Hookah Rap
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/11 09:14 UTC 版)
| Hookah Rap | |
|---|---|
| 現地名 | Кальянный рэп, кальян-рэп, шиша-рэп |
| 様式的起源 |
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| 文化的起源 | 2010年代中期, |
| 使用楽器 | |
Hookah Rap、またはHookah Popとは、2010年代中期のロシアで誕生し2010年代後期に旧ソ連諸国に渡って広まった、Russian rapまたはRussian popと呼ばれるジャンルのひとつである。
スタイルと歴史
Hookah Rapは、はっきりとした定義を持たない。しかしながら、コーカサス地方の近代的な美学と音楽の密接な繋がりを認めることができ、ときにアラブ音楽や中東の音楽、中央アジアの音楽からのメロディーの借用が見られる。また、エストラーダがそうであったように、ヒップホップ・ミュージックやトラップ・ミュージック、ハウス・ミュージックなどの2010年代中期から後期にかけて流行した様々なジャンルのスタイルを越境的に取り入れている。
ロシアのラッパーであるRem Diggaが2012年に発表したアルバム『Chernika (transl. Blueberry) 』は、Hookah rapの先駆け的作品とされている[1]。
Hookah rapの起源は2014年に遡り、ジャー・カリブはこのジャンルの創始者とされている[1] 。彼の音楽は、ドレイクのような快楽主義的な歌詞と、没入的な独特のメロディーによって特徴づけられる[1]。彼は『Leyla』や『Medina』、『Sozvezdiye angela』、その他にも様々なHookah Rapのヒット曲を発表した[1]。
2016年、ディープ・ハウスのベースラインをまねたトラックを用いるハウス・ラップの人気がピークに達していた。ラップ・デュオのMiyaGi & Andy Panda は、彼らの楽曲『Tamada』でHookah Rapとこのトレンドとの融合を試みた。この楽曲はHookah Rapにおける最初のヒット曲のひとつとなった。[1] その後、このスタイルは段々とHookah Rapというジャンルを覆うようになった。
2017年、ラップ・デュオのHammAli & Navaiは、Hookah Rapにおいて最もヒットした楽曲となる『Khochesh, ya k tebe priyedu』を発表した[1]。その後の2018年、彼らはこのジャンルを確立した者たちとして名を上げた[2][3]。最初の「Hookah Rap」という用語の使用もまた、同年の彼らに遡るとされる[1]。しかし、その用語自体の普及はAtlantic Records Russiaの代表であるBahh Teeによってなされた[4]。コメルサント紙のジャーナリストであるBoris Barabanovによれば、2019年のロシアにおいて最も人気のスタイルであったとされている[5]。
反応
ロシアの音楽メディア『TheFlow.ru』の編集長Nikolay Redkinは、Hookah rapについて以下のように述べている。
"Hookah Rapには数多くの一発屋がいる。アーティストがどこからか現れては、またどこかへと消えていく音楽だ。このジャンルはアルバムという媒体では成り立たない。"—Nikolai Redkin、"Hookah Rap":とにかくすべての人に憎まれ、とにかくすべての人に聴かれているジャンル (Nikolai Redkin, ИМИ[6])
2020年には、Bahh Teeは「Hookah rapはメインストリームの音楽へと均質化されてしまい、今となってはメインストリームとは違う様式を持った何かとして見つけ出すことはできない」と主張した[7]。
特徴
Hookah Rapは以下の特徴によって特徴づけられる。しかしながら、なにかひとつの強固な方向性が存在する訳ではない。
- ロシア語で歌唱されること。
- コーカサス地方や中央アジアの訛り、或いはその意図的な模倣。
- ボーカルは、不明瞭な発声(マンブル・ラップ)とピッチ補正の多用 (オートチューン)をしていること。
- アラブ音楽を思い出させるようなメロディライン。
- リズミカルにするために、ヒップホップやトラップのビート、レゲトンのデムボウ・ビートも使用する場合がある。 しかし、大抵の場合はハウス・ミュージックの影響で4つ打ちのドラムパターンが用いられる。
- Hookah Rapにおけるラップは一般に柔らかな印象をもつ。 これはメイハナからの影響である。
- 数多くの楽曲において、ソウル・ミュージック に似たクリーンなボーカルの存在感が認められる。
- 楽曲の主題は伝統的なヒップホップのそれとは類似せず、その特徴も示さない。これらは報われない恋や幸福の願望のような、ポップ・ミュージックに典型的に用いられるような主題が用いられる。一部の楽曲では、ネオンサインの美しさや夜の生活、クラブハウスが魅惑的に描写されている。概して、歌詞の主題は非常に多様である。
脚注
- ^ a b c d e f g Редькин (2021年12月9日). “20 главных песен кальян-рэпа” (ロシア語). Teletype. 2022年10月19日閲覧。
- ^ Томилина (2020年11月26日). “Idris & Leos: "Кальян-рэп ближе людям, чем "хайповый" хип-хоп" • ТНТ MUSIC — Здесь твоя музыка” (ロシア語). tntmusic.ru. 2022年4月2日閲覧。
- ^ Грудина (2022年2月2日). “С дымком: что такое "кальянный рэп" и кто из звезд ввел его в моду” (ロシア語). The Voice. 2022年10月19日閲覧。
- ^ “Что такое "кальян-рэп", почему его хейтят и не ходят на концерты” (ロシア語). The-Flow.ru (2019年2月20日). 2022年4月2日閲覧。
- ^ Барабанов (2019年12月31日). “Слушая 2019–й” (ロシア語). www.kommersant.ru. 2022年4月2日閲覧。
- ^ (英語) Николай Редькин // "Кальян-рэп": жанр, который все ненавидят и все равно слушают, (3 June 2020) 2022年4月4日閲覧。
- ^ Кучников (2020年12月11日). “Бизнес Zhara Music, победа кальян-рэпа, "художник должен быть голодным": главное из документалки о Bahh Tee • ТНТ MUSIC — Здесь твоя музыка” (ロシア語). tntmusic.ru. 2022年4月2日閲覧。
関連項目
- ロシアのヒップホップ
- メイハナ
外部リンク
- Hookah Rapのページへのリンク