HIV-1 ウイルスの侵入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:14 UTC 版)
「ビクリビロク」の記事における「HIV-1 ウイルスの侵入」の解説
HIVが標的となるT細胞やマクロファージに結合する際は、ウイルスエンベロープ表面に存在するgp120とgp41タンパクが用いられる。gp120とgp41はエンベロープ上で互いに非共有結合し、3対が集合してgp120/gp41ヘテロ三量体を形成する。この時gp41は構造的に準安定状態となる。 膜融合は、標的細胞の表面に発現する糖タンパク質であるCD4にgp120が結合することで始まる。結合後にgp120は構造変化を起こし、gp120上に共役受容体結合部位が形成される。すべてのHIV-1株は、CCR5またはCXCR4の2つの共役受容体のいずれかを使用する。gp120が受容体に結合するとgp41は準安定状態から解放されて構造変化を起こし、その疎水性のN末端(融合ドメインとも呼ばれる)を宿主細胞膜に挿入してウイルスを固定する。その後gp41タンパク質に構造変化が起こり、HR1・HR2の2つの三量体コイルドコイルがより合わさって6本のヘリックスの束が形成される。この過程でウイルス膜と細胞膜が引き寄せられ融合し、ウイルスゲノムが細胞質内に放出される。
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