慰霊碑
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慰霊碑(いれいひ、英語:cenotaph)とは、事故や戦争、災害などで亡くなった人や動物の霊を慰めるために建立された石碑[1][2][3]。鎮魂碑(ちんこんひ)などともいう[4]。
霊を慰めるためや、二度とそのようなことがないように戒めることや、警告といった意味をもち、それに沿った文言が碑文として刻まれる[5][6]。死者発生の原因が災害である場合は、災害記念碑を兼ねることもある[7]。
高さがあり、慰霊の碑文が刻まれないものは霊を慰める塔として慰霊塔(いれいとう)と呼ばれる[8]。いずれも古から碑としての材料は石が使われたが、コンクリートや金属などが石に代わる材料として用いられることもある[9]。
日本の例
日本国内では、原爆のために建立された原爆死没者慰霊碑が有名[10]。「大東亜聖戦大碑」など大東亜戦争のために建立された慰霊碑も多い[11]。
- 太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔
- 若人の広場 - 戦没学生のための慰霊塔「永遠のともしび」が設置されている[12]。
- 東池袋中央公園 - 極東国際軍事裁判の判決結果で、巣鴨拘置所で処刑されたA級戦犯を偲ぶ慰霊碑「永久平和を願って」を有田正憲が設置[13]。
- 丸山公園 (安芸高田市)
- 戦没船員の碑 - 第二次世界大戦で亡くなった約6万人の民間船員を悼むもの[14]。
- 鎮魂の碑 (日本プロ野球)、戦没野球人モニュメント[15]
- 東日本大震災慰霊碑【宮城県・名取市】[16]
- 御巣鷹の尾根 - 日本航空123便墜落事故[17]
インド・インパール近郊のロトパチン村にインパール作戦の慰霊碑が1994年に建立されている[18]。
慰霊碑の老朽化に加え、遺族会の高齢化に伴い維持管理が困難になる問題が浮上している[19]。経年劣化が激しい碑を撤去し、代替のモニュメントを整備する動きもみられる[20]。
世界の慰霊碑の例
慰霊碑や慰霊塔の建立は世界各地で行われている。
- ロンドンのホワイトホールにあるザ・セノタフ。(The Cenotaph:固有名詞。必ず、The(the)を付して、頭字は大文字Cを使う。)
- シベリア抑留者現地慰霊碑
- 第二次世界大戦記念碑
- 朝鮮戦争戦没者慰霊碑
- ベトナム戦争戦没者慰霊碑
- ニーダーザクセンシュタイン - ドイツにある戦没者慰霊碑
- 英雄碑 - インド各地にある紀元前3世紀から18世紀にかけて戦争で亡くなった者たちの碑
- スポメニック - 旧ユーゴスラビア諸国に点在している第二次世界大戦の戦没者や民族浄化の犠牲者の碑
動物
医歯薬系大学、動物園、水族館の多くには「実験動物慰霊碑」、「虫塚」がある。年に一度、慰霊祭が行われ、職員や研究者が集まり感謝と哀悼の祈りをささげる[21]。動物園で、慰霊祭を執り行ったのは、1930年の上野動物園が最初である[21]。
戦争のために亡くなった動物、特に軍馬軍犬のための慰霊碑もある[22]。
脚注
注釈
出典
- ^ 『読売新聞』2026年1月27日 全国版 東京朝刊 3社29頁「身を挺した行動に献花 新大久保駅 韓国留学生死亡25年」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2026年2月11日 朝刊 愛媛全県・1地方21頁「25年、悲しみ消え去らない えひめ丸事故、犠牲の9人追悼 /愛媛県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『毎日新聞』2026年2月17日 地方版/北海道 19頁「豊浜トンネル崩落事故:消えぬ恐怖「昨日のよう」 豊浜トンネル崩落事故30年 1本の動画 /北海道」(毎日新聞北海道支社)
- ^ 『朝日新聞』2025年8月16日 朝刊 大分全県・1地方25頁「(戦後80年)空に浮かぶ300個 宇佐「平和のともしび」 /大分県」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『読売新聞』2014年4月7日 大阪 大阪朝刊 河内27頁「O157禍 忘れない 堺で慰霊碑完成式典=大阪」(読売新聞大阪本社)
- ^ 『朝日新聞』2025年3月11日 朝刊 山形全県・1地方23頁「震災から14年、仲間の名刻み 町役場で慰霊碑除幕式 宮城・南三陸 /山形県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2017年6月4日 朝刊 長崎・1地方29頁「大火砕流「今でも忘れられぬ」 島原で追悼行事 雲仙・普賢岳災害から26年/長崎県」(朝日新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2025年7月19日 朝刊 埼玉全県・1地方31頁「(戦後80年)「戦争のむごさ、伝えないと」 杉戸で慰霊塔参拝式 /埼玉県」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2025年11月6日 長崎 西部朝刊 二長崎20頁「戦後80年 対馬 戦没者悼む12の碑 「存在知り平和学ぶ場に」=長崎」(読売新聞西部本社)
- ^ 『朝日新聞』2025年8月7日 朝刊 広島全県・1地方21頁「父の足跡、代わりに伝える 遺品の被爆者手帳・伯父の手記で知った体験 原爆の日 /広島県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『読売新聞』2001年5月30日 石川 東京朝刊 石川36頁「「県立本多の森公園」一部土地、石川護国神社に返還へ 県方針固める=石川」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2010年8月16日 朝刊 淡路・1地方17頁「戦没学徒しのぶ 若人の広場で誓い 南あわじ /兵庫県」(朝日新聞大阪本社)
- ^ 『毎日新聞』2014年2月9日 地方版/東京 22頁「ミラクル・サイクル・ライフ:悲しい歴史巡るポタリング /東京」(毎日新聞東京本社)
- ^ 『読売新聞』2015年6月11日 全国版 東京朝刊 2社34頁「戦没船員へ鎮魂の祈り 横須賀で追悼式 両陛下が献花」(読売新聞東京本社)
- ^ 『朝日新聞』2015年7月17日 夕刊 スポーツ1 9頁「「野球できる幸せを出す」 オールスター前、嶋ら戦没碑に献花」(朝日新聞東京本社)
- ^ 『毎日新聞』2017年3月12日 地方版/宮城 21頁「東日本大震災6年:愛する故郷 鎮魂の祈り /宮城」(毎日新聞東京本社)
- ^ 『毎日新聞』2025年8月13日 地方版/群馬 19頁「日航機墜落:日航ジャンボ機墜落40年 広く伝え、記憶伝承へ 安全願う「聖地」に /群馬」(毎日新聞東京本社)
- ^ 『毎日新聞』2025年8月17日 東京朝刊 総合面6頁「戦後80年:英国王、原爆犠牲者「もう二度と」 メッセージで言及」(毎日新聞東京本社)
- ^ 『毎日新聞』2024年8月16日 地方版/愛知 20頁「熱田空襲:熱田空襲の記憶つなぐ「お地蔵さん」 撤去か存続か 住民ら突然の計画に「待った」 /愛知」(毎日新聞中部本社)
- ^ 『読売新聞』2023年8月22日 全国版 東京朝刊 三面3頁「[社説]戦没者慰霊碑 行政が関与して風化防ぎたい」(読売新聞東京本社)
- ^ a b 吉川 寛、堀 寛 「研究をささえるモデル生物―実験室いきものガイド」 出版社:化学同人、2009/9/1 p.257
- ^ 『毎日新聞』2015年1月8日 地方版/長崎 20頁「企画展:「戦争に使われた馬たち」祭る慰霊碑、写真で紹介--ナガサキピースミュージアム /長崎」(毎日新聞西部本社)
関連項目
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