今秋ドラフト候補 鷺宮製作所・竹丸 熱視線関係なし6回8K1失点 日本ハム・栗山CBOが絶賛
「都市対抗野球・1回戦、鷺宮製作所5-4TDK」(30日、東京ドーム)
1回戦3試合が行われ、3年ぶり出場の鷺宮製作所(東京都)がTDK(にかほ市)を下し5年ぶりの初戦突破を果たした。今秋ドラフト候補の最速150キロ左腕・竹丸和幸投手(23)が6回2安打1失点、8奪三振。日本ハム・栗山英樹CBO(64)が絶賛し、阪神も竹内球団副本部長ら11人態勢で視察するなど各球団のスカウトが熱視線を送る中で好投した。JR東日本東北(仙台市)は昨秋日本選手権Vのトヨタ自動車(豊田市)にタイブレークの末に逆転勝利。日本生命(大阪市)は延長十二回タイブレークの末、西濃運輸(大垣市)に勝利した。
初の舞台も、ネット裏からの熱視線も、どこ吹く風。竹丸は涼しい顔でアウトを重ねた。
「直球が走っていた。変化球もストライクが取れていたので、より生きました」。この日最速148キロのキレのある直球に、スライダーやチェンジアップなど多彩な変化球を織り交ぜ8三振を奪った。二回に先制ソロを浴びたものの、「打たれたモノはしょうがない」と動じない強心臓も武器。ストライク先行で6回69球、無四球という数字も左腕の魅力を物語る。
広島出身ながら、阪神ファンだった父の影響で阪神戦を見て育ち自然と野球の道へ進んだという。大学では主に抑えだったが、社会人2年目の今季は先発として飛躍。オフの投げ込みや、チーム方針で昨冬から本格的に取り組むウエートの成果もあり制球力、出力ともに向上。視察した日本ハム・栗山CBOは「非常に高いレベルでいろんなことができる。相手を見ながら勝つためにトータル的に投球をイメージできている」と絶賛した。
「応援していただいているので、結果を残さないと」と竹丸。黄色いグッズで彩られた大応援団を背に、淡々とマウンドに立ち続ける。
◆竹丸 和幸(たけまる・かずゆき)2002年2月26日、23歳。広島県広島市出身。179センチ、76キロ。左投げ左打ち。矢賀小2年時から温品ヤングウルフで野球を始め、二葉中では軟式の広島スターズに所属。崇徳では2年秋にベンチ入り。城西大では2年春に2部リーグでデビューし、4年秋に1部昇格。50メートル走6秒2。