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ocean linerとは? わかりやすく解説

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オーシャン・ライナー

(ocean liner から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/02/26 15:35 UTC 版)

クイーン・エリザベス2

オーシャン・ライナー英語: Ocean liner)は、スケジュールに従って大洋を渡るである。定期航路に就いた旅客船貨客船を指し、旅客輸送郵便物輸送、貨物輸送を行う。遠洋定期船(えんようていきせん)や大洋航路船(たいようこうろせん)とも呼ばれる。

概要

オーシャン・ライナーは太平洋大西洋といった大洋を渡るため、蒸気タービンを搭載した大型の船であり、すなわち大陸間の遠距離を乗客や郵便物を運ぶことを目的との一つとする船、航路のことを指す。したがって、比較的近距離を運航されるフェリー、観光目的に周遊路を運航されるクルーズ船や、貨物船は含まれない。そのため、外洋において波浪や不測の事態に耐えるため強固に建造され、数日や数週の航海で消耗する燃料やその他物資を搭載するため、搭載能力が大きい。中国では「ロイヤル郵便船」、「遠洋定期船」、「クルーズ船」は読み方が似ているため、官営メディアに混同されて「クルーズ船」と呼ばれているが、これは正確な呼称ではない[要出典]

記録として残っている範囲では、1492年にクリストファー・コロンブスが大西洋を横断してサン・サルバドル島まで至った航海はあるが、これは2ヶ月ほど要した。大西洋航路を開拓するようになったのは1838年のことで、グレート・ウェスタンシリウスのような蒸気船によって2週間へと短縮された。そこからグレート・ウェスタン鉄道ホワイト・スター・ラインキュナード・ライン、ハンブルク・アメリカ(ハパックロイド)らによる競争の時代があった。

20世紀において1900年に就役したドイッチュラント、1907年のモーリタニアルシタニアらが競ったが、2度に渡る世界大戦でオーシャン・ライナーは軍隊に徴用された。これらは軍隊輸送船などとして使用され、多くが乗組員と共に戦没した。

戦後、1952年に登場したユナイテッド・ステーツによって記録が更新された。現在、1998年のウォータージェット推進を搭載したキャットリンク5が記録を保持しているが、蒸気機関ではないことから依然としてユナイテッド・ステーツが最速だという主張も根強い[1]

オーシャン・ライナーのような大型船では舷窓に面していない内部空間の割合が多く通風などに制約があり、快速発揮のための強大な機関からの振動や騒音や熱も加わり居住性に劣る区画が少なくなく、第二次世界大戦前、遠航旅客の花形だった時代に豪奢さを競った船も、多くは貨客船であった。しかし貨物便でも当時の低速な一般の貨物船や、積載量の乏しい航空貨物に比べると、オーシャン・ライナーの速達便は余技や苦肉の策という面にとどまらない競争力があった。

1958年10月26日パンアメリカン航空ボーイング707によりニューヨークアイドルワイルド国際空港)-パリオルリー空港)線に就航して以降、競合する航空路線が多数開設されたことでオーシャン・ライナーは収益が悪化し、多くの会社は旅客の定期航路を廃止した。

21世紀になっても大西洋を横断する定期航路に就航していたのはクイーン・エリザベス2クイーン・メリー2であったが他の航路にも投入されている時も多く、純粋なオーシャン・ライナーはセントヘレナのみであったが、2018年にこれも廃止された。

定期航路の始まり

遠洋航路を切り開いたのはピューリタンといった宗教的問題、産業革命による社会構造変化など理由は様々だったが、先駆けとなったのはメイフラワー号だったとされる。18世紀には大英帝国が世界中の航路を開拓し、東インド会社没落の後はアフリカ航路をユニオン・ライン、カールス・ライン、太平洋航路をP&O、オリエント・ライン、インド航路をP&O、B&I、香港及び上海と日本航路をP&Oが担った。帆船だった船も蒸気機関の登場によって蒸気船の導入が始まったが、ラトラー対アレクトが決定打となり、蒸気船の普及が進んだ[2]

19世紀に入るとロンドン・アンド・バーミンガム鉄道英語版の支援を受けたジュニアス・スミス率いるブリティッシュ・スチーム・ナビゲーション・カンパニー英語版グレート・ウェスタン鉄道イザムバード・キングダム・ブルネル率いるGWSNが大西洋航路へ力を入れ始めたが、プレジデント号の遭難事故があったブリティッシュ・スチーム・ナビゲーション・カンパニーは破産し、これをキュナード・ラインが引き継いだ[3]。キュナード・ラインのサミュエル・キュナードは絶妙なタイミングでの事業を開始となり、政府の郵便船事業受注を皮切りに造船業の重鎮ロバート・ネイピア英語版の支援を取り付けた[4]

19世紀の半ばには蒸気船が主流となったが、遠洋航路を征く蒸気船は大量の石炭を搭載し、船自体も小型であったことから乗客や貨物のスペースには制約があった。帆船で40日かかった航海が2週間に短縮されたとはいえ、冷蔵庫があったわけでなく、肉などは塩漬けにして貯蔵させる技術しかなかった。3等客室にいたっては帆船時代と大差なく、キャンバスを張った壁面棚(蚕棚)だった。アメリカ大陸からヨーロッパへの復路には家畜や小麦を3等客室に積み込んでいた。この方式は20世紀後半まで極東航路、南米航路で続いた。上等客室は中央の上甲板をあてがわれ、スペースは十分にあったが、そこには外輪が大きな音をたてて回転していたことから、快適といえるような環境ではなかった[5]

1839年にフランシス・スミス英語版が小型船の実験を経て、木造船アーキメーデス号英語版に改良型のスクリューを取り付け、オランダからポルトガルまで航海してイギリス海軍省から認められた。また、イザムバード・キングダム・ブルネルが1843年に完成させたグレート・ブリテン号英語版がスクリュー推進を採用した史上初の大西洋横断船となった[6]。スクリュー推進を採用した蒸気船の恩恵は推進効率の向上によって速度が上がっただけではなかった。より小さな馬力で同じ大きさの外輪船を動かせたことで、石炭の消費は半分ほどに減ったことから決定的に有利だった[7]

蒸気タービン式であっても石炭を搭載するバンカースペースを乗客、貨物に割り振れるようになり、馬力が小さくても済むということはボイラーの数を減らし、かま焚きの人員を減らすこともできた。遠洋航路に就く船が増え、大型化が進んだ頃に推進効率の向上はエンジン制作費にも好都合に働いた[7]

郵便船

セントヘレナ島ジュームズ湾に碇泊中のセントヘレナ号

ロイヤル・メール・シップ(Royal Mail Ship 王立郵便船)は、ロイヤルメールとの契約により郵便物の輸送に使用される船舶に使用される艦船接頭辞である。RMSとして指定された船舶は、航海時にロイヤルメールのペナントを掲げる事とロイヤルメールの"王冠"のロゴを含む識別標識の両方もしくはどちらかを掲げる権利を有し[8][9][10]、1840年から指定された[11]。多くの船舶に使用されたが大半は郵便輸送の割合が多いキュナード・ライン[8][12]ロイヤル・メール・ライン英語版ユニオン=キャッスル・ラインと関係していて伝統的にこれらの会社の多くの船舶が"RMS"を冠している。

カナダ太平洋鉄道の太平洋横断航路においても、RMS エンプレス・オブ・ジャパン英語版(RMS Empress of Japan)、RMS エンプレス・オブ・チャイナ英語版(RMS Empress of China)、RMS エンプレス・オブ・インディア英語版(RMS Empress of India)の3隻が建造され、1891年からバンクーバーとアジアの各地の定期便の運航を開始した[13]

2016年6月の時点で、定期航路に就航しているロイヤルメールシップはセントヘレナ号(RMS St Helena)のみで、南アフリカ共和国ケープタウンセントヘレナおよびアセンション島を結ぶのが基本的な航海日程であるが、年に2回イギリス本土ドーセット州ポートランドまでの航海が行われていた。しかし、セントヘレナ空港の開港に伴い、2018年2月10日にセントヘレナ島からケープタウンへの航海をもって退役した[14]

脚注

  1. ^ ““強きアメリカ”象徴の船、復活か いまだ“最速”の称号持つ64歳”. 乗りものニュース. (2016年3月5日). https://trafficnews.jp/post/49156/ 
  2. ^ 野間 2018, pp. 13–14.
  3. ^ 野間 2018, pp. 33–34.
  4. ^ 野間 2018, p. 35.
  5. ^ 野間 2018, p. 39.
  6. ^ 野間 2018, p. 40.
  7. ^ a b 野間 2018, p. 43.
  8. ^ a b Royal Mails employees Courier newspaper page 20 August 2007
  9. ^ QM2
  10. ^ United Kingdom - Royal Mail
  11. ^ 「タイムズ」の最初の引用は1840年8月18日からである。
  12. ^ Maxtone-Graham, John et al.(2004). Queen Mary 2, p. 184.
  13. ^ Kennedy, John.(1903). The History of Steam Navigation, pp. 147- 151.
  14. ^ Schedules & Fares - RMS St Helena(英語)”. RMS St Helena. 2016年10月23日閲覧。

参考文献

外部リンク


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