018年2月). 2026年3月19日閲覧。
  29. ^ Timeline of GiveWell”. Timelines Wiki. 2026年3月19日閲覧。

外部リンク




英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語
  •  GiveWellのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「GiveWell」の関連用語

GiveWellのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



GiveWellのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのGiveWell (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS