貧困削減戦略ペーパー
貧困削減戦略ペーパーによるアプローチは、1999年に国際通貨基金(IMF)と世界銀行によって始められ、貧困削減のための包括的な国別の戦略となっている。その国の政策と援助機関のサポートを効果的に結び付けることにより、1990年から2015年の間に貧困を半減させるという国連ミレニアム開発目標(MDGs)の達成を目指している。
貧困削減戦略ペーパーは、メンバーとなっている低所得国の政府により、国内のステイクホルダー及びIMFや国連といった外部の開発パートナーらによる参加プロセスを経た上で準備される。貧困削減戦略ペーパーは3年ごとに更新され、毎年のプログレスレポートには、経済成長や貧困削減につながるマクロ経済的、構造的、社会的な政策および外部資金の必要性や主な財源等が含まれる。
5つのコア原則が貧困削減戦略ペーパーの基礎となっている。
1.国家主導—市民社会が広範囲に渡り参加することで国家主導の戦略を促す。
2.結果重視—貧困層の人々に利益をもたらす。
3.包括的なアプローチ—貧困の様々な側面を認識して取り組む。
4.パートナーシップ—政府、国内のステークホルダー、外部ドナーといった開発パートナーがきちんとコーディネートされて参加する。
5.長期的な視点に基づいて貧困削減を行う。
貧困削減戦略ペーパーによるアプローチは多くの国々ですでに確立されており、国の主体性が増し、政策議論の場で貧困削減が取り上げられる機会も増え、オープンな対話がしやすくなるといった進展がこれまでに得られている。(モアザム アリ)
参考:http://www.imf.org/external/np/exr/facts/prsp.htm
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