ポールポジション
サーキットレースにおいて、スタート隊列の先頭の位置。通常は予選タイムの順にスタート位置が決まるので、ポールポジションが予選最速と考えてよい。また進行方向に向かって右側の場合と左側の場合があり、普通はインコース(右まわりなら進行方向に向かって右)がポールポジションとなる。インディ500は特殊で、予選の初日(ポールデイ)に最速タイムを出したドライバーがポールポジションとなる。
ポールポジション
(pole position から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/27 15:43 UTC 版)
ポールポジション(英: pole position、PP)は、モータースポーツにおいて、決勝レースのスタート位置の先頭を指す。
概要
一般的には予選で最速のラップタイムを記録したドライバーが、この位置を得る権利を持つ(ただしリバースグリッドを採用しているレースではその限りではない)。ポールポジションを獲得したドライバーは「ポールシッター」と呼ばれる[1]。
ポールポジションの語源は競馬にあるといわれている[1]。モータースポーツが盛んに行なわれるようになった1900年初頭、競馬の世界では観客席から離れた位置からのスタートでも馬番が判りやすいようゼッケン1番の馬の位置にポールを立てる習慣があった。この「1番の位置にポールを立てる」という習慣がモータースポーツに「1番前のスタート位置」として転じたのがポールポジションだとされている。
ポールポジションを獲得すると以下の様な利点がある。
- スタート形式を問わず最初のコーナーに最も近い。
- スタンディングスタートでは、前方に車両がないため加速を行いやすい。
- ローリングスタートでは、セーフティカーがピットに入る様子を誰よりも早く確認できる。
- 予選と決勝では最適なセッティングは厳密には異なるとはいえ、そのグリッドの中でかなり速いマシンという証明になる。
無論、レース展開において非常に有利なポジションであるためポールポジションを獲得したドライバー(チーム)がそのまま優勝する例は非常に多い。これをポールトゥーウィンと呼ぶ。特にレースの距離・時間が短いほど、ポールポジションのマシンが有利となる。
F1におけるポールポジション記録
フォーミュラ1 |
---|
記録は2024年終了時点。
- ポールポジション獲得者に関する注釈
-
(注1)スプリント(予選)実施GPにおけるポールポジションの取扱い
- 2021年の第10戦イギリスGP、第14戦イタリアGP、第19戦サンパウロGPでは
レース形式の「スプリント予選」が実施され、「スプリント予選」の1位をポールポジションとして記録している。
「スプリント予選」に先立ち実施された「予選1位」にはポールポジションの記録は付与されていない。 - 2022年の「スプリント」実施GPにおいては、
ポールポジションは「予選1位」に記録され、「予選1位」は「スプリント」では1番グリッドからスタートする。
決勝レースでは「スプリント1位」が1番グリッドからスタートするが、「スプリント1位」にはポールポジションの記録は付与されない。 - 2023年以降、決勝とスプリントは別のイベントとして扱われるようになった。「スプリント予選(2023年のみスプリント・シュートアウト)」は「スプリント」のスターティンググリッドを決定するセッションに変わり、「予選1位」にポールポジションの記録が付与される[2]。
- 2021年の第10戦イギリスGP、第14戦イタリアGP、第19戦サンパウロGPでは
-
(注2)予選1位のドライバーがグリッド降格ペナルティを受ける場合
- 全車のグリッド順位を割り当てた際に1位となるドライバーにポールポジションが与えられる[3]。
通算獲得数
順位 | 回数 | ドライバー |
---|---|---|
1 | 104 | |
2 | 68 | |
3 | 65 | |
4 | 57 | |
5 | 40 | |
6 | 33 | |
8 | 32 | |
9 | 30 | |
10 | 29 | |
出典: [4] |
年間獲得数
順位 | 回数 | ドライバー | 年度 |
---|---|---|---|
1 | 15 | 2011年 | |
2 | 14 | 1992年 | |
3 | 13 | 1988年, 1989年 | |
1993年 | |||
6 | 12 | 2016年 | |
2023年 | |||
8 | 11 | 1999年 | |
2001年 | |||
2014年 | |||
2015年, 2017年, 2018年 | |||
出典: [5] |
連続獲得数
順位 | 回数 | ドライバー | レース |
---|---|---|---|
1 | 8 | 1988年スペイングランプリ - 1989年アメリカグランプリ | |
2023年アブダビグランプリ - 2024年エミリア・ロマーニャグランプリ | |||
3 | 7 | 1990年スペイングランプリ - 1991年モナコグランプリ | |
1993年南アフリカグランプリ - 1993年カナダグランプリ | |||
2000年イタリアグランプリ - 2001年ブラジルグランプリ | |||
2015年モナコグランプリ - 2015年イタリアグランプリ | |||
7 | 6 | 1974年オランダグランプリ - 1974年イタリアグランプリ | |
1988年ブラジルグランプリ - 1988年デトロイトグランプリ | |||
1989年ベルギーグランプリ - 1989年オーストラリアグランプリ | |||
1992年南アフリカグランプリ - 1992年モナコグランプリ | |||
1999年イギリスグランプリ - 1999年イタリアグランプリ | |||
2015年日本グランプリ - 2015年アブダビグランプリ | |||
2016年アメリカグランプリ - 2017年中国グランプリ | |||
出典: [6] |
年をまたがない場合、1993年のアラン・プロストと2024年のマックス・フェルスタッペンの7戦連続が最多記録となる[7]。
デビュー戦で獲得
- ジュゼッペ・ファリーナ - F1最初のレース(1950年イギリスグランプリ)で記録。
- マリオ・アンドレッティ - 1968年アメリカグランプリで記録。厳密には2戦目だが、初参戦した1968年イタリアグランプリは決勝に出走しなかったため、デビュー戦と見なされる。
- カルロス・ロイテマン - 1972年アルゼンチングランプリで記録。
- ジャック・ヴィルヌーヴ - 1996年オーストラリアグランプリで記録。
(出典: [8])
デビューから遅く達成
順位 | レース数 | ドライバー | レース |
---|---|---|---|
1 | 216 | 2022年サウジアラビアグランプリ | |
2 | 151 | 2022年イギリスグランプリ | |
3 | 141 | 2022年サンパウログランプリ | |
4 | 131 | 2009年ドイツグランプリ | |
5 | 119 | 2004年モナコグランプリ | |
6 | 115 | 1990年ハンガリーグランプリ | |
7 | 111 | 2012年中国グランプリ | |
8 | 94 | 1997年ルクセンブルクグランプリ | |
2016年モナコグランプリ | |||
10 | 93 | 2019年ハンガリーグランプリ | |
出典: [8] |
- * 唯一のポールポジション
最年少記録
順位 | 年齢 | ドライバー | レース |
---|---|---|---|
1 | 21歳73日 | 2008年イタリアグランプリ | |
2 | 21歳166日 | 2019年バーレーングランプリ | |
3 | 21歳237日 | 2003年マレーシアグランプリ | |
4 | 21歳308日 | 2019年ハンガリーグランプリ | |
5 | 21歳317日 | 2021年ロシアグランプリ | |
6 | 22歳17日 | 2020年トルコグランプリ | |
7 | 22歳97日 | 1994年ベルギーグランプリ | |
8 | 22歳154日 | 2007年カナダグランプリ | |
9 | 22歳308日 | 1982年アメリカ西グランプリ | |
10 | 23歳80日 | 2010年ブラジルグランプリ | |
出典: [10] |
- * 唯一のポールポジション
最年長記録
順位 | 年齢 | ドライバー | レース |
---|---|---|---|
1 | 47歳79日 | 1954年アルゼンチングランプリ | |
2 | 46歳209日 | 1958年アルゼンチングランプリ | |
3 | 44歳17日 | 1970年スペイングランプリ | |
4 | 42歳196日 | 1982年イタリアグランプリ | |
5 | 41歳97日 | 1994年オーストラリアグランプリ | |
6 | 39歳188日 | 1981年シーザーズ・パレスグランプリ | |
7 | 39歳156日 | 1968年イギリスグランプリ | |
8 | 38歳320日 | 2018年イタリアグランプリ | |
9 | 38歳242日 | 1993年日本グランプリ | |
10 | 38歳197日 | 2023年ハンガリーグランプリ | |
出典: [10] |
MOTOGPにおけるポールポジション記録
(2020年終了時点)
通算獲得数
順位 | ライダー | 回数 |
---|---|---|
1 | 90 | |
2 | 69 | |
3 | 65 | |
4 | 58 | |
5 | 56 | |
6 | 49 | |
7 | 43 | |
8 | 42 | |
9 | 41 | |
10 | 35 |
脚注
- ^ a b “ポールポジション”. portf.co (2018年9月29日). 2018年11月7日閲覧。
- ^ “F1スプリントの新フォーマットが決定。新予選『スプリント・シュートアウト』が導入、決勝から独立したイベントに”. autosport web (2023年4月26日). 2025年1月2日閲覧。
- ^ “これさえ読めばF1グリッド計算で迷わない!ペナルティ適応方法を含む改定ルールを徹底解説”. Formula1-Data (2022年10月21日). 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Statistics Drivers - Pole positions - By number” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Statistics Drivers - Pole positions - In a year” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Statistics Drivers - Pole positions - Consecutively” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Statistics Drivers - Pole positions - Consecutively in early season” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ a b “Statistics Drivers - Pole positions - Grand Prix before” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ 獲得時点でF1通算100人目のポールシッターとなった
- ^ a b “Statistics Drivers - Pole positions - By age” (英語). STATS F1. 2025年1月2日閲覧。
- ^ “Statistics”. MotoGP.com 2018年12月17日閲覧。
関連項目
ポールポジション (曖昧さ回避)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/27 15:56 UTC 版)
ポールポジション(Pole Position)
- ポールポジション - モータースポーツにおいて、決勝レースのスタート位置の先頭を指す。
- ポールポジション (ゲーム) - ナムコのレースゲーム。
- ポール・ポジション (アニメ) - 上記のゲームを原作とするテレビアニメ。
- ポール・ポジション (映画) - 1978年に製作された、マリオ・モッラ監督のF1ドキュメンタリー映画。
- ポールポジション!愛しき人へ… - かつて日本テレビで放送された加勢大周主演のテレビドラマ。
- F1ポールポジション - 1989年より1994年までフジテレビで放送されたF1情報番組。
- ポールポジション (1994年のパチンコ機)
- 今井美樹の楽曲。
関連項目
「pole position」の例文・使い方・用例・文例
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