浸食
エロージョン、コロージョンともいい、流体やその内部に発生した蒸気泡、流体に含まれる固体粒子などが、機械装置を構成する材料の表面に高速でかつ連続的に衝突することによって材料表面に生ずる損傷をいう。それら損傷には一般的に、断続的な圧力差の発生による塑性変形、掘り起こし、亀裂、切削状損傷、剥離などがあり、これらは機械的損傷に近いものからきわめて腐食そのものに近いものまで存在する。流体が高速で流動するエンジン冷却系のウオーターポンプや、高温となるシリンダーヘッドなどでしばしば問題となる。浸食を防止するためには、耐摩耗性、耐食性を含めた総合的な耐エロージョン性を考慮した適正材料を選定することが重要である。
腐食
金属材料が使用環境のなかで化学的、電気的にその表面から浸食され、金属でない物質に変化していくことをいう。腐食はその環境により乾食と湿食に大別され、乾食は金属が高温の気体と接触して起こり、酸化物、窒化物、硫化物などに変化する。湿食には水溶液によるものと非水溶液によるものがあるが、単に腐食というときは水溶液腐食を指すことが多い。水溶液腐食は金属と水溶液の界面での電気化学的反応により、一種の電池が形成されて進行し、電触ともいわれている。大気中の腐食は水蒸気中のイオン成分が主要因であるので、湿食として扱われる。
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