クリトリス
「クリトリス」とは、女性器の外陰部(小陰唇の前部)に位置する突起状の器官であり、性交や自慰行為において女性の性感帯として主に弄られる部位である。その大部分は陰核包皮に包まれ、隠れている。性的興奮などに応じて肥大(勃起)し固くなる。摩擦や振動などの刺激に鋭敏であり、女性の身体の中でも最も性的快感を感じやすい部位のひとつとされる。その大きさや感じやすさには個人差がある。陰唇のように外目にそれとわかるほど顕著な個性は生じにくい。
クリトリスは男性の陰茎に相当する器官であり、陰茎と同様、亀頭(陰核亀頭)や海綿体組織からなる。平時は包皮(クリトリス包皮)に包まれている。クリトリス全体に陰核包皮が覆い被さっていて露出しない状態を「クリトリス包茎」という。
男性の陰茎は排尿および射精のための器官という側面をもつが、女性のクリトリスにはそうした生理生殖の役割を特に持たない。つまり女性のクリトリスの存在には確たる意味や意義が見出しにくい。事実上、クリトリスは純粋な性感帯として機能しているとみなされている。
クリトリスは和名(日本語名)では「陰核」または「陰梃」という。参考画像はない。
英語の clitoris(クリトリス)はラテン語に由来する単語であるが、元を辿ると ギリシア語の kleitoris が語源とされる。確実視されてこそいないが、そもそもは「封じる」「さやに納める」といった意味の語だったという。
アフリカ圏には「女子割礼」という習わしがある。少女のクリトリスや陰唇を切除するという儀式である。女子の通過儀礼として紀元前から行われてきたとされ、現代もなおアフリカの特に赤道付近の国や地域では女子割礼が多く行われているとされる。
クリトリス【clitoris】
陰核
(clitoris から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/01/26 22:27 UTC 版)
|
この記事には性的な表現や記述が含まれます。
|
|
|
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 (2015年7月)
|
|
|
この記事は英語版の対応するページを翻訳することにより充実させることができます。(2025年9月)
翻訳前に重要な指示を読むには右にある[表示]をクリックしてください。
|
陰核(いんかく、英: Clitoris)は、哺乳類における雌(女性)の外性器の一部である。解剖学的には体内に広がる海綿体組織(陰核体、陰核脚など)が本体であるが、一般的には体外に露出し、外部から確認できる陰核亀頭部を指すことが多い。陰梃(いんてい)とも呼ばれる[注釈 1]。発生学的には男性における陰茎に相当する。男性の生殖器と同様に充血して膨張し、硬さが出てくる(陰核の勃起)[1][信頼性の低い医学の情報源?]。陰核亀頭部に刺激が与えられると性的興奮を感じる。英語のクリトリスは、ギリシア語におけるクレイトリス(κλειτορίς, kleitoris)に由来し、鍵またはネジのような封じるものを意味するクレイス(κλείς)を語源とする。
| 陰核 | |
|---|---|
|
この図(桃色の部分)は、陰核の全体像(陰核体、陰核脚、陰核亀頭、陰核前庭球)を示している。一般に「陰核」と呼ばれるのは、このうち体外に露出し、画像上部の明るい点で示される陰核亀頭の部分であることが多いが、解剖学的には大部分が体内に存在する。
|
|
|
陰核の外観
|
構造
女性器の上部にある器官である。従来の教科書などでは体外に露出した陰核亀頭のみが小さく描かれることが多かったが、近年のMRIを用いた研究などにより、陰核が複数のコンポーネントから構成される、広範で立体的な(多平面的な)器官であるとする見解が提唱されている[2]。
伝統的な解剖学では、陰核は体外に露出する陰核亀頭(Glans clitoris)、その内部に続く陰核体(Corpora cavernosa)、そして陰核体が恥骨弓に付着する一対の陰核脚(Crura)から構成されるとされる。
一方、O'Connellらが提唱する広義のモデルでは、これらに加え、膣口を囲むように存在する一対の前庭球(Vestibular bulbs)も「陰核球 (Clitoral bulbs)」として陰核の構成要素に含めている[2]。 しかし、この拡張された定義や「陰核球」という用語には解剖学的な正確性(特に発生学的な起源)について異論も存在する。Vincenzo Puppoらは、前庭球は陰核とは発生学的に異なり、解剖学的に別の器官であること、また陰核と膣には直接的な解剖学的関係はないと主張し、O'Connellらが提唱する「陰核-尿道-膣 複合体 (clitoris-urethrovaginal complex)」という概念を批判している[3]。
O'Connellらのモデルによれば、陰核体(陰核脚)と前庭球(陰核球)が勃起性の海綿体組織であり[2]、陰核は尿道や膣と解剖学的に密接に付着しているとされる[2]。
- 大きさ
- 成人女性では、陰核体の上端から陰核亀頭先端までの長さは通常3 - 5cmほどであるが個人差が大きく、稀な例では幼小児の陰茎ほどにもなる[要出典医学]。陰核体から左右の陰唇内部に続く海綿体組織である陰核脚も陰核の一部であり、陰核全体としては10cm前後の大きさを持つ生殖器官である。
- 亀頭部
- 陰核亀頭は小陰唇が合わさるところにあり、陰核の構成要素のうち唯一、体外に露出している部分である[2]。
- 性的感覚を伝達する神経終末が極めて高密度に分布しており、その神経幹は乳児期においても直径2mm以上あり、ほぼそのまま亀頭に到達する[2]。神経終末の総数は8000本を超えるとする研究報告もあり、人体において最も敏感な部位の一つとされる。
- O'Connellらの研究によれば、陰核亀頭の組織自体は、陰核体や前庭球とは異なり、勃起性組織(erectile tissue)ではない(non-erectile)と定義される[2]。
- 亀頭部の色はピンクから暗褐色まで様々であり、性的興奮により変化する。陰核亀頭のサイズは個人差もあるが、成人女性で5 - 7mmくらいである。
- 陰茎の亀頭とは異なり尿道口は開口していないものの、尿道口の至近距離にあるため排尿の度に汚れやすい。陰核亀頭と陰核包皮の間には恥垢が溜まりやすく、不潔にすると炎症を起こすことがある。野外などトイレットペーパーのない場所でやむを得ず排尿してしまった場合はティッシュペーパーで性器を拭くことが重要である。
- 包皮
- 男性のペニスの場合と同様に、陰核亀頭が包皮に覆われ完全に露出していない状態を包茎と呼ぶ場合がある。成人女性では通常、亀頭部は包皮や陰唇によって保護されており、性交時などの場合にのみ露出する、いわゆる仮性包茎の状態であることが多い。しかし、一部の女性は陰核の露出が極めて困難な、いわゆる真性包茎の状態である場合がある。これにより性交時に痛みを感じる場合、不衛生になり炎症を起こしやすい場合、あるいは性的快感が得にくいとされる場合などには、包皮切除手術等の治療が検討されることがある[4][信頼性の低い医学の情報源?]。
- 小陰唇に繋がる部分であり、至近距離に尿道口が位置するため、排尿に伴い汚れやすく、小陰唇、尿道口、陰毛、会陰などと同様に排尿後にはトイレットペーパーで拭く必要がある[5]。
機能
陰核は存在場所とその構造上、胎内での発生過程から性的興奮を高める機能に特化した器官と考えられ、相同器官である男性のペニス(陰茎)が泌尿器および生殖器としての両方の機能があるのと大きく異なっている。陰核には泌尿器としての機能はない。 O'Connellらは、陰核が尿道や膣と解剖学的に密接に関連して一つの組織群(クラスター)を形成しており、このクラスターが女性の性的興奮やオーガズムの座(locus)であると提唱している[2]。しかしこの見解(特に陰核と膣の解剖学的関連性)については、前述の通りPuppoらに代表される反論もある[3]。男性のペニスと同様、陰核の勃起性組織も心理的あるいは直接的な刺激により充血し勃起する。
- 勃起時には、陰核の勃起性組織である陰核体(陰核脚)が充血によって膨張し、硬くなる。O'Connellらのモデルに従えば、前庭球(同モデルの「陰核球」)も同様に充血・膨張するとされる[2]。
- これに対し、陰核亀頭の組織自体は勃起性ではない(non-erectile)が、その内部にある陰核体の末端が充血・膨張することにより、結果として亀頭部も膨張し、外部から観察可能となるとO'Connellらは説明している[2]。
- オーガズム
- 陰核亀頭に物理的刺激が与えられると、性的快感を感じる。自慰による意図的な刺激はもちろん、排尿後のトイレットペーパーの使用や入浴時のシャワーの水流なども性的快感を引き起こしうる。
- 一定の性的刺激が継続すると、やがてオーガズム(性的興奮の最高潮)に達する[6][7]。
- 男性のペニス同様、睡眠時(レム睡眠)に性的興奮とは関係なく勃起することが知られている[8]。心理的な性的刺激によっても勃起する。身体的な性的刺激としては、陰核亀頭部への直接的または間接的な物理的刺激などが挙げられる。
- 肥大
- 陰核はペニス同様男性ホルモンの濃度に敏感な組織であり、多嚢胞性卵巣や副腎皮質過形成、薬物投与(アナボリックステロイドを使用した女性ボディービルダーなど)等で肥大する。
各国地域の風習
中世ヨーロッパの迷信
中世、キリスト教社会では女性の性的快楽は禁止されたとされ、貞節な女性には陰核がないと信じられていたという説がある[要出典]。1593年の魔女裁判で、裁判官(男性)は被告(女性)の陰部を詳細に観察し、陰核を見いだしてそれを「悪魔の乳首」と信じ、有罪を宣告したとも言われる[要出典]。
アフリカの切除風習
宗教的、民族的な習慣として、陰核の一部または全部を切除する行為が多くの民族に見られる。現在でもいくつかの民族においてこの習慣は残っており、女性への重大な人権侵害であるとして問題視されている。
脚注
注釈
出典
- ^ クリトリス(陰核)の勃起とは?クリトリス勃起が起こる理由 【ラブコスメ】
- ^ a b c d e f g h i j O'Connell, Helen E.; Sanjeevan, Kalavampara V.; Hutson, John M. (2005-10). “Anatomy of the clitoris”. The Journal of Urology 174 (4 Pt 1): 1189–1195. doi:10.1097/01.ju.0000173639.38898.cd. PMID 16145367.
- ^ a b Puppo, Vincenzo (2011-06-16). “Anatomy of the Clitoris: Revision and Clarifications about the Anatomical Terms for the Clitoris Proposed (without Scientific Bases) by Helen O’Connell, Emmanuele Jannini, and Odile Buisson”. ISRN Obstetrics and Gynecology 2011: 261464. doi:10.5402/2011/261464. PMID 21941661.
- ^ クリトリス包茎|かばしまクリニック
- ^ “How to Clean Your Private Parts After Urination” (英語). Healthline (2021年11月1日). 2025年12月2日閲覧。
- ^ “The Most Important Sexual Statistic” (英語). Psychology Today. 2020年12月28日閲覧。
- ^ “Le clitoris - Animated Documentary (2016) by Lori Malépart-Traversy”. YouTube. 2020年12月28日閲覧。
- ^ Robert Michels (1985). Robert Michels. ed. Psychiatry. 1. Lippincott. p. 139. ISBN 9780397506866 2013年10月14日閲覧。
関連項目
- clitorisのページへのリンク