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解説・コラム - 日本ファクトチェックセンター (JFC)
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解説・コラム

自民党総裁選とファクトチェック 討論会発言はほぼ「正確」、話題のシカと外国人不起訴は【解説】

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自民党総裁選とファクトチェック 討論会発言はほぼ「正確」、話題のシカと外国人不起訴は【解説】

自民党総裁選(9月22日告示・10月4日開票)をめぐって、候補者の発言やネット上の誤情報を検証した記事がいくつか出ています。しかし、ファクトチェック団体だけでなく、全国の新聞社も積極的に検証記事を出した参院選と比べると少なめです。候補者討論会のAIによる分析も加えて、自民党総裁選をめぐる誤情報やファクトチェックの状況を解説します。 AIで分析すると候補者発言の多くは「正確」 日本ファクトチェックセンター(JFC)では自民党総裁選の中で、9月22日の「立会演説会」、9月23日の「自民党青年局・女性局主催公開討論会」、9月24日の「日本記者クラブ主催公開討論会」をGoogleのAIツール「NotebookLM」で分析しました。討論のデータは、NHKの全文文字起こしやYouTube上のノーカット動画などを活用しました。 NotebookLMに「各候補者の発言のうち、客観的・科学的に発言内容の真偽や信頼性を検証できそうな箇所を抜き出し、判定結果の予想も出して」と指示をしました。その結果、検証候補として示されたのは、各候補者が言及した数字や引用の真偽に関する箇所がほと

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「正確」判定の記事が少ないのはなぜ?【ファクトチェックの舞台裏】

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「正確」判定の記事が少ないのはなぜ?【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)への批判の中に「『正確』と判定する記事がほとんどない」「誤りを指摘するばかり」というものがあります。実際に、JFCが配信しているファクトチェック記事の判定の多くは「不正確」や「誤り」で、「正確」や「ほぼ正確」という記事は、ごくわずかです。 今回のコラムでは、「正確」「ほぼ正確」という判定が少ない理由を、過去の記事を紹介しながら説明します。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落があるかミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている 静岡の水害の画像? →正確

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
世界のファクトチェックの苦境と増す重要性 「言論の自由の武器化」に対し、資金源・AI・規制の議論は

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世界のファクトチェックの苦境と増す重要性 「言論の自由の武器化」に対し、資金源・AI・規制の議論は

世界中のファクトチェッカーが集まり、偽・誤情報対策やファクトチェックの課題について議論する「GlobalFact」が今年も6月に開催され、日本ファクトチェックセンター(JFC)から編集長の私(古田)が参加しました。情報環境がより深刻になる中で、世界は今、この問題をどのように捉えているのか、解説します。 GF参加者の減少が示すファクトチェックの苦境 今年で12回目となるGlobalFact 12(GF12)は6月25-27日の3日間、ブラジルで開かれました。コロナ禍を経て2022年以降に開催されたGFがいずれも500人を超えたのに対し、今年は会場の参加者が300人ほどにとどまりました。 その理由は明白です。Metaがファクトチェック団体との協力プログラムを中止し、また、東欧やアフリカや南アメリカのファクトチェック団体を支援していたアメリカ国際開発庁(USAID)が活動停止したことに代表されるように、ファクトチェック業界への経済的な支援が急激に減る傾向にあり、各団体ともに人を派遣する体力がなくなっているからです。 GF12を主催する国際ファクトチェックネットワ

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「誤り」と言える理由は 何を根拠に判定しているのか  【ファクトチェックの舞台裏】

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「誤り」と言える理由は 何を根拠に判定しているのか 【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、判定を「根拠不明」「不正確」「誤り」で迷って、「誤り」にした事例を紹介します。「事実なんて見方によって変わるでしょ」という批判も受けますが、なぜ、明確に「誤り」と言えるのか。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが、重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落がある、またはミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている (JFCのサイトより) 過去の映像の使い回し →「誤り」 2025年7月、ロシアのカムチャツカ半島沖で地震が発生した際に、「日本の津波だ」

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
全部ウソじゃない。でも正しくもない──「不正確」と判定した事例【ファクトチェックの舞台裏】

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全部ウソじゃない。でも正しくもない──「不正確」と判定した事例【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、判定を「根拠不明」「不正確」「誤り」で迷って、「不正確」にした事例を紹介します。「誤り」と「不正確」の境は何か。 JFCの判定基準 JFCはファクトチェックの透明性を高めるために、判定基準を公開しています。「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階。それぞれの基準は以下のとおりです。 正確:誤りがなく、重要な要素が欠けていない ほぼ正確:一部に誤りを含むが重要な部分を含む大部分は正しく、概ね正確 根拠不明:根拠がないか不十分であり、事実の検証ができない 不正確:一部は正しいが、重要な部分に誤りや欠落がある、またはミスリード 誤り:誤りである、または重要な要素が大きく欠けている (以上、JFC”JFCファクトチェック指針") 外国人優遇制度ではないが、大半は外国人が利用→「不正確」 拡散する情報の中には、前提は正しいけれど、

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
温暖化や水害はメガソーラーのせい? 「誤り」や「根拠不明」、さらなる調査が必要な例も

環境

温暖化や水害はメガソーラーのせい? 「誤り」や「根拠不明」、さらなる調査が必要な例も

記録的な猛暑が続く2025年夏、SNSでは「異常な温暖化の原因はメガソーラー」「熊本の水害はメガソーラーによる人災では!?」など、温暖化や水害の原因をメガソーラーだと批判する投稿が多数拡散しています。地球温暖化対策のはずのメガソーラーがなぜ、批判の対象となっているのか。本当に災害の原因になっているのか、解説します。 そもそもメガソーラーとはなにか 私たちの暮らしを支える電気には、いろいろなつくり方があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。 火力発電は、燃料さえあれば天候などに左右されずに安定供給ができ、発電所の建設コストが安いというメリットがあります。一方で、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出し、燃料を輸入に頼っているため、国際情勢や価格の影響が大きいというデメリットがあります。 風力発電は、CO2を排出せず、燃料が不要で夜間も発電できるというメリットがあります。一方で風力によって発電量が不安定になり、騒音問題などもあり設置場所に制約があります。 水力発電も、CO2を排出しません。国内に豊富な水資源があり、燃料を輸入する必要もありま

By 根津 綾子(Ayako Nezu)
「正確」か「誤り」かだけじゃない 「根拠不明」という“グレー判定”の難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

その他

「正確」か「誤り」かだけじゃない 「根拠不明」という“グレー判定”の難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。今回は、編集部でいつも悩む「判定のつけ方」。正確な情報ではないということははっきりしていても、「誤り」か「不正確」か「根拠不明」か...。最後まで悩んだ実例を紹介します。 JFCの判定は5段階 大手メディアの記事では、賛否が分かれるテーマで肯定派と否定派の意見を並べる「両論併記」がよく見られますが、ファクトチェックは客観的・科学的な根拠に基づき、その内容が事実として正しいのか誤りなのかを検証します。賛否の意見を書くものではありません。 JFCの判定は「正確」「ほぼ正確」「根拠不明」「不正確」「誤り」の5段階です。国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)に加盟している世界中のファクトチェック団体の判定基準を参考にしつつ、よりわかりやすくするため、評価を5段階に絞りました。 (JFCのサイトより) ファクトチェックでは「正確」か「誤り」かで意見が割れることはほぼありませんが、「誤り」「不正確」「根拠不明」の線引きは日常的に議論になります。 もちろん、JFCが独自の基準で判定しているた

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
「本人がそう言っている」では足りない:検証が止まる瞬間【ファクトチェックの舞台裏】

その他

「本人がそう言っている」では足りない:検証が止まる瞬間【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)がファクトチェックの舞台裏を語るコラム。第5回は、「組織の発表」や「当事者の説明」は偏っている可能性があるため、ボツになった記事を振り返ります。 立ちはだかる企業秘密→保留 2025年4月、エルメスやルイ・ヴィトンなど、ハイブランドのバッグが「実は中国産だ」と主張する動画が拡散しました。 ブランド側は「従業員の多くはフランスで働いている」「製造業者の95%がイタリアに拠点」などと公表しているため、その言葉を信じれば、拡散した動画の検証結果は「誤り」となります。 欧州のメディアやファクトチェック団体の中には、この動画を検証して「偽造品の可能性が高い」「主張は誤りだ」などと報じたところもありました。 一方で、イギリス公共放送のファクトチェックチームBBCVerifyは、ハイブランドの多くが「製造拠点を欧米諸国においていると公表している」と前置きした上で、「ハイブランド業界はサプライチェーンの透明化に対して非常に消極的で、実際のところを正確に知ることはできない。高級ブランドでも、中国で多くの製造が行われている。ただし、『最

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
選挙をめぐるファクトチェックへの批判、限界、今後【参院選ファクトチェック解説】

政治

選挙をめぐるファクトチェックへの批判、限界、今後【参院選ファクトチェック解説】

2025年参院選でファクトチェックが急増したという解説記事で、何がどう検証されているかの傾向を分析しました。課題は何か。誤情報が選挙で拡散するのを防ぐためにどんなファクトチェックが望ましいのか。解説します。 (ファクトチェック普及を推進するNPOファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)がまとめたリストをもとに検証の傾向を解説した記事はこちら) JFC"5倍に増えた日本のファクトチェック、最も誤りを指摘されたのは参政党 誰の何が検証されたのか【参院選ファクトチェック解説】" ファクトチェックへの批判 「参政党を狙い撃ち」? 実際のデータは ファクトチェックが増える中で、批判もありました。目立ったのは「参政党を狙い撃ちにしているのではないか」という声です。 上述の解説記事でも触れたデータで見ると、ファクトチェック記事の約半分に当たる89件は個別の政党に触れない検証でした。一方、検証対象になった政党で最も多かったのは参政党45件(24.7%)でした。2番目の自民党が14件(7.7%)なので、その多さは際立ちます。 日本ファクトチェックセンター(JFC)

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
海外にまたがる検証ーー当事者や公的機関に広く確認しても、突破できなかった壁とは【ファクトチェックの舞台裏】

その他

海外にまたがる検証ーー当事者や公的機関に広く確認しても、突破できなかった壁とは【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が検証作業の舞台裏を語るコラム。第4回は、取材先が国内外にまたがり、検証が難しかった事例を紹介します。どうやって公開にこぎつけたのか、なぜ記事に出来なかったのかを振り返ります。 大使館から学校まで個別に当たって記事に 2023年4月、「朝鮮学校に通う子どもは将来アメリカに留学できなくなる」という投稿が拡散しました。 JFC ”朝鮮学校に通う子どもは将来アメリカに留学できなくなる?【ファクトチェック” JFCは、米国大使館や米国務省に投稿の真偽を聞き、法律や制度も含めて取材しましたが、はっきりとした回答は得られませんでした。そこで、北朝鮮の団体や学校関係者にも取材したところ、神奈川朝鮮中高級学校では、過去10年間に少なくとも4人が米国に留学していることがわかりました。 「アメリカに留学できなくなる」という投稿を「誤り」と判定することも検討しましたが、学校が取材に対して「理由の詳細はわからないが、ビザが下りなかったケースもある」とも説明したため、「不正確」と判定しました。 検証をする時、公的機関などへ取材するだけではわ

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
5倍に増えた日本のファクトチェック、最も誤りを指摘されたのは参政党 誰の何が検証されたのか【参院選ファクトチェック解説】

政治

5倍に増えた日本のファクトチェック、最も誤りを指摘されたのは参政党 誰の何が検証されたのか【参院選ファクトチェック解説】

2025年参院選は日本の新聞社やテレビ局が初めて本格的にファクトチェックに取り組む画期的な選挙となりました。同時に、それだけ誤情報が蔓延していた選挙だったと言えます。誰のどのような発信が検証されたのか、分析しました。 ファクトチェックは2024年衆院選から5倍に ファクトチェックの普及に取り組むNPO「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」が、2025年参院選に関する新聞社やテレビ局やファクトチェック団体などの検証記事を一覧にした「参院選2025ファクトチェック」で見ていきます。 参院選の期間中(7月3-20日)に183の記事がリストに載りました(2025年7月24日現在)。昨年の衆院選で日本ファクトチェックセンター(JFC)が確認できたファクトチェック記事は34(うちJFCが28)で、5倍超に急増したことになります。 これは2024年の兵庫県知事選を受けて、各社が誤情報対策に力を入れた証です。各社がどうファクトチェックを始めたかについては、解説を書いています。 JFC. “「ファクトチェック後進国」日本に変化の兆し 兵庫県知事選きっかけに全国の新

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
誤情報対策はファクトチェックだけじゃない 信頼性の高い役立つサイト集【#参院選ファクトチェック解説】

政治

誤情報対策はファクトチェックだけじゃない 信頼性の高い役立つサイト集【#参院選ファクトチェック解説】

誤情報対策は、ファクトチェックに限りません。重要なのは、正確で信頼性の高い情報に基づいて判断することです。2025年参院選の投開票日が7月20日に迫る中、誰に投票するかを決めるために役立つ、信頼性の高い情報を提供しているサイトを紹介します。 日本最大の選挙・政治の情報サイト 日本最大の選挙・政治の情報サイトとして知られる選挙ドットコムには、日本のあらゆる選挙や政治家の情報がまとまっています。 候補者一覧の自分の選挙区を選ぶと、候補者のプロフィールや活動記録、動画や政策アンケートの回答などをまとめて確認できます。 選挙ドットコム”第27回 参議院議員通常選挙” https://sangiin.go2senkyo.com/2025 ノーカット演説動画と文字起こし NHKは今回、非常に意欲的な選挙報道に取り組んでいます。その一つが、全候補者を候補者一人ひとりの演説をほぼノーカットで公開し、文字起こしも掲載するという試みです。ほとんどの候補を網羅し、各選挙区のページから探せます。 これまでの選挙報道は、番組の尺や紙面の大きさの制約から、候補者の演説の一部を

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
参院選の動画、視聴上位は独立系YouTuberばかりでテレビ系は1割切る 自民に批判・参政は礼賛【#参院選ファクトチェック解説】

政治

参院選の動画、視聴上位は独立系YouTuberばかりでテレビ系は1割切る 自民に批判・参政は礼賛【#参院選ファクトチェック解説】

参院選をめぐって、大量の動画がソーシャルメディアで視聴されています。そのほとんどは政党や候補者ではなく第三者が投稿したもので、根拠のない主張や文脈を無視した発言の切り抜きなど信頼できないものが多くみられます。YouTubeやTikTokには、似たような動画をお勧めする機能があるため、知らないうちに偏ってしまいがち。ファクトチェックの視点から傾向や注意点を解説します。 再生数の92.4%は第三者の投稿動画 選挙・政治の情報サイト「選挙ドットコム」が2025年参院選に関して配信された動画の再生状況を調査しました。7月3-9日に配信され、候補者名や政策・争点などをキーワードにしたYouTube動画について分析したもので、合計再生数は通常動画・ショート動画で計3億9600万回に及んだといいます(選挙ドットコムの独自調査で、すべてを網羅できているとは限りません)。 そのうち、92.4%(3億6500万回)が、政党や候補者ではない第三者が投稿した動画でした。一方、政党による動画は5%(1980万回)、 候補者による動画は2.6%(1033万回)にとどまりました。 第

By 古田大輔(Daisuke Furuta)
「国籍」を検証する難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

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「国籍」を検証する難しさ【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)が様々な話題について検証する中で、毎回手こずるのが「決定的な証拠は本人しか出せない」という事例です。本人に聞くしかないけれど、本当のことを言うとは限らない。第3回は、当事者にしかわからない「国籍」について、検証できた例と、掲載を見送った例を紹介します。 国籍に関わる偽・誤情報 検証対象としてよく挙がるテーマの一つに、「国籍」に関する偽情報や誤情報があります。 たとえば、著名人について「〇〇人だ」とする投稿や、「〇〇の土地が△△人に買い占められた」「事件の犯人は〇〇人だった」といったものです。こうした投稿の中には、外国人への偏見や差別をあおるような内容も少なくありません。 こうした情報を検証するのは簡単ではありません。一般人の国籍を確認するには、極端に言えば、本人から戸籍謄本などの公式な書類を見せてもらわない限り、はっきりとわからないからです。また、「〇〇を買い占めた」というような情報も、信頼性の高いデータの入手が困難です。 ビザの画像が裏付けに 有田氏“北朝鮮籍”説の真偽を検証 まずは検証できた事例です。2024

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
検証か見送りか、あいまいな投稿の判断【ファクトチェックの舞台裏】

その他

検証か見送りか、あいまいな投稿の判断【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)は、これまでに700本を越えるファクトチェック記事を公開してきました。その裏には、公開に至らなかった原稿や出せなかった素材も多くあります。そうした「記事未満」の中にも、私たちの迷いや判断が詰まっています。 このコラムでは、「どう検証したか」「どこで迷ったか」といった舞台裏をわかりやすくお伝えします。情報を見極めるヒントになれば幸いです。 今回は第1回に続き、「あいまいな投稿をどのように検証しているか」をテーマに、掲載を見送った事例も交えてご紹介します。 トランプ氏の「におわせ」発言→「誤り」 2024年12月、トランプ氏が米大統領に就任する前に出演したテレビ番組で、ワクチン接種が自閉症の増加につながったかのような発言をしました。 JFC” ワクチンで自閉症の発生率が増加?トランプ氏が過去の誤情報を再び拡散【ファクトチェック】” トランプ氏は番組で、子どもへのワクチン接種に関して「25年前は自閉症の発生率が10万人に1人ほどだったのが、今では100人に1人近くに増えた」と話しました。明確には言い切っていませんが、文脈からワク

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)
写真に一言「気持ち悪すぎだろ」と書くだけで拡散する偽・誤情報 何をどう検証したのか【ファクトチェックの舞台裏】

その他

写真に一言「気持ち悪すぎだろ」と書くだけで拡散する偽・誤情報 何をどう検証したのか【ファクトチェックの舞台裏】

日本ファクトチェックセンター(JFC)は設立から2年半あまり、700本を超えるファクトチェック記事を公開してきました。一方で、検証を進めたものの、記事として公開に至らなかったものも数百本あります。日本でもファクトチェックに取り組む組織や個人が増えつつあります。そうした流れの中で、私たちは検証の舞台裏や、判断が難しいケース、世界で行われている新たな手法などを紹介するコラムを始めることにしました。 各コラムでは「どう検証したか」「どこで迷ったか」「どんな工夫をしたか」「なぜ掲載を見送ったか」など、編集の舞台裏を紹介します。現場の悩みも交えながら、やわらかくお伝えできればと思います。情報を見極めるヒントになれば幸いです。 第1回は、投稿の内容があいまいな場合、どのように検証対象とするかについて書きます。 曖昧な言葉と闘うファクトチェックの裏側 たとえば、「また、ワクチンで医師と看護師が1か月で〇〇人死亡。危険」という投稿があったとします。これは新型コロナワクチンの危険性を訴えているようにも読めますが、「新型コロナ」という言葉自体は使われていないため、具体的に何を

By 藤森かもめ(Kamome Fujimori)